上級者同士での実践訓練(実践前)
上級者同士での実践訓練(実践前)
「さて。今日は先日言った優秀者同士で実践訓練をしてくれ。形式は前と同じで、三人一組で攻守共に行う事。そして最後に、最優秀者に選ばれた三人は他の生徒にも教育を頼みたい。どうしても一人では賄いきれないからな」
「『はい』」
「らしいですわね。さて。まずは誰と組みましょうか?」
「別に二人は決まっているだろう?俺とメルカイナで」
「そうですが、残りの一人はどうしましょうか?当てはありますか?」
「取り敢えずは。けどまずは声を掛けないとな」
「?」
「すまん。ちょっと良いか?」
「何よ?」
「当てがないのなら俺達と組まないか?」
「嫌よ?」
「速攻で否定されるとは思わなかったが、どうしてだ?三人一組だと誰かしら余るだろ?」
「計算上はね。けど私は誰とも組まないわ。何故なら私は強いもの」
「・・・自画自賛か・・・。なら俺と組手をしないか?暇つぶしには良いだろ?」
「・・・」
「頷かないか。ならこれは?負けた方は勝った方に指示を聞く、というのは?別に服従とかではなくてな」
「・・・良いでしょう・・・丁度カモが欲しかったところですし」
「カモって・・・」
「あら?ご自身で言ったことをお忘れでなくて?」
「いや・・・」
「なら受けてよね。私が勝ったら貴方を馬車馬のように使ってやるわ」
「・・・まあいいか。よろしく。けどまずは授業に則って、まずは攻守を両方やるぞ。勝負はその後な」
「・・・確かに授業の趣旨からは反してしまうのは不味いわね。良いでしょう。試合はこの後よ!!」
「良いのでしょうか・・・それにあの子は・・・」
「ああ。高慢なお嬢様。セルールだ。一応経歴はどっかのお役所の娘さん、という事であそこまで高慢な性格なのだろう。しかも厄介なのは実力もあるという事だな」
「!?アレクサス君がそれを言うなんて、あの子は結構な腕なのかしら?」
「いや?俺が言った実力は授業で言えばだ。本当の実践はあの子には無理だな。精々一兵士か一騎士が良いところだな」
「そうなのね。ならあの高飛車は・・・」
「恐らく今だけだろう。現実を知れば如何に自分が小心者であることを自覚するだろう。それよりまずは授業を受けようか」




