表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
236/261

卒業(警察編)

卒業(警察編)





とある学校内の日常。学生達は最終試験に向けて鍛錬している


「いよいよ明日か・・・」

「長かったな・・・」

「そうだね・・・。まあ今回は試験的な意味合いも込めて大卒者と同時に卒業試験を受けるみたいだけどね」

「あ、それあたしも聞いた。これを約10年程試験的に行なってそこから漸く大卒者と区別するみたい」

「まあ仕方ないだろ。日本国も色々大変なだろう」

「そう言えば日本って政府というか、元老院?議会?って何処なの?」

「基本は俺たちとは全く関わらない本土で指揮取って、異世界は各自治体に任せてるみたい」

「成程な。ということは、自治体を跨ぐことは確か・・・」

「いや。そこは許されているそうだ。だからそこは融通が利くみたいだ」

「そう言えばそうだったな。法律関連も確か自治体によって違ったんだったな」

「ええ。だから今後所属する警察署の管轄及び自治体を把握しないと不当逮捕になり得るということを忘れてはならないよ」

「けどその辺り日本国って結構市民目線だよな。改定や新定も容易に出来るのが」

「それが本土から来た人に聞くとそうでもないって。何でも『こんなに融通が利くのはここくらい。本土では国民の意見を言っても新定や改定に時間が掛かって仕方ないし、利権も蔓延ってるから異世界と大して変わらない』と言ってたよ」

「『・・・』」

「ということはこっちに来た警察官に自衛隊などは結構動きやすそうだな」

「みたい」

「ま、そんなことはさておき、そろそろ明日に備えて寝ようや。明日も早いし、鍛錬もあるしな」

「ああ」





・・・・・



学校内会議室



「どうだ?諜報者はいたか?」

「警視長・・・。それがかなりいるのが判明しました・・・」

「警視正。正確な数字はいい。幾つだ?」

「今回当校入学した95万人のうち5万強が当校に潜入しているスパイというのが判明しました」

「5万オーバーか・・・。多いな。他校でもか?」

「逐一報告は受けていますが、差はあれど一番多いのは当校です。他は2〜3万、少ない所ですと3千人という報告を受けています」

「そうか。潜入理由と動機は?」

「殆どが他国家からの依頼。内容は学校内生活や授業内容、そして卒業試験でも行われる教練などを本国へ報告、本国から追加依頼があればそれも遂行する任務らしいです」

「?それ知ってどうするんだ?そんなの報告したところでどうしようもないだろ。こっちだってメディア通して紹介しているし」

「使用している武器関連とかか?」

「いえ、学校長、それでも違うようです。ただ単に本当に日常を報告しているくらいです」

「「・・・」」

「まあ・・・諜報されているのは確定だから、一応聴取するしその国家も対象に上げるが、それが本題ではないだろ」

「はい。本題はその一部でして、大きく分かれて2つ、一つは国家からの依頼で使用武器や秘密情報などの習得。もう一つが、その・・・」

「何だ?」

「・・・」

「まさか?」

「はい・・・」

「『・・・』」





「諜報員本人が人質か・・・」





・・・・・・



翌日



「・・・」

「・・・」

「緊張するな・・・」

「ああ。実はあの後よく寝れなかった・・・」

「俺もだ。何しろ不安でな・・・」

「まあ同室の連中も同じみたいだな」

「ああ。特に生徒に役職のついた奴は目の下がクマできているな。あれ相当眠そうだな」

「はは。今にも倒れそうだな」

「おはよ・・・」

「おう・・・」

「その様子だと女子も壊滅的だな?」

「その言い方だと男子も?」

「ああ。皆不安に押し殺されそうになっている。しかもここを卒業しないと階級すら付かないからな。今日が山場だ」

「そうね。一応同室の一部は寝れなかった代わりに、試験勉強に励んでいたみたい」

「勉強熱心な事だ・・・」

「多分自分のことで必死なんでしょう。危険は伴うけど、こんなに給料が良く待遇も良い。おまけに学力も問わない。そりゃ必死にもなるわ」

「そう言えばここを卒業して初めての給料ですら俺たち、まあ俺たち一応別々の国から来たけど、それは良いとして卒業後の初給料ですら宮廷クラスだもんな・・・。資料を見たときは驚いたぜ」

「俺たちもだ。逆に本当に支払われるかどうか怪しかったもんな」

「ええ。けど本当に貰えるのが分かってやる気出たもんね」

「まあそれもここを卒業しないと意味ないがな・・・」

「言わないでよ・・・。それより、移動しよ?もう始まるわ」

「だな」





・・・・・



「学校長」

「お疲れさま警視長。今始まったぞ」

「ええ。分かっています。それより許可は降りましたか?」

「ああ。さっき警察庁支部の支部長命令で許可が降りた」

「そうですか。それは何よりです。あとは彼らに任せましょう」

「だな。お前はどうする?」

「自分はこの学校の副学校長です。持ち場を離れる訳には・・・」

「でも行きたいんだろ?特に人質に」

「・・・」

「行ってこい」

「ですが・・・」

「俺はここの責任者だぞ?それくらい平気だ。それに本人もその方が安心する」

「・・・では、行って参ります。ですが優先順位として先に済ませたいのがありますのでそちらを優先します」

「ほう?どんな」

「先に人質をそのようなことにした国家に対してシメあげます。話はそれからだ」

「あれ?お前ってもしかして過激系?」

「どうでしょう?自分からは分かりませんが、他人から見れば過激かもしれません」





・・・・・



「・・・」

「・・・」

「どうだった?空気はそこまで重くなさそうだけど」

「一応何とかなった・・・」

「俺もだ・・・」

「そう。私たちも何とかなったよ」

「そうか。なら良いか。このあとはどうするんだ?」

「一応今は自由時間みたいだ。今時間は16時ちょうどだが、20時に合否発表が始まるそうだ。不合格者はその時点で追い出されるそうだ。まあ外泊1泊分は出してくれるみたいだがな。合格者はこのままこの寮でもう一泊して明日通常通り朝を迎えて、自主トレーニングをした後9時に講堂にて卒業式及び授与式を行うそうだ」

「授与式?何するんだ?」

「そこであれだよ。今俺たちが着ている制服はあくまでも学生服のようなもの。本物の制服ではないそうだ。だから授与式にて本物の制服を受取、バッジと警察手帳を受け取る寸法みたいだ」

「つまりそこで俺たちは!?」

「ああ。受け取った瞬間、本当の警備隊、つまり警察官になれた証ということだ」

「『おお〜〜』」

「それで?授与式後は?」

「寮に戻り受け取った制服に着替え、元々着ていた服はベットの上に放置でいいそうだ。そして昼飯を食った後に授与式で学校長から言われた所属先に行くバスに乗り込み、出発。バスに乗り込む前が俺たちと会う最後になる訳だ」

「『・・・』」

「当然ながらここにいる全員が同じ所属になるのはあり得ない、か」

「ええ。機会が無い限りは明日が最後ね」

「ああ・・・」

「『・・・』」

「まあ今は合格を祈願しようや」

「それもそうね」





「どうですか?警視正」

「?ああ〜、お前らか。結果はこんな感じだ」

「これは結構な成績ですね」

「ああ。俺たちも流石に驚いたな。まさかほぼ全員合格とはな。まあ本土でもよっぽどのことが無い限りは全員合格だから驚かないんだが・・・」

「それでも90万人以上が合格とはな。急に大所帯になったな。それで?諜報員はどうするんだ?」

「俺から説明しよう」

「『警視長。お疲れ様です』」

「ああ。お疲れ。楽にしていいぞ。結果から言えば諜報員の殆どはそのまま合格させることにした。何しろ害も何もなかったし、諜報理由はあくまでも国家からの依頼かつ内容が学校内でどのような生活を送っているのかという調査なだけだからな。授業内容も法律関連ばかりだし、特に問題ないと判断した。勿論その国家には何かしらの制裁を加えると内容を伝えたがな」

「まあそれくらいしないと示しがつきませんからね。それで?害のある諜報は?」

「そっちは不合格とした。まあ何かしらの贖罪を受け入れるのならその限りではないがな。それとその国家には宣戦布告を行うことも防衛省との会談で決定した」

「確かにそれはそれで妥当な判断でしょう。宣戦布告された国家は大慌てでしょうね」

「ああ。今日までは甘い蜜を啜ってもらおう。明日はその土地が戦火となる訳だからな」

「それで?人質は?」

「あっちも既にこちらに保護した。ただその人質に家族もいるそうでな。その対応も防衛省側で救助してもらうことになった。ただ何故か人質の諜報員が女性なのは何故なんだ?」

「まあ、保護すれば分かる事でしょう」

「それもそうだな。さてと、お前らそろそろ時間だ」

「『はい』」





ピーンポーンパーンポーン



「『!?』」

『学生諸君。自由時間にすまないな。待たせて申し訳ない。今から合否発表をする。テレビが近くにある者はそちらへ。ない者は通信機器などで確認してくれ。自分の学生番号が合致すれば合格だ。不合格者は荷物を纏めて直ちに立ち去るように。お疲れ様』





・・・・・





翌日



「・・・」

「おはよう」

「ああ」

「なんかこのやり取り昨日もしたな?」

「ああ。だがよく寝れたぞ昨日は」

「俺もだ。あの合否発表は緊張したが、学生番号があったときは正直心臓が止まるかと思ったぞ?」

「俺もだ」

「私も」

「あたしも」

「おうお前ら。良い顔だな?」

「まあね。あれ見る前までは冷や汗で生きた心地がしなかったけど、これで漸くなれるよ」

「ははっ。それは俺たちもだ」

「それにこれで族長たちに自慢できるよ」

「そう言えば種族ってなんだ?人族ではないよな?」

「うん。高位妖精なんだ」

「妖精?そうか・・・」

「・・・驚かないのね?」

「まあな。日本国の存在だけで畏怖や尊敬、場合によっては破壊国に調停国、神まで崇められる存在なんだ。今更さ」

「そう。それなら安心ね。まあここにいる種族は色々いるから差別もないし自由に出来たね。まあ寮生活は今日でお別れだけど・・・」

「そう悲観するな。種族差別は日本にいる限りは平気なんだ。実際そこで談笑しているグループは片方は魔王系統でもう片方は勇者系統なんだ。それが同じ場所で仲良くしている時点でおかしな話さ」

「それもそうね。そういう君も魔族でしょ?」

「まあな。魔族と魔獣って間違えられやすいし対立関係にもなっていることもあるんだが、ここだと関係ないしな」

「ふふ」

「どうした?」

「いや?シンパシー感じちゃった」

「それもそうか。おっと。そろそろ移動しようや」

「おう」





ガヤガヤガヤガヤ!!!!


トコトコトコトコ・・・



「『・・・』」

『・・・』

「『・・・』」

『初日とは大違いだな。まあその成果がここで生まれなければお前らは一生苦労するだろうと思ったが、杞憂みたいだな。では始めよう。卒業式と授与式を行う』



『初日とは大違いで正直驚いたぞ?異世界人でもやればできることをお前らは先駆者として駆け出したんだ。それを後輩に教えてやってくれ。そして忘れてならないのはお前らは今日から本物の警察官として職務に就くことだ。市民の安全と秩序を守ってくれ。それと一部市民は警察と言っても分からない方もいる。そういう時は都市警備隊または地方警備隊と言ってくれ。それで通じる。長ったらしいのは嫌いだからこれで終える。お疲れさま。敬礼!!』

「『(バシ!!』」

『フッ。良い動きだ。忘れるなよ。休め』





「ここでお別れだな」

「ああ。また会った時にでも飲もうや」

「ああ」

「君らは?」

「俺らは歩きで所属署へ行くわ。結構近いらしいしな」

「ならいつでも母校を見るわけか。良い思い出になりそうだな」

「まあな。結構辛かったが、良い仲間にも巡り会えたことに感謝しよう」

「・・・粋な事を言うな・・・」

「嫌いか?」

「いや。それは無粋な質問だ」

「だな。では」

「おう。またな!!」

「どこかで会おう!!!」


「私たちも行こうか?」

「そうね。今日の残りの仕事は所属先に向かって後は家に帰るだけね」

「ええ。長かったのか、短かったのか・・・」

「それは人それぞれじゃないかしら?長命種ならこの瞬間もまるで瞬きだろうし?」

「そんなことはないな。流石にここまで濃密な人生は、中々なかったな。やはり凄すぎたのだろうな」

「長命種でもここまで言わせるなんて・・・。やっぱり話題が尽きないわね。日本国って」

「それが面白いんじゃない?」

「それもそうね。帰ったら何するの?」

「取り敢えず母国に報告かな〜?」

「私も旦那と子供たちと戯れようかな?」

「『え!?子供!!??』」

「そうよ。意外?」

「意外〜。だって貴女エルフだよね?長命種ならそこまで子供多くないんじゃないの?」

「普通はね。けど私の旦那って獣人族で軍人だし、子供もそこそこ大きいからね。まあ普通じゃないかもね」

「『・・・』」

「『私も早く見つけないと・・・』」

「そ、そこまで炎燃やさなくても・・・」





・・・・・



「行きましたね」

「ああ」

「どうでしたか?初めて卒業生を見送った感想は?」

「まあ本土でよく見送ってたからな。特にない。ただ卵が成長した姿を見て、俺も歳食ったなと思うばかりだ」

「そうですか。ま、あそこまで辛い鍛錬を乗り切ったのです。どこでもやってのけるでしょう」

「俺もそう思う。さてと、自衛隊の教育隊はどんな感じかな?」

「連絡とってみましょうか?」

「・・・いや。俺が直々に」

「そうですか?では電話機を」

「ありがとう



もしもし?俺だ。どうだ?状況は?」

内容が駆け足なのと試験内容が全くないのはいつもの感じです。申し訳ない

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ