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日本国 異世界にて最恐で最強の国家となる  作者: altimate
自衛隊 初任務!
213/261

門出

門出






「やあ。久しぶり」

「・・・」


「『アレクサス!ライゼン!』」


「おう」

「・・・」


「相変わらずライゼンは無言だな~」


「まあ、それは今は良いだろ。んで?ここにいるという事は、終わったという事だよな?」


「そう言う事だ。それでさっき先月元気なかったクラスメイト達に報告に回ってた」


「そうか・・・。ともかく無事に帰ってきて何よりだ」


「今回は俺もライゼンも何もしていない。精々情報収集しかしていない」


「それでもだ。何しろ同じクラスメイトだからな」


「そうかい。そっちこそこの一ヶ月間は何も無かったのか?」


「ああ。こっちは特に変わりな無かったな。強いて言えば君達の扱いに悩んでいたくらいだ」


「俺達の?何で?」


「だって・・・。ねえ~?」


「そうね・・・。貴方達は・・・。その・・・。自衛官と外務官なのでしょう?」


「ああ。そうだな。それがどうした?」


「どうしたって・・・。それで悩んでいたのよ・・・」


「どこに?」


「君達が、日本国に所属していることに」


「「・・・そんな事?」」


「そんな事って何よ!?」


「だってよミレン?そんなことで悩んでどうするんだ?俺とライゼンは確かに自衛官と外務官だが、それ以前にただの人族で君達と同じ学生だぞ?」


「それは・・・そうだけど・・・」


「悩んでも仕方ないぞ~?その内考えるだけバカになるから」


「だ、誰がバカよ!?」


「考えるだけ無駄という事さ」


「考えるだけ無駄・・・」


「ああ。俺達はただの友人で学生なんだ。それ以上もそれ以下もないぞ」


「友人・・・。友人か・・・。そうね。君達は友人だもんね」


「そう言う事だ」


「な?こいつらに気を使うだけ無駄だろ?」


「そうよ?こいつらは私達の事を理解してくれているのよ」


「ジャリーグとレラカイナの言う通りね・・・。考えすぎた私がバカみたいね」


「大丈夫。そのうち慣れるわよ」


「そうね。さて。気持ちを切り替えていきましょう!」


「ああ。それより今週末の土曜日で卒業式だが、今回は全員卒業出来そうか?階級が足りてないのは?」


「『・・・』」


「おい。誰かいるのか?」


「実はね・・・」


「まさか・・・」





「今回は・・・」


「(ゴクリ)」





「全員、卒業出来ます!!」


「お~良かったじゃないか!!脅かすなよ~」


「いいじゃないの~偶には。いつも私達が驚かされた側だから、今回は脅かす側に回ったのよ」


「そうかい。それは何より。しかしよく今回全員卒業または進級が出来たな?毎年不良生徒やらなんやらで毎年進級できなかったのが居たのに」


「そうね。私もそう思ったんだけど、今年は運よく去年度留年して私達のクラスにいるクラスメイトも今回は特に問題なく進級できるそうよ」


「そうか。けどそれなら何で留年してしまったんだろうな?」


「分からないけど、やっぱり家庭の事情かしら?」


「まあ、あまり詮索するのも不味いよな。ここは素直に祝福してあげるか」


「そうだな。それくらいに抑えたほうが良いな」


「因みに不良生徒は?」


「今年もいたけど、学力や態度に問題は無かったからそのまま進級よ。寧ろ不良で言えばアレクサスにライゼンの方だったじゃない?」


「俺達?何で」


「だって4年生まではちょくちょく欠席していたし」


「それは事情を知っているお前らなら分かるだろ」


「今ならね。今まではそれが分からなかったのよ」


「・・・それもそうか」


「今は分かるから気にしないで」


「そうかい。それは何より。それより全員進級または卒業が出来てラフ先生、大喜びじゃないか?」


「そうよ?感動を通り過ぎて男泣きしていたわ」


「・・・あの先生には世話になっていたからな。素直に感謝しないとな」


「それは私達もよ」


「そうかい。それより残り数日は何するんだ?もう授業は無いんだろ?」


「今日は、何があるのかしら?確かに授業はもう無くって、けど先生曰く『君達にはやることがあるから、もう暫く付き合ってくれ』と言われているのだけど。何かしらね?」


「何も聞いていないのか?」


「多分全員聞いていないんじゃないかな?」


「・・・」




ガラガラガラガラ




「よ~しお前ら。席に着け~。出席確認するぞ~」


「『はい』」


「今日の欠席者は・・・。誰もいないな・・・。誰もいない?」


「どうしたんですか?先生?」


「アレクサスとライゼン。来てくれたのか・・・。もう良いのか?」


「はい先生。もう大丈夫です」

「俺も平気だ」


「・・・そうか。先生、嬉しいぞ。もう聞いているかもしれんが、君達2人とも卒業出来るからな」


「はい。お聞きしました」


「だがもう暫くは付き合ってくれよ?」


「はい」

「ほ~い」


「あとは・・・大丈夫だな」


「先生~。今日は何するんですか~?」


「良い質問だなファウラ。今日はこれを配って、その後、今年の卒業生及び進級生の報告会だ」


「配る?」


「報告会?」


「順を追って説明する。まずはこの書類を受け取ってくれ。呼ばれたら前に来てくれ」


「『はい』」





「よし。全員受け取ったな?」


「『はい』」


「今君達に渡した書類なんだが、中身はこのようになっている。前の黒板を見てくれ。


1 卒業証明書  これが君達が小等部を卒業した証明になる。これが今後必要になってくるから、絶対に無くさないように。

2 授業料の返還書類 これは小等部で使用した金銭でお釣りがあるから、この書類に記入して後日提出してくれ。小等部と中等部の金銭は違うからな。

3 中等部進級時の必要書類 これは文字通り中等部に必要書類だ。因みに当学園の中等部に進級せず、別の学校またはこのまま卒業する生徒には渡していない。


以上の3つまたは2つが君達の手元にある筈だ。確認してくれ」


「『はい』」




「大丈夫そうか?」


「『はい』」


「次に今日はもう一つあって、この後グラウンドに集まって、一旦全生徒が集まって今年度を以って学園を卒業する生徒と引き続きこの学園に進級する生徒を紹介する場を毎年設けているんだ。『こちらの生徒は引き続き当学園で学ぶ』とか『俺は次の中等部で魔法を研究するんだ!』といった感じで、次のステージに移動する、いわゆる門出を皆で祝う会みたいなものだ。そこまで過度にする必要は無いから。気楽にな」


「そうなのですね。そう言えば私達の一年上の先輩たちがやっていましたね」


「それを今年は君達がやるという事だ。な~に。直ぐに終わる」


「そうですか。それを今から?」


「ああ。グラウンドに移動するぞ」


「『はい』」






・・・・・






「久しぶり。アレクサス隊長」


「久しぶりだな。エザゾブロ。その呼ばれ方も」


「は!まあな。それよりお前ら。今年に入ってから一度も風紀委員に顔を出していないじゃないか?どうしたんだ?」


「すまん。やることが山積みだった」


「やることってあれか?本職の方か?」


「ああ。正直大変だった」


「・・・察するぜ・・・」


「その方がありがたい」


「それで?今年に入ってから風紀委員は特に変わりなく?」


「ああ。変わりなしだ。未だに当時6学年の幹部を請け負っていた同学年はまだやってるがな」


「まだ幹部やってるのか!?どうするんだよ・・・」


「次上がってくる5学年に託すしかないな・・・」


「・・・まさかここまでやるとはな・・・」


「まあな・・・。ただその代わり朗報だぞ」


「何だ?」


「俺達の隊の中にいる3人が次期幹部に選ばれたんだ!」


「次期幹部という事は、次6学年に上がる誰かか?」


「そうだ。誰だと思う?」


「・・・?」


「3班班長のフラーラと3班のブゾール、それと4班副班長のミセミンだ」


「ほう?そう言えば3班全員と4班の一部が今5年だったな。役職は?」


「フラーラが次期副委員長、ブゾールが次期風紀委員現場統括管理管理長、ミセミンが次期書記長だ」


「おお~。フラーラが次期副委員長か。大出世だな~」


「そうでもないですよ~。アレクサス先輩」


「おう。久しぶり」


「お久しぶりです。この2ヵ月間、今までどこに行っていたんですか?」


「悪い。本職に手こずっていた」


「本職という事は・・・」


「ああ。俺達の仕事でだ」


「そうだったのですね・・・」


「それで暫くいなかったのですね?」


「そう言う事だ。久しぶり。ミセミン」


「はい。お久しぶりです」


「ブゾールは?」


「今日は風紀委員として駆り出されています」


「そうか。お前らは除外か?」


「今回は除外みたいですね。まあ。今日は先輩たちの未来の道へ進む報告会みたいなものですからね。私達では場違いですよ」


「そうでもないさ。近々お前らも俺達と同じ立場になる」


「そうなりなくないですね・・・。何しろ仲間とのお別れ会を開いているみたいで・・・」


「しょうがないさ。それが運命だ。それを送りだす最後の機会なんだ。ここを逃したら次全員集まるのは卒業式のみになる。しかもお偉いさんたちが来るんだ。だから全生徒で集まるのは実質今日が最後なんだ。それくらい祝ってやれ」


「・・・そうですね。いつかはこうなるのですから。先輩たちの門出を幸運を祈るとしましょう」


「それでいい。良い顔になっているぞ」


「ありがとうございます。ささ。他の後輩や先輩も待っていますよ」


「先後輩?何で?」


「久しぶりにアレクサス先輩の顔を見たからですよ~」


「んな大げさな~・・・」


「大げさではないですよ。皆さん、アレクサス先輩とライゼン先輩の消息を確認したかったんですよ」


「そうかい。ならもう少し時間があるから、顔を出すか」


「それが良いですよ」






「おう。お前ら久しぶりだな」


「アレクサス!この野郎、やっと顔を出したな」


「どこに行ってたのよ!?」


「ああ。本職に手こずっていた」


「本職か。なら仕方ない」


「そうですね。それでしたら仕方ないですね・・・」


「ここにいるのは俺の隊員に所属している全員か?」


「それと俺らだ」


「・・・」


「・・・何でこの場に現幹部全員揃ってる?」


「そりゃお前、2ヵ月も姿見せたいと不安がる委員がいるからな」


「そう言って、ルーカスも本当は心配だった癖に~」


「ばっ、お前・・・」


「いつも『あいつらは何処に行った・・・』と耳にタコができるほど・・・」


「おい!それ以上何も言うな!!」


「は~い」


「まあ。そう言う事だ。こいつも本当は心配だったのよ~」


「まあ。それに関しては済まなかったな。だが終了したから心配するな」


「まあ。帰ってきたようで何よりだ」


「ああ。残りの日数は少ないが、最後まで楽しもうぜ」


「フッ。それもそうだな。残り一週間、いや、まだこの学園にいるだろ?」


「・・・」


「アレクサス?」


「お~いアレクサス。そろそろ始まるぞ~」


「分かった~。その答えは直ぐに出る」


「そうか?分かった」




『生徒の皆さん。学園生活も残りわずかとなりました。いつもの君達なら残りの学園生活をみんなとバカやったり真面目に過ごしたりしていることでしょう。それも良いですが、新たに飛び立つ門出を祝うのも良いと思います。そこで毎年恒例の報告会を行おうと思います。最初は大学部の生徒の皆さんです』






・・・・・






「まあ、大体高等部までが進級し大学部に行く先輩やどこかに働きに出る先輩もいるから、ここらが分かれ際だな」


「そうだな。そしてさっき中等部も終わったが、殆どが進級で数人だけ別の学校で通うのが分かったくらいだから、実質全員進級だな」


「最後は小等部ね。流石に全員進級で中等部に通うのでしょ?」


「分からないわよ~?もしかしたら進級しない生徒もいたりして~」


「まさか~」


『さて。残すところ小等部の皆さんだけになりました。小等部の門出を皆さまで祝いましょう。まず今回の6学年は、当学園始まって以来の久々の快挙です!』


「『おお~~』」


「『何々~?』」


『何と今回!降級も留年者も出さずに、全員卒業を迎えることが出来ることが分かりました!これは50年ぶりの快挙です!!』


「『おお~』」


『ですので今年の6学年の生徒は優秀な方で学園としても嬉しい限りです!さて、お待たせしました。今年の未来への道は・・・』


「どうせ全員中等部へ、だろ~?」

「どうせそうよ~」

「それか他学校へ進学だろ~?」

「そこまでの頭脳があるなんて、羨ましいな~」


『6学年は2人だけ進級も他学校に進学もしないで卒業することになりました!』


『『え!?』』




ザワザワザワザワ




「だ、誰が進級も進学もせずに卒業するのは!?」

「普通あり得ないよね!?」

「そんな事あり得るの!?」


『本来ならこのような事態の場合は特定を示唆して、特定をしないのが原則ですが、今回は本人の希望により、演壇に来てもらう事になりました。では、どうぞ前へ』


「誰だろう?」

「分からんが、中等部にも別の学校にも行かないんだ。よっぽどの理由だろうな~」

「さて。演壇に上がったぞ~?顔をみせ・・・え!?」


「『え!?』」


『一旦静粛に。今年の卒業のみ希望の生徒は、こちらのアレクサス君とライゼン君。こちらの二人となりました』


『『え~~~!?』』






・・・・・






「あ、アレクサス!本気で言ってるのか!?」


「ガロウス小等部統括。本気です」


「本気なんだな!!何故だ!!」


「すいません。今は言えませんが、数日後に分かります」


「そ。そうか・・・」


「アレクサス君。本気なんだね?」

「寂しいよ・・・」


「これは本気です。俺は卒業します。フロールとルロールさん」


「理由を今は言えないのならその内に話してもらうぞ」


「分かっとるわい。そんなの分かっとるわい。エザゾブロ」


「先輩。私はショックを隠し切れません。嫌です。いなくなるなんて・・・」


「大丈夫だ。俺が居なくても平気さ。フラーラ達もいつかは世代交代が来るさ。それを肝に銘じろ」


「アレクサス君・・・」

「本気でいなくなるの・・・」

「寂しいよ・・・」


「んで?相変わらずあんたのモテモテは健在か・・・」


「言ってろ。えっと?先程先生が申した通り、俺は小等部で卒業する。他のモテモテ男子に移ってくれ」


「『・・・』」


「そこまで冷たい言い方しなくても・・・」


「仕方ないさ。どうせ暫くしたら忘れるさ。従妹よ。それに俺よりこいつらの方がよっぽど先輩してる」


「そうかな・・・。ここまでリーダーシップ溢れていて、上下関係なく慕われている生徒なんて中々現れないと思うけど?」


「そうか?他にもいる筈さ。まあ。お前らも来年度もしっかりな」

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