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5月9日(月)12:30

「二人とも見てくれ」

「あ、ホントにスマホ買ったんだ」




 月曜日。四月一日くんが嬉しそうに見せてくれたのは、紛うことなきスマートフォンだった。ちなみにうちの学校では、休み時間ならスマホの電源を入れることが許されている。




「どんな機種にしたの?」

「最新のやつは俺にはもったいないと思ったので、ある程度スペックと値段が抑えられているものにした」

「ま、それが妥当だな」




 四月一日くんはいつも真顔なことが多いけど、今は何となく雰囲気が柔らかい気がする。そんなにスマホで喜ぶなら、そもそも最初からスマホにしとけばよかったのに。




「さっそくメッセージのやつをやってみたい。どうすればいい」

「あー、じゃあQRコード読み取ろうか」

「きゅーあーる?」

「……」

「言ったろ。四月一日は機械に弱い」

「いやこれ、機械に弱いっていうか……いや、うん。まあいいや」




 確かに四月一日くんには、最低限の機能しかないガラケーが向いていたのかもしれない。スマホはやれることが多すぎるし、知識があること前提なところもある。四月一日くんが使いこなすのは大変そうだ。仕方なくゼロから教えてやれば思った通り首をかしげていたけれど、まあメッセージアプリくらいならさすがに何となくでも使えるだろう。




「なるほどそういうことか。わかった気がする。これで三人のグループになったんだな」

「そ。そこに送ればこの前みたいに、いちいち宛先を指定して送信やら返信やらしなくてすむよ」

「ものすごく便利だな……。ああ、それから。俺がやりたかったスマホゲーム、ぜひ二人と一緒にやりたいんだが」

「誰かとやれるようなやつなの?」

「仲間と協力プレイができるらしい」

「へー。そういうのやったことないから、ちょっと気になるかも。ねえ、五十嵐くんもやろうよ」

「まあ、八木沼さんがやりたいなら」

「やった」

「うむ。二人とも乗り気で嬉しいぞ。ではさっそく……」

「あ、でも明日から中間考査だからそれが終わってからね」

「……やっぱりそうか」

「今からゲーム始めたら勉強どころじゃなくなっちゃう」

「とか言って、八木沼さんは二週間くらい前からテスト勉強始めてるタイプだろ」

「そういう五十嵐くんこそ」

「二人ともさすがだな」

「俺はなんだかんだお前もそこそこ成績いいのがムカつくけどな」






 隣の席の四月一日くんはどうやら私たちと一緒にやりたいスマホゲームがあるらしい。

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