9月12日(月)14:00
カシャカシャカシャカシャ。
「……」
「……」
カシャカシャカシャカシャカシャ。
「……」
「……連写しすぎじゃない?」
「あれ、なっちゃんだ。いつからいたの?」
「さっきからだけど」
カシャカシャカシャカシャカシャカシャ。
「あー。ごめん、私今ちょっと、猫を撮るのに忙しいから」
「だから連写しすぎだって」
文化祭ももう近く、ある程度の写真はとっくに撮りためているのだけれど。だから、文化祭用の写真は、その中から選べば何も問題ないのだけれど。猫を見つけちゃったらね。もう撮るしかないじゃない。だって、かわいい。猫、かわいい。
「うん。わかる。わかるよ。猫はとてもかわいい。でもね、やっぱ連写しすぎだと思う。何百枚撮る気?」
「このSDカードが許す限り」
「……8GB? 16GB? まさか128GBとかじゃないよね。一万枚余裕で撮れるような容量備えてたりしないよね」
「あー。どうだったかな」
「なんにしろそのペースじゃ軽く1000枚は超えるでしょ。あんまり撮ると、データの選別が大変だよ?」
「選別とかしないよ。全部永久保存だよ」
「……やっちゃん、もしかして疲れてる?」
疲れてるのかな―。疲れてるかもな―。土曜日もマーク模試とかあったしなー。私はもしかすると、猫に癒やしを求めているのだろうか。ごめんね、猫。個人的な理由で連写しまくって。でも、君がおとなしいのもいけないよ。いくら撮っても全然逃げないから、やめどきがわからないじゃないか。
「お、フィフィーここにいたか。クロワッサン食べるか?」
「食べる」
「は? なっちゃんになに餌付けしてるわけ」
「餌付けじゃない。差し入れだ」
「四月一日くんは、家庭部で何でも作っちゃうんだよ」
「え……クロワッサン、作ったの?」
隣の席の四月一日くんはどうやらパンも焼けるらしい。




