強化訓練 学校編
強化訓練 学校編
対決した日から数日、俺は何故か強化訓練のため何故か何故か(大事な事なので二回、いや三回言いました)学園から離れた場所で強化合宿をしていた。何故こうなったかと言うと3日前まで遡る
3日前の放課後
『さて、出場枠も決まったしこれより先は君達には試合に勝つべく、強化合宿を行うことにした』
『先生、強化合宿ですか?』
『何だ?いやなのか?別に私は構わないのだぞ?』
『いっいえ、それ自体は嬉しいのですが、勉学はどうするのですか?流石に成績に響くのは頂けないかと』
『安心しろ。その期間の間は合宿先で授業だ。勿論出場しない生徒はここで待機だ』
『なっなるほど』
本来はこれで終わるはずなのに、優秀なクラスメイトが余計な一言から始まる
『先生!異議を唱えます!』
『何でだ?君は出場枠では無いだろう?今更出場の枠は変えられないぞ』
『分かっています。異論を唱えたいのは俺達も一緒に強化合宿に同行させてください』
『ほう?その理由は』
『難しい事ではありません。出場枠の生徒だけではどうしてもマンネリ化が発生してしまいます。
たまには他の生徒とバトルした方が今後の糧にもなりますし、俺達にとっても良い刺激になるはずです。
幸い当学園はこの星の上位に食い込む程の在籍人数を誇るマンモス校です。1クラスですら3桁以上の人数が普通です。
当クラスも70人と他クラス比べたら少ないですが、それでも他の学校よりは多いです。飽きはしないと思いますが?如何でしょうか?無論学業もそちらに合わせます』
『なるほどな。彼はこう言ってるが君達出場者はどうだ?賛否は?』
『考えるまでもなく賛成です!逆に反対なら自分の首を締めるだけですわ。そうですわよね?皆様?』
『当然賛成よ』
『彼らと一緒にレベルアップしたいしね!』
『異論なーし』
『ここで拒否しようものなら自分の将来がなくなるのも当然。そんなの断固拒否しますわ!皆様の同行に反対する者は最低でも出場者にはいませんわ!』
『出場者は全会一致っと。それで待機組はどうだ?あくまでも彼女達とは違って強制では無いから別に同行したく無いのなら私は構わないぞ。私は強化訓練の教官として行かなければならないので代替え人を教鞭に立たせることになるが、それでも構わないという人は私も異論は唱えない。
ただ、同行した方が良いと思うのは私も同意見だという事を言っておこう。特に成績が芳しく無いところは特に同行をお勧めする』
こう先生はまるで挑発とも取れる言い方にクラスメイトはその挑発に乗ることに・・・
『いやいや、何言ってるのですか先生?寧ろこちらから同行させて頂くことが出来るなんてありがたいですよ』
にはならなかったな。寧ろ賛同している
『はっはっは先生。なめて貰っちゃ困るぜ。我々筋肉愛好団も協力させて欲しい、いや協力させてくれ。
何しろ代表として出るのだ。ここで惨敗となりゃ、夢潰えるとなるのだ。それは断固拒否する』
『先生は何挑発行為しているのですか?そんなにうちのクラスって信用が無いのですか?
酷い偏見を持たされたものです。そんな偏見私達が吹き飛ばしますよ!!』
『取り敢えず言えるのは僕たちの派閥も同行に賛成する事だ。更に言えば自分も強化が見込めるのだ。
今回は一時休戦ということでお嬢様が多い派閥を応援致します。君達出場者に告ぐ!
こんなに嬉しいことは無い!是非同行をさせてくれ』
『どうやらうちに居る4つの派閥は満場一致で参加決定っと。
さて残りはそこの超が付くほどの実力と学業が出来る人と、同じく両方できるが少々性格に問題のあるお2人だけだが、お2人はどうする?先程申し上げた通り、強制はしない。代わりの者が立つだけだ。
それにその2人なら、ここからはあくまでも私的に言うが、君達2人はこの試合に出て勝利したら間違いなくこの学園の株はうなぎ上りだろう。君達2人の成績はこの学園の小等部の中でもトップであり、うちの2トップエースだしな。無理にこちらに合わせる必要は無い。けどな、正直に言えば寧ろ私自身が生徒側としてそちらの席に座りたいものだ。そして2人には教鞭として私に教えて欲しいくらいなのだ。それくらいの実力を秘めているからこそ、今回は教鞭者としてお2人には同行して欲しい』
ラフ先生のまさかの熱烈な発表に思わず聞き耳を立ててしまった。なるほどな。生徒として同行ではなく教師として、か。実は俺の中では既に決定している。恐らくライゼンも一緒だろう。けど念のためライゼンに相談する
『ライゼンはどうする?俺はこんな合宿に参加しても成長の見込みすら無い連中を教えるのは骨が折れるし、
何よりレベルアップとは言いていたがそんなの微々たるものだと思うが、どうだ?』
『アレクサスも結論は同じか。あんなの一から基礎から教育し直しても精々レベルが1〜3上がるだけでその他が上がるとは到底思えない。正直言えばまだ猿に食わせた方が良いような気がするのは俺の気のせいか?』
『いや、絶対に気のせいでは無いな。これでこのクラスが魔法の中では万能型に入るのだから驚きだよな。
いつからこんなに衰退したのか?まあ軽く図書館の歴史本で見たが、これで昔より良くなっていると目に入った時は流石に驚いたけどな。あんなの俺らでいうところの幼稚園児レベルだぞ?しかもこれがこの星ではこの俺達より更に上の歳までがこれが普通と出ていたんだからな。確かこれくらいのレベルが人間界では10代終盤まで一緒でその先から徐々に上がると書いてあったのだから更に驚きだよ・・・』
『まあ、実際に入試の時ですらあんなに弱ちっくて正直ハエを落とすくらいの威力だからな。あんなの息を吹きかけただけで消えるっての。まああれで満足している教師もこれまでだな』
『だなってことでそろそろ結論を出すか』
『アレクサスから先に言ってくれ。後を追う』
『了解した』
結論が決まり、改めて正面を見ると決断をした雰囲気を察したのか、場が静粛し皆の固唾を飲む音すら聞こえるほど緊張が走っていた。俺はラフ先生に目線を向く
『長かったな。結論は出たか?』
『ええ。出ました。先に言っときますが自分とライゼンの賛否は一緒なので予めご了承を』
『分かった結論は?』
『『・・・・・』』
『俺は強化合宿への同行を拒否します』
『先程アレクサスが言った通り、アレクサスの意見は俺の意見でもあると言った。だから俺も賛否を出そう。
俺も拒否だ』
『『・・・!?』』
『そっそうか・・・残念だ。だが確かに2人は卓越してるしな。力を持て余してしまうのだろう。
分かった。代替えの先生を探そう』
『頼みます』
俺の言葉にクラスメイトは落胆する。更に言えば一部の生徒だが、俺の実力を知っている人がいるのだが、
そいつを読唇術で読み取った結果『そりゃ私達じゃ力不足だよね』と読み取れた。すまんがその通りだ。
まあ、俺の意見を本音で言うのはまだ先だがな。
ということで強化合宿当日になった日、合宿行きの馬車が到着した。クラスメイトは乗り込むが俺とライゼンは乗り込まない。拒否したからな。馬車が出発直前に来たときに、荷物を載せ終わったやつだろうか、俺に話しかけてきた
『なあ、本当に同行しないのか?確かに強制では無いけど、俺達としてはどうしてもアレクサスに来て欲しいんだ。前に先生が言った通り、生徒としてではなく教師として来て欲しいんだ。俺達もこれほどの実力者が目の前にいたらどうしたら強くなれるのかをご教授したいものなんだ。それくらい凄いんだ君達は』
『彼の言う通りよ。私も来て欲しいわ。だって去年なんか15人を相手にして勝ったのよ?しかも完封で。
その中には魔人や獣人、妖怪や精霊系統まで居たのに、まるで赤子の様にあしらったのよ?
挙げ句の果てには悪役教師まで勝ってしまうし、そんな人が何でウチにいるのかが今でも不思議に思ってしまうのよ。やっぱり来て欲しいわ』
『お前ら、余りしつこいと嫌われるぞ?一昨日行ったはずだ。行かない、と。諦めろ』
『じゃ、せめて教えて?私達のどこがダメなのか、改善点はどこにあるのかを』
『それは俺も知りたい。良いだろ?教えてもらっても』
『それくらいなら良いが、多少しか言えないぞ?』
『それでも良いんだ。教えてくれ』
『かなりキツイ言葉を言うから覚悟しろ。改善点がありすぎて絞れない。よくこんなもんで魔法と呼べるな。
お嬢様系が勝った時ウキウキしていたが、俺達から言えばただの滑稽としか言いようがない。
点数で言えばライゼンの評価は100点中3点だ。俺の評価は100点だと点数が付けられないほど悪過ぎる。
500点中2点と俺は評価する。対決の時、お嬢様系がバンバン上級魔法を放っていたが俺達から言えばただの魔法としか思えない。あんなの超初級レベルの方がまだ良いくらいだ』
『・・・あっと、えっと、そんなに酷すぎるのか?俺達の実力は?』
『ああ、酷すぎる』
『もしかして同行を拒否したのって・・・』
『大要因はそれだ』
『そんな・・・』
クラスメイトの女子が俺のあまりの酷評に座り込んでしまう
『なっなら一つ教えてくれ!アレクサスの及第点は何処だ!?』
『・・・君達で言うところの帝級クラスが俺たちで言うところの超初級に値する。そこがギリギリ及第点だ』
『・・・分かった』
『・・・そんなの・・・出来ないわ・・・』
暫く雑談していたら出発準備が整ったらしく、声が掛かる
『よーし、出発するぞ!乗り込め』
『『はーい!』』
全員が乗り込んだのを確認したら、先生がこっちに来た
『どうかしましたか?』
『いや、普通に連絡事項だ。代替えの先生を用意した。いつもの教室にいるはずだ。分からないことがあれば彼女に聞くように。まあ君達なら平気だろう。それとこれ』
先生が2枚の紙を渡してくる
『これは強化合宿行きの馬車のチケットだ。行きたくなったらいつでも来い。歓迎する』
『分かりました。先生、気をつけて』
『おう。では行ってくる』
そうクラスメイトと先生を見送った。今この場にいるのは俺とライゼンだけだ
『さっきアレクサスが言った意見だが訂正する。点数は300点中1点に変更する』
『ははっ。あれで100点の3点は高すぎるよな』
『まあな、けど一応及第点の話はしたのだろう?』
『ああ、あれで向上するかははっきり言って賭けとかになるから期待はしないな』
『だな。あとはあれも取り付けたのか?』
『ああ、こっそり先生の襟に超小型カメラを取り付けた。端から見ればただのボタンにしか見えないからな。
ボタンが飛ばない限りは平気だろう』
そう。一応念のため小型カメラを設置し、監視をすることにした
『んじゃ俺達は教室戻るか。さっき彼女と言ってたから女の先生だろう』
『別に誰でもいいけどな・・・その先生ができる先生かどうかだけだしな』
『だな』
てことで教室に戻ると扉の入り口には人だかりが出来ていた
『何だ?何事だ?』
『さあな?てかあの人だかりは俺達の教室じゃね?』
『うわっ、嫌な予感がしてきた。美人先生で見惚れたとか?』
『やめてくれ・・・別の意味で勉学に励めん』
『はあ〜・・・取り敢えず入るか・・・』
といっても人だかりが多すぎて入れん。しゃーないな
『オラ!お前らどけや!俺達の教室に何のようや!』
と俺が言おうとした矢先、ライゼンがドスを聞かせた声を出すと人混みは左右に分かれた
『全く・・・何だよこれ・・・』
『知らん。俺に聞くな』
2人で悩ましいことを抱えていると上品な声が掛かる
『あっあの〜・・・』
『あ?誰だてめえ』
『あ〜ライゼン、多分この色白白髪獣人が代理なんじゃね?』
『・・・そういうことか・・・』
怒りを抑えたライゼンが代理教師を見て納得する
『はあ〜・・・俺はライゼン。まあさっきの光景で察したと思うけど自他共に短気だから。
隣にいるのは俺のクラスメイトであり、良い意味でライバルのアレクサスだ』
『宜しくお願いします』
『はい。宜しくお願いします。私はこのラローツ魔法学園の非常勤講師のシスティーです。
経歴は獣人の人間に近い蜘蛛属として生まれ、ラローツ魔法学園を主席で卒業。その後この国ラーズベルト王国の専学で教師免許を取得した後、王族直轄の研究所で魔法の研究をし、現在は要請があれば、
研究を一時休止し勉学に励む生徒を教えています。よろしくお願いします』
その自己紹介で察した
『その言葉だとシスティー先生。男からは下心や告白、交際を迫る者がいたり、女からは憧れなどを持たれ、一部ではお姉様と呼ばれる始末、では?』
『・・・まさか全て言い当てるとは・・・凄いですね。ラフ先生の言った通りの生徒さん達ですね』
『ラフ先生は何と?』
『『アレクサス君とライゼン君という生徒は先入観、観察力、洞察力にとても優れている。
9歳とは思えないくらいに大人びている。魔法や武器の扱いにも長けている。学業も優秀極まりない一応教鞭はしているが、正直言って建前しかない。本音から言えば私が教える幕はない、寧ろ私が教えて欲しいくらいだ』と申していました。勉学は把握しかねますので後ほどテストさせて下さい。テスト内容は問題を解くにつれてエスカレーター式に難題になって行く問題です。制限時間は授業終了のベルが鳴るまでの50分です。よろしくお願いします』
ふうーん。把握の為にテストでエスカレーター式か。腕がなるな。横をチラッと見たがライゼンもやる気みたいだ
『先生、さっさとやりましょう。この時間でもやることはあるはずです』
『わっ分かりました。では答案を配ります。次に解答用紙を配ります。ベルが鳴ったらスタートです』
直後ベルが鳴り、俺達は筆を進めた。
チッチッチッチッチッチ
時間が進むに連れて面白く無くなる。何故なら簡単すぎるからだ。視線は向けていないがライゼンに耳を傾けていると欠伸が聞こえた。やはりそっちも物足りないか。
時間を半分残して全ての答案を終え、二人してのんびりしていたらシスティー先生が
『あっあれ?終わったの?』
『?はい』
『嘘でしょ・・・結構難しくしたのに・・・』
『疑うなら今から答え合わせしたら』
『もっ勿論そうします!』
そういてムキになった先生が丸つけし始めた。その間は建前でも授業中なので雑談は控えた。
授業終了ベルが鳴る直前に終わったのか、筆を下ろした。あの表情から察するに
『アレクサス君並びにライゼン君、お二人とも満点・・・です』
だろうな。あんなの日本国に行ったら誰でもできるって、小学生2年でも全員合格するわ
『あっあの・・・正直言うのですが、私も教えることがありません。何しろこの問題の終盤は私が解けない問題があったから・・・なのです・・・これはかなりの逸材人では?ラフ先生、気持ちが痛いほど分かりましたよ』
なんか先生が昇天しかけているがいいや。するとライゼンが急に俺に話しかける
『アレクサス、やはりカメラ設置して正解だったな。カメラに映った一人の男に外務省のデータベースに引っかかった。イエローリストがいる』
『イエローな。分かった』
学園の次は合宿先でイエローリスト(犯罪者)の調査及び拘束か。色々巻き込まれるな俺達。疫病神か?




