アレクサス 初めての休日
アレクサス 初めての休日
外務省との会合から数時間が経ち、流石に疲れたので明日休みにしてゆっくり過ごそうと思い、
風呂に入り寝巻きに着替えた後、死んだ様に眠ってしまった。次の日の朝はとにかく身体が怠かった。
恐らく昨日ストレッチしなかったのが原因と考えており、今更ながら後悔をしている時にあのお転婆美少女が俺に飛び込んできた
「おはよう従兄さん。朝ですよー」
「おはようサラ。悪いが俺は君に構ってられない。何しろ昨日は会議に会議で身体が重いんだ。だからすまんが退いてもらってこのままもう少し寝かせてくれ」
「そう言えば昨日は珍しくマサル叔父さんが来てたね。何二人して何の会議?」
「それは話せない。秘匿義務に関わる」
「そうなのね。じゃあしょうがないけど、朝ご飯でも食べないと1日持ちにくいよ?」
「分かっているがなー・・・それでも行くしかないか」
「そうだよー。取り敢えず朝ご飯だけでも、ね?」
「はいはい」
サラに起こされてしまった。出来れば朝飯も抜きにしたい位だけどな。けどうちにわざわざ通っているサラの使用人達に示しがつかないし何よりサラ以上に心配するだろうな。しょうがないが俺はリビングに向かう。
するとやはり一人足りなかった。足りない人、それは
「ふあ〜〜・・・やあおはよう・・・」
「おはようございます。マサル様。本日はやけにお疲れですね?どうかなされました?」
「おはようアイラさん。いや昨日は日付が変わっても会議が終わらなくってな。その頭の疲れが取れないんだ。
多分だがアレクサスも一緒じゃ無いか?」
「おはよう親父。残念ながらその今真っ最中だ」
「やはりな。何故か知らんが身体の疲れとはまた違う疲れなんだよな」
「そうなんだよな。けど取り敢えず朝飯だけでも食わないとと思ってサラに起こされたが何とか這いつくばってきた」
「俺もだ。取り敢えず朝飯にするか?他の人も待ってるしな」
「だな」
何とか親父と俺はなんとか何とか朝飯を食い終えた。幸いな点は優秀なメイドさんが胃に優しい朝飯で助かった事だ。これでもしガッツリ肉!とか出たら悶絶してただろうな。けど
「「あー怠い・・・」」
「大丈夫ですか?栄養ドリンクでも飲みますか?それかまたは治療薬か治癒魔法でもかけますか?」
「「栄養ドリンクで頼む」」
「承知しました」
直ぐに持ってきてくれて助かった。親父と一緒にグビっと一気に飲んだら即効性のある栄養ドリンクだったのか、疲れが少しずつ取れてきた
「助かったぜ。今日だけならこれで何とかなるか。ありがとな」
「いいえ私はお三方のメイドでもありますので」
微笑みながら安堵の表情を浮かべるメイドのレリーさんに心配かけてしまったなと罪悪感を感じてしまう。
それは親父もみたいで
「すまんな〜。本当なら君達こそが疲れているはずなのにな」
「いえいえ。実はこう見えてメイドも執事も料理も全て交代制ですので、そんなに苦労は無いのです。
簡単に言えば昼と夜に分けられます。昼で仕事した人は夜お休み、逆も然りで基本的にこれを5日間続けると2日間のお休みを頂くので、そちらみたいに24時間勤務はありません。正直に言って1番睡眠の短い亜人首長族でもそんなに働いたら倒れてしまいます。なので初めて耳にした時は耳を疑いました。聴覚で一番いい蝙蝠系統の亜人ですら自分の耳が壊れたの?と疑ったくらいですよ?そりゃそうなります。
なのでいつも私達を守ってくださっている方には褒美をしなければなりませんね。
マサル様、アレクサス様。本日は訓練も会議もお休みなさってください。本日はお外でたまには気分転換してみてはどうですか?」
「あっ!それ私も賛成です!マサル叔父さんもアレクサスもいつも仕事仕事!案外私達も寂しかったりするよ?
だから今日は仕事を忘れて心も癒されて来るといいよ!」
「そうは言われてもな・・・別に買い物とかしたいわけじゃ無いし・・・」
「かといったってどこかに遊びに行きたいわけでも無いしな・・・」
どうしよっか?・・・あっ、そういえば
「なあ親父、あそこ行ってみるか?ほらここよりもう少し高いところがあって海も空も見渡せて地面が柔らかい芝生でできているところ。あそこならどうだ?」
「そういえばそんな場所があったな。あそこなら何も考えずに時間を潰せそうだ」
「よし、私服に着替えていくか。持ち物は・・・そんなに要らないな」
「まあ多少の金で十分だろう」
そうやって親父と一緒に準備していると話についていけなかったのか、皆ポカーンとしていた
「どうした?」
「あっあの〜・・・盛り上がっているところ申し訳ないのですが、どちらへ?」
「?ああ〜。最近アレクサスが見つけてくれてな。地元住民と一部の人しか知らない、見渡しのいいスポットがあるんだ。そこへ行って自然に癒されようと思ってな。どうした?付いてくるか?」
「いっいえ、折角の休日を邪魔ちゃ悪いし、私達はここで待っているわ」
「そうか。んじゃ頼むわ」
「はーい気をつけて〜」
ということで俺と親父で更に高台へ向かった。暫く歩くと例の場所に着く。本当に歩いても30分はかからないしな。そして久しぶりに景色を眺める
「久しぶりだな。ここで親父と一緒に楽するの」
「だな。丁度アレクサスがまだ入学前だったから丁度1年前か、もう少し前だっけ?」
「多分それくらいだな。いゃ〜本当に久しぶりだな・・・」
「青い空と海」
「白い雲と(遠目から見る)白い砂浜」
「流れる水のせせらぎと」
「鳥達の心地よい鳴き声」
「蝶達も踊り」
「静けさが心地よく」
「風も心地よい」
「こんなのんびりとした日を」
「俺達は待っていた」
そのまま俺達は柔らかい芝生の上で寝っ転がり目を閉じて堪能していた。
気がつくと夕方になり、駐屯地に戻る時間になっていた
「親父〜。そろそろ帰るぞー」
「分かった ふぁ〜〜・・・あーよく寝た」
「親父、忘れ物や無くした物は?」
「・・・全てあるぞ」
「よし、帰るか」
「親父」
「何だ?」
「また来ような」
「ああ」
そう俺たちは言い、親父は俺の頭の上に手を置き、俺は親父のサングラスを借りて付けながら帰った




