離合ポイントへ(マニー視点)
離合ポイントへ(マニー視点)
・・・やばい・・・予定よりかなり遅れたかもしれない・・・。だって予定だと離合ポイントまでは一日くらいかけないと着かない距離にあるの。お陰で今全力疾走並みに走っているわ。・・・何度か戦闘中の集団を横切っちゃったけど、とにかくそれくらい急いでいた。私のせいで予定が狂ったとなると・・・何されるか分からないわ(性的意味ではなく)・・・。暫く走っていると、森から抜け、草原が広がっていた。私はそれでも速度を落とさずに突っ切ろうと思っていたけど、目の前の出来事に私の足は急ブレーキをかけることになった。その出来事は・・・戦闘中ではあるけれど・・・
「おら!!貴族国軍の威信にかけて、この戦闘に勝て!!」
「『おおお!!!』」
「隣国の民のため、善人の民のため、皆のため、この戦闘に勝って大手を掛けろ!!!」
「『おおお!!!』」
大規模交戦が目の前で行われていたのだ。やべー・・・ここを抜けないと辿り着かないのに・・・。そう焦っていたのも束の間。今度は後方から
「応援のご到着だ!!お前ら!!気合を入れろ!!」
「『おおおお!!!』」
応援部隊が到着したのだ。ここにいると巻き込まれる可能性があるので、咄嗟に木の上に跳んで回避した。ただし・・・
「・・・・?」
「?ああ、ごめんね?お邪魔します・・・」
「(コクリ)」
この木の上には先着者がいたようです・・・
「えっと?君は?」
「・・・魔法の練習していたら、この人たちが突進してきたから、避けてた」
「そうなのね」
「・・・貴女は?」
「私?」
「・・・あれだけの速度で急に止まれたのだから、相当な脚力なはず」
「・・・見られていたのね・・・」
「うん。貴女も兵士?」
「・・・うん。そうだよ。この国でも隣国の兵士でもないけどね」
「そう・・・」
・・・何だかやり辛い魔女?ね・・・けど時間もないし・・・どうしたら・・・
「貴女はどこ行きたい?」
「私?私は・・・この草原を突っ切って、その先の森に・・・時間制限付きだけどね・・・」
「なら、私が連れて行ってあげる」
「・・・え?どうやって?」
「魔法で。短距離なら少ない魔力で済む」
「・・・そりゃありがたいけど・・・君は?」
「私は魔法の練習を邪魔されたから、別の場所に移動する。それがこの草原を超えた先だから」
「そうなのね・・・じゃあ、お願いできるかしら?」
「構わない」
謎の魔女に草原の反対側に魔法で言ってもらうことにした。どんな魔法だろう?やっぱり転移魔法?
「・・・妖精よ・・・私に力を・・・」
?妖精?魔法じゃないの?すると一匹?一人?の妖精が現れた。結構小っちゃくてかわいいわね
「この草原の反対側まで・・・お願い・・・」
そう言われた妖精は、妖気を醸し出して私達を覆い、兵士たちの死角を突きながら移動して、暫く流されていたら反対側に到着した
「・・・はい、着いた」
「あっ、ありがとう。けど魔法じゃないのね・・・。けどさっき魔力って・・・」
「・・・うん。私の場合は違う。魔力をエネルギーとして利用して、そのエネルギーで向こうまで移動してもらった」
「移動魔法は?自分自身の」
「・・・私にはない・・・それは宮廷魔術師以上の実力が無いと・・・出来ない・・・」
「そうなのね・・・でも助かったわ。ありがとう!」
「・・・気にしないで」
そう魔女に感謝を述べて、足止めは食らったけど、何とか時間の消耗を最小限に済んだので、また走り出すことに。
暫く走り続け、何とか大体7時くらいかな?離合ポイントに辿り着いた。辿り着いたのは良いけど・・・
「あの・・・ヘビー・・・何頭を抱えているんですか?」
そう。冒険者?を大量に連れているヘビーを見かけて話しかけたのだけど、この通り、頭を抱えていた。そして
「マニー・・・俺が聞きてえ・・・」
と愚痴っていた。私は訳分からず
「?」
とポカーンとするしかなかった




