6月2日(木)13:00
「俺、気付いてしまったんだけどさ」
「何。どうしたの五十嵐くん」
「モンドテーレさ。ユーザー名を変更する機能、ないよ」
「……ん?」
ユーザー名の変更といえば、昨日の二ノ宮くんの話だよね。え、でもネクトに変えたって言ってたよね。
「機能がないって……え、ごめん。どういうこと」
「そのままの意味。ないんだよ」
「……ん? つまり?」
「機能がないのに、それでもユーザー名を変えたってことはつまり……データ消してやり直したってことだろうな」
「……マジか」
四月一日くん、随分優しい条件に変えたなって思ったけど、もしかしてそうでもなかった? そんな考えに至った私と五十嵐くんは同時に、ジトッとした目を四月一日くんの方へと向けた。
「……譲歩、したぞ?」
「まあ、うん。それはまあ、そうなんだけど」
「データ消させるとかかわいそうだろ」
「いや、しかし。やり込んだ後に消させたわけじゃない。まだ序盤だった」
「あー。確かにまだ、始めたばかりか。ならまあ、いい、のか?」
「でも二ノ宮くん、初回ガチャで最高レアの武器引いたって言ってたけど」
「マジか。運よすぎだろ……いや、リセマラか?」
「詳しくは聞いてないけど、けっこうゲーム好きみたいだし、リセマラかも」
「せっかく掴んだ☆5武器を手放して、最初からやり直し……二ノ宮、そんなに俺らとゲームやりたいの?」
隣の席の四月一日くんはどうやら二ノ宮くんから一緒にゲームをすることを所望されているらしい。




