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新人魔女は、のんびり森で暮らしたい!  作者: 田古 みゆう


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新人魔女の魔力暴発計画(6)

 リッカはそう言いながら辺りをキョロキョロと見回し、手頃な水晶を見つけると、それを拾って両手でキュッと包み込む。しばらくしてリッカが手を開くと、無色透明だった水晶は、土色に染まっていた。


 その水晶を魔法陣が刻まれた地面に置く。程なくして再び魔法陣の中心がせりあがり、土の塊がポロポロと落ちてきた。落ちた土の塊から何体ものゴーレムが生まれる。


「土属性の魔力を水晶に注ぎ込んだから、水晶に込めた魔力が無くなるまでこのゴーレムたちは次々に生まれてくるわ。ゴーレムたちには水晶を守るように命令してあるから、フェンは、ゴーレムたちから水晶を奪ってわたしのところまで持ってきて。どう? 出来そう?」

「はい。やってみます!」


 リッカの言葉にフェンは頷き、自分の前を陣取るゴーレム軍団と対峙する。相変わらず仁王立ちのゴーレムたちは、フェンの攻撃を受けるまで動くつもりはなさそうだった。


「じゃあ、魔法の特訓だから、物理攻撃はなるべくしないように。それからここには結界を張っておくわね。この場所を壊してしまうといけないから」


 リッカはそう言うと、フェンとゴーレムたちの周囲に広めの結界を張った。


 結界内でフェンとゴーレムたちが交戦を始めたのを確認して、リッカはその場所を離れる。これから集中して魔道具作成に取り掛からなくては。


 フェンのいる結界から少し離れた場所に腰を下ろすと、リッカは肩から下げていた鞄を下ろし、中から魔道具の素材になりそうな物を次々と取り出す。


 ヒヤシンの花弁、魔魚の内臓、魔蜂の毒針、魔鳥の卵の殻、魔鼠の長爪。それから月華草、星屑茸、風鈴花などの薬草の数々。


 手に触れる素材を次々に取り出していくうちに、口の広い瓶を取り出したリッカは、中身を確認して、しまったという顔をした。瓶の中身は魔石。以前、魔熊を倒した際に、リゼに届けることになっていた物だ。あれからバタバタとしていて、渡すのをすっかり忘れてしまっていた。リッカは、魔熊の魔石の入った瓶をそっと鞄にしまうと、また別の素材を漁る。


 そうして、雑然と並べられたいくつもの素材を前に、リッカは真剣な表情で腕組みをした。


(髪色を変えて魔力暴発をしているように見せかけるとは言ったものの、まずは、何から始めればいいかしら)


 リゼの髪色の変化は、魔力量が多いために起こると言っていた。それならば、各属性の魔力を一時的に増幅させるような魔薬を調合して服用するのはどうだろうか。

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