自衛隊 休暇の日々! 2日目 2
軽くバトルが入ります。本当に軽くです。
自衛隊 休暇の日々! 2日目 2
俺は早速冒険者ギルドの依頼ボードを眺めながら手頃な依頼書を探す。因みに依頼ボードはランク別に分かれている。なのでギルドに登録時に設定されたA+ランクの依頼書を探す。
「う〜ん 討伐や護衛が多いな……それもそうか。A+と言ったら熟練冒険者で場合によっては指名も入るくらいだからな〜。自分で言うのもなんだが少し常識知らずか。出来ればあまり危険の少ない依頼が良いな。取り敢えずひたすら眺めるか」
っと言ったもののいつまでもその場にいても邪魔になるだけだな。早めに見つかるか時間を改めるか。っと思ったら一つの依頼書に目が止まった。
「……レッドグリズリー亜種の捕獲……?ってこれよく見ると亜種だからA++物件じゃ無いか。うーん。まあ 一つ上のランクまでだったら依頼可だからこれにするか。んで内容はいいとして報酬は7万フィート。討伐したら報酬金が3万フィートになる……か。ところで捕獲ってどうやるんだ?」
暫く一人で唸っていたが考えても仕方ないので
「この依頼を受けるか」
そう思いボードから剥がしてカウンターに行く。
「こんにちは。マサル様。受託ですね。こちらマサル様の所有ランクより一つ上ですが問題ありませんか?」
因みに冒険者ギルドは俺がレイチェルと結婚した事も、俺の本業が自衛隊という事も承知している。すっかり顔馴染みになってしまった。まるで指名手配犯だな俺は。
「問題ない。本当は余り危険を犯せないがこの依頼書に目が止まってしまってな。まっ 気まぐれと思ってくれれば」
「ははっ 分かりました。ではこの依頼を手続きします。出発はいつになりますか?」
「ああ 今出発する」
「承知しました。では捕獲の方法ですが支給アイテムを渡しますのでこちらを使い捕獲してください」
なんか色々説明されたけど聞き流しておこう
「以上で説明を終えますが、使い方などに質問はありますか?」
「いや、無い」
「承知しました。他に何か質問はありますか?」
確かに他に質問もあったが時間も掛かると予想したので
「いや、ない」
っと返事した
「分かりました。ではお気をつけて。良い結果を期待します」
「うーん 期待はしない方が良いかもな。期待されて失敗したことも考えるとな。前々から期待するなっと行った方が色々な意味で良い」
「ふふ そうですね。それでは期待しないでお待ちしています」
「ああ」
今回の受付嬢は面白かったな。はじめは恐縮もあったが打ち解けたみたいで良い良い。
ところ変わってギルド内
「どうだった?自衛隊員との会話は?」
「はじめ緊張しましたがそのあとは普通に接してくれました。まるで普通に街中に歩いている人と変わらないくらいに」
「そうか。ならいい」
戻ってヤポーヌク郊外の森
「……困った……」
俺。マサルは困惑していた。なぜ困惑していたかと言うと
「もう、捕獲してしまった……まぁ 捕獲の仕方はツタをグルグル巻きにしてそこに誘い込んだらまんまと引っ掛かり、最後に麻酔弾を投げたら寝たから方法は間違ってはいないと思う」
「それにレッドグリズリー亜種ってこんなに弱かったかな?なんか素手で相手の攻撃を殴り蹴りしてたら弱まったから捕獲したけど。あと攻撃が咆哮と爪攻撃とブレスと突進しか無かった。これ下手すればこっちの世界の熊の方が強いか?」
脳内会話で自分で思った疑問を自分で解決させるという自問自答がでたが まあいいや
「あとはチタンで鎖を作って手足を縛ったら丸太に括り付けて持ち帰るか。……まぁ 持ち帰るのが大変だが」
暫く歩き、いつもの門に到着するとやはり門番が腰抜いて驚いてた。……まぁ 目立つわな
「あ〜 取り込み中すまない。クエストクリアして戻ってきたところだ。通って平気か?」
「……あっ あっ ああ……と、通ってい、良いぞ」
「サンキュー」
やはり街中に入ると更に注目を浴びる。なんか力自慢の男達が抱き合って驚いていた。更にその仲間と思われる人が慰めていた。……実にシュール
「ふぅ。やはり少々重かったがなんとかギルドに着いたな……」
扉を開け
「すいません。捕獲依頼、完了したので持って帰ってきたぞー。誰かいるか〜?というか何故全員フリーズしている?生きてるか〜?」
っと周りを見回しても誰一人動かない。そう誰一人
「……やはり全員死んでいるみたいだな。誰か聖職者はいないか〜?こいつら全員死んでいるみたいだから葬式した後埋葬してやってくれ〜。俺は帰る……(手を合わせて祈る)」
っと次の瞬間
「い、いやいや!帰らないで下さい!というか」
「『勝手に殺すな(さないで下さい)!!そして祈りを捧げるな(ないでください)!!』」
と全員の心が合わさった瞬間であった
「良かった。全員生きているみたいだな。危うく聖職者を呼ぶところだった。なら良い。受付嬢、依頼完了した『レッドグリズリー亜種』を捕獲したぞー。待っているのもめんどくさいから持ち帰ったぞ。別段問題はないよな?」
「あっ あっ 持ち帰ったのですね……って逆に問題です!なんで持ち帰ったのですか!?支給アイテムに魔導球ありましたよね!?それに魔力を送り込めば捕獲した通知がギルドにきますよ!?それに偽りで送ってもこちらの魔導球は反応しませんから、てっきりまだクリアして無いかと思ったのですがまさか持ち帰るとは誰も思いませんよ!貴方は魔族でも竜人などでも無いのですよ!?そんな軽々と『はい、持って帰ったぞー』っと言われてもそれは反応に困ります!それに捕獲合図しないと場合によってはクエスト失敗扱いになる可能性があります。どうやって捕獲したのかなどの調査が必要になってくるので必ず合図は必要です。それも説明したしたよね!?だから言ったではありませんか『問題あり』だと!」
「そんなに怒らなくてもな〜。別に捕獲したんだし、場所なら今からでも行ける距離だし」
「そういう問題ではなくてですね。はぁ〜〜……分かりました。では取り敢えず捕獲したという判断してそのレッドグリズリー亜種をこちらに引き渡してください。貴方は帰らず捕獲した場所まで案内してください」
「ほい。了解した」
その後どうやったらこんなデカブツをほぼ素手で体力を減らすことが出来るかとか捕獲に使った物は何なのかなど凝ったり聞かれた。そして終わる頃には日は落ち、夜になっていた。
「……はい。では……」
「ええ……。それで……」
「これは?うむ……」
「ああ。なるほど……」
などボソッと聞こえたりしていたがどんな話ししてたかは分からないっと調査員が来た。
「捕獲、お疲れ様です。ご説明前に軽く自己紹介を。調査員長のアンデット、カラスカーリーと申します。捕獲した時に状態などの判断や偽りがないなどの判断をするのが我々調査員の仕事です」
「俺の名はマサル。冒険者ランクA+を所有している」
「マサル様ですね?よろしくお願いします。さて早速判断ですが、調査の結果レッドグリズリーを貴方が捕獲したと判断します。よってクエストクリアと宣言します。こちらの物をお持ちになり、こちらを受付嬢にお渡し下さい。しましたらクエストクリアのハンコが押されます。さて状態などの説明ですが……おききになりますか?」
「いや、今日は帰る」
「そうですか。了解しました。では長々のお引き止め申し訳ありませんでした」
「いやいや、では」
ギルドに戻りさっき渡されたものを渡す
「判断は良、ですね。ではギルドカードをお出しください。クエストクリアのハンコを押します」
ハンコを押すといってもカードに魔法陣が組まれるだけだがな
「では、これにてクエストクリアです。改めてお疲れ様でした」
「ああ。……ところであんた……疲れている?」
顔色が悪かったので一応心配して聴いてみたが返答は
「ええ 疲れていますよ?誰かさんのせいですがね?」
あ〜 なるほどな
「ああ これは失礼した。では俺は休む。レイチェルに先に部屋に行くと伝えてくれ」
俺はまだギルドの宿舎に寝泊まりしている
「承知しました。お疲れ様でした」
夜9時を回り、ギルドが閉業した。暫くしたらレイチェルが部屋に帰ってきた
「貴方お疲れ様でした。また貴方の話題で盛り上がりましたよ。『なんて常識知らずなんだろう?』と皆が愚痴を零しながら。私はそれを聞いてマサルさんらしいと思いました」
「そ、そうか。そんなに世間知らずだったか。戻ったら少しこの世界の常識を勉強しようか」
「ふふ それが良いかと」
レイチェルが微笑みながらまた会話が盛り上がる。そして就寝しようと思ったがレイチェルが
「あなた、私は今日も甘い熱いやらが欲しいのですが良いですか?」
顔を赤くしながら聞いてきた
「ああ 勿論。おいで?」
今夜も夜のベルが鳴った。
調査員の会話
「凄いな。レッドグリズリー亜種をここまで軽くあしらわれて捕獲されるとは」
「だな 始め体をみたら殆ど打撃痕とアザぐらいしかなかったからまさかとは思ったが、案の定だったな」
「それに捕獲に使った罠も支給された雷属性で作られたシビレ罠ではなく木のツタを利用するとは知恵も働く」
「だから擦痕も多少あったのか。だが何故支給したものを使わなかったんだ?」
「ギルドに聞いたのだが支給アイテムをそのまま冒険者などにあげる事があるらしい、100%では無いがそれを狙ったのでは無いか?」
「なるほどな。今回は?」
「うーん まだ聞いてないから分からない」
「そうか。どっちにしろ捕獲したやつは面白そうだ色々な意味で今度も」
「はは 俺もだ」
調査員は楽しそうです。
次回の更新は未定です。