知名度
時系列は数十年後になります(次回もその時系列を引継ぐかは不明)。
因みに舞台も星自体が変わってます。
知名度
異世界にも実は地球でも存在している単語が存在している。
放送
ネット
出演(タレント、俳優女優、子役、芸人問わず)
演芸(ライブ、収録問わず)
写真、映像、動画
他にもあるが今回はその一部を抜粋した。何故それを出したかというと今回はそのお話である。
・・・・・
とある日常を送る人々。今日もいつもと変わらない日常を送ると思っていたら、朝ニュースの話題でそれが崩壊することになる。まずはその放送発表前に遡る。
とある大手放送局
「おはようございます」
「おうおはよう。出勤早々悪いが、当局お抱えで俺の先輩記者がとある写真と動画を撮影した。これを見てくれ」
「?はい。失礼します。外の写真ですね?時間帯は夕方?ってあれ?このエリアって確か?」
「分かったか?そうだ。娼婦やそれ関係の宿が並ぶ通りだ。偶々我が記者が直帰する時にその通りを通ったのだが、次の写真がなかなか凄いぞ。これだ」
「3人並んでますね?全員女性だな。えっと?これが拡大写真ですか。あら〜3人ともこの星では知らない人はいない程の有名人でしかも一人は歌手でこの星のみならず星や銀河系を股にかける作曲家かつ歌手じゃないですか。こんなところで何を?」
「俺も思ったし先輩記者も同じことを思ったそうなんだが、この後の動画に記録が収められているんだ。これさ」
「これか。横道から何人か出てきたな。男性もいる。んで?あれ?親しげに話し始めたな。ってよく見たら男性の方も有名人じゃないですか。流石に女性達ほどではないがこの国と周辺国では有名人の彼らも何故?一応これで合計10人になりましたね。そのまま一緒に歩いて飯屋に入りましたよ?確かその店って見た事ありますけど、飯屋と宿屋が一緒の場所ですね?暫く出てこなかったらお泊まり確定だけど、これで出てこなかったら軽くスキャンダルじゃ無いですか?」
「そうなんだ。そのまま先輩記者は翌日休みだったことも相まってかなり粘ったそうだが、結局出てこなかったらしい。動画回しっぱなしだったところを察するにそのまま泊まったのだろう」
「え?けど予約なしで止まれますかね?確かそこまで部屋数多くなかったと思いますけど…」
「その先輩も同じ事思って念の為あくまでも部屋があるかどうか確認したらしいが、空きなしでしかも老人だったのか口軽く教えてくれた。何でも一部屋最大3人しか止まれない位の広さしかないのに、急に団体さんが来て3部屋しか空いてないのにそれでも良いと泊めたらしい」
「え?でも数合わなくないですか?1人余りますよね?」
「恐らくその3部屋のうち1部屋に4人泊まってる事になるだろう。挙句にはどこの部屋からしてるか知らんが夜の営みを実行してる声すら受付に聞こえてきたしな」
「うわ、男女合わせて10人ですよね?にも関わらず同じ部屋で男女が共に寝泊まり?本当ですか?」
「ああ。声も収録されてる。一応トイレ借りる口実及び軽く飯食う目的で入って上階に行ってドア裏で確認したらどう考えても3人と4人が泊まっている部屋であろうところからその声が聞こえた。恐らく確定だろう」
「これはスキャンダルですね!上司に報告は?」
「してある。今許可待ちだし恐らく今原稿も別部署に依頼出してやってる頃だろう。んで頼みがある」
「何でしょう?」
「許可おりて原稿も来たらそのまま放送エリアに行け。こっちはこっちでスタッフに声かけて速報で流すように手配する」
「分かりました!足の速さならもってこいです!」
「誰かと衝突するなよ?」
その後上司から放送の許可がおりた。原稿は真っ先に部下が受け取りダッシュで放送エリアへ。それ以外のスタッフも放送エリアスタッフに伝達及びグループ企業であるネットニュースに原稿と情報の伝達。間も無く放送局とネットニュースの同時速報が流れる。
「あ、丁度良いタイミング。今CMを挟んでるな。失礼します。すいません監督!!」
「なんだ!!あと1分で再開だぞ!!」
「すいません!!でもこの原稿を出演者の皆様に!監督やスタッフもどうぞ!!」
「今から放送内容変更ってか!?内容は!?」
「スキャンダルです。既にこちら側で上司から許可も出てます。それと速報です。内容は今の内に確認ください」
「速報!?分かった。お前ら!!残り30秒で確認しろ!!」
「『はい!』」
一同は急いで原稿を確認する。すると全員目をギョッとする。直ぐに声を荒げたのは監督である。
「『はぁ!?』」
「おい!!これ本当なんだろうな!?」
「はい。当局の記者が写真と映像にて収録しています」
「ちょっと待て!!監督すいません。お前これ事実なら熱愛もそうだが、集団プレイもそうだが確かこの中の一人か二人既婚者じゃなかったか!?そうだろ!?」
「はい。ですがこの星は別に一夫一妻ではないですし多婚も許されています。ですが仮にそうだとしても家庭をほっぽり出して密会というのは変わりないかと」
「だよな!?監督!!これ…」
「皆まで言うな。キャストの方々。対応をお願いします」
「『分かりました』」
「しかしこれが本当なら久々にキャストとして燃えてきますね〜」
「出たぞ〜?あいつのスキャンダルが飢えてたからな。さぞかし水を得た魚だろう」
「まあいい。とにかく放送だ!」
「『はい』」
その後同局は早速速報にてスキャンダルを放送。世界的有名人のスキャンダルに即座に他放送局や周辺国、果てには星を跨いで別星からも反応があった。そしてその当事者や所属会社は対応に追われる日々がスタートした。事実関係もそうだが他人との関係性も精査しなければならないのだ。
1週間後。各所属会社や事務所は声明を発表。内容はあらかた事実とした上で既婚者はあくまでも傍観としての立場で行為自体はしていないと多少ながら反論。だが世間の目は厳しく更に油を注ぐ事になってしまった。特に今回スキャンダルに上がった人物が更にマズかった。
先ず既婚者2人は双方とも貴族の子、しかも片方は美形が多い金及び銀系の猫族。(もう片方は人族)
次に1人は小国ではあるが王族。こちらは排他的で有名なエルフ系。
3人は親が芸能人でそのうち2人は子役から芸能入り。因みにこちらもなかなかの種族で子役の1人羊属でもう1人は人型精霊。成人後に入った最後の1人はハイヴァンパイア(吸血鬼)。
残りはアイドルでそのうちの1人と子役の1人は契約により恋愛禁止。恋愛OKのアイドルは姉妹で種族は魔族でNGは人族と子役からは人型精霊。
という、何とも倫理的というか契約にとにかく関わる事を各自やらかしているのだ。
だが一つ疑問が全員の脳裏によぎった。「残りの一人は誰なんだ?」と。実はこの残りの1人は有名人でもなければ芸能人でもない。しかもアイドルでもない。恐らく一般人である。では何故その場にいたか。誰かの兄弟なのか愛人なのか。はたまた誰かの友人で紹介されたのか、ただ単に一緒にいただけか。それは現在のところは分からない。それを世間と放送局、更には所属会社や挙句にはその当事者の関係者までもが素性を探るべく、血眼になって探していた。
・・・・・
あれから1ヶ月経ったが誰も残り1人の素性が分からないまま時は過ぎていった。ならば当事者達に聞けば良いと思った報道陣は早速当事者に凸の嵐を喰らわせた。だが口が硬いのかそれとも本当に知らないのか、皆一同に「その人だけは分からない」と口を揃えた。
だがそれで終わらないのが世間と報道陣。詰め寄りもしたが変わらず。そのうち世間も放送局も所属会社も関係者も皆根も歯もない根拠や誹謗中傷などを始めた。そのうち一部が暴徒や過激化。他人に迷惑をかけ警備隊や衛兵などが出動、挙句には全く関係ない方を容疑者に仕立て上げたり器物損壊させられるなどの治安も悪化していった。
先に言っとくがよくある政府や法律などの不満による暴動ではない。この暴動の関係者は全員誰かのファンやそのクラブ、それと所属会社の一部の社員からなる構成である。
そしてとある日。その最後の1人に繋がる情報を誰かがキャッチ。拡散されていった。ここから先はそのラスト1人の会話である。
「?(なんか見られてるな〜。どうしたんだろう?)まあいいや。取り敢えず何か買って料理しよう」
軽く身支度して外出る。一応念の為この部屋と自信に3Dカメラを起動。このカメラは他人には見えないようになっている。鍵を閉め近くの店に食材を買うべく家を出た。
「(家を出てたった1分なのに何でこんなに睨め付けられているんだ?今までこんな事なかったんだがな…。俺が趣味で冒険者として外出している間に何かあったのだろうか?)」
目線で居心地悪いが食材店に到着。買い物を済ませた。だが実は店内でも客や店員から睨みつけられる始末。会計でも男性店員から難癖や乱暴に扱われてしまった。バツが悪そうにしながらも店を出て帰路に戻り扉を開ける。が、開けた瞬間に目を見開いた。
「(…)」
そう。部屋が荒らされていたのだ。誰かが鍵をこじ開けたか借家なので大家から借りたのか、どちらかは分からないがちょっと怒りが湧いてきた。だが今は冷静を保った。というのも3Dカメラかつ鑑定装置を複数設置しているのでフードや仮面または変装しても無駄なのだ。取り敢えず食材を室内にある冷凍装置に入れもう一度外に出た。肉が少々心許なかったので狩りをして肉の補填として冒険者ギルドに向かった。だが視線自体は相変わらずかつ近所にある冒険者ギルドに到着しても視線が外れることはなかった。何なら隣接している商業ギルドの守衛や出入りしている客すら睨む。老若男女問わず。
「(何でここでも睨みつけるんだよ?取り敢えずモンスターを狩って肉解体するか。えっと?依頼ボード依頼ボード。これが良いか?えっと、ボア?ボアって一応名前類似してるけどイノシシだよな?イノシシ肉は良いな。これにするか。受付は?あの人が空いてるか。結構小柄な受付嬢だな?)すいません。この依頼をお願いします」
「…」
「?すいません?これを…」
「バン!(机叩く音)はいこれ」
「…。荒過ぎないか?」
「だから何?早く行って!」
「…。分かった」
「…」
「(これは何かあったな。だが誰かに聞こうと思っても無駄だろう。独自で調査しよう。恐らくこの嫌がらせはヒートアップするだろうな)」
そう心に誓った最後の1人は調査を開始。その間いろんな方面から嫌がらせやら無視やら、遂に法に干渉する事態にも陥った。不法侵入や器物損壊は既にあったが、誹謗中傷のみならず脅迫、傷害、果てには拉致監禁未遂まで発展した。本人もかなり憤怒し、遂に判明した。あれから2週間は過ぎていた。
「これか。偶々襲撃者のうちの1人が記事を持っていたが、これに俺が混じってた事によって起こされた悲劇か…。これはアイツらにも話聞くしかないが、この状況で会えるのだろうか?というかあの出来事が現地の報道に取り上げられるとは正直想定もしてなかったな…。まあ最も俺自身がそういう報道を見ないというのもあるだろうが、ただ単にあの場にあっただけの関係なのにこうされるとはな…。
いや、面倒だから大まかな問題解決を優先させるか。だがこのバカ共はどうしようか。何しろ現地の警備隊も衛兵も取り合わないどころか根も歯もないことを言いやがるからな。俺もキレたから全員処罰させるか。既にデータなどは基地に送ってあるし陸将補からもお墨付きは貰ってあるから早めに動いた方が良いか。
取り敢えずは先ずまだ嫌がらせとかは続くだろうから今度はこっちから仕掛けるか。な〜に。別に捕えはしないさ。
HHQ3こちらMPM(ミリタリーポリスマンの略)5」
『HQ3ですどうぞ』
「例の件、間も無く動こうと思います。実行は1週間後予定。その時点で動ける人員はどれくらいです?」
『人員は容疑者及び関連の規模によります、以下程に?』
「現状隣国行っても星を跨いでも嫌がらせは続きますしヒートアップしてますのでかなりの人数が必要かと。予測3〜40万人希望です」
『3〜40万人ですか…。かなりの数ですね…。ということは関連人数はその10倍以上見込みだと?』
「そういう事になりますね。下手したら10倍どころか100倍以上もありうるかと」
『そうですか。因みに国数は?』
「現状5星130カ国以上です」
『1星25〜6国前後ですか…。それが四六時中となると確かに10倍以上かもしれませんね。何となく50倍くらいにはなりそう…。分かりました。1週間もあれば大丈夫です。ですがそれだけ大規模人数だと指揮権が及びません。最低でも階級が1佐以上が条件だと思います。確か貴官は?』
「はい。私は3佐です。ですので1佐以上を引っ張って来れますか?」
『分かりました。聞いてみます。数日お待ちください』
「お願いします」
数日後、返答が返ってくる。
『MPM5、こちらHHQ3』
「MPM5です」
『お待たせしました。事態は思ったより深刻だというのを察知した結果、先ず容疑者数を130カ国で3千万人想定し動員数を200万人にしました。それにより総合指揮権を陸将補と空自に協力要請をし、空自も空将補を総合指揮権とした為2人で指揮を取る事になりました。恐らく1カ国15万人を派遣予定なので人数的に最低二佐以上になります。但しMPM3が居る国だけは被害者である貴官が指揮権を渡す辞令が陸将から下りました』
「!?それだけあれば十分です。ありがとうございます」
『それと陸将から伝言です。「今までの鬱憤を晴らせ。当然被害を被ったからには遠慮は不要。罰も重いのを用意した。やれ」とのことです』
「陸将…。ありがとうございます」
『最後に、恐らく出陣は3日後だと思います。出陣合図は貴官に委ねるとのことです。こちらからは以上です』
「皆さんの協力及び上官の采配、そして貴官の尽力に感謝します」
『いいえ。ではご武運を』
3日後。遂に時が来た。その間にきた刺客は片っ端から粛清。対応しなかった警備隊及び衛兵に貸しを返す機会が来たのだ。ボストンバックを用意し、最低限の荷物を入れ準備していた
「(やはり気配は消えないな。移動に時間掛かるし、今から出陣させるか)HHQ3こちらMPM5」
『HHQ3です。おはようございます』
「おはようございます。出陣の合図を今出します」
『出陣了解。貴官のいる国から一番近い通信基地はCP100。これ以降は任務完了以外はその基地局を通してください』
「了解です。CP100。こちらMPM5」
『CP100です。状況は聞いています。これより先は私が担当します』
「お願いします。因みに数秒前に出陣合図を出しましたが、対象である各国まで所要時間はどれくらいです?」
『一番近いのは今から45分後。遠いのは3時間後です』
「了解。そしたら現地到着後待機でお願いします。到着した部隊は一方送信でCP100かMPM5まで。突入合図は私が出します」
『了解です。この通信は全てこの基地経由して送信されています。そのままお願いします』
「了解です」
通信を終えた後、荷物をまとめて出発した。その間刺客を同じように粛清し今まで睨んできた連中を今度は逆に睨み返す。今まで睨まれなかった連中は逆に翻し慄いていた。その後無線で現地到着待機の無線を聴き、本人も間も無く目的地に到着する直前で最後の部隊が現着した。
『MPM5。こちらはCP100です』
「MPM5です」
『各部隊、現着しました。突入まで5分のところで待機してます』
「了解。すいませんそのままにして下さい。皆さん。今回はお集まり頂きありがとうございます。今回、映像で私が被害を被った奴らの粛清の日です。陸自の陸将から遠慮無用を頂きましたので力量は各自に任せます。殺されても文句は言えない事を奴らはしたのです。それを代行で申し訳ないのですが任せます。では暫く待機でお願いします。それと通信はここから私から垂れ流しで行きます。突入の言葉を聞き漏らさないようにお願いします」
『『了解』』
ここからはいよいよこっちのターンとなった。先ず今回の目的地である情報の根源元である放送局に突撃。警備員を薙ぎ払った。
「(えっと?確か放送エリアは7階だったか?今だったらニュースの時間で始まったばかりだから好都合だな。その間は何が何でも薙ぎ払う。真っ二つになろうが関係ない)」
そして遂に放送エリアに到着。道中の刺客は現在屍になっている。扉を豪快に開き堂々と生中継の中突入した。
「おい誰だ!?お前」
「うるさい邪魔だ」
また1人
「何ですかあなたは!?」
「どけ」
また1人
「おい!こいつを追い出せ!!」
「お前らも邪魔だ」
また1人、いやこの場合は3人とどんどん積み上がっていく。そして
「どうもこんにちは」
「な、何ですか!?貴方は!?」
「あれ?君、あの時の君じゃん?」
「あ…。その節は…」
「今は黙れ」
「!?」
「それとカメラマンはそのまま中継を続けろ。お前らに用がある」
怒号が飛び相当お怒りだというのが分かり、全員静粛した。
「さて?お前ら何でこの場にあの話題の俺が現れたか分かるな?」
「い、いいえ…」
「いいえ?な訳ないだろあれだけのことしやがってよ?一般人らに俺らの事を捏造しやがってよ?」
「捏造?それこそ貴方の嘘では?私らは映像で撮ってありますよ?」
「だからなんだ?こっちも映像を残してある。これを見ろ。そこのカメラマンはこの映像を撮れ」
端末から流れた映像には10人の中に確かにその人はいたが、あくまでもその場に居ただけの人物でしかも直ぐに離れ、部屋も予定してた部屋に1人で寝ている映像を公開。その映像を見た一同は目を見開いたのと同時に顔を青ざめた。
「何で俺がキレたか分かったな?」
「『…』」
「誰も謝罪なしか。しかもお前も。まあ良い。この後が地獄だ。お前らが放送後にあった俺の出来事を編集で作った。よく見るが良い。映像はカットなしだ」
そこから用意された編集ソフトを起動。それを流した。その光景を目にした一同は顔を顰める。当然だ。1つの放送がここまで波及したのだ。そして誰もが思った。「これはお怒りなのも当然だ」というのが。だがしかしあまりにも遅すぎた。これから起きることを彼らは自覚する事になる。
「あ、あの…」
「なんだ?」
「私はこの番組の監督です。そして横にいるのが編集部門の責任者です。今回はこのような事になったことをお詫びします。どうかお許し下さい」
「申し訳ない」
そしてその場にいたスタッフや出演者一同全員頭を下げた。だが怒りは収まらなかった。
「アホか?許す訳ないだろ?あの件をきっかけにギルドでは私刑に合いそうになり返り討ちにしその職員も俺を腫物扱い。食材屋でも同じ扱いを受け道中では睨みつけられたり喧嘩にあったり。家に帰れば荒らしやら貴重品を損壊。挙句には寝てる時でも襲撃し撃退までする始末。そんな事があって許すと思う?」
「『…』」
「残念だがら俺は聖人君主ではない。ましてや紳士でもない。なのでお前ら全員覚悟しろ。無論関わった連中全員な!!まずは他の放送局に繋げ。他国も他星もな。次に中継で街の様子を撮れ。それを維持しろ。話はそれからだ」
反論できない雰囲気に各自渋々ながら動いた。だが既にこのような出来事に他局が黙ってる訳がなく、既に完遂していた。それを知った本人は次に移行する。
「これで街の様子を見れるな。さて、お前らは無関係である俺を粛清しようと思っただろ?既に顔を横に向けてるのもいるな?だが今更謝罪は遅いし受け付けない。何故なら今から俺はお前ら全員捕えるからだ」
「『?』」
その的を外れた言葉に全員キョトンとし、一部が思わず吹き出した。
「プッ!?気が狂ったか?どうやって俺らを捕えるんだよ?」
「ホント。バカじゃないの?」
「や〜い。ここまでおいで〜?」
「馬鹿馬鹿しい。営業再開しましょう?」
「そうだな。見てるだけ無駄無駄」
それは放送エリアでも同じだ。
「お前はバカだな!!本当におもしろい!」
「いくらお前でも今入り口に衛兵がいる!!お縄がお似合いだよ〜」
「いや〜面白い記事にしてもらうよ〜」
「はいはい。帰ろうね〜」
正直だろうなと思った本人は遂に武器を手にする。銃だ。
ド〜ン!!!
銃声に驚き、また静粛する。
「誰が俺1人で捕えるといった?言ったか?誰か教えて?」
「『…』」
「だよな?だったら話を最後まで聞け。それと恐らく一部は『どうやって?』とか『そんな権限ないだろ?』とか思ってるはずだ。だが残念だったな。俺にはその権限を持っている。今から制服を出す。よく見るが良い。カメラマンも俺の服装をアップで撮れ。
そう言うと持ってきたボストンバックから上着を着る。いや厳密に言うと上着じゃない。ベストを着た。だがただのベストではない。防弾ベストだ。それと上部の背中と右胸には大きく書かれている。そう。
「え」
「え!?」
「はぁ!!??」
「『ええええええ!!??』」
「ようやくお前らは誰を敵に回したか分かったか?俺は日本の国家機関。機関は国防。詳細は分かりやすく言えば陸軍憲兵隊所属だ。バッジとIDだ」
そこで関わった全員が青ざめる。最悪の相手を敵に回したからだ。そこで更に追撃が発射された。
「ご存知の通り俺らは外国でも効力がある。しかもこれもお前らも知っての通り現地国より日本国の効力が優先される。なのでこれより先は日本国の法律が適用されるわけだ。先に言っておくと俺を傷つけたんだ。最悪は死罪が適用されるのを忘れるな」
死罪という言葉に現地の方も青ざめる。そして矢継ぎ早にトドメが刺される。
「それとお前らに最悪の事を伝えよう。俺を貶めようとした場所に既に仲間を派遣した。数は合計200万。5分で到着するように設定してある。今から俺の指示で突入する。ぜいぜい逃げるが良い。それと到着2分前から何かしらの音が聞こえる。嘘かどうか確かめるが良い。突入」
その言葉に待ってました!と言わんばかりに出陣した。現地民は5分で合計200万人が来るという単語にイマイチ実感が湧かないというのがあるが、それが直ぐに現実になる。始めに別国が気づいた。
『あ、おい!!上空!!何か来る!!』
『あ、あれってまさか!!??』
『こちらは日本国国家警備隊、憲兵隊である!!大人しくしろ!!!』
その中継を目にした他の連中は今更ながら動き始めた。
「おい!!あいつマジで呼びやがったぞ!!??」
「に、にげろ!!!」
「う、嘘でしょ!!??」
「何でアイツが憲兵隊員なのよ〜!!!」
別国では上空から掃射が始まった。
「アイツら魔法を使ってきた!!何が何でも俺らを殺す気だ!!」
「た、対抗を…」
「無茶だよ!!!逃げるよ!!」
「ご、ごめんなさい〜〜!!」
その後も上空や地上から砲弾発射、次々と建物が崩れ逃げ道を塞がれた者は倒壊した建物の下敷きになる。その中継を見た放送局は顔を青くし、一部は嘔吐していた。
「さて。中継はこの辺にして、お前らだ。よくもまあ俺を…」
「ま、待て!!直ぐに謝罪する!!だから命までは…」
「それお前が言えたセリフか?掌返とはこの事だな。悪いが許す気はない。死んでもらう」
編集責任者は魔法で精神を喰われ廃人となった。
「ここも1分以内に制圧される。今のうちに自分のしでかした事を死んで悔いろ」
『間も無く突入します』
「了解」
その後放送局に自衛隊が突入。それを皮切りに各国も各星も制圧され容疑者も全員捕縛か粛清された。当然取り合ってくれなかった現地衛兵や警備隊は全て瓦解し国家に引き渡された。そして情報の根源となった放送局は物理的に瓦解し跡形もなく消し去り、一つの放送局が消えた瞬間であった。当然スタッフは一部を除き全員捕縛か粛清。残りは条件付きで解放した。いかに一つの情報が多くのものを動かす原動になるか身に沁みただろう。
この事件は後に後世まで語り継がれる事になる。内容は「日本国を怒らせた数少ない事案」である。
それと当事者たちであるが、こちらはある意味被害者なので咎めは少々に収め、前科前歴に登録も除外した。その言葉に一同安堵した。その数日後に謝罪に現れた。
「この度は誠に申し訳ございません」
「『申し訳ございません』」
「これ、私たちからのせめてもの謝罪の印です」
「まあ、こればっかりはお前らも被害者だしな。仕方ないさ。だが夜の遊びは程々にな」
「はい…」
「因みに各方面の反応はどうだった?」
「えっと、全員一致したのですが、私たち全員お咎めなしになりました」
「そうなのか。まあ別に犯罪は犯してないしな。精々規約違反くらいか?」
「あ、はい。その程度ですね。ですので恋愛禁止の二人は3ヶ月の自宅謹慎を命ぜられたそうです」
「そうなのか?」
「はい。私は普通に人族なので大丈夫なのですが…」
「私は人型精霊で期間限定で外出なのですが、ちょっと今回の件で大精霊以上の方々から咎められまして。『何日本国の方を迷惑かけてるんだよ!?』と。ですので暫くしたら精霊界に帰還しこちらでも暫く謹慎予定です…」
「そうなのか。まあ運が悪かったな。あれは本当に記者が悪いからな。他は通常通りに復帰か?」
「いえ。エルフ族が騒いでいて…」
「そこから先は私が。恐らくですがいつか王族とその周辺全員で日本国に謝罪にお伺いしようと計画を立ててます」
「そんな大袈裟なことを…」
「大袈裟ではありません!!あの日本国を怒らせてしまったのです。その事で父国王が頭を抱えまして…」
「まあそこはこっちが申し訳ないな」
「い、いいえ!!謝罪は受け取れません!!元凶は私たちなので…。ただ単にお遊びが過ぎただけですので」
「まあ。そこは、まあいいや。とりあえずこれでお前らに火の粉は飛ばない事は確定してる。通常通りに戻れば良い」
「『あ、ありがとうございます』」
「ただ一つ弊害が…」
「何だ?」
「あの件以来、私達の周辺がおかしいのです」
「何が?何かあったのか?」
「それが何ですが、あの件で『あなたと繋がりがあるのか?』というのがありまして。皆よそよそしくなってしまったのです」
「…まあそこは各自でどうにかしな。俺は知らん」
「分かっていました。最後に一つにすいません。この後食事にどうですか?美味しい店予約してるのです。無論費用は私達が出します」
「その厚意は受け取ろう。味はうるさいぞ?」
「お任せください」
こうして超大規模事案は終結した。結果は130カ国に賠償金の支払命令が下った。それにより債務超過に陥った十数国は他国と吸収合併し歴史が変更された。




