表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
153/166

22章 こんどはなれよ。ヒーローに 6話

 だが、ノアルはそう簡単には引けなかった。


 それが答えだ、と言わんばかりにライトに殴り掛かるノアル。


 ライトは驚き間一髪で(かわ)す。


 「ノアル!」


 「うるせえ! 今更遅いんだよ! 俺はどれだけこの手を血で染め上げてきたか、お前には分からない!」


 まるで、()(ぼう)()()の子供が自棄(やけ)を起こしたかのように喚き散らすノアル。


 ライトはどうしたらいいのか、必死に思案した。


 だが、どれだけ張り巡らされても答えは変わらない。


 「遅くなんかない! 君の闇は世界の闇でもある。だから世界と共に償おう。君の第一歩は決して躓きはしない。僕が代弁者になって世界に訴え続ける。だから、世界と共に歩こう」


 ライトは諦めなかった。


 どれだけ(ののし)られようが()(せい)を浴びようが、説得をし続ける。


 そもそも、ライト自身、助けたいが一心だった。


 「……ライト」


 ノアルは口から洩れ溢すようにライトの名を口にする。


 時が止まる可能に見つめ合うライトとノアル。


 すると。


 「アッヒャヒャヒャッ!」


 なんと、リーゼンキルの何人かのメンバーが、狂ったかのように手にしていたアサルトライフルで発砲し始めた。


 「うわっ!」


 すぐ近くに居た味方に撃ち続けるリーゼンキルのメンバー。


 「なに!」


 ノアルは驚愕し、狼狽えだす。


 「おい! 止めろ!」


 すぐに、ライトが発狂して撃っていくリーゼンキルのメンバーを殴り飛ばし、気絶させていく。


 流れ弾が、ノアルの膝に当たり、ノアルは地面に手を付ける。


 「ぐっ!」


 「エレア! ノアル!」


 そこで、エレアを拘束していたリーゼンキルのメンバーの一人がエレアの首を強く締め付ける。


 発狂していたリーゼンキルのメンバーは大体片付いたが、残りの一人がエレアを殺そうとしていた。


 ライトはすぐに走り出し、そのリーゼンキルの顔面を殴り気絶させる。


 「ゴホッ! ゴホッ!」


 むせるエレアを優しく抱いて助け出したライトは、すぐにエレアの身を案じる。


 「大丈夫⁉」


 「……ええ。ありがとうライト。これで貴方には二度も救われたわね」


 逼迫してエレアを見つめるライトに安堵の言葉を掛けるエレア。


 ライトもその言葉にホッとし、胸を撫で下ろす。


 「クソ。何がどうなってやがるんだ」


 ノアルは理解できない仲間の行動に苛立つ。


 リーゼンキルのメンバーは五十人から十人に減り、その大半が死体となってしまった。

そこで、ライトはノアルの元にまで歩み寄る。


 「ノアル」


 ライトはノアルに手を差し伸べるが、ノアルは(ちゅう)(ちょ)している様子だった。


 本当にこの手を取ってしまっていいのか? 


 あの手を握れば、今までのしてきた事は何だったのか?


 この時、初めてノアルは罪悪感を知った。


 どれだけの人間を殺めてきたか。どれだけの希望を踏みにじってきたか。


 だが、そんなノアルにヒーローが暖かい笑みで手を差し伸べる。


 「大丈夫だノアル。僕は君を見捨てない。だからこんどはなれよ。ヒーローに」


 「……ふん。何がヒーローだか」


 ノアルはつまらなさそうにそうは言うが、どことなくライトの言葉に笑みを浮かばせていた。


 そして、ようやくライトの手を握るノアルだった。

ここまでお読み頂き、また評価して下さった読者の皆様方、本当にありがとうございます。

22章「こんどはなれよ。ヒーローに」はここで終わります。

次章からも是非ご一読ください。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ