また厄介なクラス分け
また厄介なクラス分け
去年度の厄介かつ一癖二癖強しなクラスメートに軽く翻弄されたり、またもや密告者などの始末に追われたり、心強い仲間は出来た(難点としてはかなりの沸点の低さではある)事など、色々あったが何とかこの一年を乗り切った。まあ相変わらず他人からの愛の告白の終息の目処は全く立たんがな。ともあれ久しぶりに駐屯地に戻りこれから登校準備をしている。また今日から楽しみであり憂鬱な学園生活が再開しようとしていた
「従兄さん!そろそろ出ないと学園に送れちゃうよ〜!!」
「はいはい。少し待ってな〜・・・・・へい、お待たせ」
という事で、相変わらずお元気な従妹のサラと一緒に登校する。その道中、サラはこれまた相変わらず俺に迫ってくる
「全く従兄さんは・・・相変わらずのんびりなんだから・・・。けどそれでも私は従兄さんの事が大好きだだし私はいつでも彼女になってあげるけどね!」
「はいはい。サラはいつも元気だな。羨ましいよ。あと、家族としての大好きなら快く受け入れるけど恋愛としての大好きなら受け取れないからな。いつも言っているだろ?」
「ええ〜〜??お父様は『俺の甥なら安心して娘を預けれるけどな。いつになったら首を縦に振るのか?』と賛成と困惑してるけど〜??」
「だからそれも前言った通り従妹を恋人として見れないし、家族としてなら俺も好きだが恋人なら残念だが俺は君の事を別段好きでは無いと言っているだろ?」
「それでも私は従兄さんが好きなの!!それに従兄さんは気づいてないかもしれないけど、女子の間では学年を問わず誰が従兄さんを落とせるか暗黙の勝負をしているし、既に卒業した先輩やこれから入学する後輩だってみんな従兄さんを狙っているからね? それにこれは噂だけど男子の間でも賭け事をしているみたいで、従兄さんが『はい』と言う女子が出るか勝負をしているみたいだからね?」
「・・・マジか?それは初めて聞いたぞ・・・。それに噂の件は多分マジなんだろうな。俺が軽く問い詰めたら素直に認めたしな。てかOBはともかく何故入学前の女子まで俺をターゲットにするんだよ・・・。他にもいるだろ?幼馴染とか一目惚れとか?」
「別に全員では無いよ?さっき従兄さんが言った幼馴染みや一目惚れで他の男子や女子に告白する人はいるから、そこは気にしなくても良いと思うよ? それに従兄さんの場合は超が付くほどの可愛い美少女である王族出身の私や今年度は高等部二年生のこれも超が付くほどの冒険者ランクA++魔法パーティー所属の綺麗な美少女、まだ入学式はまだ始まっていないから分からないかも知れないけど今年から入学する役所令嬢の大学部一年生お姉さん系のこれまた超が付くほどのスタイル抜群かつ高身長の狐系獣人族の女性、今年から小等部に入学する巨大貿易取引組織の社長令嬢の妹系美女子、私達の二つ先輩で神界出身で今は見習いとして下界に降りて勉強している女神系女子、文武両道出来る多種族混血系流浪の民でクール系女子の今年度は中等部一年生の美少女、外国からの留学生で今年で飛び級卒業予定の母性的美女の大学部三年生の美女、外国から来た人で今年は中等部三年生の物知り博士の異名を持つハーフリング族の美幼女など、これだけよりどりみどりの美女や美少女を前にしてほぼ全部従兄さんはお断りを入れているんだよ!?それに人によってはこれが10回目の告白です!という人もいるしそれでも断りを入れるって従兄さんも中々凄いと思うよ?」
「そんな事言ってもな〜〜。実際に心というか、気持ちがなびかないんだよな〜。何しろ恋という気持ちが今も分からない。それに俺は他人から見れば今は学生だが本当は軍人といういつ死んでもおかしくない立場にあってな。流石に妻や子供が居た時に家族を残す訳にもいかないしな。そういう感じで今は抵抗がある。それに何故俺ばっか集中するのかがイマイチ分からないのもある」
「簡単な話だよ。従兄さんは顔がカッコイイし」
「10歳の割には大人びているし」
「10歳の割には高身長だし」
「スタイル抜群のイケメン君だし」
「ルックスも良くて」
「たまにでる黒い眼鏡から覗かせる目がカッコイイし」
「たまに天然が出るのもギャップ萌えするし」
「耳に穴を開けてピアスしてるのもカッコイイし」
「頭が良くて武術も出来る」
「そして全然怒らないのも」
「他の人にアドバイスしてくれるのも嬉しい」
「だからみんな従兄さんが好きなのです。なので」
「『好きです!!付き合ってください!!』」
「おいお前ら!!いつから見ていた!?」
「う〜ん?男子は何処からかは分からないけれど、私達は『それでも私は従兄さんが好きなの!』からだよ?」
「俺らは『・・・マジか・・・それは初めて聞いたぞ・・・』からだな」
「マジかよ・・・」
そこから見られてたのかよ・・・しかも女子達に至っては男子より早いし。
その裏では今絶賛
「おう見ろやお前ら。またアレクサスが愛の告白をされているぞ」
「またか。今回は賭けても同じだから俺は今回はパスだ」
「安心しろ。俺も棄権だ。君らはどう思う?」
「この中からアレクサスのお眼鏡に叶う女子か?」
「そうだ。いると思うか?因みに俺らはいないと思うけど?」
「愚問。俺らもだ」
「まずこの場で告白しても」
「多分だがアレクサスにとっては傍迷惑なだけだと思うしな」
「てことで俺らは」
「『先に行ってるぞ!まあ精々頑張ってくれやアレクサス』」
とまあこんな感じで賭け事をしている
「いやいや。戻ってこいよ・・・まあいいや取り敢えず、君達の気持ちは嬉しいけど申し訳ないけど俺には荷が重すぎる。申し訳ない」
「『そんな〜〜・・・』」
「従兄さん・・・従兄さんはいつになったら『はい』って肯くの?」
「さあな。分からん」
「そうですか・・・まあいいでしょう。まだ時間はあるからね。それよりそろそろ急ごっか?多分もうそろそろ始業式が始まると思うし」
「だな」
また始業式前の茶番に付き合わされて精神的に気を削がれた気分になってはいるがこれはこれで平和になっていると考えておこう。それにまたクラス替えだからな。今度はどのクラスになるのか・・・といっても今回は二択しか無いがな。て事で集会場へ向かう。その道中に俺の協力者のライゼンに出会う。というか出会って早々
「・・・帰りてえ〜〜・・・」
と呻き声を上げていた
「どうしたよ仲間よ。そんなに憔悴して。何?上司にでも怒られたか?」
「んな訳あるかよバカタレが。前話しただろ?多分だが今年度は俺とアレクサスは別クラスになるかもなって」
「ああ。多分そうなるだろう。それがどうした?」
「どうしたもこうしたも無えだろうがよ!少しは察せや。去年度はある意味では俺は楽できたのに今回は違うクラスになると俺が楽出来ねえんだわ」
「例えば?」
「アレクサスが居たことで意見交換や常識交換などが出来てたのにそれが出来なくなることさ」
「・・・それは言えてるかもな・・・何しろ俺らの基準じゃこっちが通用しなかったり色々面倒な事があるからな俺らの場合は・・・もう少しこっちの常識を勉強すれば良かったと俺も後悔はしている」
「だろ?それに俺は自他共に認める気の短さだろ?アレクサスが居たことでお主が介してくれてたから何とかなっていたが次からはそうはいかなくなるな。ああ面倒〜」
「なら少しは改善に挑戦してみたらどうだ?ずっとその性格だと流石に不味いだろ?」
「・・・それが出来ていたら今頃になって苦労はしないって・・・ここの学園は大分マシにはなっているがそれでも色んな意味で腐った学園だぞ?それこそ他人の見下しや力の物言いが絶えないのだぞ?そんな中で改善できると思うか?」
「・・・すまん。それは確かに無理だな。けどならどうするんだ?」
「まあ結構極端だが、良心的に近づいてくる奴には出来る限りこっちも良心的に話し、喧嘩越しで来る奴はその喧嘩を買うことにした。無論こっちも力に物を言わせてやる」
「お前はいつになっても血気盛んだな・・・まあ良いけど。お?そろそろ始まるみたいだぞ。座るか」
「だな」
いつの間にか集会場に着いていたがまだ開始時刻では無かったため軽く駄弁っていたがそろそろ席に着かないと流石に怒られてしまうと判断して俺らは席に着いた。すると直ぐに開始時刻になった。
まあ内容としてはこれは地球も変わらんか?春休みで気が抜けすぎていないか?や、授業がいよいよ始まるから気持ちを切り替えるようにや、これは地球とは違うか?授業に付いて行けなければ容赦なく退学することや自主退学も止めないなどこっちはこっちで力に物を言うようになっていた。まあ学園の雰囲気を変えることに異論は無いがこれでは変わり過ぎて本末転倒になる気がする。まあ今言うことでは無いから良いけど。
さて始業式を終えていよいよクラス替えの時間だな。取り敢えず旧クラスに戻るか。そして戻った早々
「いやーーー!!!アレクサスと別れたくない!!!」
「アレクサス君!!今年も一緒になろう!ね!」
「あんたは別れたくない以前に付き合ってないでしょ!私だって別れたく無いよ!」
「ああ・・このイケメン君を毎日拝めないなんて・・・もう私の人生は終わったわ・・・」
「私もよ・・・死のう・・・」
とこんな感じでカオス状態になっていて、俺は女子達にもみくちゃにされている。一部のクラスメイトは俺に抱きつくなどをしている・・・暑苦しいから離れてくれないか?
「お前ら本当にアレクサスが好きだよな・・・けど余りベタベタしてたらアレクサスが可哀想だぞ?あいつこんな事する女子は苦手意識を持つからな」
「『・・・・!?』」
「すまんライゼン。助かった」
「まあ、これで少しはマシか?」
「少しどころかかなりマシ」
「そうか」
そんな会話をしているとクラスメイトが一斉にこっちに視線を向く
「「?どうした?」」
「いっつも思うけどアレクサス君とライゼン君、仲良いよね」
「「そうか?」」
「うんそうだよ。仲良さそうだもん。何でそんなに仲良いんだろう・・・」
「・・・はっ!!まさか!!アレクサス君は男色にしか興味が!!??」
「んな訳あるか・・・俺とライゼンがそんな関係って想像もしたくないな」
「だな。そんなの俺も嫌だわ面倒っちい」
「そうよねそんなことないよね」
「というか君達はどうなんだよ?他にも男子はいるだろう?それにもう直ぐでこのクラスは解散するが、他国他星他世界の王子王女や貴族令嬢、有名企業の令嬢、騎士や軍人の娘、希少性のある種族などの男女ばかりだぞこのクラスは。他に男子や白馬の王子はいるだろう?何故俺ばっかなんだ?」
「そりゃイケメンだし」
「頭良くて何でもできるし」
「運動神経抜群だし」
「そして何より」
「『みんなに優しく頼りにされているからこそ私たちは君のことが大好きです。付き合ってください!』」
「うん。さらっと告白されても何も答えられないからね?」
「『そんな~~・・・』」
「はいはい。それも通用しないからね」
「は~い。お前らそろそろ席に着けー・・・ってアレクサス・・・またか?」
「ラフ先生・・・分かっているなら助けてくださいよ~~・・・」
「そんなことを言われてもな・・・これは青春だからな。俺ではどうすることも出来ん。まあいい。そろそろクラス分けの発表だ、といっても実力派と頭脳派の二択しかないからな。ある意味では楽だろう。・・・まあ反対にこれが運命の選択といっても過言ではないかもしれんがな。
まず始めは・・・アレクサス、お前から行くか?他のクラスメイトどころか、他生徒や他学年、挙句の果てには先生までここに見に来ている始末だからな。恐らくこの様子だと自分の発表は後回しにして先にアレクサスの発表を聞いてからドキドキタイムと向かうだろうな。そうだろ?他クラスの皆さん?」
「『(うんうん!!)』」
「だそうだ。すまんがアレクサス、先にしてくれ良いか?」
「・・・仕方ないですね・・・構いませんよ」
「すまんな。てことで今からクラス分けを発表する!アレクサス。こちらへ」
「はい」
・・・・・
「アレクサス。今クラス票の入った封筒を渡したがそれを開封するのは席についてから開封してくれ。言っとくが責任逃れではないからな?」
「ええ。分かってますよ。ラフ先生はそんなことをする先生ではないことは数年前から分かっていますからね」
そう言って俺は席に着く。すると周りの視線は俺に一斉集中してくる。皆俺の次のクラスを知りたそうだ。てことで俺はさっさと開封する
「次の俺のクラスは・・・頭脳派になりました」
「『頭脳派、頭脳派、頭脳派、頭脳派、頭脳派』」
「先生・・・何か女子たちが呪文というか召喚しそうな言葉を発していますがどうなんでしょうか?」
「それは俺に言うな・・・それにな、お前を特に狙っているのは神界出身と王族と獣人貴族令嬢が特に狙っていることは俺も知ってはいるがここまで露骨に表現するのも中々ないしな・・・。更に言えば良かったな。次のクラスでも俺が担任をすることになった」
「おお、マジですか。それは嬉しい限りですね。ラフ先生はまだまだ俺の心労仲間として付き添ってもらいますよ」
「出来れば心労は勘弁してほしいところだがな・・・まあ俺としてもアレクサスが他クラス行くことは想像もつかなかったしな。嬉しい半分悲しい半分だな」
「まあそこはゆっくりと歩みましょうよ」
「だな。てことだ。さっさと自分のクラスに戻れ!ってもういない・・・まあいい。このまま他の生徒の発表をするぞ。次はライゼン。こっちへ」
「はっ」
「ライゼンの次のクラスは・・・お前は実力派だ。頑張ってくれ」
「はっ」
「はっ、って・・・あんたは軍人じゃないだろうに・・・次の人来い」
とラフ先生は俺を除いて淡々とクラス票を渡していく。その間に俺はそそくさと荷物をまとめて次のクラスへ向かうことにした
「んじゃ~俺は先に行ってるからな。他の人も頑張れよ~~」
「『ああ・・・私のアレクサス(君)(様)が行ってしまうわ・・・』」
「『アレクサス(君)(様)!!次のくらすでもよろしくお願いします!!』」
てことで俺は新クラスへ向かう。その道中でライゼンと出会う
「おお、ライゼン新クラスは馴染めそうか?それに俺という防護壁が無くなって大丈夫か?」
「大丈夫かって言われると大丈夫ではないが、初対面当時よりかはマシだろうな。それにな、来年になったらまた同じクラスになる可能性だってあるからよ、その時に掛けるさ」
「そうか。まあ同じ学園にいるんだ。何かあれば言えよ。協力するからさ」
「分かった。その時はよろしく頼む」
「おう」
さて俺は新クラスへ向かう。っと言ってもすぐ近くにあるから助かるけどな。さてここだな
「えっと?ここだな。失礼します・・・うぐっ!?」
「従兄さん!!今年は一緒のクラスですね!!」
「けほっ・・・何だ?サラ。今年は一緒か?」
「はい!!一緒です!!」
「そうか。まあ薄々分かってはいたがな」
「そうなんですか?」
「ああ。だってそうだろう?実力派に行くやつって大概脳筋や血気盛んな奴が多いからな。実際にライゼンが今年は実力派に行くことになった。それに男女比率も男子は実力に行くやつに偏っていて、頭脳には女子が偏っているしな。まあ分かり切っていたということさ」
「そうなのね。じゃあ、従兄さんと私がこうなるのは必然であるということね!」
「誰もそんなこと言ってないけどな・・・まあいい。そろそろ・・・」
「ちょっと王女様?私のアレクサスに近寄りすぎていないかしら?」
「あらあら、従兄妹なのですからこういうのは当然ではなくて?」
「いいえ違いますわね。アレクサス様は私と一緒にいるのが当然です!・・・ぴとっ・・・」
「そこで何故従兄さんの腕に抱きつくのですか!?」
「私とアレクサス様との間柄なら当然ではなくて?」
「当然ではありません!!さっさと離れて!!」
「何をするのですか!!私達の仲を邪魔するなんて・・・許しませんよ!!」
「ええ!!上等よ!!受けて立つわ!!」
「二人とも落ち着けって。そろそろ授業説明がが始まるから席につかないと・・・新クラス早々怒られたくはないだろう?」
「・・・それはそうですね・・・サラ様。ここは一時休戦としましょう」
「不本意ながら賛成ですね。従兄さんが怒られる姿は見たくないので」
そう二人はいがみ合いながら席に着く。はあ~~・・・今年も波乱の年になりそうだ・・・
3年生
実力派と頭脳派
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