またクラ(ス)替(え)
またクラ(ス)替え
「従兄さん。またこの季節がやって来たね!クラス替えだよ!!」
「・・・そうだな。今度はどんなクラスになるのか・・・」
「しょぼくれないでよ~。本当だったら私も従兄さんと同じクラスが良いのに、今回は違うのだから」
「あれ?サラってもう希望する科目って決まったのか?」
「もう決まっているわ。今回のクラス替えは希望制だから、自由に選べるけど、私は今回貴族科目を受けようと思うの。元々王族というのもあるけれどね」
「まあ、サラくらいな親が政治関連だとそうなるわな。他の人も大抵決まっているだろうな。けど、問題は俺なんだ」
「どうして?・・・あっ、分かったかも。今学園の肩書として潜入している従兄さんは、既に就職先も決まっているから、どこに行けばいいか迷っている、ってところ?」
「・・・まさか言い当てるとは思わなかったな・・・そうだ。どこ行けばいいか分からん」
「なら従兄さんは本当の兵士さんだから、兵士科に行けばいいじゃない?」
「いや、それは行かない。というか俺は兵士じゃないから、どっちにしろ向かないぞ。まあ強いて言えば警務科かな?日本国の行政機関の一つである自衛隊は法執行機関であるしな」
「それが良いんじゃない?そこで少し勉強すれば、多少の現地の知識は学べるかもよ?」
「そうだな・・・。よし、今年は警務科で決めた」
「(次いでに私も警務科に・・・)」
「サラ。今から変更したらお前とは口利かないからな?」
「何で私の心が読めるのよ!!ぶ~、分かったわよ・・・」
「アレクサス様~~!!」
「今日も素敵です~~!!」
「きゃ~~~!!!抱っこしたいわ~~!!」
「ちょっと!!抜け駆け禁止よ!!」
「従兄さんの身体は、私が守ります。っとその前に、私が従兄さんの清らかな身体を・・・」
「・・・何言ってるんだ・・・我が従妹よ・・・」
「そうよ!!!アレクサス君は誰も渡さないわ!!」
「ちょっと!!貴女の者でもないでしょう!!私よ!!」
「君も何言ってるのかな?!アレクサス君は私のよ!!」
「ふざけないで!!アレクサス君は私達のよ!!」
「ねえアレクサス君。お姉さんと一緒にあっちに行かない?」
「ふふっ。楽しいわよ?」
「遠慮します。では!!」
「『ああ~~待って~~~!!』」
「おはようアレクサス今日も人気者だな」
「言ってくれるなライゼン・・・たまには止めてくれてもいいのにな。それはそうと、久しぶりだな。どうだった?実力派は?」
「まあ、俺は基本無関心だからな。それは無理な相談だ。話を戻すと、ハッキリ言ってつまんなかったな。全員手応えがあるかなっと思っていたら全員瞬殺で終わらせてしまってな。終始イライラしていたわ。先公もあまりにも弱かったからメッタ切りしたら、それっきり関わらなくなってしまったしな。だから、つまんなかった」
「それはそれは。不完全燃焼し過ぎたか。だから俺が帰還したあと、俺と暴れたのか」
「そういう事だ。あまりにもイライラしていたからな。それは置いといて、今年はどこ行くんだ?」
「今年は、俺は警務科に行こうと思う。特段理由は無いが、なんとなくな」
「そうか。ならまた俺とは別クラスになりそうだな。俺は今年は兵士科に行くつもりだ」
「また不完全燃焼を解消するためか?」
「まあ、それも一つのうちだな」
「・・・深くは聞かないでおこう。っとそうだ。そっちの動きはどうだ?」
「リスト絡みか?なら今のところ動きは無しだ。勿論ここ限定の話になるがな。まあ、俺ら外務省から見ても大分解消されつつあるのは比較的分かるが、まだまだだなという部分もあるしな」
「そっちもか。分かった。俺らのところも一緒だ。今は動きなしだ」
「分かった。っとそろそろ時間が近づいてきたな。またな」
「おう」
「さて皆さん。そろそろ希望クラスへの移動時間が迫ってまいりました。改めて忘れ物が無いか確認してください。また、希望クラスを決めていない生徒は今決めてください」
「ラフ先生。はい。希望クラス票」
「おお。ようやく決まったか。結構長かったな」
「まあ、結構考えた結果これで俺は進むと判断しましたので、記入しました」
「そうか。なら預かろう・・・その前に・・・何故アレクサスの希望クラス票の単語だけで何故他のクラスの生徒まで動きを止めて俺のところへ来る!!??いい加減メリハリ付けろ!!」
「『それとこれは別!!!さあ先生!!!早くアレクサス君のクラス票を開示してください!!!』」
「するかバカもん!!!それに今回は希望制だ!!!そんなことしても変更は出来んぞ!!!それは分かっているだろうな!!!」
「『あっ・・・』」
「はあ~~・・・あんたらはバカかよ・・・さっさと立ち去れ・・・」
「『・・・』」
「すまんなアレクサス。毎度恒例の迷惑をかけてしまって」
「構いませんよ。それにもう慣れました。本当は慣れたら怖いのでしょうが・・・」
「まあ、こればっかりはな・・・仕方ないな。おっと時間だ。アレクサスも一旦席に着け」
「はい」
「・・・よし!今の時間を以ってこのクラスは解散だ!生徒たちは各希望のクラスに移動してくれ!」
「『はい!』」
「えっと?警務科警務科・・・と、ここか。失礼します・・・あっ、ラフ先生ではないですか」
「お?アレクサス。今年はここか?」
「はい。という事は先生も?」
「そうだ。またよろしくな」
「はい。それはそうと、今回は結構人数少ないのですか?」
「まあ、他と比べたら少ないわな。まあ、こうなることは分かってはいたがな。こういう魔法学園にこういった警務の仕事は人に寄るからな。無理もないだろう。しかも生徒の過半数は貴族や大商人にお役所の幹部出身までいるからな。猶更だろう」
「そうですね。ですがその分気楽に出来るでしょう」
「だな」
「あれ?アレクサスじゃありませんか。貴方も今年はこのクラスですの?」
「あれ?メルカイナじゃないか。おおそうだ。今年はこのクラスだ。てか他は?」
「確かに皆で冒険科に行こうかと迷いましたが、ジャリーグが『冒険者を続けたらいつ怪我とかで引退するか分からない。だから今のうちに別の科で学んでみてはどうですか?』という意見が出たので、いざというときに知識を生かせるように、今年は分かれましたわ。まあ、まさかアレクサスと同じクラスになるとは思いもしませんでしたが」
「それはこっちのセリフだ。元々こういうのは人数が少ないと思っていた矢先だからな。まあ、仲間が居るのは良いことだ。今年はよろしくな」
「はい。よろしくお願いしますわ」




