12章 製造ルート 2話
中は後部座席が無く、広いスペースで設けられていた。
パソコンの前でミリイが座り、ラーシュとレイジックはそのパソコンを睨みつけるように何かを監視していた。
「あの、これはどう言う事です?」
ライトは状況が理解できず、タルヴォにそう聞く。
「まあ話せば長くなるから単刀直入に言うと、ここで武器の製造ルートを特定しようと思っている」
「えっ! どういう事です⁉」
タルヴォが慣れた様子の対応をするが、ライトは驚愕し、思考がかき回されているような感じがした。
「ようライト君。調子はどう?」
「ええ、お陰様で快調です。いえいえ、それより教えて下さいよ。武器の製造ルートってどういう意味です?」
ラーシュが呑気に挨拶をしてきたものだから、ライトは主旨を忘れ釣られるように挨拶をすると、事の重大さに気付き慌てて話を戻す。
「実はな、怪傑人で使用されていた武器の製造ルートがある程度絞れたんだ。その内の一つが、ここの衣服製造業ってわけだ」
レイジックが顔をライトに向けながら、淡々と語る。
「特定できたんですか。それにしてもどうやって?」
ライトは半信半疑で聞いてみる。
「特定と言うより、レイジックさんの推理を検証しているって言った方が正しいかな。実はね、二年前から怪傑人が現れて来た時には、恐らく武器に関してもほぼ同時進行で製造してたと思うの」
ミリイが熱心にパソコンのモニターを確認しながらも伝えてきた。
「と言いますと?」
ライトはその説明だけじゃ、意味が分からず、首を傾げる。
「つまり他の国からや軍事施設からの横流しが無い以上、奴ら(かいけつじん)は二年前より前に武器を製造していたはずだ。そして、堂々とそんな製造施設を作るわけにもいかないからカモフラージュとして、建築する製造業の地下にでも同時進行で武器製造の建築を進行しているんじゃないかってのがレイジックの読みって訳だ」
タルヴォが淀みなく喋り、レイジックが頷く。
「ここを合わせた計五つの施設が、二年前から三年前の間に建築されている。あとはそこを虱潰しにガサ入れでもすれば済む話だったんだがな」
レイジックは後頭部をワシャワシャかき乱すように掻いていてうんざりしているような態度だった。
「何かトラブルでも?」
「トラブルって言うか、今非常事態なんだわ」
「どういう事です?」
次から次へと理解が追い付かないライト。
ラーシュもうんざりしているような態度だった。
そこでミリイが真剣な面持ちでライトに顔を向ける。
「いいライト君。今から言う事は他言無用だからね」
「あ、はい」
ミリイの真摯な態度に気圧されるかのようなライト。
「実はね。私達警察署内に内通者が居る可能性が高いんだ」
「えっ! 内通者⁉」
ミリイの言葉に驚きを隠せないライトは思わず仰け反りそうになる。
「しー、声が大きい」
ミリイが自分の唇に人差し指を当て必死な様子でライトを注意する。
「す、すいません……でもどうして内通者が居ると言う話になったんです?」
意味が分からないライトに、タルヴォが、ここ最近起きた事件と身辺、類推した結果を口にした。
その間、ヒーロー教官はスマートフォンで再び出会い系サイトを片っ端から調べ、自分に相応しいプリンセスと処遇を見定めていた。




