あるあるな事案
あるあるな事案
現場到着
「ここか・・・。しかし敷地内に入ってから暫く経ってようやく到着か・・・。一体この敷地内だけでどれくらいのスタジアムを持ってるんだここのオーナーは?」
「さあな・・・。まあ金持ちというのは確かだろ」
「そりゃ不動産関連で成功を収めなければ無理な所業だろ。さて?現場は目の前のスタジアムの中で良いのか?」
「みたいだな。そこだけ集結してるみたいだしな。合流するか」
「お疲れ様です」
「お疲れ様です。警察官でしたら中で集結してますよ」
「そうですか。ありがとうございます。他の自衛隊の方々は?」
「出入門で検問張ってます。それとドローンや場外の道路では、警務隊の車を借りて赤外線カメラで壁などを見張ってます。最も通報された段階で外に出られると少々厄介ではありますが」
「それだけあれば十分ですよ。地下とかは?」
「地中調査でしたらその専門部隊に任せてあります。今のところ脱出は不可能です」
「まあ、穴という穴を突かれたらどうしようもないが、そこまでやる犯人がいればとっくに逃げているはずですから、逃亡の危険性はないと思われますよ」
「ありがとうございます」
「お待たせしました」
「おう。君らで最後だ」
「け、警視正!?何故?」
「まあ、動員する規模的に警視じゃ不足と判断し、警視正の私が出てきたわけだ。今回動員された人数は自衛隊を除いて500人くらいだしな」
「そ、そうですか。でしたら責任者は?」
「俺だ。任せろ。それより会議を始める。お前らも聞け」
「「はい」」
「まず先着した署員が出来るだけの聞き込みを終えた。まず今日はとある女子アイドルのコンサートで起きた事案だ。アイドルがこの異世界にも存在していることに俺も驚いているが今回は置いといて、15人アイドルが最終局面を終え、ステージを降りた時に起きた出来事だ。内容が出演者全員の衣類を全て盗まれた。窃盗事案だ」
「衣類を全て?それって着替える前の衣類から、アクセサリー、果てには下着とかもですか?」
「らしい。文字通り全てと聞かされた。異変を気づいたスタッフは退場しかけてた観客者を急遽スタジアムの外に出さないようにした。なので今このスタジアムの中に犯人がいる。そんな状況だそうだ」
「はい。観客人数及びスタッフの数は?」
「観客数10万スタッフ1000人だそうだ。勿論開催前の出入り業者は換算していない。聞き込み調査では出入り業者は昨日の段階で終えているそうだ。なのでスタッフは文字通り今日の関係しているスタッフのみになっている。それと最悪なタイミングなんだが、今回のこのスタジアムで起きた出来事は生中継で放送されているそうだ」
「まあ、観客動員数が10万となると、生中継も行われるでしょうな・・・」
「更に言えば同じ敷地内にある別のスタジアムも全て使われていて、こちらも外に出れない措置を施している」
「全て?このスタジアム集団が?」
「そうだ。例えば別のスタジアムに逃げ込まれるとそこだけ対象外となって対象外だから放出してしまうと、そこに紛れ込んだ犯人をみすみす逃すことになる。なので全てのスタジアム対象で文字通り缶詰にした」
「・・・これは確かに自衛隊の協力も不可欠だな・・・。因みに他のスタジアムでは何を開催してるのですか?」
「・・・全てこの星の住民なら知っている有名人ばかりだ。今回対象のアイドルに別では同グループの男子バージョン、それと歌手、アーティスト、カテゴリーを変えると有名な科学者の演説、大学教授による教壇、果てには就職活動の会社説明会や学生らの遠足にまでこの敷地内に入っている始末だ。お陰でこの規模でも足らんかもしれない状況に陥っている」
「・・・ということは、この敷地内だけでどれくらいの人数が?」
「オーナーに確認取ったところ最低75万人、遠足の連中は入っていないだろうからこれを換算すると100万いくかもしれん」
「『・・・』」
「警視正でも足りないのでは?」
「誰が警視正は一人と言った?10人連れてきたに決まってるだろ。これからもっと応援が来るんだからさ」
「それくらいなら十分かもしれませんね。開催状況と動員数はわかりました。次に犯人については?」
「それが民間警備員によるとスタッフなら誰でも入れるからスタッフ全員かも?みたいな話が出てるんだよな」
「はぁ?女子の更衣室にそんなセキュリティで良いのか?男もどうぞご自由に入って下さいと言ってる門じゃないか」
「そう言ってやるな。実際鍵は閉めていなかったそうだし、スタジアムが小さいとドアすらなかったところもあったから、彼女たちもここまで来ると何とも思わなかったそうだ。但しそういう時は必ずと言って良いほどガードマンを雇ってたそうだ。男女混合でな。それも相まって今まではトラブルが起きなかったそうだが、今回初めて起きたそうだ。何でもドアがあったから油断してたとか」
「アホか・・・」
「いやバカだろ?」
「俺はそう思わんな。俺は危険予知の無さからチキンか?」
「チキンは失礼よ。本当の鳥に失礼だわ。ここは鴨で。ほらフォアグラって太らせたカモの肝臓でしょ?それで」
「鳥でもないだろ。紫外線の所にしか行けない意味で蛾でどうだ?」
「そもそも蛾って脳みそとか思考能力ってあったっけ?」
「知らないわ」
「・・・それ以上は言うな・・・。さっき言った通り生中継をしてると言ったろ?それが今も続いているんだ」
「はあ?何で?」
「何でもノンストップ設定だから途中で止めれないんだと」
「ならどうやって止まるんだよ?」
「一定の場所で停止すると止まるんだが、こう言うコンサートってアンコールとかもあるだろ?それで延長したらしくてな」
「それで今もか・・・。やはりアホか?」
「だからそう言うなって。実はその言動が音声として記録されているんだ」
「はぁ?何で?」
「撮影スタッフが俺たちに付きたいんだと。面白半分もあるが、何より自分たちは無実の証明として俺たちに付きたいんだと」
「バカか?捜査の秘密をこいつらに流せと?それなら叩き壊すか?」
「?生中継を続けているということは、さっきの言動も?」
「ああ。入ってるだろ。けど俺は寧ろ暴言も含めてこのまま言ってやろうかと思ってな」
「何を言うんだ?」
「一つ目にお前らの危機感能力の結果が他の来場者にも迷惑をかけた事、二つ目に犯人確保の瞬間、スタジアム使用料と周辺の迷惑料、そして俺たちの捜査費用の負担をさせようと思っていること。三つ目に逃亡した、またはしようと思った暁には、とても楽しい拷問が待ち受けていることを宣言しようと思ってな」
「『・・・』」
「それ、生中継を請け負っているスタッフの目の前で言うことか?しかも絶対音声として記録に収められたと思うし」
「『(コクコク)』」
「それに迷惑料含め費用全額負担って。一体いくらになると思ってるんだ?」
「さあな?それは犯人に言ったらどうだ?今なら情状酌量の余地ありとして温情を掛けるが、この会話を終え本格的に捜査に乗り出したら情け不要と言えば、もしかしたら現れるかもな」
「そんな都合よく行くのか?」
「さあな。そこは犯人次第だな。まあ少なくとも億単位、それも一億という単位ではなく、数百、下手すれば数千億の単位だろうから、それを負担って考えると、な?」
「『・・・』」
ゴクリ・・・
「あれ?焦った奴らの唾を飲む音が聞こえたのは気のせいか?」
「まあ俺にも聞こえたが、今は無視で良いだろ。そうだな・・・。その案を採用するか。荒療治だが、犯人確保には多少の温情も必要だな。ちょっとマイクを。それとカメラもこちらに向けて下さい。他はちょっと離れろ」
「どうです?映ってますか?」
「はい。映ってます」
「では失礼して。私は日本国警備隊の現場責任者です。聞いていたかも知れませんが、改めて。今から5分待ちます。5分以内に誰でも良いので、日本国警備隊の誰かに『私が犯人です』と声をかけて下さい。その場合は温情を掛けるとお約束します。前科から逃れることは出来ませんが、例えば仕事の斡旋とか仕事の継続を懇願することは可能です。誰だって死にたくは無いでしょう。ですので温情を。但し5分を過ぎた場合は即座に我々が動き、捜査を開始します。その時点で温情から容赦なしに変わります。この時点で自首しても温情はありません。拷問に変わります。それと同時に無関係の方に迷惑料とスタジアムの使用料、そして我々警備隊に捜査費用を全額負担していただきます。単位は最低数十億、最大数千億を覚悟しておいて下さい。それと既にカウントダウンは開始しています。既に1分が経過しているので、残り4分以内に声をかけて下さい」
「一つ質問を良いですか〜?」
「はいなんでしょう?」
「拷問って何でしょうか〜?」
「そうですね。全ては申し上げることは出来ませんが一部だけ。禁忌魔法を使用します。犯人向けに死んでも生き返る、死者蘇生を行います。つまり死んでも生き返る、生き地獄が始まる訳です」
「きゃ〜怖い〜。これがあと3分半で行われる事が確定するのですね〜?」
「そう言う事です。ではあと3分、お待ちします」
「さて、来ますかね?」
「まあ、来てくれると捜査は終わるし、無関係の方も解放される。けど俺としてはこのような事態になったんだ。徹底的に突き止めたいと俺は思う」
「まあ、その方が俺としても楽しみだし、この後に及んで身代わりを立てると思えんし」
「どっちなんだよ・・・。まあ身代わり立てた瞬間に捜査が始まると思えば、逆にその方が楽というのは間違いではないな」
犯人の会話
「な、何で日本国警備隊が来るのよ・・・!?」
「早すぎだわ・・・」
「おい。どうするんだよ・・・!!奴ら本気で俺たちを陥れる気だぞ!?」
「・・・逃げれる・・・訳ないよな・・・」
「しかも身代わり立てた瞬間に捜査が始まるって」
「容赦なさすぎだろ・・・」
「けど禁忌魔法って本当なのか?」
「普通はどんな国の機関でもダメなんだ。神の怒りを買うとか。けどあいつらのことだ。そういうのは無関係なんだろ」
「つまり本気で?」
「その可能性が高い」
「・・・手はある・・・」
「欺ける?」
「やる価値はあるな」
「ならそれに賭けよう・・・」
「・・・」
「5」
「4」
「3」
「2」
「1」
「す、すいません・・・。私が犯人です・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・連れて行け。とりあえずだ」
「はい」
「さてと、君が何したか分かってるな?」
「は、はい・・・。これが証拠です・・・」
「・・・確かめろ・・・」
「どうですか?」
「あ、これ私の!」
「これもだわ・・・」
「てことは彼が犯人!?」
「じゃあ早く引っ捕らえて!気持ち悪い!!」
「はい。連れて行け」
「『はい』」
「行きましたね」
「ああ」
「これで解決・・・
ではないな」
「ほら言った通り、欺けたでしょう?」
「流石は我がチームの頭脳だな?」
「はっはっは!!あとでゆっくりと可愛がってね?」
「勿論だよ〜」
「誰が、何だって?」
「だ、誰だ!?」
「どうも、こんにちは」
「お、お前は?」
「首から下げているバッジに気づかない?」
「「・・・」」
「え?本物?」
「そうだと言ったら?」
「ならIDを持っているはずよ!!」
「どうした?何を焦っているの?」
「彼が本物なら、あれを持っているはずよ」
「あれって?」
「日本国警備隊、または憲兵のIDを」
「その通りで持ってますよ」
「『!!??』」
「な、何で!?」
「お前らが欺いたように、俺も、俺たちも欺いたわけだ。来い。連行する」
「『・・・』」
「・・・」
「『はっはっは!!!』」
「何が可笑しい?」
「あなた一人で何できるのよ?」
「?この身一つあれば、何でも出来るぞ?」
「ほ〜う?例えば?」
「そうだね。このように」
ガシ!!!!
「『!?』」
「魔法で拘束と簡単に逃げれないように重力増加魔法で君らを地面に伏せる事くらいは簡単にな」
「く、クソ!!けどこっちには対魔法の術者がいるんだ!!」
「その前に声が出ないように、声を消して」
む、無詠唱!?
「『・・・』」
「・・・」
「おい?何してるんだ?早く詠唱を」
「・・・」
「何やってるんだ!?その口パクじゃあ・・・」
「出来ないよな?そもそも術者という割には無詠唱じゃないし、頭脳も全然良くない」
「な、何だって!?」
「現になぜ魔法が無詠唱を除いて発動できないか分かってないじゃないか?」
「え・・・!?」
「ど、どうした?」
「教えてやれ」
「・・・無詠唱なら問題ないけど、詠唱をするならいくつか問題があるのよ・・・」
「それは?」
「魔力量とかその魔法の知識とかいくつかあるけど、一番は声を出す必要があるのよ」
「声?」
「詠唱には必要なの。それが発せられないということは?」
「魔法も発動しない・・・。そういうこと?」
「・・・うん・・・」
「何だそれ!?」
「そういうことだ。それに協力者も捕らえた。連れてこい」
「『え?』」
「勘違いしているようだから言っておこう。誰が俺一人と言った?他にもいるに決まってるだろ」
「う、嘘・・・」
「ま、マジかよ・・・」
「ここまで、日本国が・・・」
「優秀とは・・・」
「今更か?この通り協力者は仲間が先に拘束した。侮っていたのはお前らだったな」
「ど、どこから・・・」
「どこから?う〜ん・・・。お前らが身代わりを、いや身代わりではなくこれも関係者だったが、とりあえず便宜上協力者とするが、こいつを引っ捕らえた時から既に気づいていた。そして色々誘導し、お前らに辿り着いた」
「『ゆ、誘導尋問!?』」
「お、お前!?喋ったのか!?」
「い、いや!?喋ってないよ!?」
「ああ。こいつは喋っていない」
「ならどうやって!?」
「君らは看破の目や魔眼を?」
「あ?ああ。知って・・・まさか!?」
「そのまさかだ。俺たち日本国の機関は全員使えるからな。それを使ったまでだ」
「『・・・』」
「まさか、ここまで有能とは・・・。初めから私たちの負けだったのね・・・」
「そういうこった。連れて行け。こいつらには極上の拷問をご所望らしい。丁重にもてなせ」
「『了解』」
「まさか、マネージャーが協力者だったとは・・・」
「しかも他のスタジアムのスタッフの一部も加担・・・」
「どうやら私たち運営も、見る目がないかったですね・・・」
「ガードマンとして雇っていただいたのに・・・。不甲斐なく申し訳ない・・・」
「芸人養成所の方、オーナーさん、スタジアム運営の皆さん、民間の警備員さん。それと冒険者の皆さん。こればっかりはどうしようもないです。これは私らだったからこそ出来たこと。マグレみたいなものです」
「『・・・』」
「まあ、これを機に見方を変えるとか、対策取って頂いた方が良いかと思います。スムーズに行うという意味も込めて」
「・・・そうですね。また一からやり直しです」
「今度は各方面との連携も忘れずに、ですね」
「その息です。頑張って下さい」
「あの」
「はい?」
「これ、お詫びです。今度のコンサートのチケットです」
「そんな・・・。私らはただ単に仕事をしただけですので」
「・・・」
「お願いします・・・。こうでもしなければ、私らの気も収まらないのものです」
「そういうことでしたら・・・」
「あ〜あ、警視の奴、受け取ってしまいやがって。あとで警視正に見られても知らんぞ〜?」
「まあ良いじゃないか。今回は警視正も警視に対して咎めないだろう」
「そうか?まあいいや。それで?被疑者が犯行に及んだ理由を聞いたか?」
「護送車の中で聞いたそうだ。何でも『俺たちも芸能界で輝くチャンスがあったのにあいつらが無碍にした』とか『推しの持ち物は何でも欲しい』とかの、恨みや欲を抑えられなかったみたいだ」
「つまり逆恨みとストーカーで泥棒、そういうことか?」
「みたいだ」
「それくらい自重しろや・・・」
「あ、あの・・・」
「はい?」
「迅速な捜査及び助けていただき、ありがとうございます」
「『ありがとうございます』」
「いや?別に仕事だし、気にするな」
「お前はもうちょっとないのか?」
「本音だが悪いか?」
「偶にはその本音が・・・まあ良いや。大丈夫ですよ。私たちも犯人を捕らえれましたので」
「そ、そうですか。あの、ちょっと質問なのですが、警備隊は私たちのことを?」
「?有名人として知っているかどうか、ですか?」
「はい」
「・・・」
「・・・」
「・・・その沈黙は・・・」
「申し訳ございません。正直に言いますと、ここにいる全員、存じ上げないのです」
「『・・・』」
「そうなのですか・・・。こちらのアイドルは男女ともに知らない人は居ないほどのグループなのですが・・・」
「知ってるか?」
「いや・・・」
「こちらのアーティストと歌手はよくデュエットをし、この世界で世界中を回っている王子と歌姫なのですが・・・」
「申し訳ございません」
「分からん・・・」
「こちらの白衣を着た方は生きる歴史として名を馳せているのですが・・・」
「そっち方面はちょっとね・・・」
「知らないわね・・・」
「こちらの少々小柄な女性は、魔法としても頭脳としても学会や大学から引っ張りだこなのですが・・・」
「知らんな・・・」
「私もよ?」
「こちらの男女は、王族でありながら武闘派としても有名なのですが・・・」
「見たことねぇな・・・」
「俺もだ」
「こちらの団体は、この星で一番競技などが上手く、何度も優勝に輝いている選手達なのですが・・・」
「見たことあるか?」
「・・・ないな〜・・・」
「こちらの男女グループは、星を跨いで走る、有名な司会者とアナウンサーでかなりの美男美女なのですが」
「ピンとこないな・・・」
「知らん。悪いが」
「『・・・』」
「どうやら私たちの人気もまだまだね・・・」
「いや、教授に武闘派、頭脳派はいざ知らず、アイドルも知らないとか・・・」
「ちょっと自信無くしますね・・・」
「まさかの司会や進行役のアナウンサーすら知らないとか・・・」
「まさかこちら世界一歌姫も知らない方が、こんなに大勢いたとは・・・」
「『・・・』」
「えっと?申し訳ない・・・?」
「謝らないでください。余計惨めになります・・・」
「そ、そうか・・・」
ガヤガヤガヤガヤ!!!!
「なんか騒がしいな?」
「実はなんですけど、これも中継していまして・・・その・・・」
「私たちの熱狂的なファンが」
「発狂してるな・・・」
「これってあれか?俺たちが知らなすぎてファンの野郎がショックや何とか覚えてもらおうと躍起に?」
「かもな。けど知らんものは知らんからどうしようもないだろ?」
「まあ・・・」
「『・・・』」
「あ、それなら」
「私も思い浮かびました」
「俺もだ」
「僕も」
「『?』」
「分からないなら?」
「『今から覚えて貰えばいい!!どう?君たち!?』」
うううおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!!
「なんか今度は発狂から熱狂に変わったな。何させる気だ?」
「いえ?簡単ですよ。マネージャーさん?」
「はい!分かっています!警備隊の皆さん!!こちらを・・・」
「?これは?」
「これは私たちの収録された物となっています。こちらをいつでも良いのでご覧又はお聞きになって下さい。誰かしらにハマると思いますので」
「CD?」
「いや、ダウンロードみたいだな。わかりました。空いた時間にお聞きします」
「『絶対ですよ!!』」
「『は、はい・・・』」
さてと、そろそろHQに戻るか・・・ってあれ?あの二人は確か・・・
「そこの巡査部長の二人」
「「はい」」
「お前ら帰りはどうするんだ?お前らのパトカー。護送車として使用されたんだろ?」
「あ、そうですね・・・」
「誰かに乗せてもらうか、歩くしか・・・」
「何言ってるんだお前ら?普通にこっちに乗れ」
「良いですか?」
「いくら鍛えられたとはいえ、女二人を歩かせるバカがどこに居るんだよ?」
「あ、ありがとうございます!行こう?」
「うん!」
さてと。今度こそ帰るか・・・てなんか門の前に人だかりが。何だ?
「あれ。さっきの被害者とそのファンじゃないか?」
「だな。どうした?」
「『ありがとうございます!!!!』」
「『我々ファンからも感謝を!!!』」
「『ど、どうも・・・』」
何だ。単なる感謝を述べたかっただけか。まあ気持ちは受け取ろう。
車内
「今日は色々ありすぎたな・・・」
「これが毎日か・・・。気が遠くなるな・・・」
「ああ。けど最後に映像や音楽が聴けるのは良いかもな」
「早速さっき頂いたもの、視聴するか?」
「良いね。お前らも聴くか?後部座席に座ってる二人」
「良いね。何が収録されてるか聞きたいわ」
「私もよ。今は軽く無礼講と行きましょう?」
「「「賛成」」」
「おっと、その前に」
「HQ、こちらブラボー2。これより帰還する」
『HQ了解。お疲れ様』
暫く間隔開きます




