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日本国 異世界にて最恐で最強の国家となる  作者: altimate
自衛隊 初任務!
30/261

1年後

1年後



1年後、俺達は2年生になった。

1年の時の様なドタバタな生活は・・・無いと言いたいが、残念ながらまだ先になりそう・・・。


1年の初めは不良と間違えられて決闘を挑まれたり、

ラローツ学園があるこの国、ラーズベルト王国と俺達がまさかの親戚関係になってたり、その親戚からまさかの自分に対しての好意を持たれたり、ことの経緯を各国に説明したり、(物語には出ないが『メタイから黙れ!』痛い!)学園に誤解を招くことをしたことによる謝罪をしたり、結局誤解が解かれた途端また入学当初と同様に『好きです!』や『お姉さんと一緒にどう?』等の告白が始まったり等、色々大変な1年であった。

勿論今もだが・・・。

取り敢えずは何とかなりました。


それと、サラの件はやはり同居という形で今俺が所属している、ラローツ駐屯地に一緒に住んでいる。

未だに何故こっちに来たのかが謎だが・・・、まあこっちもこっちで何とかなりました。


そして数日前に始業式が始まり、今日からまた授業の始まる日である


「従兄さん、もう朝御飯出来てるよ?そろそろ準備を終えないと間に合わないよ?」


「すまんすまん、といってもこの通り準備は完了してるけどな。それに何故サラが部屋に来るんだ?

こういうのは使用人の仕事だろ?」


「うるさいな〜。たまにはいいでしょ?

私としては、従兄さんの久しぶりの制服を見れて上機嫌なんだから」


「そういうものか・・・。まあいいや。取り敢えず向かうか」


「うん!」


サラはこっちに来てから自由奔放とまでは無いが、王城での窮屈な生活から解放されたのか、お転婆(?)ぶりを発揮している。それに先程言った通り、サラ王女の専属の使用人と護衛もこの駐屯地に来ている。

本来であれば原則禁止だが、特例で許可を頂いた。

ということで場所は変わってもさほど人は変わらなかったので、新鮮味はちょっと無いのが現状・・・です


「おはようございます。アレクサス君」

「おはようございます。アレクサス様」

「おはよう。アレクサス君」

「おはようございます。アレクサス」

「おはようございます。アレクサス殿」

「おはようございます。アレクサスさん」

「おっはよ〜アレクサス〜」


「おはようございます。

メイドのレリーさん、アイラさん。

それから護衛のガルさん、アラスさん。

更に執事のレイムさん、レトガさん。

次に隠密専門のユネさん

最後に我が友人のベンザルスよ」


「おいおい、一人忘れてないか?」


「忘れては無いが、挨拶はしてないだろ?挨拶は基本だぞ〜?だから無視しただけさ。無視は嫌だろ?親父」


「ははっ、それもそうだな。

てことでおっす、アレクサス」


「軽いな〜親父は。

俺は普通に、ちわーす、親父」


「ってあんたも大概だろ。別に良いけどな。

てことで取り敢えず、朝飯にするか。今日は大変だしな」


「賛成。ということで」


『いただきます』


意外かもしれないが、ここではある程度の身分を除いて皆平等にするのがこの家庭で決められている。

しかもこれまた意外かもだが、発案者はサラだ。

彼女曰く『こんなにフリーなんだから、みんなもっと気楽にしないと、それに護衛達も。

お父様やその護衛達の方には申し訳ないけど、ここって下手をしたらこの星で一番安全なところにいるのよ?だからたまには気を抜く仕事をしないと。

嫌とは言わせないからね?』とこんな感じにしたので、

他の人も渋々了承した。なので食事も一緒に取るようにしている


「ねえ従兄さん。今日は何時に起きたの?

かなり早くなかった?」


「ああ。朝5時に起きてそのまま親父と一緒に朝のトレーニングをしていた。久々に父さんと勝負したよ」


そう俺が言うと、周囲は驚きに満ち溢れていた。何だ?


「・・・あっ、従兄さんと叔父さん、早すぎない?

朝5時ってまだ夜すら更けてないよ?それにその時間ってメイドと執事ですらまだ起きてない時間よ?」


「まあそれはそんなんだが、親父と約束したしな。

この時間で起きてトレーニングしようって」


「いやそういう問題では無いような気がするけど・・・

本当なの?ガル、アラス」


「自分はその時間は交代で休憩していましたので、

ガルにお聞きになられた方が宜しいかと」


「確かに本日の朝5時過ぎにお二人が家を出る姿を目撃しまして、丁度目の前をお通りになられましたので理由をお聞きになられたところ『今からトレーニングしてくる』とおっしゃいました。その後朝6時40分に自宅に戻られています」


「本当なのね・・・。そういえばユネ、貴女まるで聞いてないという顔みたいだけどまさか・・・」


「お嬢様、申し訳ございません。そのまさかです。

物音どころか、気配すら気づきませんでした」


「・・・嘘、貴女スキルで気配察知能力がレベル7だったよね?それくらいなら気付かない方がおかしい筈だけど、まさか・・・」


「?ああ、気配を消して出たからな。それで気づかなかったかもしれないな」


「いやそれでもユネすら気づかないとか・・・」


「お嬢様止めましょう。彼等は相変わらずの彼等ですから」


「・・・それもそうね・・・」


サラは変わらない自分達(自衛隊)に諦めた感を醸し出している。

因みに今更かも知れないが、サラは自分達と一緒にいる時は敬語を使わないそうだ。使うのは王城にいる時だけだそう。

理由は単純にこっちの方が楽だからだそうだ


「それはそうとアレクサス君。ヤシロ様とどういったトレーニングをされたのですか?」


「先ず握力増強を使って握力を83.3グヌまで上げて、

腕立てと腹筋と背筋とスクワットを各1000回10セットをして、ウエイトを各筋肉の部位27.7グヌを付けてその状態でランニングを4.34キュウとそのうち全力疾走200回をしたあと、器械を使った筋トレを1時間みっちりした。

親父とはランニングと全力疾走で勝負して残念ながら負けたけど、爽快だったよ。いや〜まだまだ遠いね〜」


「はっはっは、まだまだだな若僧よ」


それを親父と共に笑いながら話すと周囲はまた驚愕した


「いっいやいやなんなのですかその途方もない回数は!」


「自分はそんなの出来ません・・・死んでしまいます」


「アラス、そんなの自分も出来ません。一番筋肉バカのレトガさんすら出来ないと思いますから」


「ガル殿、思うではなく、出来ないのです。

私は握力を83.3まで上げるのでギブアップしますよ」


「メイド達は尚更こんなこと出来ませんよね?」


「そうですね。先ず握力83.3グヌは握ることすら出来ません。

握られた状態で逆に維持することすら出来ません。

寧ろ手が脱臼しかねません。それに各1000回を10セットとか、4万回ということになります。そんなの私達がいくつ分担でやろうにも途方も無い数ですよ。

更にランニングの際には重り27.7グヌを各筋肉の部位に装着とか、貴方たちは正気ですか?と今疑ったくらいですよ」


「「そこまで常軌を逸しているとは思えないがな・・・」」


「『いえ、確実に常軌を逸しています』」


「「そこまで言わんでも・・・」」


「?あれ?そういえばヤシロ様アレクサス様。

魔法や武器の訓練と言いますか、トレーニングはしなかったのですか?」


「ああそれね。出来なくはないけどやらなかったな。

理由は単純に時間がなかったからな。1日あればこってりじっくりするのだが、朝だけだからな。筋トレと体力づくりだけにしといただけさ」


「なっなるほど。因みにまだ時間があった場合はどうなりますか?」


「う〜ん。そこは親父に聞いた方が早いかな?」


「取り敢えずは魔法増強と教育とレベルアップに3時間を使って訓練をして、我々が使っている武器もそのあと2時間掛けて訓練をするくらいかな?」


「まあ、朝だけならそんなものだよな親父?」


「こんなものだろう」


「『・・・・・もういや』」


「「おいどういう意味だコラ!?」」


そんな具合でいつもの朝が過ぎていき、家を出る準備を整える


「お嬢様、準備が整いました」


「ありがとうレリー!身分証も入っているわよね?」


「はい。学生証と駐屯地入場許可証もこの通り」


「ありがとう!学生証はまだしも、入場許可証は無くすとここに入れませんし、何より不法侵入と反逆罪と密入国という罪に問われてしまいますからね」


「その通りでございます。迎えの馬車もいつもの如く、

表で待機していますのでいつでも出られますよ」


「ありがとう。あとは従兄さんだけですね」


「はい」


「すまん。お待たせしました」


「いいえ。こちらも今準備を終えたところですので大丈夫ですよ。アレクサス様」


「では参るか。学園へ」


「はい」


俺はサラをエスコートしながらゲートの外側に待機しているサラの馬車に向かう。

サラの馬車も当然の如くこの駐屯地には入れない。

そんなにぽんぽんぽんぽん許可証を出す訳にはいかないからだ。ということで俺とサラはゲート警務に挨拶をする


「これはこれは。おはようございますサラ様」


「はい。おはようございますドデロさん」


「そしておはようございます。アレクサス一等海士」


「おはようございます警務お疲れ様です。ドデロ陸士長」


「今日からですか学園での授業は?馬車に乗っていたメイドがサラ様の迎えと同時に教えてくれました」


「今日からですね。但し本格的なのはもう少し先です。

下級生との顔合わせがまだですから」


「なるほど。それでちょくちょく学生服を着られた方が荷物を持って登園していたので疑問でしたが、解決しました」


「そういうことです。因みにドデロ陸士長?」


「はい?」


「王族専属メイドのリゼルとはあれから進展はありますか?」


そう。実はドデロ陸士長と王族第2王女専属メイドのリゼルさんは現在交際をしている。双方とも忙しい身なので進展しているかどうか怪しいものだが、その後驚くことが起きた


「はっはい!実は昨日、自分は非番でしたので指輪を購入して告白しました『結婚していただけますか?』と」


なんとプロポーズしたではないか!?


「マジか、そっそこまでいったんだ・・・早いな・・・。

それで?どうでしたか?」


「はい!この通りです!」


するとドガロ陸士長は左手薬指に指輪を嵌めているところを見せてくれた。てことは?


「はい。ご想像の通りだと思います。この度昨日付で書類にもサインして役所に提出してめでたく婚約しました!」


「お〜おめでとうございます!期間は確か10ヶ月ぐらいでしたっけ?」


「はい。それくらいです」


「しかもまさかの向こうから告白でしたっけ?」


「左様です」


「しかもラーズベルト国で特別郡を抜くほど綺麗な女性メイドを仕留めたのですからさぞかし嬉しいのでしょう?

そして他の男性からは嫉妬の嵐の感情が出てるのでは?」


「ははっ・・・まさしくその通りです。友人からはからかわれ、同僚からは歓喜として祝金も受け取りました。

ですけど、これほど嬉しい事はありません」


「幸せそうで何よりです。歳はいくつ離れてましたっけ?」


「私は22で向こうは23ですから1つですね」


「そうですか。あっ遅れました。婚約おめでとうございます」


「ありがとうございます。実はもう一個嬉しいことがございまして」


「何ですか?」


「実は・・・あっ丁度良かった。リゼルさん!」


「はい?なんでしょうか?それとおはようございますアレスサス様」


「おはようございますリゼル。聞いたよ〜。婚約したんだとな?」


「///はい。めでたく・・・ありがとうございます」


おお〜リゼルさん顔真っ赤だ


「で実は陸士長からもう一つ嬉しい報告があるということなのだが、して内容は?」


「ふふっそうですね。丁度良いので皆様にもご報告いたしましょう。皆様お集まり下さい」


「副メイド長。いかがなさいました?」


「私がこちらのラローツ駐屯地に在籍しているドデロさん婚約したのは先程お聞きになられましたよね?」


「はい」


「実は皆さんに2つ隠し事をしていました。それを今から言います。

1つ目は先程の体調不良の件は季節変化でなったのではございません。確かに嘔吐などはしましたがこれが理由ではございません。皆さんにはご心配をかけまいと胸に刻んでいましたが、逆にご心配をおかけしましたね。誠に申し訳ございません」


マジか。リゼルさんそんな嘘を。意外だな


「そっそうだったのですね・・・では嘔吐等の原因は?」


「実はこれが2つ目の隠し事でして、こちらは嬉しい報告になります。この度私リゼル、妊娠致しました」


「『!!??』」


「ほっ本当ですか?副メイド長!?」


「ええ、本当ですよ」


「実は数ヶ月前にリゼルさんが調子悪くしていたので心配して自衛隊が運営している病院、そちらで言えば治療院へ運びましたところ、懐妊しましたと医師から告げられましたのでこの度婚約と妊娠を発表致しました」


お〜更にめでたいことが起きた。ドデロ陸士長が優しくリゼルさんを肩で支えてリゼルさんの腹を優しく撫でていた


「ふっ副メイド長!おめでとうございます!

いや、私達一同『今日の副メイド長は大丈夫かな?』と気が気ではありませんでしたよ」


「申し訳ございません」


「いえいえ。懐妊と聞いて寧ろホッとしました。

して差し支えなければ何ですが・・・」


「ふふっ貴女の考えてる事はお見通しですよ。

私のお腹を触りたいのですね?」


「はっはい・・・」


そう断りを入れて一人のメイドがリゼルさんの腹を撫でながらリゼルさんのお腹に耳を当てる。すると


「確かにお腹の中にいますね・・・不躾ながら、耳を当ててしまいました。申し訳ございません」


「いいえ、構いませんよ」


リゼルさんは嬉しそうにしていた。するとふと一つ疑問に思ったことがあるので、取り敢えず質問してみる


「ドデロ陸士長。ところでリゼルさんは妊娠どれくらいですか?」


すると皆それが気になるのか。一斉にその場にいた者全員が彼に向ける


「今は4ヶ月と3週間なのでもうすぐで5ヶ月に差し掛かるところですね。出産予定は冬に差し掛かるかどうかを予定している、とのことです」


「なるほどね〜」


もうすぐで5ヶ月か。少々判明するまでに遅く感じたが双方とも忙しいからな。しょうがないだろう。さてそろそろ現実に引き戻すか


「お取り込み中すいませんが、そろそろ学園に向かいましょう」


「『もっ申し訳ございません。つい・・・』」


「いえ、構いません。それでは陸士長とリゼルさん。お幸せに」


「「はい!」」


「リゼルさん。お身体にはお気をつけて。何かあればすぐに向かいます」


「ドデロさん。ありがとうございます。では一度甘えても宜しいでしょうか?」


「はい。けど考えていることは分かりますよ?」


「ふふっ、それでは何も言わずにしましょう」


「「(チュ)」」


「うわぁ、公衆の面前で凄いな・・・そして口の中が甘い」


「『俺(私、自分)もです』」


ということでリデルさんが馬車に乗り、俺達は学園へ向かう



アレクサスとドデロが話している時、もうひとつの会話


「副メイド長。お身体は大丈夫ですか?昨日は嘔吐なされましたが、私は心配です」


「大丈夫ですよ。少し季節変化に身体が追いつかなかっただけです。ご心配には及びません」


「確かに今年の春は寒暖差が激しいですし、体調を崩す方もいらっしゃいますが・・・

それでも一部だけですよ?私は心配です・・・」


「ふふっ。部下に心配されるようでは上司の面目が立ちませんね。分かりました。暫くしたら休息をとります」


「そうして下さい。副メイド長の体調不良は王城内の使用人と大臣クラスや騎士、更に常に付いていただいている第2王女ですら、ほぼ全員周知しています。本日の送迎に参られた方も全員ご存知です。なので・・・」


「・・・そこまで心配なされたのですね・・・申し訳ございません」


「いいえ。ところで副メイド長。

話は変わるのですが、急でさしでがましいのですが、意中の方とは、今はどうな状況ですか?」


「おおぅ。貴女気持ちの切り替わりが凄いですね・・・。

とっ取り敢えず今の状況としましては・・・」


「『しましては?』」


「そこで何故執事や護衛騎士に使用人の方まで興味を示すのですか・・・」


「そりゃ当然」

「女の子としましては」

「恋バナは大事ですよ」

「それにメイドという肩書に」

「躊躇われる方もいますので」

「そこのところも気になるところです」


「男としましても」

「色恋には敏感な方もいれば」

「鈍感な方もいますが」

「女の子に」

「好かれたいという気持ちは」

「男も同様です」


「しかもその意中のお相手が」

「かの有名なジエイタイの方というのもあり」


「『我々(私達)一同、興味深々であります!』」


「はぁ・・・。何故色恋が挟むとこうなるのでしょうか?」


「そりゃ勿論」

「副メイド長の進展に」

「私達も参考に出来れば」

「今後の恋バナ役立つということです」

「しかもお付き合いの誘いは」

「副メイド長からしたこともあり」

「私達の知らない一面が見れたこともあり」

「花を咲かさずにはいられない状況です」


「我々から見れば」

「完璧メイドの誇る方が」

「まさかの出来事に」

「驚愕していますが」

「副メイド長も」

「女の子だったんだな〜っと」

「可愛らしい一面が見れて」

「今後の出来事に耳を傾けない訳にはいきません」


「『それで?どうなのですか?』」


「分かりました。分かりましたから落ち着いて下さい。

結論から言いますと・・・この私の左手薬指に()()()がはまっているのが皆さんの質問の答えとなります」


「『!!??ということは?』」


「ええ。皆さんのご想像の通り、向こうから婚約の話が出て、私が受領いたしました」


「『おお〜。おめでとうございます!』」


「ありがとうございます」


「因みにですが副メイド長。告白の言葉は何でしたか?」


「申し訳ございません。それは私達のひ・み・つでございます」


「え〜ケチ」


「ケチで構いません。私はこの言葉を生涯、頭に刻み込みます」


「おおぅ。副メイド長が惚気てますよ。こりゃ負けてられませんね。取り敢えず、おめでとうございます!」


「ありがとうございます」



『実は・・・あっ丁度良かった。リゼルさん!』



俺達は学園に向けて登園し、暫く何も変わらない風景を見ながら学園に到着する。

毎度の事のように馬車を学園の門の前に横付けし、これまた毎度のようにサラは優雅に下車する。『相変わらずのお嬢様だな』と改めて思ったのは秘密だ。


因みに学園の方はどうかというと、あの事件以降は平和である。初めサラとの関係を疑った者は事情を説明し誤解を解いてもらい、理不尽極まりない決闘を受理した学園側は謝罪を受けた。そして今はどうかというと


「『おはようございます!アレクサス君!!』」


「おっおう・・・おはよう・・・こっちも相変わらずだな」


「『勿論!どこまでも付いて行きます!でもし宜しければ、

私をお嫁さんに・・・』」


「それはまた別の機会にな・・・」


「『はい!』」


とこのように入学当初と同じように俺のファン?が俺に押し寄せる。寧ろ今年の方が人数増えている気がする。

何しろ見かけない人もいるから、多分その者は今年入学する人だろうと推測する。相変わらず俺の何処が良いのか。

また別の意味で


「『おはようございます。サラ様』」


「ええ。おはようございます。本日も良い天気ね」


「『はい。まさにこの輝かしい晴れ舞台にピッタリの天気ですね』」


「晴れ舞台ってそんなことはないですよ?」


「『いいえ、そんなことは滅相もございません。

そしてアレクサス様。本日もサラ様をお守りして頂き、ありがとうございます』」


「サラを守ってくれってお前らから頼まれた記憶は無いが、

サラが王女なのは変わりないしな。取り敢えずおはよう」


「『はいおはようございます。してものは相談なのですが、

サラ様に近づくにはどうした・・・』」


そう会話が途切れる。理由はサラがファン?を中心に地面に水系統魔法を放ち、笑顔の圧力を掛ける


「私がなんだって?そんな事従兄さんに聞く?従兄さんは基本朴念仁だから、そんな事聞いても無駄だよ?

そして私は自分から勇気を持って裏表の無い方には近づくよ?けど裏表、それこそ下心ありまくりな方は申し訳ないけど、接近禁止令を発令するわ。そんなことする人はいないよね?」


「『はっはい!申し訳ございません!』」


「それに分かってるだろうけど、今は従兄さん一択よ」


そういってサラは俺の腕に抱きつく。まあ俺としてはどっちでもいいので構わないがな。さて周りは?


「それは半年以上前から」

「ご存知です」

「更にその前から」

「アレクサス君は」

「サラ様に対して」

「何の好意も抱いていない」

「ただ単に」

「サラ様が」

「一方的に」

「好意を抱いているだけ」

「それも判明してますし」

「それ以前に」

「サラ様とアレクサス君は」

「従兄妹同士」

「従兄妹同士の婚姻は」

「この星では」

「出来ない事を」

「サラ様もご存知では?」


「ぐぬぬ・・・」


そう。あの事件に俺とサラの関係を明かしたことにより、

今まで好意を抱いた者達は我先に俺達に迫ってきた。

更に言えば、従兄妹同士で結婚できないことをこの星の住民なら誰でも知っているので尚更である。けどこれ以上しても埒が明かないので切り上げてもらおうか


「すまんが、そこまでにしてくれないか?もうすぐでベルがなるぞ?」


「・・・そうですか。確かに時間見るとそろそろみたいですね。分かりました。退散するとしましょう」


この場の代表なのかどうかは別問題だが、これで騒ぎは収まったから結果オーライだろう


「従兄さん。ありがとう」


「別に平気さ。今度からは自分から言えるようにな」


「は〜い」


サラは少しむすっとしたが、正論なので反論まではしなかった。ということで教室へ俺達は向かう。


実はこの学園は毎年クラス替えがあるので、

教室前に着くとサラは寂しそうにこちらを向いてくる


「はぁ〜・・・2学年は別クラスか〜。まあ、従兄さんの事だから当然かもしれないけどね」


「まあ、今年までは実力順のクラスになるんだ。しょうがないさ」


「まあな。アレクサスのことだから、来年は別クラスになることは、以前からある程度分かっていたけどな」


そう話しかけて来たのは、1学年同級生のノールドだ。

相変わらずだけど、その後ろに基本無口のネルがいた


「そういえば君達って今年はどのクラスになるんだ?」


「俺は今年は第3クラスだな」


「・・・私は第9クラス・・・」


「私は第10クラスだね」


「ネルは第9クラスでノールドは第3クラスでサラは第10クラスか。他は?」


そう俺は同級生と同学年の友人に片っ端から質問してみた


「ボクは第5クラスだよ」

「私は第8クラスね」

「私は第3クラスですね。なので今年はノールドと一緒ね」

「ウチは第10クラスよ。だから今年はサラ王女と一緒!」

「妾は第4クラスじゃ」

「リヨンは第7クラスだよ」

「アルリンは第4だからエリアと一緒よ」


「私は第9クラスですので、今年はネルと共になりますね」

「俺は第1クラスだ!」

「俺も第1クラスでこの脳筋と同じだ」

「自分は第7クラス。リヨンと同級生になる」

「僕は第5クラスだね。今年はアリメイさんと同じだ」

「ワイは第2クラス!」

「俺は第2じゃけ、この煩いやつと一緒や」


えっと?まさか同級生になるのがいないのか?この中に。

待って?もう一回整理しよう。


女:ネル=第9、アリメイ=第5、ルゼ=第8、

  シェスカ=第3、マリアナ=第10、エリア=第4、

  リヨン=第7、アルリン=第4、サラ=第10

男:ベン=第9、バロン=第1、ホブロ=第1、

  ダロム=第7、リューク=第5、ザクロ=第2、

  マガン=第2、ノールド第3


マジか・・・そう俺がショボくれた顔をしてたら何だ?と思ったのか、俺に声を掛けてきた


「アレクサス、どうした?」


「まさかの周辺の同級生と同学年に今年同じクラスになるやつがいない・・・」


「え?今年のアレクサス君のクラスって何?」


「俺?俺は今年は第6だ」


「『・・・・・』」


あっこれはあれが来るな。備えるか


「『だっ第6〜〜〜!!!???』」


うん。相変わらずのお約束、あざ〜す


「マジかよアレクサス!第6かよ!」


「うわ〜アレクサスが第6とか、勝負祭絶対勝てないじゃん」


「取り敢えずそういう事だから・・・どうしよう・・・」


「多分数人はいるって」


「ならいいけどよ。けどマジか・・・」


すると今は一番聴きたくない音が聞こえた


コーンコーン


「『・・・・・』」


「『アレクサス、頑張れ』」


「・・・・分かった。どうにかしてくる」


「『ファイト!!』」


俺は足取りを重くして教室へ向かった。教室の扉を開くと長椅子と長机が数本しかなかった。やはり第6は少ないか。


「お前、どうした?」


「あれ?ラフ先生ではありませんか。そちらもどうかなされたのですか?ここは第6ですよ?」


「いや第6で良いんだが。今年は第6の担任が俺だからなってどうした?まさか・・・」


「そのまさかですよ。先生」


「・・・これはお互いにまたくろうしそうだな」


「・・・心労共々今年もお願いします」


「・・・心労共々ね・・・アレクサス君その心労、今年もありそうだな」


「・・・先に聞いといた方が良いですね。今回は?」


「早口かつ物凄くざっくりに言おう。

別国の王子に王女、別国の聖女、別星の王子に王女、別星の勇者、別星の賢者の子息に子女、別星との橋渡しの子女、別国の相談役の孫、別国の政界の子息、別国と別国を管理する最高責任者の子女、別星と別星を管理する子息、大商人の子女、ギルドの孫、役所の孫、軍事の孫、大海運搬の孫などだ」


「・・・・・これは今年心労だけでは済みそうにないですね」


「・・・だな。倒れる時は」


「勿論共に倒れましょう」


そう言って俺とラフ先生は意味不明の握手を交わす。

意味不明な時間が暫く続くと扉が開く


「えっと、第6クラスってここですか?」


「はいそうですが、貴女は?」


「あっすいません。

私はロンボー海運の会長デグ・ロンボーの一番上の孫娘、

ナタリア・ロンボーでございます」


「え!?」


なんかラフ先生が驚いているな。けど俺は取り敢えず女の子を見るか。同級生になるしな。

髪型は背中の上まで伸びた栗色にカチューシャしてる可愛い感じの女の子だな。身長は8歳にふさわしい身長である。

といっても多分じきに・・・


「これはご丁寧に。私はこの第6クラスの担任になりました

ラフでございます」


「ラフ先生ですね。宜しくお願いします。

そしてこちらの白馬の王子様は?」


やはりこうなる。ため息を吐きたいがやめておいて自己紹介をした


「俺は今年第6クラスになったアレクサスだ」


「あっアレクサスさんですね」


「さん付けはよしてくれ。呼び捨てで構わない」


「はっはい!ではお言葉に甘えて、あっアレクサス」


「そうだ。でどうした?」


多分これで地雷踏んだと思うが、先に地雷を踏んだ方がダメージ少ないと判断した


「あっあの!私は貴方が好きです!付き合ってください!」


うん。先に地雷踏んでやはり正解だったな


「・・・すまんが俺は君の事を何も知らない。だから今は保留にしてくれ」


「はっはい・・・けっけどもし知ってもらえたら?」


「その時は考えといてやる」


「絶対ですよ!

あっまずはお互いのことですね。私は先程申した通り、ロンボー海運会長の孫娘です。因みにロンボー海運はご存知ですか?」


「いやすまない。全く分からない」


そう俺が言うとラフ先生共々驚愕を露わにする


「お前、まさかロンボー海運を知らないとはな。

ロンボー海運はその名の通り、海路で運搬をする業者だ。

使う船も大きくて、一部ラーズベルト王国を含めて数国に軍艦として販売もしているくらいだ。

そして事業規模も大きくて、船での運搬は勿論のこと、船の販売、製造、整備、廃棄や解体までやっている。

勿論船だけでなく、物の一時保管に販売、買取に取引も行なっている。港にロンボー海運専用の船の係留所に倉庫に土地まで持っているくらいだ。

しかもそれだけ大きいと同業者との弊害も起きるから、

冒険者ギルドと傭兵(私兵)ギルドに警備として依頼までしているとか

支店も多くて、ラーズベルト王国だけで支社は100を超える。他国にも同じ支社を置いて、今ではこの星の海運の約7割をロンボー海運が担っている程、この星最大の超巨大海運(商船)業者だ。


今ではロンボー海運が無くなると海の運搬に船の販売は誰がするんだと大混乱が起きるまでになっている。

勿論貴族や王族等の御用達と太鼓判お墨付きだから信頼も厚い。海のことなら海軍を除いて彼らに任せろ!という奴もいる。しかも王族達もロンボー海運には簡単に口が出せないという力すら持っている。会長曰く皆平等にという心情をお持ちだと言う。歴史も長くて今年で350年目に入る筈だ。

しかも3年からの授業の歴史にもこれが載っているのに、

それを知らないとはな。まあアレクサスの出身地はそこだからしょうがないかも知れんがな」


「大丈夫ですよ先生!小さい子供もロンボー海運と聞いて分かる小さい子供はいないですから。

えっとアレクサス?差し支えなければなのですが、貴方の出身地ってどちらですか?」


「俺か?俺の出身地はここから東にある、カサジマ県という日本国自衛隊と外務省が統治しているところから来た」


するとナタリアは一瞬キョトンとしたが、その後は驚愕した顔で迫ってきた


「ええ!?それは本当ですか!?」


「そっそうだけど、どうした?」


「実はカサジマ県は私達ロンボー海運も運搬には気を使うのです。理由は簡単ですが、入国審査が厳しいのとそちらの海軍の船が怖いのです。私も一家総出と共にカサジマ県の支社に視察したことがありますが、あれだけ大きい船が私達の船より強度があってで速くて攻撃出来て疲れ知らずとなると、恐怖でしかないのです。お母様なんて気絶しましたし、

お父様なんて精神崩壊しましたし、下の兄弟なんて泣き出した子までいました。叔父様も身体が固まっていましたし、

叔母様は途中で引き返したくらいです。なので怖いのです」


「そらしょうがないだろ。あれが俺達カサジマ県の住民からしてみれば普通なんだから」


「あっあれで普通ですか・・・やはり私は怖いです」


「そうか。それは悪かった」


俺はそう言って俯き加減のリアリンにゆっくり近づき、柔らかく抱きしめる。何しろ震えていたからな。抱き締めたことによって少しでも和らいでくれればいいのだが。

暫くすると震えが収まったみたいだ。そろそろ離れても大丈夫と思って離れようとしたら声が掛かる


「アレクサス。もう少しだけこのままでお願いします」


俺の胸に顔を埋めながらそう言ってくる


「・・・構わない」


俺はチラッと先生の顔を見ると


「(まだ時間はあります。今日は顔合わせだけなので授業はありません。後ほど俺が救護室まで連れて行きます。

それまではそのままの方が宜しいかと)」


と紙に先生の字でそう書いてあった。俺は了解の意思として首を縦に振る。するとまた声が掛かる


「やはり私はアレクサスが好きです。優しいところが特に。

普通はこうして抱き締めたりしません。そっとしておくのが普通です。にも関わらずアレクサスは私に落ち着けという意思を伝えるために私を抱きしめてくれました。それだけで心は穏やかになりました。告白の返事は今は大丈夫です。

その時になったら教えてください」


とまだ顔を埋めながらそういってきた為


「分かった」


と言いそれ以上の会話はしなかった。

暫くこのままの状態だが、俺は何故が息苦しいとかは無かった。多分ナタリアのお陰だろうと俺は思っている。


暫くしたら他の同級生も入ってきたがそれは別の話。


学園内クラス分け


2年生:1〜10クラス、1=物理系 10=魔法


    5=間接系 6=両立系



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