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更にその裏側

更にその裏側





イベント出席者であるグループに演者一同がホテルのサービスに舌鼓を打ってる中、更に警察が捜査した不正の数々を報告や打ち合わせしている中、更に別の組織がこちらでも本格的に動こうとしていた。それが



「どうだ?他の奴らも日本国に入国できたか?」

「一応はできました。一応は・・・」

「歯切れ悪いな?どうした?」

「それが、入国審査にて大部分が入国拒否されました・・・」

「『はぁ!?』」

「な、何故だ!?」

「何が原因だ!?」

「入国審査の際、持ち物検査に質疑応答に入国審査官が疑問を抱き、徹底した審査の末、らしいです」

「あいつらどれだけ警戒深いんだ!?まさか持ち物も!?」

「そのまさかです。外見から見ればただのイベントに使う道具でも、彼らが検査や保有スキルなどの透視で本当の使用目的が割り出されてしまって・・・」

「クソっ!!」

「誰が平気だったんだ!?」

「持ち物や質疑応答に正確に答えてた者のみ、です。なのでイベント襲撃に使用する物を所持していた奴は全滅、現在取り調べ中です。それと質問に答えれなかった者も別室にて再度質疑応答、だそうです」

「『・・・』」

「俺ら過激派の計画が・・・」



そう、あのファンクラブの過激派連中である。もっとも初手から盛大に躓いているみたいだが。



「現時点で通過できた人数は?」

「把握できているだけで200人中130人が入国拒否、しかもそのうち80人以上が危険物所持の容疑で国家機関に身柄拘束されているそうです。おそらくは尋問中かと・・・」

「『うわぁ・・・』」

「ほ、他の70人は?」

「70人中45人は現在別室送りです。なのでこの場にいるのが残りの25人ということになります」

「入国ブースまでに55時間も並んだのに追い返されるわ国家機関に送られるわ、本当に面倒かつ厄介だな・・・」

「ああ。挙句にはイベント襲撃に必要な道具が全滅したというのも痛い」

「なんとか取り戻せないだろうか?」

「は?アホな考えをしてるんじゃねぇ!相手は国境警備隊、日本の国境警備隊を担ってる機関は日本の国防、つまり入国審査官は全員軍人ということだ!その軍人から奪おうってか!?冗談も休み休みにしろ!!」

「け、けどそれがないと実行も・・・」

「分かってる・・・。分かってる・・・。だから今考えてる・・・。?あれをみろ」

「『?』」

「どこをみるの?」

「警備隊の動きだ。ほら今警備隊の一人が入ろうとしているあの扉。あれの先に見えるもの」

「『・・・』」

「『あ!?』」

「見えたな?俺らが必要としている物だ」

「意外と管理が甘いみたいだな?」

「よし。おそらくはあれを奪うのは意外と簡単なのかもしれんな」

「チャレンジする価値はありそうだな」

「だが警戒も強いはずだ。チャンスは一度しかないぞ」

「けどまずは他が通過出来てからしないか?その方がリスクも減らせれるだろ?」

「それもそうだな。よし。一部は動きを見ろ」

「『おし!』」



こうして残りの生き残りメンバーを待つこと数時間後。ようやく残り全員が集合した。



「結局通過出来た人数は70人か・・・。仕方ないな」

「ああ。だが多少支障が出るくらいだから、そこは幸いな点かな」

「まあな。よし。この場に長居はしたくない。作戦を実行するぞ」

「ああ。一応即席の作戦だが、なんとかなるだろう。先ずは数人で警備隊にあの扉に出入りしている奴やその中で何かしている奴を捕える。捕えると言っても物理的にではない。そんなことしても俺らが負けるだけだしな。あくまでも質問して、その時間を延ばすだけだ。それで会話中はできる限り扉から遠ざけろ。あまり遠ざけると警戒する恐れがあるから大体5メートルくらいで良い。んで10人くらいであの扉に入り、例のブツを回収。その間残りはあの奥にトイレがあるから、行くフリをした目眩しを頼む。時間は開始から5分以内だ。良いな?」

「『おう!』」

「よし。では作戦実行!」



それから10分後。入国審査場を出た一同は結果報告をしていた。



「どうだった?」

「上手くいったぜ?ほれ、この通りだ!」

「『おお〜〜』」

「良くやったな。しかし意外と簡単に強奪できたな?」

「それがな?あの扉を入ったちょっと奥に棚になっていてな。没収された物がおそらくはそこで集約されるのだろう。幸い俺たちが使用するものしかなかったから簡単に奪えたぞ」

「そうかそうか。因みに警備隊の様子は?」

「場所の説明や経路に時間が掛かった、という程で時間を掛けたんだ。向こうはその背後でやっている行為に目もくれなかったぞ」

「それは良い報告だな!これで俺たちは次に進めれるな!!」

「『ああ!!』」

「因みに何もされなかったか?装置が壊れてるとか?」

「それも一応念の為確認した。大丈夫だ。このまま使えるぞ?」

「よし!では急いで離れよう。とりあえずはどこで泊まる?」

「イベント会場近くの宿で良いだろ。下手に離れていると移動が大変だ」

「それもそうだな。えっと?会場がここだから、先ずは近くの宿屋だが、そもそもどれくらい離れているんだ?」

「さあ?近くの人に聞いてみるか。ちょうどそこにドワーフがいるしな」

「それもそうだな。すいません〜そこの方?」

「はい?」

「この場所をご存知ですか?」

「?あ〜はいはい。分かるわよ。けど移動かなり大変よ?」

「え?そうなのですか?」

「うん。高速鉄道というのがここから程近いところにあるんだけど、それに乗って行く様な感じよ。確か4時間は掛かったかな?」

「『4時間?』」

「4時間って、結構近くないですか?」

「貴方達観光客よね?」

「あ、はいそうです」

「なら日本の技術に驚愕するかも。4時間というのは、高速鉄道で4時間なの。距離もかなりあるわ。確かここから220キュウ(500キロ)はあるわよ?」

「『220キュウ!?』」

「そ、そんなにあるのですか!?」

「うん。ある。馬でもその距離だと3〜4日掛かるでしょ?だから高速鉄道なの」

「ところでその高速鉄道ってなんだ?」

「行けば分かるわ」

「あ、はい。ありがとうございます」

「私も当初は驚愕したからその気持ちは分かるわよ。けど先ずは行ってみなさい。色々分かるわよ」

「『ありがとうございます!!』」

「行こうか」

「じゃないと本当に日が暮れる」



過激派一味は国境警備隊からブツを取り返し、計画を実行に移す為、初めて乗車する高速鉄道に乗るために歩みを初めていた。





・・・・・



過激派一同がイベント会場に向かってるその頃、入国審査場内ではとある会議が行われていた。



「相変わらず、なぜこうも簡単にカモが釣れるのかが分からんな・・・」

「そうですね。けどそれはそれで良い成果では?」

「二等空佐の言いたいことは分かりますよ。けどそれが良いのでは?」

「まあな・・・。こうも我々が考案した作戦が上手くいくとそれはそれで面白みが無いな」



そう。実はあの時過激派一味が行った盗難劇は、国境警備隊が設立当初から実行していたことである。敢えて盗難させることで敵の動きを掴む、という手法である。所謂陽動である。



「それで?今回のカモはこの映像に映ってるこいつらだろ?」

「はい。こいつらですね。他の隊員が仲間の会話に惑わされてる中、この映像のように立ち入り禁止エリアに入り、物を強奪していきました。まあ惑わされたとはあの隊員も思っていないみたいです。その証拠に他には見えない、指でスライドで出るツールを起動し監視カメラで侵入者及び協力者をマーキングしていました。これがその一味ですね」

「結構多いな・・・。70人くらいか?」

「多分それくらいかと。それとこれを」

「これあれだな。入国審査の映像だな。もしやこの中に他のグループが?」

「はい。今から表示します赤マルがその仲間です」



ピピッ!!



「こいつらですね」

「こいつらは・・・、追い返されてるな。まあ当然だな。こんあ危険物を入れる訳にはいかないな。こいつらの現在地は?」

「当局にて取り調べ中です」

「なら向こうにも連絡しろ。仲間が入国中。映像を送ったと」

「はい。それと例の危険物ですが、中身は何かの起動装置だったのでこれを無効化。その上でGPSを組み込み、今その犯罪一味が持っています」

「了解。おそらくは何かの目的で入国しているに違いない。監視や動向を把握し、その都度関係機関へ連絡」

「『はい』」

「それと当時対応に当たった職員をここへ」

「私が」

「頼んだ」



「「お疲れ様です」」

「おう。お疲れ。一応は叱責なんだがな。一応証拠品の盗難というのはあってはならないしそれを敵に戻るというのはもってのほか。けどこういった盗難や紛失はどうしても防げない。なら敢えて容易に盗難する状況を作り出し、それ用に部屋を配置し囮も配置。棚に収容前に装置の破壊または無効化。その上でGPSの取り付け。そして収納。その後カモとその集団が来たら対応に追われているフリをしながら人物の把握とマーキング。全てがうまくいきすぎだな。逆に怖いくらいだ。なのでさっき言った叱責すれば良いのか賞賛すれば良いのかが分からん」

「分かってますよ。その為の我々です。いつも通り囮に使ってその餌が食いついた。よしよし。で良いと思います」

「俺も同意見ですね。じゃなければいつ盗難や紛失が起きるか分かったものでは無いですし、何より、そうなってしまうのが怖いのです。ですので上手くいって良いのです」

「まあいいか。その為の事だしな。俺から上司に伝えておく。2人は通常通りで頼む」

「「はい」」





こちらでも犯罪一味を捕らえる手筈が整ってきていた。この事は最後まであの過激派が知る事はない。

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