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23章 愛する者の素顔 1話

 「それにしても君の仲間に何があったんだ?」


 「それは俺にも分からない」


 ライトとノアルが怪訝な面持ちでそう言う。


 「とにかく救急車を呼ばないと」


 「ついでに警察も呼んでくれ」


 ライトがノアルに肩を貸しながらそう言うと、ノアルは暗い面持ちでぼやくように言う。


 そこでエレアが居た堪れない思いで、救急車と警察を呼ぶ。


 「おい。頭。こいつら、見た事ねえ奴らだ」


 生き残った仲間のリーゼンキルが、発狂して撃っていた仲間の覆面を取り、酷く驚いていた。


 「何だと?」


 ライトの肩を借りながら、ノアルは発狂して撃っていたリーゼンキルのメンバーの顔を覗き込むと、見た事もないメンバーだだったことが新たに判明した。


 その正体とは……。


 そして、その謎の覆面を被った者達は相次いで、至る場所で、味方であるはずのリーゼンキルのメンバー達を射殺していくのであった。


 


 一方、その頃、ガディアはボッチーマンのオフィスでとんでもない物を目にしていた。


 「――これは! まさかそんな……」


 ガディアはキャンディーのデスクの引き出しから取り出した資料を見て目を大きく開いていた。


 数秒、固まっていると、隠し扉の入り口からキャンディーが現れる。


 「やれやれ。そこまで私を疑っていたとは。君との繋がりはそこまで(いち)()な物だったかな」


 キャンディーは落ち着いた様子でそう喋ると、ガディアが驚愕し、キャンデイーに振り向く。


 「これはどう言う事ですか? まさか(かい)(けつ)(じん)と接点があったなんて」


 信じられない様子になるガディア。


 「君が目にしている通りだ。私は世に言う改造人間、と言った方が正しいかな。そして、ワグナさんが手がけたホムンクルスによってリーゼンキルは壊滅する」


 「この資料にはワグナさんとのやり取りがある。貴方は知っていたんですね! ワグナ・サーキュリーが改造人間だけでなく、ホムンクルスまで作り上げていた事を! そして、そのホムンクルスをリーゼンキルのメンバーに潜り込ませ内部抗争を引き起こそうとしていた事も!」


 キャンディーが淡々と言う中、信じたくないと言う様子で切羽詰まるように詰問するガディア。


 キャンディー所長は、シャルナ同様、改造手術の適応者。


 そして、ワグナは何処でかは知らないが、ホムンクルスを作り上げ、リーゼンキルのメンバーに仕立て上げていた。


 そんな驚愕な事実を直面していたガディアは、今、窮地に立たされていた。


 「それを君が知った所でどうにもならない」


 キャンディーは首を横に振りながらそう言う。


 「それにボッチーマンや光を照らす(ライトイルミネイト)を設立した目的が、ただ(かい)(けつ)(じん)を文字通り撲滅するがためかとも思いましたが、まさか腕の立つ者を一カ所に集め、監視し、あわよくばリーゼンキルを壊滅するがために設立されたとは。現にレイジックさんの悪に対する復讐心を利用した。頃合いを見計らい、ライト君やヒーロー教官に、リーゼンキルを取り押さえさせ、捕まえたリーゼンキルは処分する。表向きは子供を敬愛する自尊心を尊重するが裏では捕まえたリーゼンキルは一人残らず殺す。実に下らない」


 ガディアは落ち着きを取り戻し、鋭い眼差しでキャンデイーを睨みつける。


 「そんな下らない物のために私はクリナやリゼロに身体を明け渡したんだがね」


 そう言いながらキャンディーは懐に忍ばせておいたハンドガンの銃口をガディアに向ける。


 その目には殺意や敵意は無く、ただの冷たい目だった。


 命を何とも思っていないような冷酷な目。


 「……それは、本当か? キャンディーちゃん」


 なんと、キャンデーのすぐ後ろで、駆けつけてきたヒーロー教官が狼狽(うろた)えながら口にしていた。


 「君も来ていたのか」 


 「それより教えてくれ。そんな事のために、クリナやリゼロに身体を売っていたのかどうか」


 冷たい声で後ろを振り向くキャンディーに、ヒーロー教官は恐々とした表情で震えていた。


 その震えは、怒りも混じっていた。


 「女の身体と言うのは、男に取って正に武器だ。まあ、君が身を持って知る事は無いだろうがね」


 キャンディーは自分の胸元から(へそ)にかけて、艶めかしく人差し指でなぞっていくと、ヒーロー教官は生唾をゴクリと飲み込む。


 そこで、ガディアが不意打ちでもするかのように、キャンディーを取り押さえようと、強硬手段に出る。


 しかし、襲い掛かってきたガディアに振り向きもせず、ハンドガンだけをガディアに向け引き金を引いたキャンディー。


 「うっ!」


 「ガディア!」


 呻き声を上げるガディアに逼迫した表情で駆けつけるヒーロー教官。


 ヒーロー教官はガディアに懸命に呼びかける中、キャンディーは冷ややかな目で一瞥すると、その場を去って行く。


 「わたしのことは、いいです。……それより、はやく、あとを、おっ、てください」


 「ガディア! ガディア!」


 ガディアは腹部を撃たれていた。


 血が流れ出る中、意識を研ぎらせないように、ヒーロー教官に後を追うよう急かせるガディア。


 ヒーロー教官は、悔しそうにしながら「すまない」と言ってその場を去り、キャンディーの後を追って行く。


ここまでお読み頂き、また評価して下さった読者の皆様方、本当にありがとうございます。

23章「愛する者の素顔」はここで終わります。

次章からも是非ご一読ください。

よろしくお願いします。

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