話し合い
お待たせして申し訳ございません。
何とか投稿致しました
今回はライゼン目線になります
話し合い
自衛隊と外務省が潜入捜査中にバッタリ出会って数日が経った頃、アレクサスとライゼンが上官の指示を仰ぎながら会合のため日程を調整した結果、本日の日没時と決定した。
何故この日にした理由はラローツ魔法学園は土日が休みというのが最大の理由として挙げられた。
そして何よりこの会合は長時間に及ぶため、捜査に支障が出るわけにはいかないためだ。
会合の場所は秘匿事項が多数あるため、ラローツ駐屯地にすることにした。そしてその時間が迫ってきた
☆
「ようやく駐屯地に着いたな。全く駐屯地が丘の頂上とは流石に聞いてなかったな」
「課長、申し訳ございません。説明不足でした」
「いいや構わない。丘の上とは聞いていたが、まさか結構登るとは思わなかっただけだ。気に病む事はない」
「申し訳ございません。少し休憩しますか?」
「いや、会合の時間も近いしな。後にしておこう。
さて、この先の道案内を頼むぞ。ライゼン」
「承知しました」
多少ミスってしまったがあの理不尽の主査ではなくて助かったな。あの駄目主査なら速攻で罵倒から入るだろう。ということで俺達外交官は駐屯地に向かう。暫く歩いたら目的地にたどり着く
「課長、目的地に到着しました。一応話は通してありますが念のため、全員検査するそうなのでご協力を」
「了解した」
俺は駐屯地の門番に来訪目的を伝達する
「こんばんは。日本国外務省異世界方面ワーズナー星から来ましたライゼンです。
来訪目的は本日日没時にラローツ魔法学園の潜入調査の話し合いで来ました。こちらの総員は10名です」
「こんばんは。お話は伺っています。入場前にセキュリティーチェック及び身分証提出をお願いします。
その間はこちらで来訪者の名札と対応する上官をお呼び出し致します」
「宜しく頼みます」
ということで我々全員セキュリティーチェックを受けた後、来訪者の札を皆多種多様に見えやすい場所に付けた(俺は首から下げた状態にしたが、他の人はズボンに付けたり肩につけたりしていた。確かに装着位置は指定されていないが流石にそれは・・・)。
「お待たせしました。私が案内役の空曹長です。今回は皆様が退場なされるまでご同行致します」
案内役がまさかの若いお姉さんは驚いたが頭の硬い中年よりかはマシだな
「それではご案内致します。既に私達自衛隊側では会合の準備を終えており、到着次第会合が可能となっています」
「そうか。急いだほうが良いか?」
「いえ、何事にも想定や備えは大事なのでその程度と思っていただければ」
「なるほどね。それは確かに言えてるな」
まあ確かにそうだな。それは他も同じだな。そして駐屯地に入って分かるくらいの人の量。物凄く人が多い。
一部でも良いからうちに来て欲しいくらいだ。何故か武官の自衛隊は人が多いのに文官である外務省は人が少ないのかね?やはり武官は危険が伴うからか?それでも人手はうちも欲しい。
そしてもう一つ気になる視線がある。まあそれはそうなるがな(後で説明する)。
暫く歩くと多分ここが会合場所と思われる建物に入る。やはりだが非常に大きい。下手をすれば支部が小さいくらいに。そして一つの部屋に着くとその貼り紙には
『外務省職員との会議室』
と貼られていた。すると空曹長はドアをノックし
「ヤシロ2等空佐、外務省の方がお見えになりました」
『入れろ』
「失礼します」
中に入ると我々の会議室を大きくした部屋が出迎え、その中央には責任者であろう方が我々を出迎えてくれた
「どうも。この度はこういった会合をこの場所で開いて頂きありがとうございます。
代表で私が自己紹介を。私は日本外務省異世界方面ワーズナー星から参りました、吉口安全保障課課長です。
宜しくお願いします」
「こちらこそ、こういった会合は問題の早期解決ができると私は思っています。
同じく代表で私が。日本国航空自衛隊異世界方面サラハタ星の自衛隊総合司令部所属、八代二等空佐です。
こちらこそ宜しくお願いします。
さて早速本題に移ろう。ラローツ魔法学園をどう見ます?」
「一言で言えば、どうしたらあんなに不正や隠滅が横行してるのかが気になりますね。
勿論全員が全員では無いことは承知していますが、私達の調べでは既に1割が不正などが見つかっています。
そのうちの8割は証拠も出揃い済みではありますが、2割はまだ状況証拠のみです。
ですがこのままですと暫くしたら不正などが増加する一方です。
具体的に言えば、地球で言うところの裏口入学や無資格者の教鞭、捏造、有望な方の暗殺など出るわ出る。
更に言えば他国や他星に及ぶ不正も1割内の2割が加担、もしくは企てています。
正直に言えばあくまでもプライベート校とはいえ、もはや教育もままならないのでは?と危惧しています」
「やはりそちらもか。実は貴殿の他にも他星や他国との会合を重ねたのだが、不正や隠滅があまりにも多すぎると憤怒していてな。星などの名前は後で書面をこの場で出すので今は控えるが、意見は皆同じであった。
しかもある国が面白い情報を掴んでいてな。まだ証拠は揃わないがこう述べていた。
『証拠は揃っていないがあまり言えないが、今現在で判明しているのはある星が魔法使いをそこら中からかき集め、その星で戦争をする案が出ている情報を掴んだ。勿論詳細は把握していないが、戦争の規模は最低でも地球でいうところの第一次世界大戦前くらいの規模を想定しているとの情報を最近判明した。そのほかはまだ調査段階ではあるが、噂ではその世界対戦レベルを他星でもしようとする噂ではあるが耳にしたことがある。詳しくは我々の現段階の情報で良いなら書面で提出するがどうだ?』と言われて提出してもらいました。この情報も後で併せてそちらに提出しましょう。
次に我々ですが、先に手を打った事案とそうではない事案がありますので後で分けて渡しますので、気づいたことがあれば何なりと教えて下さい。
手を打った事案は入試時に担当する試験官の不正行為と教師と親御さんとの不純性行為の摘発です。
試験官の不正行為の内容は、貴族には甘く平民や貧困には加点しない、寧ろ減点のみにする行為と、
裏社会 いわゆる反社会勢力との繋がり及び加担が認められたので証拠を王城と役所に提出、この試験官と反社会勢力を国王の許可を得て処刑しました。アジトからはその類の物的証拠と関係者リストが記載されていましたので国王と宰相、大臣、元老院に証拠を提出したのち、衛兵と騎士と憲兵と共に関係者を全員捕獲、
悪質と判断された者は処刑及び家系全て身分証永久剥奪し一部を犯罪奴隷、残りを辺境の地へ強制送還及びその地から出ることの禁止とした。罰の軽い者は一定期間の観察対象又は一定期間の犯罪者として鉱山へ左遷としました。
不純性行為の内容は女教師と親御さんとの交際。端から見ればただの不倫と思われるが実は内容は更に濃く、
その女教師と親御さんに子供ができて出産した。更にこの女教師も裏口入学の極小ながら首謀者として親御さんを唆し、自分にも配当金が来るように調整していました。ただこれだけで話は終わらず、まさかの親御さん達も裏口入学と知りながら自分の名誉のため、プライドのため、子供のためなどの理由などで手を染めていました。
結果捜査の手が入り不倫していた親御さんは功爵であったため貴族の永久剥奪と女教師の旦那さんに慰謝料を支払いました。因みに親御さんの奥さんは死別しています。幸いの点は既に入学していた子は正式な試験を合格しています。但し親が不倫していたので少し居辛そうにしているそうですが。
次に裏口入学の件ですが、なんと9割が承知の上で手を染めていたそうです。一部は俺は知らないなどの駄々捏ねもありましたが証拠を突きつけた結果、項垂れる者続々と出て衛兵に囚われていきました。ごくごく一部ですが逃走や暗殺もしようとした輩も居ましたが憲兵に返り討ちでお亡くなりに。
処罰は加担を知らない1割を除いて全員再試験、第三者による試験官を選抜し試験を行い、不合格なら即退学及びその家系全て資格永久剥奪と鉱山又は犯罪奴隷を永久的にする処罰にしたそうです。
合格なら国と役所に罰金と貴族降格と一定期間の犯罪奴隷の罰、子供で裏口入学を承知なら役所や王城の接近禁止命令と卒業後の一定期間の犯罪奴隷の罰、ご存じないのであれば不問としたそうです。
無論残りの1割も同様ですが、厳重注意のみにしたそうです。まあそうですよね。未来の卵を潰すわけにはいかないですよね。
とまあ長くなりましたがこんな形で報告を終了します」
うわっ、流石自衛隊。早速手を打ってやがる。しかも我々の他にも潜入捜査しているところもあるのか。それほど改めて悪い意味でやばいところだよなラローツ魔法学園て。昔からか?
まあでも他のところの報告を書面でくれるのはありがたいな
「分かりました。我々も早い段階からでも手を打ちましょう。それはそうと一つ思ったのですが、
ラローツ魔法学園って昔からそうなのでしょうか?」
「実はそうとも限らないですね。割と最近こうなってしまったそうです。当時のラローツを知る者に伺ったのですが、10年前まではそうでもなかったそうです。但し不正などは少なからずあったそうですが、それでもここまでではなかったそうです。変わり始めたのは学園長の座を巡って対立があったそうで、10年前の学園長は誰にでも優しくそして厳しい人だったそうだけど、不慮の事故により亡くなったそうです。そこでどうするかで手が上がったのが2組で、実はどちらも貴族や不正万歳の最悪の2組だったらしく、そこで蔑んでしまったそうです。転機が訪れたのは約3年前に国王が我々自衛隊に依頼したそう。そこで捜査のメスが入り、一旦は終結に見えたがまだ燻り続けた結果が今の状況だったそうです」
「なるほどな。理解した。今後はどうしますか?恐らく暫くしましたら我々みたいな事も起こり得るかもしれませんが?」
「そこは申し訳ございませんがこのままでいきます。これは上からの命令でもあるのです。
『我々の動きを周りに悟られる訳にはいかない。非効率だがこれが一番バレにくい方法なんだ。
またバッタリあったときに意見交換するようにしてくれ。あくまでも公式の場ではあるが非公開で頼む』と」
「仕方ありませんね。承知しました。今回はありがとうございました」
「いえいえこちらこそ。ですいませんが一ついいですか?」
「何でしょうか?」
「何故彼はずっと防弾ベストを身につけているのですか?」
出たよいつか誰かが言うと思ったよ!?んでその理由は?
「私が身につけている理由は以前別の星でこういった状態でないと身を守れない状況下にありました。
なのでその癖が今でも残っています」
「なっなるほど・・・でもそれだと今回の場合は要らないにでは?いや別に捨て身にしろでは無いのですが、今回の捜査は潜入ですので、それはそれで目立つのでは?」
そうなんだよな〜 実は彼が来ている防弾ベストは背中に堂々と日本語と異世界語で『日本国外務省』で左胸に同じ文字入っているし左肩甲骨部分に無線機入れてマイクをそのまま左鎖骨まで伸ばしているしベストなのでポケットがあって中身まさかの探知機や銃などが入っているし、お前どこに行くんだ状態になっているんだよな。お陰ですれ違い様に自衛隊から『なあ、入る場所間違えてないか?ここは演習場では無いぞ?』と言われる始末。そりゃそう思われてもしょうがないよね!お陰で恥ずかしいわ!
「申し訳ございませんが私はこれで構いません。私は後方で仕事していますが、万が一のためです」
「そ、そうか・・・」
「申し訳ございません二等空佐」
「いえ大丈夫ですが・・・どうも締まりませんね(苦笑)」
そりゃそうだよね!?どうもうちの馬鹿がすみません!




