7月27日(水)13:00
「あつい……」
「あついな……」
「アイス食べたい……」
「帰る前にコンビニ行くか……」
「賛成……」
夏なのだから暑いのは当たり前なんだけど、それにしたって暑すぎやしないだろうか。真夏日どころか猛暑日じゃん。猛暑日ってもっとレアなものなんじゃないの。そんなぽんぽん35度とか超えられても困るんだけど。教室は冷房が効いているからいいけど、一歩外に踏み出した途端にもう地獄なんだけど。
「いいですね、アイス。僕、二つに分けられるやつがいいです。先輩、一緒に食べましょー」
「おいこら。フィフィーと一緒に食べるのは俺だ」
「いや私は一人で一個食べるし。というか二ノ宮くん、毎日来られても宿題は終わってないんだけど。え、私の宿題が終わるまで通う気?」
「いえ、まあ。宿題はただの口実で、単に僕が先輩に会いたいだけです」
「あ、そう」
「先輩冷たい。僕はこんなにも先輩のことが大好きなのに」
「そうか。ありがとな」
「いや五十嵐先輩には言ってないです」
「五十嵐くん、だいぶ暑さにやられてるな……というかそもそも、二ノ宮くんが何でこんなにも私に懐いてくるのか物凄く疑問なんだけど。私別に何もしてないのに、なんか、初対面のときからフレンドリーだったよね」
例えば写真部の後輩だからいろいろ教えてあげたとか、かいがいしく面倒を見てあげたとか。そういうのがあったならまあそんな先輩に懐くというのもわかる。でも、私マジで何もしてないからね。聞かれたことにはもちろん答えるけど、自分から何かしてあげたりとかは一切ないからね。ほら、初対面の人間の世話をするとか、人見知りの私にはだいぶハードル高いし。
「うーん。実は僕も疑問なんですよね。なぜか初めて会ったときから先輩への好感度はMAXっていうか……何で僕、こんなに先輩に構ってほしいんでしょう」
「君にわからないならもうお手上げだよ」
まさかの二ノ宮くん自身も疑問に思ってるって、どういうことなの。自分でもよくわからないままに全力で私に構われにきてるの? なにそれ。本能?
「……魔王は」
「……四月一日くん?」
「魔王は、フィフィーを……」
「……え、何」
「……アルフィーがそろそろ溶けそうだな。早いところコンビニに行くか」
「え、ちょっと」
「ほらアルフィー。もう少し頑張れ」
「え、やめてよ気になるんだけど」
隣の席の四月一日くんはどうやら二ノ宮くんが私に懐く理由に心当たりがあるらしい。




