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9月2日(金)13:00

「ほら、これなんて背景の夕陽に中庭の木がいい感じに溶け込んでて、すっごい綺麗じゃないですか?」

「本当だな。あの中庭がこんな風に見えるのか。全然違う場所みたいだ」

「こっちはグラウンドか。野球部が活き活きと練習しているのが伝わってくるな」

「やめて。私の目の前で私の撮った写真の鑑賞会とかしないで」




 昨日の話の続きなのかなんなのか。なぜか二ノ宮くんが私の写真を大量に持ってきて、四月一日くんと五十嵐くんに自慢げに見せていた。なぜ二ノ宮くんが自慢げなのかはまあ、今は突っ込むまい。それより気になるのは、なぜ二ノ宮くんがそんな分厚いアルバムを持っているのか、ということである。昨日も言った通り、写真はだいたいデジカメで撮っているので、基本的には撮影したものはデータでしか存在していない。コンクールに出す、学校に展示する、などの明確な目的がある場合は別だが。しかし今二ノ宮くんが二人に見せているのは、どこからどう見ても紙の写真だ。しかも一枚一枚、きちんとアルバムにファイリングされている。え、何それ。私の写真なのに、私それ、見たことないんだけど。




「ねえ二ノ宮くん。私、その写真たち、印刷した覚えがないんだけど」

「そうですね。僕がこつこつパソコンに取り込んで、プリンターで印刷しました」

「なんで」

「データもいいですけど、やっぱこうやって印刷した方が綺麗に見えると思うんですよね」

「いやそれはそうかもしれないけど。そういうことじゃなくて」

「あ、ちゃんと部長には許可取りましたよ」

「部長なんで許可出してんの。そしてなんで私に何も言ってくれないの」




 うちの部長は優しいし頼りになるし、人柄としては文句なしにいいのだが。いかんせん天然なところがあるのは否めない。新学期の部活動紹介のときも、なぜか私の写真を紹介してたし。




「なんだ。写真部員のアルバムがそれぞれあるのかと思ったら、それ二ノ宮の自作だったのか」

「はい。先輩が撮った写真をどうしても手元に置いておきたかったので」

「二ノ宮くん、収集癖でもあるの?」

「フィフィーの写真が常に手元にある生活か……うらやましい……」

「それは意味が変わって聞こえる」






 隣の席の四月一日くんはどうやら私が撮った写真に興味があるらしい。

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