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新人魔女の魔力暴発計画(7)

 悪くない案のように思えるが、しかし、国王陛下の前で何度も薬を服用することになるのはいかがなものかとも思う。


 属性魔力の一時的な増幅薬の作成については大いに興味があるが、今回は使えそうもない。となると、やはり作るべきは道具だろう。どんな道具にするべきか。謁見の時に身につけていてもおかしくない物でなくてはいけない。そうなると、装飾品の類いだろうか。リッカは腕組みをしたまま考えを巡らせる。


(国王陛下の前で付けていても怪しまれない魔道具……)


 リッカは、頭の中で様々な装飾品を思い浮かべる。髪飾りか、イヤリングか。指輪や腕輪も悪くはない。ティアラやベールは流石に場違いか。


 謁見当日は正装なのでマントを身につける。いっそのことマントに魔術を施すというのはどうだろう。そう考えてから頭を振る。そんなものはきっと大掛かりになる。時間がない今は、もっと簡単に作れる魔道具でなければ。リッカは考えあぐねて顔を上げた。


 不意に視界の端にフェンが戦っている姿が映る。そうだ。時間がないのだ。フェンに作った補助具くらい簡単に作れる物でなくてはいけない。そう思ったリッカの脳裏には、しばらくしてぼんやりとしたイメージが浮かぶ。フェンとお揃いの形のチョーカーはどうだろう。チャーム部分に各属性魔力を含んだ水晶をはめ込み、その水晶から一気に魔力を解放する。急激に解放された魔力はオーラのように体外へ溢れ出るはず。


 そう考えた時、リッカの頭の中にパッとイメージが閃いた。これなら出来るかもしれない。


 リッカは慌てて鞄の置いてある場所まで戻ると、鞄の中から紙とペンを取り出して、サラサラとイメージを書き綴っていく。リッカの中で考えがまとまったようだ。リッカは早速魔道具づくりに取り掛かった。


 まずはフェンの補助具を作った時のように各属性魔力を持つ水晶作りからだ。属性素材と水晶を練り合わせ属性を宿す石を作る。手持ちの素材は揃っているので、五大属性の石は難なく作ることができた。


 問題は、光と闇の二極属性を宿した素材だ。あまりこの二つの属性を宿している素材は多くない。リッカは頭を悩ませる。いたずらに時間だけが過ぎてゆく。


 リッカはとりあえず先にチャーム本体となるシュラムの木を加工することにした。シュラムの木片を水桶につけて加工の準備を進める。


 必要な素材が揃っていないとはいえ、一応の方向性が固まったことで、リッカはようやく一息つくことが出来た。

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