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日本国 異世界にて最恐で最強の国家となる  作者: altimate
自衛隊 初任務!
215/261

その後1

その後1






「アレクサス、ここがお前の仕事先だ」


「ここですか・・・確かに海の上にプラットフォームがありますね。ただその割にはかなり大きいですね。空母みたいなところもありますし、四方八方の外側に防衛装置が付いてますし、ヘリポートの数も手で数えきれないほどありますね。管制塔もかなり大きいときたもんだ」


「そうだな。海上プラットフォームとしては、異世界最大だな。大きさは聞いているだろ?」


「はい。管制塔を中心に、直径10キロの円形状になっているのですよね」


「そうだ。10キロの円形状だ。当然ながら各方面、専門分野も分かれている。これでもまだ拡張の余地はあるから、ここに来て10年経つ俺も全ての把握はしていない」


「一等海尉でも分からないことはあるのですね・・・」


「まあな。そこは追々覚えていくしかない」


「分かりました。取り敢えずは本日はどうしますか?」


「まずはここ専用の制服に着替えてもらいたい」


「はい」






・・・・・






「まずは甲板に出ようか」


「はい」




「基本は甲板での移動となる。なお規模が大きいから移動手段は基本車になる。如何せん隣のプラットフォームもかなり遠いからな」


「はい」


「まずはカタパルトや格納庫に案内しよう」


「はい」






「ここが格納庫兼整備場だ。まあ役割は文字通りだな。一応、朝起きたらまずはトレーニングを行ってもらい、その後は飯とシャワーを浴びてもらった後に、朝礼が始まる。その後はパイロット資格を持っている者が格納庫まで向かう。その間君は戦闘服や装備を装着してもらう。それと今日担当になるヘリを自分で確認するんだ。確認は食堂の大モニターがあるから、そこで確認してくれ。に記載されている時間はそこまである訳ではないからテキパキな」


「はい」


「その後パイロットがヘリポートまで飛んでくる。ヘリが着陸したら自分が乗るヘリを見つけてくれ。見分け方は機体番号や同乗員の顔を確認してくれ。自分のがあったからOKではないからな。これは後々各自の生存確認にもなるから、よく確認するように」


「はい」


「そして全員揃ったら出発、各戦場に飛び立つ。向かう方角はそれもモニターで確認できる。分からなかったらパイロットに聞いてくれ。どういう場所なのか答えてくれる」


「はい」


「そして難民救助の任務を開始し、乗ってきたヘリに難民を乗せて安全な軍港まで送り届ける。そして降ろし終わったらまた戦場に向かう。こういったのを繰り返してもらう。質問は?」


「起床時間は?」


「その日の天候状況による。午前5時に起床もあれば午前中は何も出来ない時もある。だから就寝時も耳を傾ける様に心がけてくれ」


「はい。大嵐の場合は?」


「そうなったら基本は飛び立てない。整備や装備確認、筋トレや訓練しか出来ないと考えてくれ」


「はい」


「他には?」


「前に聞いたことがあるのですが、夜間は何も出来ないと聞きました」


「その通りだ。夜間でも出来なくはないが、テロの標的になりかねないからな」


「・・・もしかして、以前も?」


「・・・ああ。以前夜中も救出作戦を遂行中だったんだが、突然襲撃されてな。敵は全て排除したが、民間人が何人か病院に搬送するほどの負傷を負ってしまってな。この世界の医療レベルなんてたかが知れてるから緊急でこの海上基地にて治療する羽目になった。それ以降は夜間の救出は危険と判断し、取りやめたんだ。それでその襲撃時に、敵を全員排除したんだが、生き残りが居てな。脅したら吐いたよ」


「何を吐いたんですか?」


「敵の空飛ぶアーティファクト、一人乗り用のフライングプラットフォームや空軍の竜騎士と間違えたそうだ。戦闘相手もライトを照らしていたから、尚更敵と間違えたそうだ」


「それで、止めにしたと?」


「そう言う事だ。だから夜間の救出は無しだ。具体的には遅くても午後6時以降は救出は無しだ。もうちょっと詳細を話すと、午後6時の時点で難民をヘリに搭乗しているのなら構わんが、日没後のヘリへの搭乗は無しだ」


「つまりその日のタイムリミットは、日没が限界」


「そう言う事だ」


「分かりました。任務終了後は、ここの基地に帰還ですか?」


「そうだ。帰還後は飯にしたり、装備の確認したり、ヘリのメンテナンスをしたりと人それぞれだ。就寝は午後10時だ」


「分かりました。因みにもし難民避難途中で敵とかちあったら?」


「その場合はとにかく応援を呼ぶか、敵を殺せ。手段は問わない」


「分かりました。本日は?」


「今日明日明後日はもう暫くこの基地に関して案内と実際に現場に向かってどのような作業になるかを先輩と一緒に教育してもらう。本格始動は4日後だ」


「分かりました」






・・・・・






「・・・」


「エザゾブロ?」


「・・・ああ、ガンベルク」


「どうした?」


「いや?新しい風紀委員が入って既に1ヵ月が経つな~、っと思っただけだ」


「そりゃ入学式、始業式からもう1ヵ月経つからな?」


「・・・」


「どうした?」


「どうしたの?」


「ああお前ら。エザゾブロがな~んか、何かに浸ってるんだ」


「何に?」


「それは分からないけど、なんか浸ってるんだ」


「ふぅ~ん?ちょっと聞いてみようかしら?どうした?」


「・・・」


「エザゾブロ?」


「つくづくあいつは凄いなと思い知らされた」


「『あいつ?』」


「アレクサス」


「『ああ』」


「それがどうしたの?あの子が凄かった事なんて、皆知ってるわよ?」


「ああ。だが改めてあいつは途轍もなく偉大だったのが今更ながらだが、分かったんだ」


「それは?」


「あいつは小から大まで合計800人を束ねていたんだ。今は俺が請け負っているが、あれはそう簡単に集めれるわけでは無い」


「それはそうだな?」


「恐らくだが、あいつのカリスマやリーダーシップがあいつを惹きつける要因になっていたと思う。それはあいつが去る卒業式後も言ったが、あの時は実感がそこまで湧かなかったんだが、今になって分かって来たよ。これがカリスマなのか、これがリーダーシップなのか、とな」


「『・・・』」


「全く。今になってその実感が湧くとか、俺、リーダー性ってないのか?」


「それは・・・!」


「いや、分かるんだ。俺には向いていないのが。俺でも分かるんだ。結局は俺もあいつがいないと何もできないのがな・・・」


「『・・・』」


「それとな?もう一つあるんだ。あいつの凄さが」


「何?」


「あいつは色んな所から来る重圧を、一人で耐えていたんだ。上層部からの重圧、仲間からの重圧、先生からの重圧、秩序維持の責任。それぞれの重圧を耐えていたんだ。お前らには分かるか?」


「・・・正直想像もつかない。いったいどれほどの重圧なのかを」


「分からないだろうな。だが俺には分かる。その圧の凄さを。具体的に話すとな?息苦しいんだ」


「息苦しい?」


「だ、大丈夫ですか!?」


「す、直ぐに治療室に・・・」


「そういう意味ではない!!」


「『・・・』」


「息苦しいというのはな?各方面から来る圧に息苦しさを感じているんだ。プレッシャーとでも言おうか。それなら分かりやすいか?」


「う、うん」


「そのプレッシャーの量が尋常じゃない程感じるんだ。俺はそれを今何とか耐えている。正直、もう解放されたいと俺は思っている。ここから出してくれ!とな」


「・・・ちょっと休むか・・・?」


「・・・そうさせてもらう・・・」


「分かった。すいませんが高一のネムサン先輩と同じく高一のメイサー先輩、エザゾブロを頼めますか?」


「ああ」

「分かったわ」


「お願いします」





「それほどの重圧をエザゾブロは抱えていたのか・・・」


「ええ。それに顔色もかなり悪かったですし、あれは相当悩んでいたと思います」


「・・・何で気づけれなかったんだ・・・!!いつだって俺達が手伝ったのに!!」


「止めろ。後悔したってどうにもならん。今は今後の事を考えろ」


「そうですね。この問題は私達部隊の問題ですね」


「しかしどこから手を付ければ・・・」






・・・・・






「・・・」


「ルゼ。どうだった?先輩たちは?」


「かなり難航してるわ・・・」


「それもそうだよな・・・。何しろ何かあれば真っ先に『アレクサス!』だったからな。急にいなくなってエザゾブロは統率能力が、他の先輩や後輩も混乱状態が続いているしな。こうなるのも無理はない」


「ねえ?ユレイナやアーカイブ達風紀委員はこういう時どうしてた?」


「どうしてたも何も、こういう場面になってもアレクサスやライゼンが密かに俺達が知らない間に解決していたから、正直分からん」


「そうね。私達は完全にアレクサス達に頼っていたわ。逆に言えばそれで何もなかったから、完全に彼ら任せになってしまったわ。何かあれば『アレクサス!ライゼン!頼みが~』と真っ先に相談していたから」


「という事は、2人が居なくなって急に混乱を招いてしまった。そう言う事ね・・・」


「そうね・・・。何で考えなかったのだろう。こうなるのは分かってたのに・・・」


「・・・あいつがフラーラ達に言っていたことを思い出していた」


「後輩に?何言ったの?」


「“世代交代はいつか絶対に来る。肝に銘じろ”とな。まさにその通りだな・・・」


「・・・何も言えないわね・・・。アレクサスとライゼンは初めから分かっていたのかな?」


「さあな。だが人の事を言えないのは高等部や大学部も一緒だろ?」


「そうね。これは誰のせいでもない。一極集中を招いた私達に責任があると思うわ」


「そうなれば・・・、やることは決まったか?」


「まだ思い浮かばないけど、相談する相手は決まったわ」


「誰?」


「高等部と大学部よ。彼らにも助言を頂きましょう?」


「・・・だな。俺は大学部に行くから、ユレイナは高等部を頼む」


「分かったわ」






・・・・・






「あれからアレクサスは元気にしてる?」


「・・・」




コツン・・・コツン・・・




「サラ?」


「・・・」




コツン・・・コツン・・・




「サラ!!」


「へっ!?な、なに!?」


「何じゃないよ!どうしたのよ!?サラらしくない・・・」


「私らしくない・・・」


「どうしちゃったの?いつものおてんばサラ王女はどうしたの!?」


「え?私は普通だよ?」


「普通じゃない!サラの給仕も君の様子に心配の声も上がってるわよ!?」


「え!?嘘!!」


「聞いてみて?」


「・・・ねえ?私、おかしい?」


「『・・・』」


「ねえ?」


「構わないわ。話してやって?」


「・・・はい。では僭越ながら。サラ様。アレクサス様が任務で飛び立ってから様子が様変わりしました。どうも、様子がおかしいと言いますか」


「どこがおかしいの?」


「表現しにくいですが、心配していると申しますか、心労で倒れそうな雰囲気をしています・・・」


「・・・」


「お顔の調子も優れないのも伺えます・・・」


「そっか~・・・。おかしかったのか・・・」


「どうしたの?アレクサスと何かあったの?」


「私達に出来ることはありますか?」


「いつものサラ様ではありません事よ?お茶会もどうも上の空と申しましょうか・・・」


「・・・私は男性ですが、同じ王族としてお話しますと、ちょっと様子が違うのがお見えになっています・・・」


「俺も男だが、元気がないのが目に見えて分かるぞ?」


「初めはエスコート不足?かと自分を責めたこともありましたが、最近になってそうではないのが分かりました。それほど分かりやすいのです・・・」


「ね?私達友人でしょ?。他にもここにいる15人の王族や貴族令嬢子息も君の事を心配してるの。何があったの?」


「・・・」


「話していただけますか?」


「・・・」


「言いたくないなら仕方ないが・・・」


「話した方が楽になる場合もあります。お話しいただけますか?」


「・・・」


「サラ!!」


「・・・別に喧嘩したわけでは無いわ・・・」


「なら何でそう心配というか、悲しい顔をしてるの?」


「・・・従兄さんが飛び立つ前日に一緒のベッドに入って寝ていたんだけど、その時に私聞いたの『次はどこに行くの?』って。そしたら・・・」


「『そしたら?』」


「・・・」


「ゆっくりで良いわ・・・。何か飲み物出してやって?」


「はい・・・。ハーブティーです。落ち着く効果を持っています」




コク・・・コク・・・




「どう?」


「・・・問題なのは従兄さんの派遣された場所なの・・・」


「場所?」


「うん」


「それって?どこですか?」


「皆。驚かずに聞いて欲しい。いや、それは出来ないわね。ここだけの話にして欲しいの・・・。多分だけど、従兄さんと関わりのある風紀委員の方々は更に不味い状況になると思うの。確証は、無いけど・・・」


「分かりましたわ。誓いますので、お話しください」


「皆。給仕さんも含めてこの場所を聞いたことある?世界名ブイルウェー。星名はニュルキル。国名はエルウェルビーン連邦」


「『?』」


「聞いたことある?」


「無いな・・・」


「給仕さんは?」


「『(フルフル)』」


「誰も知らない?誰か知ってるのは?」


「・・・」


「?そこの若い執事?心当たりが?」


「・・・」


「あるのか?」


「どうなんですか!?」


「・・・あります・・・。ただ一つ確認したいことが。サラ王女、本当にアレクサス様はそこに派遣されたのですね?」


「・・・」




コクン・・・




「・・・」


「『!』」


「ど、どうした!?何故そんなに頭を抱える!?」


「な、何か知っているのですか!?知ってるのでしたらお話頂けますか!?」


「お、落ち着いてください!お話しします。ただその変わり条件があります」


「『条件?』」


「何だ?お前、俺達王族にたてつこうと?」


「そんな滅相も!ですがこれはアレクサス様の上の命令でそこに派遣されたのです。話した後でどうにかしようとは思わないでください。それがお話しする条件です」


「『・・・』」


「なんかマズそうな場所っぽいが、どういう場所か知りたいから、頼めるか?その条件を受け入れるから」


「・・・分かりました。ではお話しします。その前に軽く私の経歴を。私は現在の給仕をする前はとあるところで働いていました」


「それは?」


「私は元傭兵です」


「『!?』」


「お前、元傭兵だったのか?」


「?執事長も知らなかったのですか?」


「はい!体格が良いくらいで、それ以外は何も・・・」


「別に偽っていたわけではありません。ですが前線を離れた私に次の就ける仕事はそう多くなかったのです。何とか探して今に辿り着きました。それはそうとして、何故私がその場所をしていたか。私もその場所に行ったのですから」


「ほう?行ったのか。金で?」


「はい。傭兵でしたから雇われてそこに。ああ、今は失効しましたが、当時は傭兵ギルドにも登録していました。無許可ではありませんよ」


「分かってる。雇われて傭兵としてそこに向かったのは分かった。それで?」


「・・・心の準備は?」


「『?』」


「準備は?」


「あ。ああ・・・どうした?」


「雇われて向かったのは良いのですが、内容がまずかったのです」


「内容は?」


「過激派反政府組織と共に国家相手に戦争」


「『!?』」


「せ、戦争・・・」


「お前、まさかその戦争に・・・」


「はい。初めは参加してました。当時は内容を知らずに。雇い主も相手はただの俺の土地を占拠している不届き者と言ってましたから」


「それを、信じたのですか?」


「信じたも何も、依頼主から金を貰い、対価として指示に従う。正式に傭兵ギルドを通して依頼してきたので、ギルド側も何も口出ししてきませんでしたから」


「それはまあ良い。その後は?」


「勿論仕事に取りかかりました。途中から違和感を覚えましたがね」


「それがあれか?」


「はい。後々相手が国軍であることが分かったのですから。そしてそれが分かったときは既に依頼主から金を受け取ってからかなり経っていて、契約終了間際でした。そこで俺は契約終了と同時に傭兵をやめて国に戻りました」


「『・・・』」


「ただその後は正直凄惨なものでした」


「というと?」


「元依頼主は国軍との対立に飽き足らず、国民に危害を加えたり国の重鎮を拉致して身代金を請求してたりしました。それを続けた結果、元々治安はあまり良くなかったのですが、略奪や殺人が横行して治安が更に悪化。現在は元依頼主と国で紛争状態です」


「『・・・』」


「・・・一つ聞きたいのですが、依頼主はどこの方ですか?」


「・・・」


「お願いします・・・」


「・・・今は私も給仕係で傭兵に関しては何も縛りもありません。ですのでお話しします。実は元依頼主は、その国の元大臣だったのです。何に腹を立てていたのかは私には分かりませんが、そういったのもあって今は紛争状態です」


「ねえ?もしかして貴方は誘拐とかは?」


「『・・・』」


「私は誘拐ではなく、暗殺を請け負いました。任務も成功しています」


「『え!?』」


「お、おま!?それって・・・」


「ええ。犯罪者です。ですがギルドや警備隊に協力して無罪になりました」


「な、何で、無罪に!?」


「落ち着いてください。確かに私は犯罪者ですが、先程申した通り、ギルドや警備隊に協力して無罪となっています。それと前科は付いていません。というのも、私はあくまでも雇い主に指示されただけ。逆らったら私自身もペナルティを課せられてしまいます。それこそ生活が出来なくなることも、ですので情状酌量で前科なしで解放されました。それと勘違いしているみたいですが、この暗殺は詳細を知らせず、ただ単に殺れ、としかなかったため、情報不足という意味でも暗殺した相手を知らなかったという意味でも解放されましたし、何より私から自首したのですから」


「そ、それなら仕方あるまい。それはさておき、今はあの国には?」


「私は先程の傭兵として行ったのが最後です。それ以降は行っていません。ですがたまに思い出します。『何で受けてしまったのだろう?給仕という良い職場があるのに?』と後悔しています」


「それは済まなかったな・・・。君を嫌悪してしまった」


「無理もないです。そう言う事で、今あの国はかなり危険です」


「どれくらい危険か分かるかい?」


「言伝ですので、信憑性に欠けるかもしれませんが、今のあの国は現在異世界一治安が悪く、紛争地域であること、それとあの国に入ったら9割は死亡状態で家に帰るほど危険な状況です」


「『9割!?』」


「そ、そんなに危険なのか!?」


「はい。まずあの国ですが、国境付近は砂漠地帯。なので国境という国境が無いに等しいため、多少国境を越えたからって国境付近を彷徨うテロ組織が徘徊。その組織に捕まってその国の重鎮なら身代金、断れば暗殺、一般人なら追剥からの文字通り裸で砂漠に放り投げて、はい、さよなら」


「なんて残酷なことを・・・」


「メイドさん。まだあります。よっぽど僻地な小さな村以外は都市だろうが街だろうが村だろうが反政府組織または国軍はたまた町の市民ですら殺し合う場所です。人族年齢5歳でも武器を持っているほどです。しかも彼らは追剝のみならず、街の市民も同じ市民同士殺し合い、金品を奪って生活の糧にしているのです。とても住める状況ではないのです。子供でも平気で殺し合いを日常としているのです。街の機能も成り立っていません。なので踏み入れたらそこら中から、異臭、死体、麻薬、強奪が目の前で見れるのです。挙句には公衆の面前で四肢を切断したりも」


「惨い。なんて惨いの・・・?」


「更に主要都市と王都は国軍と反政府組織の戦闘区域。歩いているだけでお亡くなりになることも珍しくありません。そんな凄惨な光景を目に出来るのが、その国なのです」


「そこに従兄さんは・・・」


「はい。その戦地に今行っているのです。ただ恐らくですが、難民逃しでしょう。私もしましたから。ただそれを実行するのは並大抵な事ではないでしょう。何しろ周辺国も協力したが、一日10人程の死者を出すのです。一日だけならまだしも、毎日やってたらキリがないですし、『次は俺か?』と精神面でもかなり来てしまいます。私の仲間も廃人になってしまいました」


「だからサラは・・・」


「はい。それで元気が無かったのでしょう。そんな凄惨な光景を毎日目にしながら難民逃しを行う事になるのですから。私が知る情報は以上です」


「そ、そうか。ありがとう・・・」


「いいえ。この程度で申し訳ございません。もう一度言いますが、これはアレクサス様の上の命令で派遣されているのです。一国の王女がどうこうしようとは思わないでください。たかがしれてます」


「分かっています・・・」






・・・・・






「アレクサスが学園を去った直後はかなり酷いものだな・・・」


「ええ。まさかここまで影響を残すとは・・・。私達先生も侮っていましたね・・・」


「ああ。小等部の生徒が大学部の生徒にまで影響を及ぼす。これはなかなか出来ることではないからな」


「ラフ先生?感心している場合ですか?彼らをどうにかしないと?」


「けどミスティー先生。これをどうにかできますか?」


「『・・・』」


「まるで廃人ですね・・・。種族が皆全く違うのに、これは何ですか・・・」


「俺が聞きたい」




「「はぁ~」」

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