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5月14日(土)14:00

 とあるコーヒーチェーン店。そんなどこにでもあるような喫茶店で私たちは机を囲み、それぞれが脇目もふらずスマホをガン見していた。そう。結局私たちは、土曜講座の後にこうして集まって遊んでいるのである。受験生がこんなことしてていいのかとも思うけどね。受験生にだって息抜きは必要だからね。


 考えてみれば、私は四月一日くんと土曜講座の授業が完全に被っているので逃げようがないのだ。そして、四月一日くんと二人きりで遊んで盛り上がれる自信のない私は、何が何でも五十嵐くんを捕まえなければならなかった。つまりはこうなる運命だったというわけですね、はい。


 いやでも。それにしても。




「あのさ。とりあえず飲み物だけ買ってひたすらゲームしてるけどさ。普通にお腹空いたんだけど」

「だよな。なんで俺らこんなガチでゲームやってんだ。まずは昼飯だろ」

「すまん。俺がたくさん質問したばかりに」




 予想通りといえば予想通りなんだけど、四月一日くんはやっぱりすんなりとはゲームの仕組みを理解してくれなかった。自由度が高いゲームであるが故に、逆にどうしていいかわからなくなるというやつだ。それで、私たちの負担を減らすためにもなんとか四月一日くんを独り立ちさせねばと奮闘してしまったばかりに、私たちは昼食のタイミングを逃してしまったというわけである。




「八木沼さん、なに食う?」

「んー。パンケーキ」

「それおやつじゃね? まあいいか。俺はパスタにするかな。四月一日は?」

「このオススメのサンドイッチが気になる」

「わかった。まとめて注文してくるわ」

「わーい、ありがとー。お金渡しとくね」

「俺も」

「ん」




 五十嵐くんって、四月一日くん相手に容赦なかったり、いろいろ面倒がったりするけれど、こういうところは圧倒的に面倒見がいいよね。純粋にすごいと思う。まあ、そうじゃなければそもそも四月一日くんとつるんでなんていられないんだろうけど。






 遅めの昼食を食べた後。私たちはまたひたすらゲームに没頭する。そうして、そのおかげというかなんというか、無事に目当ての役職に就けるところまで到達できた。なんならギルド設立まで手が届きそうである。ちょっとマジでやりすぎだな。最初はレベルが上がりやすいとはいえ、一日で一気に上げるものでもないだろうに。


 でも、正直なところ。このゲームかなり楽しい。広大なマップはどこへでも行けるし、グラフィックが綺麗すぎて没入感が凄い。ヒーラーなんて一人で何するんだろうと思ったけど、ちゃんと戦う術が用意されていてガンガン敵を倒せる。五十嵐くんですら文句言わずにやってるし。さすがは超人気作品とでも言うべきか。




「五十嵐くん、意外とノリノリでやってるね」

「まあ思ったより面白い。だんだん強くなっていくの楽しいし。でもさすがにもう切り上げねえ? 頑張ればギルド作れそうだけど、別に今日中にやらなくてもいいだろ」

「そうだな。ゲームのコツはつかめたし、後は俺一人でもレベルアップできると思う。二人ともありがとう」

「どういたしまして」

「パーティーを組んで冒険に繰り出すのが楽しみだ」

「あ、そっか。それが一番の目的か」






 隣の席の四月一日くんはどうやらパーティーを組んで冒険に出たいらしい。

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