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日本国 異世界にて最恐で最強の国家となる  作者: altimate
自衛隊 初任務!
209/261

卒業前最後の日常

卒業前最後の日常






「あけおめ!!なんかアレクサスとライゼン、早速朝から疲れてない?」


「言うなファウラ。こっちにはこっちの事情があるからよ」


「ふぅ~ん?ま、聞かないけどね」


「その方がありがたい。他の連中は?」


「今日はアデラインとマーク、リアリィが休みよ」


「脳筋はまだしも、2人は珍しいな。どうしたんだ?」


「さあ?けど2人とも実家が遠いからちょっと遅れてるんじゃないの?」


「?あいつらの事だから遅れることなんてまず無いんだがな・・・」


「何かあったのか?」


「さあね。事情が分からない以上はどうしようもないもの。それよりライゼンが他人の心配なんて珍しいじゃない?」


「いや?お前や3人に対してじゃない。アレクサスだ」


「俺?」


「ああ。俺も疲れてはいるが、お前は俺より疲れてないか?」


「そう見えるのならそうかもな・・・」


「大丈夫?今日は休む?」


「大丈夫だ。そこまでバカじゃない」


「そう?なら良いけど・・・」


「まあ。本人が良いと言ってるんだ。それ以上の詮索は不要だ。それより学園に行かなくていいのか?」


「そうね。行きましょう?」


「ああ」






「冬休みは何したの?」


「何したの、か」


「?」


「いや、俺とアレクサスはとある事情でやることが山積みだった。その処理に時間が掛かって休みと言う堕落を過ごせれなかった。それだけだ」


「何よそれ・・・。親とか手伝わなかったの?」


「いや。親戚や仲間も手伝ってのそれだからな」


「うわ~・・・。何か察しちゃう。つまるところ家庭内事情という奴ね?」


「そうだ。言っとくが暴力とかではないから安心しろ」


「そこは心配してないわよ」


「そうか。そう言うお前らは?」


「私とアルリンとシェスカは私の屋敷で年越したわ」


「?2人は実家に帰らなかったのか?」


「そうよ。次の帰省は春休みに決めてるの。進級が出来るかどうかが分からないのに、暢気に帰省は出来ないよ。それにこれは私とシェスカ、両方の両親にも話はしてあるわ」


「そうか。それなら良いが、春休みには顔を出しておけよ」


「分かってるわよ。他には、リーグ兄弟とカイナ姉妹は一緒に温泉施設で年越しよ」


「何故温泉に・・・てそうか」


「思い出したか?俺達の親は源泉管理をしていて」


「私達の親は宿を営んでいるのよ。だからお手伝い兼温泉に浸かっていたわ」


「どうだった?やはり温泉だから手伝いは大変だったか?」


「まあな。俺達の場合は源泉の温度や品質を管理しなければならないし、抽出量も管理しなければならないからな。結構大変だった」


「抽出量?何で?」


「水脈の流れとかを見なきゃいけないんだ。それには抽出量の監視が必要不可欠なんだ」


「流れ?水って枯渇しないんだろ?」


「それもそうなんだが、掘り出していくうちに流れが変わる場合があるんだ。実際に一時期源泉が出にくくなっていたから調査したら、水脈の流れが変わっていたんだ。そういうのもあって監視を続けているんだ」


「そんなこともするんだな。意外と色々大変そうだな」


「まあな。それにカイナ達の方がもっと大変だぞ?」


「何で?」


「私達は宿だから、料理やお掃除、宿内管理もしなくちゃいけないからよ」


「そうか。それも確かに大変だな。けどなら何で魔法学園に?てっきり継ぐのかと思ったが」


「いえ。私達ではないわ。私の従兄たちが継ぐことになっているの。だから私達は比較的フリーよ」


「そうかい。なら将来は?」


「ギルド職員になりたいと思っているの。そこで職員として新人を鍛えたいと思っているのよ」


「おお~。そこまでの道のりは大変だが応援するぞ」


「ありがとう~」


「他は?」


「後は皆実家に帰って冬休みを堪能していたわ。ああでもサラ王女は違ったみたいだけど」


「は?俺は知らんぞ?」


「分かってるわよ。何か知らないけど、王城で色々大変だったみたいで・・・」


「何?誘拐とか反乱とか?」


「お国事情と言うのは変わりないけど、どうもそうではないみたいなのよ」


「と言うと?」


「何か事務作業が大変だったみたい」


「?・・・あ」


「何か心当たりがあるの?」


「心当たりではないんだが、なんか他国との会談が大変だというのは聞いたな?」


「あ~、そう言う事ね。それは確かに大変よね・・・」


「まあ、そういうのでも元気ないんじゃないか?」


「そうかもね。それより行きましょう?」


「ああ」





「なあ・・・。サラの元気がないのって・・・」


「十中八九あの件(戦闘)だろうな」


「だよな・・・。けどあれは俺には関係ないぞ?いや関係はあるか。原因を作ったあいつらに言え」


「分かってる。だがそこで声を荒げると怪しまれるぞ?」


「分かってる。後でサラには慰めの言葉を送ろう」


「それがいい」






「皆、明けましておめでとう」


「『おめでとうございます』」


「年明けたからって気を抜くのは今日まで、いや、今がタイムリミットだ。ここからはいつもの通りの日常が始まるからな。気を引き締めてくれよ?」


「『はい』」


「まあ、何人かどうしてそんなに疲れているのか分からん奴もいるが、授業は授業だ。気を引き締めろ」


「『はい』」


「ではまず現状況の階級状況を報告しよう。今のところ13以上は全体の8割を超えている。残りの2割はまだ到達していないが、それでも11以上が残りの割合を占めている。このまま13以上の上がることを期待するぞ。因みにこのまま6学年全生徒が13以上で卒業または進級すれば約50年ぶりの快挙となる。そうなると色々便宜を図ってくれるそうだ」


「『おお~』」


「どんな内容なのですか?」


「授業料免除や就職先の候補が一般生徒より増えるという事だ」


「『おお~』」


「それはそれで良いですね。ですがそんなことをして良いのでしょうか?」


「良いんだ。元々そういう制度がこの学園にはあるしな」


「でしたら何で今までそんな話が上がってこなかったのですか?初めて聞きましたよ?」


「私も」


「不良生徒や家庭の事情などで留年者がいたからな。それで今までお前らの耳に入ることがなかなか無かったそうだ」


「そうなのですね。ですが複雑ですね」


「言いたいことは分かるぞ。不良生徒はともかく、事情があって留年や降級してしまった生徒を差別してないか?という事だよな?」


「はい」


「それは俺も分かるが、制度には明確に全生徒進級または卒業が対象と明記されている以上はどうしようもないんだ。分かるが、諦めてくれ」


「はい・・・」


「まあ、皆でフォローすればいい。では始めるぞ」






「は~!終わった!今日の授業は終わり!ねえゴウリーグ?さっきの先生の話だけど、なんだか複雑な話だよね。事情があって進級か卒業が出来なくて留年してしまって、留年した本人は他生徒を迷惑をかけたつもりはないのに、そのせいで他生徒が恩恵を受けれないなんて」


「まあ、俺も複雑だとは思うさ。けどユレイナよ。制度がそう明記している以上はどうしようもないさ。俺達で変える訳にもいかない」


「それはそうだけど・・・」


「けどなんか嫌だな。そいつだけ除け者扱いにしている感じで。決して悪くないのもあるのに」


「けどダロムも分かってるだろうが、学園も最大限の援助はしているぞ?」


「らしいな。金銭問題なら学園が格安かつ超低金利貸してくれるし、学業問題ならまじめに取り組む生徒に分からないところを一から教えてくれるし、住む場所なら寮があるしな。まあ、流石に家庭内事情はどうしようもないだろうが」


「それでも学園が一体となって援助してくれるところなんてまずないからな。そう言うのもあってそういう制度を入れているかもな」


「ノールドの言う通りかもしれないね。けど逆に言えば真面目に取り組まない生徒や中途半端な生徒は蹴落とすというのもいとわない。そう捉えれない?」


「う~ん。流石にミレンの考えすぎだとは思うけど・・・」


「まあ、それもあるかもしれないね・・・?」


「どうしたルゼ?」


「何か引っかかったか?」


「まさかそれが朝礼であった“何人か疲れている要因に繋がっている”そう思ってるか?」


「それも考えすぎだと思うけど・・・」


「けどそれなら今までならそういった雰囲気を出さなかった奴も、今日は何か知らないけど切羽詰まってる感じがするのも納得というか、辻褄が合うような気がするが・・・」


「まあ、それは俺達が関わることではないと思うぞ」


「そうなの?」


「ああ。向こうからこっちにSOSを出すのなら答えてやるが、これがもし取り越し苦労なら逆に厄介者としても捉えかねんからな」


「ならアレクサス君はこのまま何もしないの?」


「それも頭によぎったが、それはそれで後味が悪いな・・・。ま、まずは俺達風紀委員が聞いてみるさ」


「なら・・・、頼めるかしら?」


「お任せあれ」






「お?終わったか?」


「・・・」


「?」


「アレクサス?」




ス・・・




「おい?」


「アレクサス?」


「どうしたの?」




「ライゼン」


「どうした」


「・・・」


「まさか」


「(コク)」


「「はぁ~~~・・・」」


「え?」


「『2人とも?何でそんなにため息つくんだ?』」


「すまん。小等部での日常を返上する羽目になりそうだ」


「え?」


「ちょ」


「どういう事?」


「「すまんが暫くまた離れる」」


「『え!?』」


「今度は何!?」


「例の生徒たちの問題を解決してくる」


「『え?』」


「どうやって?」


「「・・・」」


「2人とも?」




ス・・・・




「従兄さん。また行くのですか?」


「ああ。既に俺達は13以上はあるから心配いらない。何とか卒業式までには間に合わせる」


「そうか。ならすまんがこいつらを頼む」


「はい」


「ちょ、ちょっと待て!」


「ちょっと!?どこに行くの!?」


「おい!ちょっと待てって!」


「何だ・・・」


「・・・何処かに行く前に教えてくれ。これからどこに行くんだ?」


「さっき話した生徒が抱えた問題を解決してくる」


「ど、どうやって?」


「ちょっと国を離れる」


「『国を離れる!?』」


「む、無理だよ~!?」


「ネルの言う通りよ?」


「一番近い国境まで12時間以上は掛かりますよ?」


「ああ。それでも行ってくる」


「学園は?」


「暫く来れない」


「ああ。この問題はそんじゃそこらの問題では解決しない」


「け、けどどうやって解決するというんだ?」


「そうよ!!どうやって」


「皆さん。従兄さんに任せてみましょう?」


「『サラ王女?』」


首を横に振る「行けますね?」


「ああ。解決してくる」


「そう言う事なので、これ以上は?」


「・・・」


「分かったよ。ならこれ以上は聞かない。だが一つ聞かせてくれ。いつも思うけど、アレクサスとライゼンって、何者?」


「何者?」


「アレクサス。多分こいつらは知らない。あの時はごく一部の風紀委員だけだ」


「そうか。そう言えばそうだったな。ならお前らちょっと来い。ラフ先生。俺とライゼンは明日から暫く学園には登校出来ません」


「どうして?」


「やることが出来ました」


「やること?」


「はい。理由はこれを見せるので、察してください」


「?これって、IDだな?これがどうした?」


「開けてください」


「?お前の個人情報じゃないのか?」


「そうです。ですが開けていただいて構いませんので」


「・・・」


「・・・」


「分かった。失礼して」


「・・・」


「!?は!?嘘だろ!!」


「せ、先生?」


「どうしたんですか?」


「え!?だって、え!?」


「落ち着いてください先生」


「あ、ああ・・・。まさかライゼンも!?」


「察しが良いな。流石先生。俺もこういった事情だ」


「まさかライゼン君も!?」


「いや、俺はこっち(こいつとは別組織)だ」


「・・・」


「先生?」


「大丈夫ですか?」


「あ、ああ」


「これは?」


「・・・」


「構いません」


「見せてやれ」


「・・・こいつらが出したIDだ。見れば分かる」


「・・・は!?」


「『え!?』」


「まあ、そう言う事だから」


「え!?けどお前ら・・・」


「それ以上は言うな」


「あ、ああ・・・」


「まあ、解決に向かう理由はそう言う事だ」


「そ、そう・・・」


「行ってくる」


「先生もこいつらの事、お願いします」


「わ、分かった」


「アレクサス、ライゼン」


「「?」」


「・・・お気を付けて」


「ナタリアもな」


「・・・」






「はあ~・・・まさか最後の最後でこれかよ・・・」


「話を聞いたときは止めてくれと思ったが・・・」


「ああ。俺も流石に夢だと思いたい・・・」


「「はぁ~~・・・」」






・・・・・






「・・・」


「ナタリア?」


「大丈夫か?」


「私は平気ですが、貴方達は?」


「俺は平気だ」


「私もよ」


「そうですか・・・」


「どうした?」


「レラカイナ、ジャリーグ。一つ聞きます。先程のアレクサスが言った言葉ですが、貴方達風紀委員は以前から彼らの事は?」


「・・・」


「ああ。知っていた。だが俺達も知ったのは風紀委員に入ってからだ」


「そうですか・・・。貴方達は彼らがIDを出したとき、どう思いました?」


「・・・率直に言うなら、正直驚いた」


「俺もだ。だがそれ以上に」


「それ以上に?」


「恐怖を感じたんだ」


「恐怖、ですか?」


「ああ」


「何故?」


「お前らも聞いて欲しい。これはあくまでも俺の場合なんだが、俺はあいつらがIDを提示した時、こう思ったんだ“あいつらに今まで言い争ったり失礼なこと”をしたんだ。これが王族とかなら不敬罪に当たる行為を俺は今までしてきたんだ。それで」


「それで恐怖を感じた、そう言う事ね?」


「ああ。お前らも思い出してみろ。今までの事を振り返ってあいつらに失礼事、面倒ごとを押し付けたり罵ってたりとか」


「『・・・』」


「あるだろうな?少なからず最近一緒になったのもあれば入学時から一緒にいるのもいるんだ。そんなのがいきなり強大な組織の所属と言うんだ。信じられると思うか?」


「『・・・』」


「だろうな。俺も当初は夢なら目覚めてくれと思ったさ。だが現実だった。だから俺はちょっと距離を取った。だがな?いつしか気づいたんだ。あいつらもただの人族だという事だ。お前らだってそうだろ?人族獣人魔族妖怪アンデット亡霊魔物悪魔天族神竜人龍神など様々だ。その内の一つの種族でしかないんだ。つまりあいつらも?」


「組織に所属している以前に人族」


「そう言う事だ。俺はそれで気づいたんだ“今後もあいつらの友人でいよう”とな。俺はそうして乗り切った。分かるよな?」


「『(コクコク)』」


「なら後は分かるよな?あいつらとどう接するかは?」






「『俺(私)たち次第』」

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