卒隊試験(自衛隊編)
卒隊試験(自衛隊編)
♪〜〜〜(起床ラッパ)
「『お〜す!!』」
ガラガラガラガラ!!!!(カーテンを開ける音)
ガチャガチャガチャガチャ!!!!(着替えたり戦闘靴を履く音)
ドタドタドタドタ!!!!(廊下や階段を駆け降りる音)
「『整列!!!』」
「番号!!!」
「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20!!」
「全員欠員無し!!」
「第一教育班点呼終了!!!」
「第二班点呼終了!!!」
「第三・・・」
「第二十班点呼及び全班の点呼終了!!!」
『ご苦労。休め』
「『は!』」
『教育隊隊長の登壇だ!!!敬礼!!!』
バッ!!!!
『休め。さて今日はいよいよ卒隊試験だ。日頃の成果をここで遺憾無く発揮しろ。不合格者は問答無用で叩き落とす。気を引き締めて挑むように。それとここで君らは憲兵、つまり新設された法執行機関になれるかどうかも試される。生半可な気持ちではなれないことも忘れるな。先に言っておく。全員がなれるとは限らない。それはどこも同じだ。その場合は暫く自衛隊として職務に励んでもらう、が、勿論ここで選ばれなかったからと言って今後一生なれないわけではない。そこは各々の努力次第である。君らの健闘を祈る。以上、敬礼!!』
「『は!!!』」
『隊長、ありがとうございます。では今日の日程だ。メモでも耳でも良い。聴け。現在時刻は7時前だ。この後隊員達は食堂にて朝飯、7時半から宿舎などの清掃。8時から卒隊試験を始める。始めは装備装着した状態でランニング、障害物、射撃、体術、魔法使用、救護、山登りを午前みっちり執り行う。12時半からは昼飯、13時から分かれて行う。自衛隊希望は引き続き訓練や鍛錬を。国家警備隊希望は13時からペーパーテスト。15時から陸海空合同で犯人制圧や路上での対応を行い、18時に両者終了。その後は自由時間。19時に晩飯及び入浴。20時に合否発表をし、21時に就寝だ。尚、不合格者はその時点で退去を命ずる。合格者はそのままこの駐屯地に残留、翌日朝飯後に希望先の有無を発表し、その後宿舎の清掃後、各所属先へ移動開始だ。ただこの時点ではまだ君たちは正式な隊員ではない。所属先へ移動後に辞令式を執り行い、そこで初めて正式な隊員となる。なので明日の昼前までは君らはまだ候補生というのを忘れるな。質問は?』
「『・・・』」
『ないみたいだな。では移動開始!!』
「『は!!!』」
「いよいよだな。ガッツリ朝飯食わないとキツイぞ?」
「分かってる。今はとにかく時間がない。掻き込むぞ」
「おう」
「よしお前ら集まったな?装備品の抜き打ちを行う。全員一旦装備を地面に降ろせ。試験官らが確認する。行け」
「『は!!』」
「弾薬がない!!減点!!」
「武器の手入れがなっていない!!減点!!」
「靴紐が解けているぞ!!今締め直せ!!」
「俺の指をみろ。顔を動かさないで目だけで俺の指を追従しろ・・・。充血してるな?眠いか?」
「・・・」
「眠いか!?」
「はい!!」
「自己管理不足!!減点!!」
「装備品の欠如!!減点!!」
「帽子が表裏逆だぞ?今直せ」
「汚れが多すぎる!!減点!!」
「抜き打ち試験、終了です!!」
「ご苦労。戻れ。・・・なあ?試験を舐めてるのか?何故あれほど装備品やメンテナンスを心掛けろと口酸っぱく言ってるか分かるか?有事の際失念してたら自分も仲間も守れんぞ?目の前で仲間が助けを求めても助けれんぞ?勿論逆も然りだ。お前らは今それを怠っているのと一緒だぞ?ここまで減点が多いのも気が滅入る。まだ靴紐とか帽子の裏表逆くらいは直ぐに直せれるが、装備の欠如は遺憾だぞ。仲間を失いたいのか!!??国民を失いたいのか!!??」
「『いいえ!!!』」
「なら何故実行できない!!??ボケている訳ではないよな!!??」
「『はい!!ボケてないです!!』」
「ならそれを行動で示せ!!!良いな!!??」
「『はい!!!』」
「取り敢えずこれは連帯責任とする。装備が足りないやつは他から借りるか貰え。直ぐに装備とか直せるやつは直せ」
「隊長。準備を終えました」
「分かった。では卒隊試験を始める。まずは光線銃または小銃を持ったままランニングだ。時々笛の音でダッシュしろ。これを1時間きっちりやるぞ。始め!!!」
「『は!!!』」
「オラオラ!!遅れてるぞ〜!!声出していけ〜!!」
「ほらそこ!!隊列を崩すな!!」
「銃を保持しろ!!!銃口を味方に向けるな!!」
「はあはあうるさい!!前見ろ!!離れてるぞ!!」
「メガネは俺が取る。今は走れ」
「ほらほら!!!隊列を崩すな!!視野を広く持て!!」
ピッ!!!
「ほらダッシュ!!!」
「何故そこで止まる!?もっと走れ!!」
「出遅れるな!!先行け!!」
「おい!ダッシュだぞ!!かけっこじゃないぞ!!」
「お前もだ!!ランニングじゃない、ダッシュだ!!全力では走れ!!」
「だから視野を広く持てと言ってるだろ!?仲間にぶつかってるぞ!!」
「よしそこまで。息を整えろ。この後は障害物や射撃などを行う。体術関連は11時過ぎからだ。まずお前らはこちらが用意した特設ステージを攻略してもらう。大丈夫だ。いつもの訓練と変わらん。懸垂移動に壁登り、匍匐や煙幕内での移動、そして山登りだ。山登りで大体11時前になる。そこで一段楽し、その後体術関連をして飯だ。気を引き締めろ!!」
「『はい!!』」
「よし。良い時間になったな。この後は昼飯だ。ここでもガッツリ食わないと午後も持たんぞ。しっかりと食ってこい。それと昼飯後は別れる。自衛隊希望者は再度ここへ。憲兵希望者は飯後試験会場へ行け。俺たちは自衛隊希望者を鍛えるから担当が変わるやつはここでお別れだ。お疲れ様」
「『はい!お疲れ様でした!!』」
「飯だ飯♪〜」
「そこまでウキウキするな」
「そうは言ってもようやくだぞ?長かった・・・」
「いや、まだ半日だぞ?先はまだ長い」
「そう言うなって・・・それで?お前はどっち行くんだ?自衛隊?それとも憲兵?」
「俺か?俺はこのまま自衛隊へ行くぜ。お前は?」
「そうか。お前は自衛隊へ行くんだな。俺は憲兵に行くぜ」
「そうか。なら一旦ここでお別れだな」
「ああ。けど自衛隊も憲兵も一緒なんだ。ただ単に所属が違うだけだからよ」
「まあな。さ、飯にしようぜ」
「おうよ!」
「さてと。飯も食ったし、試験会場へ・・・って結構いるな」
「あれ?君も?」
「お?お前らもか」
「そうよ。あれ?相方は?」
「あいつは軍隊希望だと。だから向こうへ行ってる」
「そうなんだ。なんだか意外〜」
「そうでもないぞ。俺あいつとは幼馴染なんだが、とにかく過激というか、パワー馬鹿なんだ。だからあっちが性に合ってるのだろうな」
「そう言うことね。おっと。教官が来たわ」
「よし。飯食った後でちょっと眠いかもしれんが耐えてくれ。それを乗り切ってこそ意味がある。取り敢えず好きな席に着席してくれ。番号とかはないからな」
「『はい』」
「よし。着席したな。今からペーパーテストを行う。内容は法律関連や犯人確保に重要なことなどが記載されている。制限時間は15時まで。当然カンニング行為などが発覚した途端に試験終了だ。では配布する。配布後に俺の指示で開始してくれ」
「配布が終わったな?では始め!!」
いよいよペーパーテストか・・・。内容は?ってこれって結構難しいか?
「よしそこまで。手を止めてくれ。以上でペーパーテストを終える。お前らは準備を終えたらグラウンドに移動してくれ。ちょっと時間が押しているから早足で頼む」
「『はい!!』」
「遅かったな?まあ時間が押していたのだろう仕方ない。それで確認だが、今この場にいる全員が国家警備隊、つまり憲兵希望で良いな?」
「『はい!!』」
「宜しい。では暫くこの場で待機してくれ。まもなく空自と海自の警備隊希望者が集まるはずだ」
ブロロロロロロロ!!!!ボーーーーーン!!!!
「来たみたいだな。上空からは空自のヘリ、海上からは海自の護衛艦が来航する。今回の試験内容は各方面の自衛隊と共に決められた容疑者を捕らえて欲しい。1班10人までで必ず各方面の自衛隊を組み込むのが条件だ。つまり陸海空必ず一人以上は組み込むのが条件という事。そしてその班内で容疑者を決めてそいつを確保して欲しい。使用用途は取り敢えず問わない。そういうのは卒隊後の所属先でみっちり教えられるから、この場では制限を設けない。では班を作ってくれ」
「作ったか?では容疑者担当を決めて申請してくれ。全班の申請終了後にルール説明を行い、開始とする」
「終わったみたいだな。ではルール説明をする。ルールは至って簡単。容疑者を捕らえてくれ。捕らえたらここまで輸送してくれ。無事に成功した班から成績に反映する。これだけだ。次に以下の行為を禁ずる。容疑者の死亡、他班と共同で容疑者の確保、他班の容疑者確保だ。あくまでも自身の班での容疑者確保のみ適用となる。それと妨害行為は0点対象となる。注意してくれ。容疑者担当はとにかく逃げ回ってくれ。逃走手段は問わない。但し先程と同様に、他班の妨害行為と隊員の死亡、これらを禁ずる。それ以外はどのような行為でも問わない。最後に制限時間だが、17時までとする。その時点で成果を報告してくれ。成績だが勿論確保かつ輸送完了で満点とするが、確保せずとも戦績状況によっては満点とは行かなくともそれなりの点数を付ける。質問は?」
「何でも良いのですか?」
「ああ。何でもいい。上空から空爆もよし、赤外線もよし、銃撃もよし、魔法もよし、魔物を使役して見つけるもよし、船からの砲撃もよし、何でもOKだ。今だからできる最大限のことをしてくれ。それと容疑者は同班のみ妨害も可能だぞ。つまりジャミングに魔法展開も可能だからな。本当に何でもやってくれ。他は?」
「『・・・』」
「ないみたいだな。では開始!!」
まさかの本当に何でもありとはな・・・。これは気合い入れないとすぐに捕まってしまうだろうな。よし、全力で逃げてやる!!そして追従を許さない妨害もやってやる!!
「そこまで!!成果を報告してくれ」
「隊長。以上が各班の戦果みたいです」
「どれどれ・・・。半々に割れたか。まあ今回は全力でやれと言ったが他班の妨害をNGにしたからな。恐らく思うようにはいかなかったのだろう。だがこれでいい。何しろ他班の妨害及び共闘をNGにした理由は、これが一般市民に被害が及ばないようにする為の訓練でもあるからな」
「そうですね。ここで失格になるようではとてもではないですが、向いていないことになりますね」
「まあ今回はそういったのは無いようだからひとまず安心かな?取り敢えず解散でいいか?」
「そうですね。今から集めるのも大変なので解散命令でいいと思います。そしたら手間が省けるかと思います」
「なら無線でそうしてくれ」
「分かりました。各自、以上を持って容疑者確保の訓練を終える。なお各自自分の所属先に戻るように。開始前に集まった場所に再集合する必要なし。繰り返す、再集合する必要なし」
『『了解』』
「どうだった?」
「何とかうまく行ったかもな。そっちは?」
「こっちも何とかいった」
「そうか。お互い軍隊と憲兵に合格出来るといいな」
「ああ。だがまずはこの卒隊試験に合格しないとな」
「だな」
「お疲れ様です。陸将補」
「『お疲れ様です』」
「隣にお座りなのは?」
「空将補と代理で一等海佐だ。今回の卒隊試験の総責任者でもある」
「『お疲れ様です。空将補、一等海佐』」
「「お疲れ様」」
「それで?今回の卒隊試験と国家警備隊の合否はいかほどに?そして調査を進めていた潜伏員は?」
「幸い今回はどの自衛隊にも潜伏員はいなかった。寧ろ今回は別の法執行機関である司法の警察の方にいたそうだ。さっき報告を受けた」
「そうか。まあ軍事機密とかあるし、こっちは念入りにしたからな。それが功を奏したのだろう」
「そうか。それは何より。んで?」
「取り敢えず海自の合格率は7割です。国家警備隊の希望者はそのうち半数となりました」
「海自はそんな感じか。思ったより高かったな」
「はい。まあ種族で海に強いのが多いのもあるかもしれませんね」
「それは他も一緒だろ。空自は?」
「合格者自体は同じかやや高い8割弱だが、国家警備隊の合格率は1割だ」
「おお〜〜1割か。結構低いな?」
「まあ仕方ないだろ。こっちも空に強い種族もあるが、いかんせんパワーで押し付けるのが多すぎてな。これだと他に被害が及ぶ。だからこの結果となった」
「まあ、なぜか知りませんが空の種族は質の暴力が凄すぎますからね。どうしても制御が難しいのでしょう。陸自はどうですか?」
「実はなんだが、合格率は5割ほどなんだ」
「「5割!?」」
「け、結構低いですね!?」
「実はなんだが、殆どが国家警備隊行きを希望していたんだが、それはおろかそもそも自衛隊の合格水準にすら到達していないのが多すぎてな」
「そうなのか・・・つまりそのうちその行き先も・・・」
「いや。それは一番高いな。9割にも上った」
「それは意外ですね?」
「まあ、こればっかりはな。どうしても制御の効きやすい陸上生物が強いのもあるだろうな」
「そうか。まあ今後に期待だな」
「ああ。これを参考に今後とも策を練った方がいいかもな」
「その仕事は我々の仕事です。今度は我々が精進する番ですね」
「「ああ」」
ピーンポーンパーンポーン
『隊員達。待たせてすまない。これより合否発表とする。自分の候補生番号と照らし合わせ、番号があれば合格、無ければ不合格とする。それと番号の後ろに欄があるのと無いのがあるが、あるのは憲兵行き希望。無いのが自衛隊、つまり軍隊行き希望となる。欄の中にマルがあれば憲兵試験に合格、バツなら不合格で自衛隊行きとなる。見落とさないように。お疲れ様』
内容が薄く、申し訳ない




