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9月21日(水)18:00

「部長が四月一日先輩の騎馬をやってたことには、僕もびっくりしました。でもそれより、部長がギルマスって初耳なんですけど。あの人、部長のことそんなふうに呼んでるんですか?」

「そうらしいよ。五十嵐くんも騎馬組んだときに初めて知ったみたいだけど」

「モンドテーレのギルドメンバーでは……ない、ですよね」

「なんかよくわからないけど、ゲームのギルドとはまた別らしい」

「はあ。そうなんですか」




 四月一日くんと部長の繋がりについては、二ノ宮くんも特に知らなかったようだ。おそらく騎馬戦の練習の段階で四月一日くんの騎馬と遭遇してたんだと思うけど、そのとき部長が四月一日くんの騎馬をやってるのを見て、それはそれは驚いたんだろうな。四月一日くんと戦うつもりが、まさか部長とも戦うことになるなんて思いもよらなかっただろう。当事者じゃない私ですら、もう記憶が完全に騎馬戦に持っていかれちゃってるもん。本当は障害物競走とか、色対抗リレーとか、いろんなところで四月一日くんの活躍っぷりが凄まじかったはずなのに。



 ちなみに私は、部長が同じ団ってことすら知らなかった。他クラスが何色とかあんま気にしてなかったし。




「……いやーホント、四月一日くんってなんでおれのことギルドマスターって呼ぶんだろうねぇ」

「うわっ。びっくりした」

「あ、部長」

「初めて会話したのは、おれが部長になってしばらくしてからのことだったけど……『差し入れの許可を頼む、ギルドマスター』っていきなり言われたよ、確か」

「四月一日くん唐突だな。部長はそのときどんなリアクションしたの?」

「『あ、うん』って」

「……リアクションとれなかったんだね」

「何も突っ込まなかったんですか?」

「うーん。部長のことをギルドマスターって呼んだりもするのかなー、とか思ったりはしたけど」

「……まあリーダーであるっていう点ではそう、なのかな?」

「いやいや。高校の部活の部長のことをギルドマスターって呼ぶ人間は多分、一人もいませんよ」

「そだね。四月一日くんも家庭部の部長のことは普通に部長って呼んでたし。それを聞いてさすがに、あ、ギルマスっておれ専用の呼び名なんだって察した」

「……なんか、普通に受け入れてるね。そんな呼び方されたら、まずは拒否から入りそうなものだけど」

「どんな呼び名にしろ、おれのことを呼んでいるってわかるなら、別に何でもいいかなって」

「大らかすぎる」

「というか、名前にこだわりがないんですね」




 しかしまあ、四月一日くんと関わるのなら、これくらいの性格の方がちょうどいいのかもしれない。四月一日くんの言動をいちいち気にしてたらきりがないからね。スルースキル、大事。




「それにしても四月一日くん、最初の頃は、八木沼さんに差し入れ渡すの恥ずかしいから全員でどうぞとか言ってたのに、いつの間にか気軽に直接渡せるようになったよね」

「……そんなこと言ってたんだ」

「君たちが普通に会話できるようになったようで嬉しいけど、おかげでおれがお菓子にありつける機会は減ってしまったので、それについてはとても残念だと思う」

「まあ、四月一日先輩、なんだかんだ僕たちの分も用意してくれたりしますけどね」

「それもそうだね。あ、今日のクッキーもうまかったと伝えておいて」

「ちゃっかり食べてるじゃん」






 隣の席の四月一日くんはどうやら意外と写真部部長と仲良しらしい。

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