魔法テスト?
魔法テスト?
テストを無難に終え、次のテストは魔法階級でどこまでいけるかという、いわゆる力比べであった。人数はマンモス校なだけあって、一回のテスト人数で50人ずつ行うという豪胆ぶり。テストはまずは超初級魔法から始め少しずつ階級を上げるという内容になっている。リタイアの基準は自身の保有する魔力量ギリギリまで流し込み、枯渇寸前の兆候が見え始めたらそこで終了するという寸法である。兆候としては立ち眩み、流し込んでいる最中に使用魔法の消滅、息切れ、顔面蒼白、自己申告などである。但しこのテストは自身の知識や認識などを測定するため虚偽申告は出来ない。つまり「つまらないからやめよ~」などは言語道断ということである。ということでテストを開始する時刻になった。
「よしお前ら!ルールなどは先程説明したとおりだ。もう一度言うが無理だけはするな。さっき言った兆候が見られたら即中断しろ。中断しないでそのまま続けると生命の危機にも落ちうる可能性がある為だ。くれぐれも注意するように。あと魔法階級で帝級以上の使用は一旦先生に申告するように。可否はその時の身体状況や時間、自身の知識量で判断する。勝手な使用は禁ずる。留意せよ。一通り説明したが質問はあるか?・・・・・何もないみたいだな・・・では開始する。順番は先程先生が配布した番号札で行く。では1~50の人は出てきてくれ。番号順に並んだあと、先生の指示で超初級魔法を的または荒野に向けて放て。準備は良いか?では放て!」
「火よ、私の心の火を宿してください! フレア!!」
「水よ、俺の心をきれいなピュアな水をください! ウォーター!!」
「土よ、自分の心を土で埋もれさせてください! サンド!!」
「闇よ、あたしの心を闇見たく禍々しく生成させてください! ダーク!!」
「光よ、わたくしの心を明るく照らす光をわたくしにください! ライト!!」
「空よ、俺の心を広く大きいその空の一人として俺も同行させてください! エア!!」
「生よ、僕の心を生まれたての子のように優しく包んでください! ラウ!!」
「風よ、ボクの心をそよ風みたく優しく肌に触れさせてください! ウィンド!!」
「緑~、ウチの心をその緑で心を癒して~ グリーン~~」
「無よ、その何もないところから新たに作り出してください! オール!!」
皆魔法の力比べを開始して思い思いの超初級魔法を使用していく・・・詠唱が一部怪しいというか、ヤバい奴はいるがまあ人それぞれだし、俺も無詠唱でする予定であるしな。まあここは何も言わないのがベストだろう。それにこれはテストだしな。余計なことを言って他人だけでなく自分自身の首を絞めるのだけは勘弁したいしな。
さて、そうこうしていると次のグループが入ってくる。基本的にはストレートのように超初級から自分ができるところまで間髪入れずにやるのではなく、初めのグループが超初級をクリアしたら次のグループが超初級魔法をする事で、消耗をなるべく抑える必要がある。誰でも万全な体制で挑まなければならないからだ。逆に極限状態にして各々の力量を見せつけるといった過激?な方法もあることにはあるが、今はその時ではないため、まずは自分がどこまで出来るかといった軽い力量計算で十分だろう。そして殆ど同じ魔法が出てそのグループが終了したら次に交代して次のグループの超初級魔法の開始するといったループをしていく。これは俺に出番はいつになるかわからないがな。まあ気長に待つとしようではないか。
そして俺のグループがようやく回ってきた。ここで今周りを見渡して気づいたが、どうやら俺のいるグループは一番最後らしい。さて、出来る限り目立たないようにしなければな
「さて、周りを見て気が付いた人もいるだろうが君たちが一番最後のグループになるな。待たせてしまって申し訳ないな。さて他のグループと同様に魔法をやってみてくれ」
「『はい』」
「先生一つお願いがあるのですが良いですか?」
「どうした?ズルは出来ないからな?」
「分かってますよ。そうではなくて、魔法を使用する順番ですが、アレクサス君が一番最後に出来ませんか?」
おい何言ってるんだ?この蜘蛛族と吸血鬼族の爽やかハーフ君は?俺は望んでいないが?
「ほう?何故だ?」
そこで何故ラフ先生は乗り気なのですか!?別に気にせずに各々の魔法テストをすれば良いじゃないですか!?なぜそこで興味を示す?
「はい。アレクサス君は小等部一年生から莫大な経験と魔法をお持ちです。特に顕著に目立ったのは我々が入学してまだ間もない時に理不尽な決闘を挑まれてそれでも勝利を収めたことです。あれだけの実力をお持ちになりながら未だに自身の力を発揮どころは見せてもいません。そこで自分は思いました。何故力を発揮しないのか?それは使う機会がなかったと予想します。なのでここで順番を一番最後かつ一人で魔法テストをしていただいて、正常な成績をつける様にするのです!そしてその力を他の人にも伝授してほしいのです!いかがでしょうか!?」
うん。凄い力説をありがとうございます。でもな?それを簡単に要約すると「アレクサスの実力は本物なのか?本物ならそれをどうしたら使えるようになるのか?そして(ここでは言ってないが)自分はそれを学んでウハウハハーレムをしたい!」と俺には聞こえるのだ。それに実はこのハーフは爽やかなだけあってイケメンではないし、頭が良いかっというとそうでもないしな。しかも毎回いつも俺に向けて羨望や嫉妬の目線を人一倍俺に向けているのだ。つまり俺が女子達に囲まれて羨ましい!爆ぜろ!と思っている一人である。・・・まあ羨ましいのは分かるけど残念ながら俺はこの女子達に囲まれているのは苦手に近いので逆に君らが羨ましかったりする。・・・まあそんなこと言っても「うるせえ!持たれなき俺らに何が分かる!?」と言われそうだけどな。さてそんなことはさておき、この状況を先生はどう思うのか?
「実は俺もアレクサス君がどれくらいの実力を持っているか知らないからさ。俺も丁度知りたいと思っていたところだ。その意見には賛成するぞ」
「おお!流石先生!分かってらっしゃる~~」
何故そこで先生も一緒に賛同する!?しかも他のクラスメイトも賛同するように大きく頷いているし!?
そこで何故基本的に波長すら合わない連中まで何故そこだけは同調するんだよ!?しかも去年と同じクラスだった連中や一年の時の同クラスの連中も一緒になって頷いてるし、何なら去年同じクラスで派閥を作ってまで対立していた人まで賛同してるし!!・・・これは腹を括るしかないか?
「といっても前提条件としてアレクサスからOK貰わないといけないぞ?それに去年はアレクサスの仲間が居たとはいえ、あの他国との試合の参加棄権だけでなく、派閥の不参加や、出場派閥が頼み込んでまで強化合宿の参加をアレクサスにしたのにアレクサスはそれを拒否したこともあるからな。こう言っては何だがアレクサスの守りは固いぞ?ただ単に力を放出だけなら既にやってそうだしな。だからそれを頷かせるのは容易ではないぞ?」
「そうよデンタ君。アレクサスは他人には優しいし教えたり仲間同士でけんかをしないように妥協案などを出してくれるけどそれでもダメな時はだめなのよ?それにデンタ君がアレクサスに頷かせるのは個人的にも厳しそうだしね。デンタ君は諦めたほうが良いかもしれないわよ?」
「うっうるせえ!だったら頷かせるだけだ!どうだ?アレクサス!!やるか!?ここで見せつければ厄介な貴族とかに迫られずに済むぞ?」
「『何ですって!?』」
「デンタ君。それは失言だ。全員が全員ではないことは君も分かっているだろう?」
「分かっている・・・済まなかった。けど全員では無いとはいえいることはいるだろう?」
「『まあそれはそうだけど・・・』」
「だからアレクサス!!ここで力を見せつけるんだ!!場合によっては俺様が配下に加わってもいいぞ?」
「凄い上から目線だな・・・まあどっちにしろ俺の意思は決まっている」
「お?そうかそうか。では力を見せつけるのだな?」
「デンタ君残念だがその逆だ。力を見せつけずにする」
「なっ何故だ!?何故力を見せつけない!!」
「簡単な話だ。俺は気長に学園生活を過ごしたいんだ。そんなことで壊してはいけないしそれにな、もしかしたら他人に恐怖を与えるかもしれない。上から目線かつ傲慢な奴なら良いかもしれんが普通の一般学生やか弱い女の子にそれは不味い。だからそれはしない。それに君は俺が上に立つことによって『俺はアレクサス様の僕だから何かあればアレクサス様が来てお前をボコボコにするぞ!!どうなっても知らんからな!!』とか言って脅す気だろう?知ってるぞ。君は昔からそうだということを。実際に入学前も『頭が高い!!俺はこの国の侯爵家の跡取り息子だぞ!!頭を下げないと知らんぞ!!』とか言って脅してたろうに」
「でっ出鱈目言ってるんじゃねーよー!!!」
「本当のことだろう?それにな?一応一年の時の同級生は俺の出身地を知っているぞ?そこで何が関係しているというとな?俺の出身地はこの星でここから東にあるカサジマ県という日本国が領地にしているところでな。つまりこうゆうものを持っているわけさ」
俺は懐から丸い棒で先端にガラスみたいな物を取り出す。そう。ビデオカメラである
「これは映像記録をするビデオカメラと言ってな。その場の風景や音声を記録として残す物だ。そしてこのように・・・『これは映像記録をするビデオカメラと言ってな。その場の風景や音声を記録として残す物だ』とこのようにもう一度再生といったことも出来るし、画面を覗けばこのようにさっきに記録をそのまんま見ることも出来る。これを当時の記録を探して再生したらこうなる。さて大音量で流すから皆もよく耳を澄ませるように。『頭が高い!!俺はこの国の侯爵家の跡取り息子だぞ!!頭を下げないと知らんぞ!!』どうだ?これを聞いてもまだ言い逃れをするか?因みにこの事は既に学園長の耳にもすでに入っている。日本国に聞かれるのも時間の問題だろう。どうだ?まだ逃げるか?」
「・・・・・」
そんな暴露話をされてデンタ君は沈黙をしている。実際に周りを見渡したらこんな声が聞こえてくる
「嘘・・・そんなことしてたの?」
「デンタ君・・・そんなことをしてたの?・・・」
「デンタ君・・・噂では傲慢な侯爵子息と噂されていたけどまさか本当だったとは・・・」
「あいつ・・・ヤベーやつだな・・・」
「ああ・・・しかもまだ日本国からの抜き打ち捜査がまだ終わっていない可能性があるのにこんな事するなんてな・・・」
「これは当の本人は言い逃れは出来んな・・・」
「そのまま裁きを受けろ・・・!!」
などといったデンタ君に軽蔑や憤怒などの目線を送っていた。デンタ君はその場で項垂れる
「先生、このようなことがあるので俺は拒否します」
「そうか・・・そりゃこんなマヌケが居たらそうなるだろうな・・・分かった。アレクサス、君はそのままテストを続けろ。俺はこの元生徒を学園長に引き渡してくる。幸いなのはこの場に副担任がいることだ。君らはそのまま副担任の指示に従うように。アレクサスは既に会っているだろから分かるはずだ。去年度、アレクサスとライゼンが学校残留していた時に代わりに教鞭に立ってた先生だ」
「・・・あの先生ですね?分かりました」
「俺はその間この人を引渡してくる。あとは頼みましたよ。システィー先生」
「分かりました。アレクサス君、久しぶりね。今回もよりよろしくね」
「はい。今回もよろしくお願いします」
「ええ。よろしくね。皆さんにも自己紹介します。研究員兼教師のシスティーです。よろしくお願いします」
「『・・・はぁ・・・///』」
「『はあ・・・男子ったら・・・』」
うん実はこうなることは知ってた。システィー先生が去年この学園に来た時もこうなっていたな。システィー先生は色白美人なので、去年もこんな感じで男子生徒が集まっていた。しかも口説くやつまでいたそうだ(本人曰く)。てことでこのままテストを続けることにした。因みにデンタ君がどうなったかというのは、はっきり言って知らね!!
てことで引き続きテストを再開する。次は(俺の出番は最上級からになってしまった)、超初級魔法から初級魔法に入る。初級魔法は基本的に超初級魔法と大して変わらない。変わるのは多少の威力増強や魔力量の消費の増大、詠唱する場合は超初級よりそれよりワンランクアップの詠唱やイメージなどが必要になってくる。例えばただ単に火を出すくらいなら超初級は火をおこすだけで良いが、初級は火の起こし方といったほんのひと工夫が必要になってくる。それだけでも大きな違いになってくる。なので普通にクリア出来そうと俺は思ったがここでまさかの脱落者が居たことに驚く。数人の女子が脱落した。・・・やはりこの星の魔法性能は劣悪すぎて後先ないかもしれんな。そして少しずつ階級が上がっていくにつれて脱落者も多くなってきて遂に上級から男子の脱落者が出てきた。上級で脱落するということはその人は実質中級程度の実力しかない事になる。・・・流石にショックを隠せない中、クラスメイトは「頑張ったね~」や「これで軍に行けるかな?」や、挙句の果てには「自衛隊ってこの実力でも行けるのかな?」と流石にそれはないだろう、と心の中で軽く突っ込みを入れていた。
次はついに俺の出番になる最上級だが、ここで残っているのは10人程度しか残っていなかった
「はい皆さん、お待たせしました。これから最上級のテストを開始します。ここから一人ずつの使用でお願いします。では初めに番号473番の生徒様。お願いします。なお、次の超級からは魔法使用前に先に名前を申し出てください。成績にも正確に加点致しますので必ず申告してください」
「はい!番号473番いきます!!」
そう申告して使用した魔法は小魔法の氷属性であった。これを見る限りこの人は水系が得意なのかもしれない
「はい。終了してください。では次の方、番号499番の生徒様、お願いします」
「はい!」
と、またしばらく待機してようやく
「はい。結構ですよ。ではアレクサス君。お待たせしました。いよいよ出番ですが身体は鈍ってないですか?」
「う~ん、軽く身体は冷めてしまいましたが大丈夫だと思います」
「そうですか。では続けましょう。では最上級魔法をお願いします」
「はい。いきます」
そう言って俺は効率化のため、イメージのみで無詠唱で魔法を形成、その後は使用魔法を選択する。最上級魔法だから氷と風の魔法で挑む。イメージは自分自身が氷雪地帯に迷い込み、今は吹雪に見舞われていると想定して周囲を凍らせる。すると温度が一気に低下し気温も氷点下を下回り始めた。周りの生徒や先生たちはこの光景に驚愕を露わにしているが、同時に急激に気温が低下したため寒さによる肉体痙攣をおこしていたため、流石にこれだと正常な判断が出来ないと俺は更に別の魔法を使用する。次の魔法は、火魔法と空魔法と緑魔法と岩魔法でクラスメイトと先生たちの周囲だけを空間形成して緑魔法で薪を作り、岩魔法で即席の暖炉を形成して火魔法で薪に火をつける。早い話が家の中で暖を取るイメージにしたのだ。そしてこの光景に更にクラスメイト達は驚きを隠せないでいた。そして申告する
「はい先生。終了しました。判断基準は満たしていますが?別に的を破壊せよ!だけではないはずですが?破壊か周囲の形成なども基準だったのでこうしましたが?」
「あっあっあ・・・そうですね。確かに条件は満たしていますね。アレクサス君。最上級魔法テストは合格です!しかしこれほどまでとは・・・」
「システィー先生。これは私達も同じですよ。まさか複数の魔法を使用するとは夢にも思いませんでした。使用した魔法だけで火・風・氷・空・緑・岩の6種類を使用するとは思いませんでした。しかも周囲一帯を氷雪にしただけでなく吹雪まで作る出す始末、更にアレクサス君は私達を見て即座に寒さで凍えていることを見抜き、ここで空間で私達は家にいる仮定をして暖炉を制作し薪を割り火をとぼすという気配り上手っぷりを発揮しました。これは完全に私達の負けというのが簡単に見て取れました」
「やっぱりそう思うよね。これを平然にやってのけるアレクサス君って何者?」
「それは分かりかねます。何しろ周りには気配りや意見などはするのに自分のことになると何も話さなくなってしまうので分からないのです。それに私達だけでなく他学年なども同様なので皆いつの間にか暗黙の了解が出来たのです。『アレクサス君と仲良くなりたい、または話がしたい場合はアレクサス君関連の話題は出すな。具体的には誕生日や趣味など一般的に聞かれるようなことは何も手を出すな』というのが出来てしまうほど彼のことは何も分からないのです。唯一彼のことで詳しそうな生徒が最近判明したのですが、今年は実力派に行ったライゼンという生徒がアレクサス君について何か知っていそうなのです。ですがまた彼もアレクサス君のことは何も話さないし彼自身も自身のことは何も話したがらないのです。そして彼自身も自他ともに認める性格の悪さで有名なのです。別に素行が悪いのではなく、普通にしていれば何もないのですが、ちょっとしたことで怒る、いわゆるキレやすい人なのです。なので実質誰も彼のことは知らないことになるのです。流石にずっとこのままでは不味いので対策案は考案中ですが・・・今は手付かずが現状です」
「そうなのね・・・しかし・・・彼の子の魔法でここまでになるとは流石に思わなかったですね・・・これではテストの継続は不可能に近いのでこのテストはここで終了します。なお、最上級をクリアした方はこちらに来てください」
そう言われたので合格した俺はさっさとシスティー先生のもとに向かう
「さて、最上級魔法テストの合格、おめでとうございます。本来でしたらこのまま超級魔法に突入したいところですが、テスト会場がこのような形になってしまいましたのでここで終了いたします。これから成績に反映いたしますので皆さまライセンスをお出しください。順番に交付いたします。
まずは番号473番のリアリィさん。おめでとう。次の機会があれば超級に挑戦しますか?」
「!?・・・気持ちは嬉しいですが、私は恐らくここで限界と思われますのでここでピリオドさせていただきます」
「分かりました。確かに無理は禁物ですね。とにかくお疲れ様でした。
次は番号502番のアーカイブ君。おめでとう。君はどうしますか?」
「いいえ。遠慮します。実は先生も見てわかる通り、辛勝に近いのでこれ以上は無謀と考えます」
「そうね。かなりきつそうだったもんね。けど自分の実力と限度を知っただけでも大きなアドバンテージになるはずよ。お疲れ様でした。
次は番号651番のオーユ君。おめでとう。君はどうしますか?」
「止めておきます。先程のアレクサスの使用魔法を見ると自分はちっぽけに見えてしまうので」
「そうですか。他人を見て向上心を上げるのは良いことですが、あまり自分を追い詰めないようにしてくださいね。取り敢えずお疲れ様でした。
次は番号678番のユレイナさん。おめでとう。貴女はどうしますか?」
「私は機会があれば挑戦します。多分ですがまだここで立ち止まったら不味い気がします。恐らく成長もしないと思いますので、自分自身を向上するという意味でも挑戦します」
「そうですか。分かりました。確かにユレイナさんを見るとまだ自分の力を把握していないように見えます。その向上心は良いことですがあまり自分を突き詰め過ぎないようにお願いします。お疲れ様でした。
次は番号822番のクエスタさん。お疲れ様でした。貴女はどうしますか?」
「妾も挑戦するのじゃ。多分じゃが力が有り余って開放しきれてないのじゃ。流石に不完全燃焼は嫌なのじゃ。それにな、アレクサスをみると妾もまだまだじゃなと分かったのじゃ。その意味でも挑戦するのじゃ」
「分かりました。確かに不完全燃焼は私も嫌ですね。ですが力を開放し過ぎないようにしてくださいね?お疲れ様でした。
では次に番号911番のマーク君。おめでとう。君はどうしますか?」
「勿論俺も挑戦するぜ。何しろ力がまだみなぎるし、更に力を蓄えたいからな。流石にアレクサスまでとはいかんだろうが、それでも挑戦するぜ」
「分かりました。どうやら彼は脳筋みたいですね。ですが彼を見て学ぶことも多いのでそれは伸びしろがありそうですね。お疲れ様でした。
では次に番号1099番と1100番の双子の姉妹、メルカイナさんとレラカイナさん。おめでとう。お二人はどうしますか?」
「私達は当然挑戦しますわ!まだまだ伸びしろがあると思いますの」
「それに力がどれくらいあるかどうかが分からないと姉妹でタッグを組んだ時に苦労すると思うの」
「それに力の制御はアレクサス君に聞けば色々分かると思いますの」
「あれ程の力を持っているから色々教えてほしいしね」
「「なので私達二人は今後の事も考慮して挑戦します(わ)」」
「分かりました。確かにアレクサス君を見ていると私より彼に聞いたほうが良いこともありますからね。お疲れ様でした。
では次に番号1600番と1601番の双子の兄弟、ジャリーグ君とゴウリーグ君。おめでとう。君達はどうしますか?」
「俺らもカイナ姉妹と同様に挑戦するぜ」
「流石にマーク君みたいに俺達は脳筋ではありませんがそれでも向上心は忘れないです」
「それに先に言われてしまったが俺達もアレクサスに教授してもらおうと思っている」
「向上とまではいかないにせよ、それでも学ぶことは多いはずです」
「「なので俺らも挑戦に行かせてもらうぜ(もらいます)」」
「「こら~!!パクるな~~!!」」
「「うるせえ!独り占めするな!!」」
「「何よ~~!!??」」
「「なんだと~~!!??」」
「はいはい喧嘩しないでください。それにアレクサス君はOKはまだ出していませんよ?これで断られても私は知りませんよ?まあ続きを話します。先程カイナ姉妹さんにも話した通りですが、向上心もいいことですし彼から学ぶことも多いはずです。ですが私から軽くアドバイスをするのでしたら、リーグ兄弟はそれぞれソロで活動してみてはどうでしょうか?勿論決めるのは貴方達です。とにかくお疲れ様でした。
では最後に話題の的であるアレクサス君。おめでとう。君はどうするかって・・・言わなくても行きますよね?」
「勿論いきますよ流石にここで中断するのは想定外でしたが、取り敢えず自分はそれより先に行きます」
「分かりました。本来でしたら他の人と同様に何かしらのアドバイスをしたいところですが、アレクサス君は何もかも完璧ですからね。私がここで何か言うのはやめておきます。但し一般的なことを言うと、もう少し他人との交流を持ったらどうですか?例えば彼らに魔法を教え込むとか、色々なことが出来るはずですよ?それに君なら魔法階級帝級すら超えそうですしね。私はどこまで行くか非常に興味があります。
長くなりましたがお疲れ様でした」
「はい。先生もお疲れ様」
「ありがとうございます。それでは教室に戻りましょう。恐らくもう暫くは私が教鞭に立つでしょうから」
そう言ってシスティー先生はそそくさと校舎に戻る。その間も男子生徒はその背後姿と残り香を堪能していた。一部を除いて。そう最上級を突破した連中だ。その視線を感じて俺は振り返る
「お疲れ様。ところで俺になんか用か?」
「アレクサス君、ここの合格者の代表として君に頼みがありますわ」
「メルカイナ?どうした?そんな辛気臭い顔をして」
「アレクサス君。私達に魔法・・・いいえ、魔法だけでなく勉強なども教えてほしいですわ!!」
「魔法だけでなくか?どういう意味だ?」
(メルライナ)「簡単な話ですわ。アレクサス君は入学前から常に成績トップを維持していますわ」
(アーカイブ)「その学力が俺らには羨ましくもあり、同時に嫉妬している」
(レラカイナ)「勿論才能もあるだろうけど私達にはどうしても羨ましくもあるの」
(クエスタ)「その知識や理解などを妾達に分けてほしいのじゃ」
(ゴウリーグ)「勿論君の邪魔しようとは言いません。出来る限りで構いませんで」
(ジャリーグ)「俺達に色々教えてくれると有難い」
(ユレイナ)「流石に見返りは望めませんが」
(リアリィ)「それでも私達は上を目指したいのです」
(マーク)「本来なら軽く冗談を言って鍛えに戻るが、流石に俺も俺達も立ち止まるわけにはいかない」
(一同)「頼む!!色々教えてくれ(欲しい)(ください)(ですわ)(のじゃ)!!!」
まっ、こうなることは初めから予想していた。しかもあの脳筋で有名なマークまで真剣な顔をして懇願するとは思わなかったな。まあ、今回は・・・こうするか・・・
「答えは実は出ているが、その前にこれを軽く聞いてくれ。時間はかけない。
知っての通り俺は基本的に学力など以外で協力することはまずない。まずは自分の力で向上して行き詰まったら他人にアドバイスなどをして自分なりに理解して向上するのが一般的だ。けどな、世の中傲慢な奴もいてな。今日でいうところのデンタ君がその典型的な一例だ。あの奴は自分さえ良ければ良い存在で周りのことは二の次や被害を被っても何もしない主義だと思うんだ。だから去年度の他国との試合にも出なかった。何故ならあの時の彼らは初めから俺に頼る気でいたんだ。そんな奴に未来はあると思うか?だから断った。それだけではないぞ。彼らの知識や理解があまりにも乏しすぎるんだ。それもあって協力を拒否した。まあその結果中々突破口の見つからない難しい生徒としてシスティー先生に将来は大丈夫か?という意味で目をつけられてしまった。
今回もそうなのかと思って初めは君らの協力を拒否しようと思ったが、自分自身の力量や向上、限度や他人との協力する姿を見て考えを改めた」
「考えを改めた?」
「え?他の人はそんなに酷かったんだ・・・」
「?てことは俺らはつまり?」
「ああ。お察しの通り、その協力要請を引き受けよう」
「え?本当に良いのですか?」
「ああ、男に二言はいらない」
その言葉に合格者集団は歓喜の声を上げた。さて、初めて教えるからな。どうカリキュラムを組むか、楽しみであり不安でもあるが、この高揚感はどうやら嘘ではなさそうだな。




