調査
調査
基地内
「一等陸佐。それに皆様も」
「お?アレクサスじゃないか。どうした?」
「ご相談が」
「聞こう。ここではなんだから会議室で」
「はい」
「年明け初日の登校日にとある噂を学園でお聞きしまして」
「詳しく」
「はい。まだ噂段階なので、それを前提でお話しします。事の経緯は先生の一言なのです」
「一言」
「はい。先生はこう申していました“年明け後初日にも関わらず疲れている生徒が何人かいる”」
「それがどうした?ただ単に休みが終わって憂鬱になっているとか?俺でもそうなるが?」
「最初は自分もそう思いましたが、まあ同じクラスなので話を聞くだけ聞いてみることにしたのです」
「まあ、クラスメイトに打ち明けたら軽くなるかもしれんな。それで?話はしたんだろ?」
「はい。お話はしたのですが、それが噂に繋がっているのです」
「内容は?」
「“幾つかの権力者や貴族が主体となって数国の民何人か誘拐して身代金を要求しているそうです”」
「・・・」
「規模は?」
「不明ですが、被害はかなりの数の様です。更に言えば、移民ではありますが、日本国の民もどうやら対象になっているようです」
「『・・・』」
「どこで襲われたか分かるか?」
「それは・・・」
「分からないか・・・」
「はい・・・」
「だが少なくとも襲撃された場所は領土外だろ」
「そうですね。幾ら領土内で襲ったとしても国外に出る時は検問を必ず受ける。それで問題が発覚するだろうが、その情報が入っていないとなると」
「国外で襲われた、それで間違いないかと」
「だな。しかし何故その生徒は疲れていたんだ?」
「疲れていたのはあくまでも外見でして、正確に言えば親が襲撃に加担していたというのを耳にしてショックを受けているようでした」
「成程。そっちか」
「因みに何人かと言うのは?勿論他の生徒に聞いたんだろ?」
「はい。結果は全員ではありませんでしたが、3人が今回の件に絡んでいます」
「『・・・』」
「3人か」
「身代金要求は?」
「確認できていません。まだ噂段階なので“どうせ直ぐに帰ってくる”みたいなことで取り合わないかと」
「そう言う事か。なあ?そいつらはいつ耳にしたんだ?それに耳にした手段は?」
「冬休みに入る前と言っていたので大体10日前後かと。耳にした方法は偶々親が会合していた部屋を通り掛かったときに耳にしてしまったらしいです」
「マジか。偶々通りかかったら親が犯罪に加担していると聞いたらそりゃショックも受けるだろう」
「だが何故他生徒や先生には相談しなかったんだ?または警備隊や衛兵とか?」
「相談したそうですが、表面は完璧な親がそんなことはしないと言われ、追い返されたそうです」
「それで10日ほどずっと抱え込んでいたのか・・・」
「子供とはいえ、良く精神持ったな。正直に言えば、心を壊してもおかしくなかったぞそいつら」
「はい。なので良く話してくれたと褒めてあげました。そしてその足で」
「ここに来たと」
「そう言う事です」
「この件、他の耳には?」
「自分の同級生で外務省所属のライゼンが自分と同席していたので、恐らく今頃向こうも耳にしている段階かと」
「分かった。一応話を通してみる。アレクサス。お前はどうする?」
「自分は暫くの間学園には来れないと先生に伝えました。ですので学園の事は問題ありません。なので出来れば同行の許可を頂ければと思いまして」
「そうか分かった。独断では決めれないが、俺個人としては同行を認めようと思う」
「ありがとうございます」
「一応外務省とも話し合ってみるか・・・」
・・・・・
「課長」
「お?ライゼンか。どうした?」
「相談があります」
「どうした?」
「学園でとある噂を耳にしました」
「どういった噂?」
「貴族や権力者が主体となって誘拐し、身代金を要求している噂です」
「そうか。だが噂程度だろ?信憑性は?」
「どちらかというとある方です」
「根拠は?」
「俺のクラスメイトの親が加担しているようです」
「・・・」
「本人からお聞きしました」
「どこで耳に?」
「詳しい日付は知りませんが、偶々会議部屋を通る機会があったそうです。それ自体は何でもないのですが、ドアが開いていたので耳にしてしまったようです」
「声は幾つだ?」
「そこは分かりません」
「なら現時点での被害は?」
「それも不明ですが、移民としてきた日本国も対象に入っているそうです」
「マジか・・・」
「不味いな」
「はい。そこでお聞きしたいのですが、日本国領土からの報告は?」
「今回の件に絡んでいる情報があるかどうかという事だよな?それなら残念ながらない。本国で情報が上がらないとなると?」
「ああ。恐らく国外で襲われて隔離されているに違いないだろうな」
「流石、他国でよくある、椅子にふんぞり返るだけの国王とは大違いですね」
「頭の回転速度なら他も引けを取らないと思うぞ?当然お前も」
「恐縮です」
「でもまあ、確かにこれが本当なら問題だな。ならやることを成すか。この件は?」
「まだ上司だけです。あと俺の同級生である、日本国防衛省所属のアレクサスが同席していたので、向こうも今頃報告に伺っている頃でしょう」
「なら防衛省と共同でこの問題を解決する流れになりそうだな。分かった。お主はどうする?同行するか?」
「お願いします」
「分かった。なら付いて来い」
「はい」
・・・・・
ピロロロロロロ!!!ピロロロロロ!!!!
「はいもしもし?」
『どうも。日本国外務省です』
「ああ。もしかしてあの件か?」
『そっちも?』
「ああ。今背後関係と事の背景を精査中だ」
『もう動き始めたか。どれくらい集まった?』
「まだ始めたばかりだ。だから今どこから調べるか悩んでいるところだ」
『なら手伝おうか?』
「頼む。丁度外務省に連絡しようと思ったところだ」
『そう言って、出し抜こうとか思っていないか?』
「そんなことしてどうするんだ?」
『株をあげようとか?』
「そんな意味ないことしてどうするんだよ?」
『流石に考えすぎか』
「当たり前だバカもん。同じ政府機関かつ法執行機関な癖して張り合ってどうするんだよ?」
『分かった分かった。それで?手伝うけどどこから手を付ければいい?』
「そうだな・・・。関係者を調べてくれないか?」
『良いけど。候補は?俺達は知らんぞ?』
「あの後聞いてみた。例の生徒はどこの在住なのかをな。そしたらチリ並に縦長の国家、クォレル共和国の州長が親だそうだ」
『なるほどな。そこから絞り込むと?』
「そう言う事だ。頼めるか?」
『承知した。今の段階では、どこまで調べ上げればいい?』
「取り敢えず関係者各位を特定程度でいいや。こっちも背景を出来るだけ集めてみる」
『分かった』
「それと今後の連絡手段は電話ではなく、テレビ会談で行こう」
『分かった』
「よし。取り敢えず背景を探れ。関係者は外務省に任せた」
「『分かりました』」
「何でも良いですか?」
「何でも良い。データで分からなかったら現地に向かうぞ」
「『はい』」
・・・・・
「調査開始してから一週間。どうだ?分かって来たか?」
「はい。まず背景ですが、幾つかの領主や市長が共同で有権者を排除しようとする動きがあるようです」
「有権者?市長とかは分かるけど、何故領主にも?」
「領主の場合は、現当主を排除しようとする部下を消す動きがあるようです」
「成程な。そっちか。何?現当主や現市長とかの支持率は低下してるのか?」
「はい。かなり低下しています。不正や権力に物を言わせる政治をした結果、かなり反感を持っている模様です」
「なるほどな。?有権者という事は、この後選挙があるのか?」
「はい。来月の上旬か中旬に選挙があるようです」
「ああ。分かって来たぞ?となると今回の背景は、選挙にある。そう言う事か?」
「大まかではありますが、そう言う事かと」
「ならそいつらの氏名とかは」
「外務省がどこまで調べ上げたのかは分かりませんが、それに近い名前は揃っているかと」
「分かった。とりあえず」
「一佐」
「お?連絡来たか?」
「はい。繋ぎますか?」
「頼む」
『すまんな。待たせたようだ』
「いや構わん。それで?関係者は?」
『まず関係者だが、最低でも30人が絡んでいる』
「わお~。そんなに多いのか。その名前の肩書って、やはり市長とか領主か?」
『背景を洗うとやはり分かるか。そう言う事だ。お前がそう言うという事は、やはり?』
「ああ。こっちも同じ意見が出た。俺達の予想だが、今回の事件はこの後に控える選挙が絡んでいると予想している」
『やはりそうなったか。こっちも同じだ。だがそうなると幾つか疑問点が思い浮かぶんだ』
「疑問点か。上げるとすると、一つ目は、恐らく妨害したがると思うから、何故そこまでして続投したがるのか」
『そうだ。二つ目に何故誘拐するのか。しかも移民まで手を出すのか』
「三つ目に独断かバックがいるのか」
『四つ目に更なる絡みはあるのか。そんなところだろう』
「だが4つも調べ上げれるか?」
『いや?全部は必要ないだろ。一つやれば必然的にもう一つも出てくるだろ?』
「それもそうか。まあでも一応調べてみるか」
『だな。どこまで担当するよ?』
「取り敢えず一つ目と二つ目は俺が担当する。その次いでに現地に向かって誘拐された方が見つかれば救出もしておこうと思う」
『なら俺らの方は三つ目と四つ目を担当しよう。こっちも同じく救出してみる』
「ならまた、いや報告は2週間後で良いか?」
『そこまで時間はないが、それくらいあれば何とかなるな』
「ではそれで行こう」
「よしお前ら!仕事の時間だ!外務省から氏名の入ったデータを受け取った!このデータを元に誘拐する理由と来月に控える選挙に関する情報をかき集めろ!それと何組か現地に向かってくれ!」
「『はい!』」
・・・・・
「一佐!」
「お?帰って来たか。どうだった?」
「はい。かなりの真っ黒でした。それと誘拐された方の救出も完了して現在は病院に検査入院しています」
「分かった。犠牲者は?」
「こちらはゼロです」
「そうか。では報告を聞こう」
「はい。まず続投理由ですが、ほぼ全員献金、つまり金目的のため続投希望のようです」
「結局金か」
「はい。市長や県長、州長でしたら国から多額の支援金などを受け取れますからね。それで金額計上を偽造して経理に回していたそうです」
「つまり市長に成れなかったら協力者とかの口添えが出来なくなる、失墜する。そう言う事か?」
「それもありますし、なんとテロにも金銭を渡していたそうです」
「あ~。これは聞くまでもなく真っ黒だな。あれだろ?『俺の障害になる奴は消せ』そう言う事だろ?」
「はい。そう言う事です。それと一部ですが、私腹も肥やしていたそうで、その欲のために真面目に運営していたところから金を巻き上げていたそうです。それが出来なければ脅して、それでもダメなら実力行使にも出たとか」
「そこまで行くと悪質だな・・・。領主は?」
「同様の理由ですが、選挙が無いことを良い事に、自分の欲を忠実にしているそうです。女金権利書所有権など様々です」
「あ~らら。そこまで行くと屑だな。国営企業にして運営するのならまだしも、完全に売り上げの殆どを奪われたら企業も息続かないよな」
「そうなんですよ~。領民も今の当主になってから生活すら苦しいと言っていました」
「前の領主は?」
「これまた奇妙で、突然亡くなったそうです。医師曰く突然死みたいですが・・・」
「まさか誰かに殺された挙句、医師にも癒着を!?」
「いえ。医師は至って普通の医者みたいで、実際に細かく見て突然死の結果を出したみたいです」
「という事は医者も欺いた?」
「そうなりますね。実際に不自然ですから。どこがと言われると詳しくないので・・・」
「いやいい。つまり前当主が亡くなったから次の当主を決めようと思ったが、どういう訳か現当主が選ばれた。そう言う事だな?」
「はい。領主は基本世襲制です。ですので次期当主は現当主から告げられるのが一般的であり、それを告げる前に亡くなったとしても遺書とかで選ばれるのが殆どです。ですが調べたところは全て前当主から、または遺書が見つかる前に選ばれてしまったので、何人かは反対したそうなのですが、調べたらその反対した方全員お亡くなりになったそうです・・・」
「・・・殺されたか・・・」
「はい」
「続投したがる理由は分かった。では何故有権者や関係者を捕える?」
「これは簡単でして、誘拐することでその票に入れないように仕向けるのです。例えば脅すとか」
「それは分かるが、なら何故特定の方を襲う?」
「実はそれなんですが、本土の日本国とは違って、有権者にも階級があるようです」
「は?マジかよ。階級って?」
「はい。例えば学生は与えられる有効票は0.5票、一般人は1票、ご老人は1.5票、企業役員は2票、会長や社長になりますと3票与えられるそうなのです」
「マジかよ!?そんなのがあるのか!?」
「はい。私も驚きました。なので選挙で自分に入れてくれるのならまだしも、相手票に入れてしまうと落選する恐れがあるので、自分には入れない企業役員などは誘拐して脅すのです『俺に入れないと課税したり、子供に危害を加える』とかを言って」
「それで特定の方を誘拐するんだな」
「そう言う事らしいです。流石異世界、怖いですね」
「全くだ。これは外務省からの連絡が楽し」
「一佐?連絡が」
「繋げ」
『待たせた』
「大丈夫だ。それで?分かったか?」
『ああ。恐らく半月前に行った役割分担だが、調べ上げると色々分かってな。次いでに調べてもうた』
「大丈夫だ。俺もそうだからな」
『やっぱりか。では前回は俺から行ったから次はお前から頼む』
「分かった。まず続投理由だが、簡単な話私腹を肥やしているそうだ」
『やはりな。お国は?』
「国は察知していない。経費を偽造して提出していたそうだ」
『という事は着服か』
「それだけでないぞ。あまりにも欲が強すぎて企業を国営にして売り上げの殆どを徴収しているそうだ。お陰て会社経営が火の車になっているところも少なくないそうだ」
『マジか』
「ああ。マジだ。それと気に食わない奴が居たら、テロにも金を渡しているから殺害も問わないそうだ。実際にそれで現当主に成りあがったバカもいるそうだ」
『・・・テロにも金を渡しているのか。しかし死んでも治らないバカって本当にいるんだな・・・』
「まあな。それともう一つ、選挙で驚愕の事実を部下が報告してくれたんだが、聞くか?」
『何か聞きたくないような気がするが、一応聞いておこう』
「ならそこにいる外務省全員も聞いてくれ。驚くぞ?」
『お前ら。一旦手を止めろ。頼む』
「ああ。聞いて驚くなよ?選挙で使われる投票だが、この投票、有効票がバラバラって知ってたか?」
『『!?』』
『は!?それマジで言ってるのか!?』
「マジだ。例えば有効票は学生が0.5、一般人は1、老人は1.5、企業役員は2、社長や会長は3、このように分かれていることが分かった」
『『・・・』』
『マジかよ・・・』
「ああ。だからこれで2つ目の疑問点が分かったぞ」
『・・・一般人より会長や社長を脅した方が有利になる。そう言う事だな』
「そう言う事だ。自分に入れてくれるならまだしも、別の議員に入れたらそれだけでもダメージが大きい。それで脅して、ダメなら家族に危害を加えると脅し、それでもダメなら実力行使に出るという、最悪なことをあいつらはしやがるんだ」
『『・・・』』
『そいつら本当に生物か?』
「疑わしいな。だが生きている以上は皆生物だ」
『色々そいつらに聞きたいことが山ほどあるが、今回はスルーしよう。報告は以上か?』
「ああ。次はそっちも頼む」
『わかった。その前に誘拐されたものは?』
「全員解放済みだ」
『分かった。ではこっちの報告といこうまず3つ目のバック関連だが、これもクロだという事が分かった。まず貴族当主だが、犯罪組織から援助してもらう代わりに好き放題してもらっていたそうだ』
「どっかの種族か?」
『特定種族ではあるんだが、別にその種族が悪い訳ではないんだ。それは分かるな?』
「当たり前だ。同じ種族だからって全否定はしないさ。友好的なものもいれば悪態もいるからな。それは俺達人族も一緒だ」
『そう言う事だ。話を戻して、その犯罪組織がバックにいて好き放題をしているのもそうだが、もう一つ、貴族間で協定を結んでいるそうだ』
「協定。ほう?」
『興味深いだろ?協定を結んでとあるものを落とす気でもあるみたいだ。例えば今の国王を陥落させて俺が国王に成りあがれば盗賊を支援したり、とある種族を迫害を容認したり全滅させたりとか』
「『・・・』」
「完全にテロだな・・・。よくある『俺達が人族を、世界を救うんだ!』と頭の逝った連中がしそうなことだ」
『ああ。それで実際に被害も出てるんだ。なのでこの件は早急に対応する必要があると俺は思うぞ』
「分かった。絡みは?」
『これが今回の見どころだ。お前ら自衛隊たちも聞いてくれ』
「よしお前ら。今度はこっちが手を止める番だ。それで?」
『これも聞いて驚け?ごく一部だが、生物破壊兵器を作成しているそうだ。いわゆる、バイオテロさ』
「『!?』」
「おいおい・・・、そっちの報告もシャレにならないぞ・・・。作用は?」
『一部回収したんだが、このたった30ccで種族問わずで100万人の致死量があるそうだ』
「『・・・』」
「そいつらは国家の転覆が目的か?」
『鋭いね。それもあるし、これを販売しようとする動きもあるそうだ』
「マジかよ・・・。それ最悪じゃないか・・・」
『ああ。だから不味いんだ。このままだと人類、いや、生物存続危機が訪れるからな』
「取り敢えず双方上官に知らせよう。それで指示を仰ごう」
『分かった。今段階の手は?』
「・・・俺の想像だが、一つ潰しただけでは逆効果で相手の思うつぼだ。ここは一気に全部潰した方が良い」
『なら。あいつらの出番か』
「かもしれんが、一旦上からの命令を受けよう」
『分かった』
「では後程」
『ああ』
「誰か将、今空いてるのは空将か。空将に連絡しろ」
「はい!」
・・・・・
「誰か局長を呼べ!緊急事態だと!」
「はい!」
・・・・・
「・・・外務局長は?」
「テレビ会談で話す予定です。まだ連絡が来ていないと考えると」
「向こうもまだ向かってる最中か。現状は?」
「敵は思ってる以上に頭脳明晰かと。選挙で不利になりそうなことは排除して有利に働き、邪魔者は金銭でテロに売買。領主は私腹を肥やしながら更に国民から課税を課し、挙句には続投または当選した暁にテロ及び迫害の容認、更にこれは先程分かったことですが、生物破壊兵器、いわゆるバイオテロも作成しているという情報が入りました。これを売買しようとする動きもあるくらいです」
「・・・予想以上に不味いな・・・」
「空将。外務局長から連絡です」
「繋げ」
「おう。久しぶりだな」
『出来れば飲みの席での再会を望みたかったが、そうはいかなかくなったな」
「まあな。それより職員から一連の事は聞いたか?」
『ああ。俺も驚いている』
「驚愕で済めばいいがな。それよりどうする?」
『一応職員から聞いてみたが、俺としてもやはりあいつらの出動を要請するかと』
「やはりあいつらに任せるか?」
『ああ。だがあいつらの事だ。まず間違えなく巻き添えを喰らう可能性がある。だから一旦それぞれの国に許可を仰ぎたい』
「それは良い案だが、そこまで時間はないぞ?」
『分かってる。だから半分やってくれないか?』
「良いが、最終的には全員一緒の席で会合したほうが確実だぞ?」
『それは分かってる。それで行こうと思うが、どうだ?』
「それで行こう。だが今回はかなりの大規模だな・・・」
『ああ。まさか他星や異世界にも通じているからな。全く、骨が折れる』
「ただ幸いな点は今年は俺達の住む星、サラハタ星が主導権を握れる年だということかな?」
『だな。ま、各所に報告するか』
「それが良い。ではまた」
『おう。今度は飲み会でな』
「分かってる」
「よしお前ら!外務局長から許可が下りた。各基地に連絡しろ!恐らく今年初めながら今年大一番の仕事になるぞ!!緊急事態として連絡しろ!国王や大統領にも言伝で連絡だ!『詳細はこっちで説明する』とな!」
「『はい!』」
・・・・・
「よし!空将から許可が下りた!各所に連絡しろ!緊急事態だと伝えろ!それと国王や大統領には話があると言え!」
「『はい!』」