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24章 対話に込められた力 3話

 シャルナは運転席からライトに向け冷笑する。


 「ごめんエレア! ここは任せていいかい? 僕、行かないと」


 「――ええ。分かったわ」


 ライトが逼迫した表情でそう言うと、エレアは真摯な面持ちで頷いた。


 ライトの急ぐ意味を理解は出来なかったが直観として、何か思わしくない事態だ、と言う事は分かっていた。


 だからこそ、ライトの要望を快諾したエレア。


 すぐに、シャルナが走らせている車に向かい、走り出すライト。


 毒が完全に抜けきっていないせいで、上手く追いつけず、時速、七十キロのスピードで後を追って行った。

 



 その頃、キャンディーもまたグレーのセダンの車を走らせていた。


 その表情は険しいものだった。


 まるで、この後、何か思わぬ事態が待ち受けているのではないか、と言う懸念があるかのように。


 ボッチーマンから出て来たヒーロー教官は、キャンディーが乗車している所から見掛け、後を追うため走り出した。


 ヒーロー教官もまた尋常ではない身体能力の持ち主だったため、八十キロで走行するキャンディーの車と遜色は無かった。


 「ヒーロー教官!」


 そこで、道路を走っていたヒーロー教官の隣で、車で駆けつけてきたレイジック達が声を上げる。


 助手席に乗っていたレイジックがヒーロー教官に向け後部座席に指を差す。


 ヒーロー教官は、その意図に気付き、すぐにラーシュが運転している車に近付き、後部座席から車に乗った。


 「ふうー。助かった。流石に年のせいか上手く走れんな」


 「何言ってんすか。八十キロも出してる時点で超人ですよ」


 肩からドッとした息を吐き捨てるヒーロー教官に対し、ラーシュは微笑しながら呆れていた。


 すると、すぐ横の道路から、何やら猛スピードで走る人影が見えた。


 「タマゴ! こっちに乗れ!」


 なんと、ライトがシャルナの車を追いかけていた。


 シャルナの車は、キャンディーの車と並ぶが、二人は運転席からアイコンタクトでも取るかのようにして頷き合うと、シャルナの車が先に走行した。


 ライトが息を切らしながら、ラーシュの運転している車の後部座席に乗る。


 「すいません。載せて貰って」


 「気にするな」


 侘びを入れるライトに向かい、レイジックが軽やかに返事をする。


 「それで、キャンディー所長の前を通って行ったのはシャルナだよな?」


 「そのはずです。僕が追いかけてきましたから」


 ラーシュは念のために確認を取ると、ライトが答える。


 「……それにしてもキャンディーちゃん」


 ヒートアップする走行の中、何故か、急にヒーロー教官が消沈してしまう。


 「どうしました?」


 ライトは何か思い病気にでも悩まされているような表情をするヒーロー教官に率直に聞いてみる。


 「どうしましたじゃない! キャンディーちゃんがリゼロやクリナに身体を売ってたんだぞ! もしかしたらあのボッチーマンでキャンディーちゃんは淫らな格好になって、あんな事やこんな事も。私はもうー!」


 激怒したかと思いきや、煩悶するように見悶え苦しみ始めるヒーロー教官。


 相変わらずの(ひょう)(きん)ぶりに眉を顰める一同。


 「あのですねヒーロー教官。そんな事より、キャンディー所長に付いて知っている事を教えて下さい」


 レイジックが()()ねてそう言うと、ヒーロー教官は大きく息を吐き捨て、ありのままを伝えた。


 「なるほど。て事はキャンディー所長も逮捕しなきゃいけない訳だ」


 「そんな」


 ラーシュが運転に集中しながらも気合を入れ直す。


 今度はライトが消沈してしまうような態度をとる。


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