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9月6日(火)13:00

 今日は後期生徒会長選挙の公示日らしい。といっても別に国政選挙みたいに、今日しか立候補の届け出はできない、というわけではない。締め切りまでは数日の猶予があったはずである。しかしまあ、生徒会長に立候補するような人なら、迷わずさっさと届け出るんだろうな。この時期に生徒会長選挙をやることはわかっているわけだし、生徒会長になりたいならとっくに覚悟は決めていそうな気がする。




「はぁ。どうしようかなー。立候補しちゃおうかなー」

「迷ってる人いた。しかも1年生」

「二ノ宮お前、生徒会長とかなりたいの? マジで?」

「そうですねー。正直ちょっとやってみたいですね。学校の支配者って感じでかっこいいですし」

「生徒会長のことを学校の支配者って呼ぶやつ、初めて見たわ」

「支配者なんて言葉が出てくるあたり、やはり魔王だな」




 支配者って言葉のチョイスは確かにどうかと思うけど、それにしても1年生で生徒会長に立候補しようと思うのがもう凄いわ。実際、1年生が立候補できないなんて決まりはないし、ルール上何も問題ない。しかしだからといって、1年生から本当に立候補が出てくるなんてことは、そうそうないはずだ。だって大半の人は1年で生徒会長やってやろうとか思わないでしょ。




「むしろ1年でやるからこそかっこいいっていうのはありますよね」

「まあ、漫画とかではあるよね。3年連続生徒会長で人望の厚い秀才キャラ、みたいな」

「あ、昔見たアニメでそういうキャラいたわ。あれは確か、女子生徒会長だったけど」

「おお。お姉様って呼ばれるやつだ」

「そうそう。全生徒の憧れで、眉目秀麗、成績優秀、運動神経抜群の完璧超人。まさに高嶺の花だった」

「……二次元だからいいけど、現実でそういう人がいたらびびるね」




 いろんな分野において優秀な人というのは確かにいるけど、それでもやはり、誰しも苦手なものというのはあるはずだ。本当に何でもできるような完璧超人が身近にいたら、憧れる以前に自分と比べて勝手に落ち込んでしまいそうである。




「ふむ。3年連続生徒会長という響きはかっこいいな。しかし魔王に学校を支配させるわけにはいかん。お前が立候補しても俺はお前に票は入れんぞ」

「俺は入れてもいいけど」

「私も」

「わーい」

「お前ら……」






 隣の席の四月一日くんはどうやら二ノ宮くんを生徒会長にしたくないらしい。

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