6月30日(木)12:45
昨日のリベンジだと言って颯爽と教室を去った四月一日くん。なんと今回は15分で戻ってきた。さすがだ。さっそく経験を活かせたようでなによりである。
「……ただいま」
「おう、早かったじゃねーか」
「どうだった?」
「限定10個のさくふわメロンパンがおいしそうだった」
「外はさくさく、中はふわふわ。それは絶対おいしいやつだ」
「まあ一瞬でなくなったが」
「だよね」
「一応、目当てのものは買えた」
「なになに……カレーパン?」
「購買に来ているパン屋を調べてみたところ、本格カレーのカレーパンが大人気と書いてあったからな。食べてみたかった」
「おぉ。もうすっかりネット検索を使いこなしてる」
「確かにここのカレーパンはうまい。俺もよく食うし」
「うむ」
さっそく袋を空けて、カレーパンを頬張る四月一日くん。あまり表情が変わらないのでわかりにくいが、どうやら期待通りの味でご満悦のようである。というか、カレーパンが人気なんだね。知らなかった。私も今度食べよう。
「今日は勝ててよかったね」
「……いや、確かに目的のパンは買えたが、限定品には全く手が届かなかった」
「それは、まあ。仕方がないのでは」
「よっぽど早くいかねーと無理だぞ」
「そうだな。明日はもっと急いでみよう」
「あ、まだ挑戦するんだ」
隣の席の四月一日くんはどうやらまだ購買戦争で勝利できていないらしい。




