8月4日(木)13:00
「調子はどうです?」
「……何が?」
「そろそろ宿題終わったんじゃないですか?」
「……諦めてなかったか」
私たち3年と違って二ノ宮くんはちゃんと夏休みなのに、結局毎日通ってきてるな。ある意味凄いわ。
「まあ、ほぼほぼ終わったけど。あとは小論文かな」
「俺もそんな感じ」
「! じゃあ今日で全部終わりますね。明日には一緒に遊べますね!」
「二ノ宮くんのその熱意はどこからくるの?」
どうやら彼は本気で私たちを自分の家に招待しようとしているらしい。今さらだけど、なんでわざわざ受験生をこんな必至に誘ってくるんだろうか。同級生の友だちいないのか。
「楽しみだなぁ。何のゲームします? うち、いろいろありますけど」
「ゲームなのは確定なんだね」
「俺、最近はモンドテーレくらいしかしてないし、最新のゲームはわからんわ」
「俺はゲーム自体がよくわからん」
「受験生だから最新の情報を追ってる暇が無いっていうのはわかりますけど、四月一日先輩に限っては一つ前の時代を生きてる感じがしますよね」
「あはは。これでもスマホを使いこなせるようになったし、かなり進歩したと思うよ」
「フリック入力ならマスターしたぞ」
「いやまあ確かに、フリック入力はスマホ独自の機能ではありますけど」
たかがフリック入力でも、四月一日くんにとっては大きな事なんだよ。だって最初は、ガラケーみたいに連打して打ってたもん。私、あんな打ち方したことないから逆にびっくりしたよ。スマホでもああいう入力の仕方ができるんだね。
「ウィジェット配置も覚えたぞ。カレンダーに入力した予定を、ホーム画面に表示できて便利だな」
「しれっとカレンダーアプリも使いこなしてる」
隣の席の四月一日くんはどうやらちゃくちゃくとスマホの使い方を覚えているらしい。




