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25章 想い 2話

 「人は決して無価値じゃない! 現に僕だけじゃない。君も抗ってるだろ?」


 ライトは上にある鉄骨に足を付けながら必死な様子でシャルナにそう言う。


 「僕が抗ってる? フフ、フフフフッ」


 意外そうな表情から一変して笑いを堪えるシャルナ。


 「まさかそんな風に見ていてくれてるなんてね。その着眼点を称賛したい所だけど、生憎(あいにく)、僕は無自覚だ。それに僕のやっている事は自分でも自覚はあるが悪手だよ。そんな歪な矜持で抗う者に価値なんてあると思うのかい?」


 シャルナはライトの後を追うため跳躍し上にある鉄骨に足を付ける。


 「歪かどうかなんて問題じゃない。大切なのは行動だ。確かに君のやっている事は世界を破滅させる行動だ。けど訴えているんだろ? 心のどこかで」


 ライトが何を言っているのか理解できない表情をするシャルナ。


 「意味が分からないね。僕が何かを求めているだと?」


 怪訝な表情でシャルナはライトに向け一発の弾丸を撃ち込む。


 難なく(かわ)しさらに跳躍し(うえ)()がるライト。


 「ああ。少なくとも僕にはそう見える」


 ライトは離れた頭上で声を()(だま)させるように喋る。


 そして、更に上に跳躍するライト。


 「……戯言(たわごと)だ」


 少し不機嫌になりながらライトの後を追うシャルナ。


 二人はいつしか、屋上の鉄骨に足を付けていた。


 高さ、百五十メートルはある。


 そんな危ない場所で冷たい風を肌で感じながら両者は鋭い目付きで睨み合う。


 「君の言っている事は理解できないけどこれだけは明確にしないとね。僕と君のどちらかが死ぬと言う事を」


 鋭い眼差しから、冷徹な目に切り替わるシャルナ。


 そのまま幅の狭い鉄骨の上を走りながらライトに向かい二丁のハンドガンで撃っていく。


 不安定な足場でも、何とか(かわ)すことが出来たライト。


 この時のライトはすっかりと毒が抜けきっていた。


 そのおかげで芳しくない状況下でも対応できるようになった。


 二、三発撃ち終えると、蹴りを入れるシャルナ。


 ライトは手の甲で受けると、すぐに右拳をシャルナの頬に目掛け振るう。


 しかし、シャルナはそれを片手で往なすと、透かさずハンドガンで至近距離から撃ってきた。


 ライトは跳躍し()を描くようにシャルナの後ろに回り込む。


 そこからシャルナの腹部に拳を叩き込む。


 当たるかと思いきや、シャルナはバックステップで(かわ)す。


 距離を取るとシャルナが二丁のハンドガンで撃ってこようと構える。


 透かさず、ライトは撃ってくる前に距離を詰め攻撃に出る。


 顔面に向け拳を振るうが(かわ)され、すぐに中段蹴りを入れるが、それもバックステップで(かわ)される。


 シャルナは先程以上にタイミングを早くし、テンポよく銃を構えライトに向け撃つ。


 ライトは、ギョっとした表情で危なげながらも(かわ)す。


 「先程の問答で君と言う人間が少しづつ理解できたよ。母親が殺されたと言うのに、その(おん)(てき)にすら説得を試みるとは。正に自己犠牲の(たま)(もの)だよ。君自身は」


 シャルナは流暢に語りながらマガジンをリロードする。


 「僕の事はいい。それより君こそどうなんだ? 一体何を望んでいる?」


 リロードをする時間を稼がせないためにも攻撃に打って出るべきなのだが、敢えてライトはシャルナとの対話を選んだ。


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