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潜入捜査 中間報告

第3部隊を中心にお送りします。

潜入捜査 中間報告




第3部隊はワープポータルで移動完了後、各潜入先へ潜入を開始した。この部隊は基本金持ち共を対象に調査を開始した。



「んで?この先は班に分かれて行動するんだったな」

「そうだな。確か10班はあるから、班ごとに方面を決めようか。まあ、事前に打つ合わせした通りで良いだろ」

「なら早速分かれるか。中間報告はいつにするんだ?」

「潜入期間はそこまで長くない。確か半月だから、1週間後に指定の場所に集まろう。あとでこっちで決めて送付しておく」

「了解した。ではまた1週間後に」

「おう」





・・・・・・



調査部隊が班行動を開始したその頃、例の金持ち共は別のとある理由で大忙しであった。



「まさかこのタイミングで何人かが行方不明になるなんてね」

「まあ、その行方不明になった方々って基本護衛や期間限定の給仕とかだったので、支障はありませんから、大丈夫かと思われます」

「まあその結果が急遽何人か雇うことになったのだけれどね。それで?いつ来るんだ?その人達」

「もう来られるかと思います。念の為門番にはそれらしき方が来られた場合はこちらに通してとお伝えしてますので、恐らく大丈夫かと思われます。それまでの間、追加のお飲み物はいかがです?」

「もらうわ」



「そういえば、俺たちも同じだな」

「何です?もしかして貴方方も?」

「あら。奇遇ですね?私もですよ」

「こんなタイミングが合うなんて事あるのかな〜」

「まあ、全員護衛とか調査人とかだからね。居なくなる確率は給仕やメイドとかに比べると高いから仕方ないかもね」

「それもそうだな」

「皆様も、新たなお茶はいかがです?」

「いや、俺はいい」

「あ、なら私はもらいましょう」



暫くお茶会を楽しんだ後、雇用人が来た

コンコン



「はい」

「メイド長。朝の打ち合わせでありました、雇用の方々がいらっしゃいました」

「そうですか。ちょっと遅かったですね。良いでしょう。こちらへお通しください」

「はい。今玄関にてお待ちなさってますので、お連れして参ります」

「お願いします」



「こちらがお嬢様にお仕えする方々です。右半分が基本護衛などを、左半分が給仕関係を承っていただきます」

「そう。分かったわ。一旦メイド長と執事長、それと護衛長と何人かはここに留まって。念の為顔合わせをお願いするわ」

「「「承知しました」」」

「あら?貴方男性なのに、料理とか出来るの?」

「はい。自分出稼ぎですが、家では調理とかを担当していました」

「そうなの?奥さんは?」

「いますが、料理は壊滅的でして」

「なるほどね。たまにいるよね。分かったわ。料理長は彼の実力を見計らって。それと料理をする以上は食材の選別をしてもらう必要があるわ。買出しや見分け方、倉庫の案内とかをお願いするわ」

「分かりました」

「それで?こちらの男女2人は?」

「こちらの2人は読み書き及び計算が得意との事でしたので、経理関係に就いてもらおうかと」

「それなら問題を出して貰おうか。私、結構自信があるのよ?」

「「はい」」



計算問題と聞き、他の方も興味が湧いたみたいだ。



「5+5は?」

「「10」」

「7+5+2+3は?」

「「17」」

「55−19は?」

「「36」」

「105ー57ー48は?」

「「0」」



ほぼ即答で答えた2人に対して少々困惑した雰囲気が漂っていた。



「あ、あれ?ここまで計算が早いのは初めてかも…?」

「ま、まだ序の口かと。難易度を上げてみましょうか?」

「そ、そうね」



「4.5x1.9は?」

「「8.55」」

「5.9x7.4x10.7は?」

「「467.162」」

「92÷2は?」

「「46」」

「72÷8は?」

「「9」」

「10.5÷2.4は?」

「4.375」

「8.9x4.3÷5.6は?」

「「割り切れません。どうします?」」

「『!!??』」

「え、えっと、なら小数点第一まで。それ以降は計算しない」

「「6.8」」

「四捨五入なら?条件は一緒で」

「「6.8」」



その後も計算問題をノーミスでクリアし、遂に超高学のみ入学を許される問題に突入したが、それでもクリアした。お陰で一同驚愕というか、寧ろ恐怖を感じていた。唯一顔の表情を変えなかったのは、彼らの横にいる今日初めて来た者達である。最も、メイド達やお嬢様らは彼らに興味も微塵もなかったみたいだが。

因みに異世界の超高学学校というのは、地球の中学2〜3年レベルである。それが異世界では東大やハーバード、オックスフォード、チューリッヒ工科大学並みの実力である。



「お、お嬢様…。これは…」

「わ、私よりスペックが良いとは…。これは凄い拾い物じゃないかしら?君らもどう思う?」

「う、うん…。これは凄い、な。正直圧巻された…」

「わ、私もです…。まさかこの場にいる一番頭の良いメイドさんを出し抜くとか…。ほらみてよメイドさんの顔。驚き過ぎて逆に顰蹙してるよ〜?」

「い、いいえ…。そういう訳では…。で、ですがお嬢様」

「分かってるわ。この2人は秘書室や書庫、帳簿等がある保管室の入室を許可するよ。ここまで頭が良いと誰かを挟むと逆にミスや支障をきたす恐れがあるから。この際ね」

「分かりました」



その後も各自の得意分野や役割をアピールし、()()()()()様に出し惜しみをしながらアピールしていった。その成果も相まって全員お眼鏡にかない、持ち場につく事が出来た。





・・・・・・



数日後のお茶会



「いや〜まさかの掘り出し物だったな〜」

「羨ましいな。世の中広いものだ」

「まあね〜」

「けどどうしてあんなに頭が良いのに、埋もれていたのでしょうか?出稼ぎと言ってましたが」

「恐らくそれでかもな。金がなければ学校に入学も出来ないだろうから、自己流で身に付けたのかもな。こういう場面も想定して」

「だとするとその予知は当たっていましたね。努力をしない者は報われませんから。全部がとまでは言いませんが」

「まあね。けど逆に他の面々はどうしても見劣りしてしまうな」

「それはしょうがないかもね。一種の才能もあるかも」

「まあ、あそこまで頭が良ければ余程のことがない限りはミスもしないだろうから、こっちとしては安心ね」

「因みに当然背後関係の調査は済んでるんだろ?」

「勿論よ。ヘマしないよ。その辺りはバッチリだよ。気になるのは精々学校に行っていないところだけだね。それ以外は特に変わったところはなかったね。ただ…」

「『ただ?』」

「年齢は流石に驚いたかな」

「歳?いくつ?」

「あれで30超えてると書かれてあったの」

「『3、30!?』」

「え!?俺てっきり20前後かと思った…」

「私も!もしかして種族の違い?人族じゃないとか?」

「いいえ。普通に人族と書いてあったし、相違もなかったの」

「3、30って…。しかも超えてる?まさか忌み人?」

「ううん?そういう訳でもないみたい。奥さんもいるし、顔が若いだけじゃないかな?」

「どうやったらあんな童顔みたいな顔になるのかしら?興味があるわ〜」

「それは私も」

「ところで話変わってすまんが、業務は大丈夫だろうな?」

「その辺も抜かり無しよ。ここはダメとか教えてあるし、間違ってみたとしても、閲覧禁止のところは仮に見ても白紙にしか見えないから。平気だよ」

「そうか。なら良いんだ。どうしても外部から雇うとなると、その辺りのリスクもあるからな」

「それも分かってる。ただ、教養はかなりある様に見えるから、その辺りも大丈夫かと。それに教養がない者は恐らくこっちで事前に審査で落とすと思うし」

「それもそうだな」





・・・・・・・



1週間が経過し、某所にて集合。中間報告が始まった。



「各自、報告してくれ。1班から順に頼む」

「1班の潜入先はとあるテロ集団。初め関係が無いかと思ったが蓋を開けてビックリ、普通に関わりがあった。このテロ集団がどうやら武器やアーティファクトとかを提供してるみたいだ。内訳は各自に送付しておく。恐らくこのテロ集団が色々斡旋してるのだろう」

「武器やらアーティファクトなどを提供か。ということはここを潰せば全部とまでは言わんが大半の提供を阻害できるんじゃないか?」

「俺たちはそう見込んでいる」

「2班は?」

「私達もテロ組織に潜入している。組織と集団でどう違うのかは分からないけど、こちらは組織に資金提供しているのがいるから、その違いだと思う」

「組織に資金提供?民間?公的?」

「これが昨日判明したんだけど、小規模だけど公的機関が提供してるみたい」

「『うわぁ…』」

「どこなんだ?その機関って」

「貴族なんだけど、準男爵なんだ」

「下も下か。けど貴族の時点で国に属しているんだ。野放しには出来ないだろう」

「そうなんだ。それでちょっと範囲が外れてゴメンなんだけど、この状況を上級または国王が知ってるのかを調べたら、どうやらこの準男爵の独断っぽいんだ」

「知らなかったとはいえ、という奴か。なら問題解決後にその国の王に抗議を証拠付きで送り込む必要があるな」

「そうなるね」

「それで?組織自体はどうなんだ?」

「やってるのは人員を斡旋して送り込んでいるだけみたい。他にもあったけど、それは本件と関わりが無かったから省いた。省いたと言っても除外した訳ではないから、この報いは、というやつ」

「了解した。しかしたかだかこの2班だけでも中々に濃厚な情報だな。先が思いやられるぜ」



部隊長の言葉に思わず頷いてしまう一同



「続けて3班」

「はいよ。こっちは微々たるものかも。何しろ第三者が入るからな」

「どういうこと?」

「つまり、ごく一般的に武器屋とか古物商とかから買い集めただけ、という事だ。その武器屋とか古物商とかの商人からは普通に購入しただけ。そういうことだ」

「『…』」

「まあ、普通に購入しただけなら外しても良いか…」

「ただ気になるのが一点。テロ集団とかには関係があるかは分からんが、ある一つの商店が違法な事をしてるらしい」

「らしいって、証拠は?」

「あるにはある。そこは問題ないのだが、それが本件に関わってるのかが分からん。これは俺の推測なんだが、関係してるっぽい」

「その理由は?」

「武器の威力を上げるとかならまだしも、関わりのない一般市民とかにも影響を及ぼす物を加工してるらしい。例えば気に入った女がいれば即座に道具とかを駆使してひっ捕えるとか、追手を破滅にする道具とか、所謂法律で禁止されている事をしている、というのがある」

「それを使用している可能性または依頼している可能性か。確かに無碍には出来んな。これが終わったらそちらも注意して調査を続けてくれ」

「了解した」

「4班は?」

「こっちも収穫ありよ。潜入先はとある巨大規模商店なんだけど、ここが凄いの。いやここまで大きいと商店じゃなくて商社とか商事ね。ここの商社なんだけど、もう目につく物全てがその商社の所有なの」

「ということは衣食住とかもか?」

「そうなの。だから巷では世界を股にかける総合商社と言われるくらいなの。表向きはこうなんだけど?」

「裏では違うんだ」

「そうなの。普通に闇と付くことは全てやっているわ。この商社がやってるのは資金提供くらいだけど、恐らくその何割かを出資してる模様なの。なんだったらその商社お抱えの私兵もいるくらいには」

「ということは?」

「お察しの通りね。さっき資金提供とは言ったけど、その中に含まれてる証拠があるの。人材とか計画とかね」

「なら証拠集めには苦労しなかったみたいだな。因みにちょっと外れるけど、その商社って地球規模だとどれくらい?」

「まず総合商社自体が日本特有というほどじゃないけど、日本が圧倒的に強いの。それを持っていうけど、平気で○菱商事とか、○井商事クラスなのよ」

「『マジかよ…』」

「それ相当デカいじゃん。そこが密輸に関わってるのか?」

「そうなの。しかも密輸に使用した船舶。あれも譲渡したとはいえ元はその商社の物なの」

「全部か?」

「全部じゃないけど、6〜7割はそうなんじゃないかな?その証拠もあるし」

「商事も関わってきたか…。5班は?」

「…」

「?どうした5班、発表してくれ」

「4班。もしかしてお前らの潜入先ってこれ?今送るね」

「?あ、これこれ。何で分かったの?…てまさか!?」

「そのまさかね。4班の潜入先であるライバル商社が私たち5班の潜入先だよ」

「『何!!??』」

「そしてこっちも輸送の手引きとかもやってるね。多分向こうも頭が良いのだろうね。陸と海で分けているから。恐らくは一緒にすると足がついた時に困る事があるだろうね」

「ということは、密輸ルートは、陸上が5班が潜入先で4班が海上ってことか?」

「そうなるね。こっちも証拠があるし、契約書も見つけた」

「それは大きいな。指紋とか痕跡は取れたか?」

「バッチリだよ。いつでも提示が出来る」

「デカした」



ここで漸く中間を終えた。



「6班は?」

「6班なんだが、珍しいぞ」

「珍しいって何だ?」

「共同経営なんだよ。民間と公的の」

「官民連携ってことか?」

「そう。6班の潜入先は特に地方特化型だな。んでだ。そこは国境が近いのも相まって税関とかもやっているんだが、察しの良いお前らなら分かるだろ?」

「え、まさか、そこでも密輸を!?」

「『!?』」

「そういうことだ。それで今回の密輸品なんだが、隣国産だというのが分かった。そこで国境警備隊の目を掻い潜ってこの国に密輸してそこから船で最終的に日本へ、というプランだったみたいだ」

「国境検査って結構安易に通過できるのか?」

「一般的には容易くない。厳重なところは厳重だ。けど発送元が自治体とか貴族ならその行程をパスすることが出来るんだ。これが民間経由なら開封が必要になるのだろうけど、自治体又は貴族お抱えなら?」

「道中は何もないと証明できる。必然的にやる必要がないって事か?」

「そうなる。つまり民間と公的両方グルだった、という事だ」

「隣国のお偉いさん方はこの事態を?」

「この国に近ければ近いほどそれを知ってるのだろう。検問所をパスするというのもあるしな。勿論言い逃れはさせないぜ」

「つまり地方自治体もグルか。挙句には隣国の、これは辺境伯か?これもか」

「そうなる」

「7班は?」

「ご期待にはそぐわないな。組織としてはレッドゾーンなのに、この件に関しては潔白ときた」

「それもそれで興味があるな。どんな奴らだ?」

「異世界版マフィアだ」

「マフィアか。けどマフィアこそその辺りは手を付けていそうだけどな?」

「俺もそう思ったが、どうも違うみたいだ。一般人に対しては寧ろ良人として振る舞ってるみたいだ。つまり、一般人には手を出さない辺りが敵ながら賞賛に値するな」

「対立するとなると命知らずか同業者か?」

「同じマフィアなら抗争に発展するだろうな。だから今回は無関係みたいだ。話自体は上がったそうだが、断ったそうだからな」

「何でだ?」

「詳しくは知らないが、所謂テリトリーじゃないか?」

「敵地に乗り込むとどうなるか分からないあれか?」

「そのせいだろ」

「意外と良い所もあるんだな。8班は?確か残りは全て潜入先が」

「貴族だけだ。心して聞いてくれ。中々に悪どいからな」



その言葉を聞いて気を引き締める一同



「では8班だ。まず潜入先だが、また別の国の貴族なんだが、聞いて驚くな?侯爵当主が筆頭にその家族も周辺も全てグルだ」

「『うわぁ…』」

「まあ、こうなるとも予想していたが、実際に聞くと仰天するな」

「だろ?しかもそれだけじゃない。協力者を募って協力しない奴は何かしらイチャモンをつけて国外追放に追いやっているからな」

「そこまでするのか?」

「まあな。挙句には募っておきながら途中で提供や援助が滞った時点で切り捨てて処刑までしてるからな」

「『…』」

「まだあるぞ。そのとうの本人は一切資金援助等はしていないって事が」

「何!?それじゃ証拠は…」

「大丈夫だ。金貸しや銀行じゃないし、その辺りは法律の穴を突くだけさ。法律には銀行間ならまだしも、個人のやりとりは禁じられているからな。その証拠もあるし、その侯爵は下に銀行や金銭関係の機関はないからな」

「けどその辺りも理解してるんだろ?」

「誰がその証拠だけと言った?他にもあるさ。それも山程な」

「なら平気か。例えば?」

「人材派遣に物品、リース。まだあるぞ。覚えているか?違法奴隷が居たのを」

「ああ。そう言えばあったな…。ということは?」

「そのまさかだ。こっちも全部ではないがその証拠もある。安心しろ」

「それなら何よりだ。9班は?」

「こっちも8班と同様に貴族、それと有力な地方自治体当主だ。こっちは初めは貴族だけかと思ったが地方自治体も絡んでいるとなると、範囲が広がる。という訳だ」

「なるほどな。んで?貴族は?」

「8班の知り合いというのが潜入して判明した事なんだ。但しこっちもまた別国にはなるがな。一応地位は8班は大公を除くと上から二番目だが、こっちは一番上の公爵だな」

「ありゃ?ということはそっちも?」

「ああ。8と9班の当主は女性だ。しかも2人とも学生自体からの付き合いらしい。多少歴史が絡むが、素行は学生頃から変わらないらしい」

「つまり平気で脅迫や実力行使もか?」

「そうなる。そしてその都度前当主。当時現当主である親に頼み込んで揉み消していたのだろう」

「地方自治体は?」

「血縁関係ありだ。現当主の妹らしい。しかもこっちも悪どいやり方で就任したそうだ。まず前当主を冤罪に掛け蹴落とし、金とツテで立候補者にまで上り詰めた後、他の立候補者をとにかく妨害、挙句には殺人まで侵しておきながら買収に買収を重ね、今の地位になった。という訳だ」

「現代でもそこまでする奴はいないのに、流石異世界だな…」

「感心してないで続けるぞ。こっちも違法奴隷と資材提供が絡んでいる。特に宝石関連がそうだな。日本の方が高く売れるという理由で偽宝石を捕ませようとしたらしい。これも揃ってる」

「これは大きいな。他には?」

「姉の貴族当主はそうなんだが、妹も相当だ。さっき言ったことに加え妹周辺の取り巻きもグルだ。特に経理と流通、護衛関連はそうだな」

「何?捏造してバレそうになったら護衛に消してもらうってか?」

「そういうことだ」

「これまた凄いな。最後に10班は?ここまで来たらそう簡単には驚かないが…」



遂に最後の10班の発表である。



「なら発表します。まずこのマップを送ります」

「?このマップがどうした?見たところ大の小くらいある海洋及び島国国家みたいだが?」

「こちらも貴族国家ではあるのですが、伯爵以上の貴族とその周辺、プラスして国王とその周辺を含め全員被疑者です」

「『…』」

「『はあああああ!!??』」

「え!?そんなことありうるのか!?」

「あ、ありえない!!何かの間違いだろ!?」

「いえ、全員被疑者です。全て証拠が揃っています。老若男女種族問わず全員です」

「た、対象者数は!?」

「1万を超えています」

「一国としては過去最大数だな。そこまで行くと証拠を聞くのが怖いし、何より情報量が膨大で頭がパンクする」

「ですよね。なので後付けにはなりますが、8、9班から数人借りています。じゃないと人手が足らないのです」

「だろうな。これもしかして知らずに加担しているのもいるんじゃないのか?」

「自分も初めそう思いました。ですが本当にごく一部を除いてほぼ全員承知の上で加担しています」

「マジかよ…。そのごく一部は?」

「どうやら種族を理由に強制されているみたいです。それとごく一部のレジスタンスが何とか反旗を翻そうと必死になっています。ですが現状ほぼ神頼みになってしまっています」

「だろうな。んで?その種族とは?」

「大まかなカテゴリーで言います。エルフ、ドワーフ、妖精、精霊、神族。この5つです」

「これらの加担理由は?」

「神族以外は人質がいるそうです。この目でも見ましたし映像にも記録しました。神族はどうやら信仰が足らないという理由らしいです。一部の神族ですが、信仰が集まらないと消滅してしまう恐れから、悪人にでも付いて信仰を得る必要があるとのことでした」

「つまり自分の命に関わる訳か。難儀なものだな…」

「はい。なので迂闊に手を出せれないのが現状です」

「了解した。以上だな。しかし想像以上だな…」

「はい。流石異世界という所でしょう。そこで部隊長、俺から提案が」

「何だ?」

「1〜9班はどうにかなるとして、10班の潜入先である国家は上層部と相談して国家ごと乗っ取りません?」

「『乗っ取り!?』」

「正気かお前!?」

「正気ですよ。考えてみてください。ここまで腐敗した国家に未来があると思いますか?それにここまで来ると国家としても機能を果たせていない様に見えます。いくらレジスタンスもいるとは言え心許なさ過ぎる。ですのでここは彼らに一矢報いたいのです。これ以上長引かせないことも含めて。如何です?」

「…聞いてみるか」



衝撃な事実を前に流石にどうすれば良いのか分からない部隊一同。はてさてどうなることやら。



・・・・・・・





一方その頃金持ち集団は相変わらず茶をしばいていた。



「どう?最近の調子は?」

「好調さ。売上も良いし、このまま覇権したいくらいだ」

「それはやめた方が良いよ〜?そうなった場合は私も敵に回るからね〜?」

「そうですね。そうなった場合はこの場で血の海になりますから。それは彼女らも望んではいませんから」

「分かってるさ。俺のおふざけってなだけだ」

「ところであれからどう?第2波は」

「日本国への入国?今まだ着かないでしょ?あと1週間は先じゃなかった?」

「そうだっけ?そんなものか」

「そんなものだよ。けど今度は上手くいってほしいな〜」

「決して甘くはないだろうけど、もし入れたら今度はこっち側の懐が潤うからね。見ものだよ」

「んで?今度は何送ったんだ?流石に露骨すぎるのはマズイだろ?」

「そうね。確か果物とか合わせて送ってみたよ。数個だけ忍ばせて、その他は本物で輸送したの」

「おいおい、それじゃ赤字じゃないか?」

「大丈夫。本当の狙いはそこじゃないから。本当は船底に大量の密輸品を忍ばせたの。これで重心は下がるし安定もする。何より大量の荷物を乗せてもバレないという算段だよ。流石に穴まで開けないでしょ。そこまで見つからなければ日本の法執行機関にヘイトが向くのは当然な話だし?平気よ平気」

「それは頭が良いな。船底か。そこまでは頭が及ばなかったな」

「うん!私もその考え良い!!上手くいったら私も真似しようかな〜?」

「良いんじゃない〜?」

「『はっはっは!!!』」



そう金持ち共は良い気になっていたが





・・・・・・



残念ながら日本という国を舐めてはいけない。立入検査の際



「おい。こっちに不審な穴がある。ドリルで穴を開けろ」

「はいよ。行くぜ〜!」


ガガガガガガ!!!!


「ほらよ。どうだ?何か見えるか?」

「見えるも何も、これ全部密輸品だ」

「お〜。なら大当たりだな。これでも言い逃れはさせないぞ?」

「『…』」



悔しい顔で睨む密輸業者。拘束されて抵抗しているがその抵抗虚しく、巡視船に消えていった。最後の足掻きとして攻撃魔法で攻撃したが



「何だその火。マッチか?」



といった具合に虫を追っ払う感じで払い、その仕返しとして拘束魔法で一切身動きが取れないようにし、尚且つ重りをぐるぐる巻きにした後海へ放り投げた。その後もサーモグラフィーで一定時間観察した後ダイバーが確認し死亡を確認した。その光景に密輸業者は固唾を飲み込んだ。



「お前らもこうなりたくなければおとなしくしな」

「『(コクコク)』」



激しく縦に振る。誰も死にたくないからだ。



「おう。そっちの船も強制立入しろ。恐らくお仲間さんの船だろ。抵抗したら海に沈めてやれ」

「『おう』」



その結果も相まって、強制立入した船舶数が10隻の内全てに密輸品が仕込まれていた。但し実はこれらは事前に把握された代物であった。というのも実は


数日前



「はいこちら海上保安庁通信指令室」

『お疲れ様です。警察です。現在潜入調査中ですので手短に』

「はいどうぞ」

『通信指令室のPC端末にPDFとエクセルを送ります。内容は数日以内に例の密輸関係の船舶が到達予定です。立入検査の実施をお願いします』

「了解しました。指令長。潜入捜査中の警察から一報です」

「ああ、聞いた聞いた。開いてみろ」

「えっと?3〜4日後に、こっちは正確なんだな。それで?例の密輸船が日本国領海内に侵入する可能性がある。下記の写真と時間を添付するので対処願いたい、だそうです」

「ふむ。事前に分かってるのならこっちも行動するのみだ。航路は?」

「今正面の巨大モニターに反映させます。こちらです」



反映された資料の元、マップと照らし合わせた



「どうやらここになる可能性が高いな。それで、船舶数は?」

「予定では10隻の予定らしいです。この添付された写真と合致する船舶がいたら、十中八九大当たりでしょう」

「10隻か。それなりに人数は欲しいな。よしお前ら。該当管区と航空基地に通達だせ」

「『了解』」



という感じで今に至る。


数日後にその連絡が例の金持ち共に失敗の連絡が入るのだが、その時は…、存命してるのかは分からない。

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