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日本国 異世界にて最恐で最強の国家となる  作者: altimate
自衛隊 初任務!
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進軍決定

進軍決定






「あの子はかなりの腕の持ち主だ。恐らくは一騎当千レベルだろう」


「俺もそう思うな。あの子の実力ならどこでも適用できるだろ。それで今あの子は?」


「暇だから鍛えてくるそうだ」


「あれだけの実力を持っていながらまだ鍛えるのか。精進は良いことだがあんまり根を積めると彼の成長を阻害しかねないぞ?」


「けどそんな事知った事かと言わんばかりに励んでいるよ?」


「何をどうしたらあそこまで励むことが出来るんだ・・・」


「とても不思議な子よね。だって私達相手にしても動じていないようだし、普通に考えたら大佐の顔とか怖くて泣いてしまうのに」


「おいお前喧嘩売ってるのか?お?」


「そうガンつけないでください。けどそう思うとなんか場慣れしている感じがありませんか?」


「場慣れ?どこでだ?」


「例えば冒険者とか?」


「そう言えば言ってたな。冒険者もやってるとか?」


「あの年で?どこまで凄いやつなんだ・・・」


「さあな。だがあいつのスケールは俺達には計り知れないほどのものを持っている筈だ。何しろ近距離対決であの子は相手の武器を奪ってその武器で喉元に突いてきたからな」


「中距離なんてまさかのいなしだからな。しかも盾もかなりの重工かつ幅広ときた。その気になればあの盾でカウンターも出来ただろうにしなかった。この時点で俺達の負けが決まっているようなものだ」


「遠距離なんて私達では対抗できない手段で来たからね。まさか索敵を交わしつつ近づいてきてちょっと離れたところから炎属性魔法で遠距離から正確に放って来たからね」


「君達の索敵を回避した?信じられないんだが・・・」


「それがあり得るのよ。その元凶があの子なのだからね。私達も驚いたのだけど、あの手合わせの後に聞いたわ。どこで私達の場所が分かったのか?とね」


「そしたら答えがこれよ。姉さんは索敵魔法を発動できるんだけど、その発動した時の波動を感知してエリアを絞っていったらしいわ」


「波動を感知?そんなこと出来るのか?」


「私も不思議に思って姉さんに頼んでみたのよ。一応感知は出来たわ」


「出来たのか?」


「ええ。けど私が関知できたのは本当に人一人は入れるか入れないかくらいの距離で感知出来てそれより後方には感知できなかったわ。つまりあの子の感知能力も桁外れよ」


「ええ。だから私達姉妹の攻撃を避けながら私達の現在地を割り出すなんて並大抵な事ではないわ。あの子はどこかに所属していたのよ」


「あの年で引き受けてくれるところなんてどこにある?」


「けど一番可能性があるとしたらそこじゃないか?姉妹がやられたんだ。それだけでも説得力があるという事だ」


「・・・従軍経歴がある少年か・・・。だが資料として残っているのか?」


「恐らくは無いでしょう。非公式で従軍したと言っても過言ではないかと」


「まあ、とにかく彼の実力はこれで判明したという事だ。異論は?」


「『異議なし』」


「では彼の実力はこの辺にして、彼にはどのポジションに付いてもらおうか」


「・・・オールラウンダーだからな。どこでも行けるとは思う。不足しているところにつかせるというのは?」


「不足ってどこ?言っては何だが、25国の集まった連合軍だぞ?不足はないだろ?」


「不足は無しか。ならどこが一番欲しい?」


「実力ならどこでも申し分なしだから、どこもこぞって欲しがるだろう。だが強いて言えば」


「強いて言えば?」


「あの都市は恐らく密輸とかで光線銃がある筈だ。なら」


「対策として彼に前衛か」


「ああ。我々の鎧は光線銃では対抗できないからな。なら彼にタンクを任せようと思う。あの盾なら光線銃も対応可能だからな」


「ならタンクか。あの子にとっては酷な話であるが、こうなっては仕方あるまいな」


「どうでしょう?特に気にせず引き受けてくれるのでは?」


「そう悠長なこと言うと思うか?」


「案外言うと思うぞ?それに普通のガキなら既に嫌がって場合によっては自害も考える、または実行してもおかしくない筈なのに、自害どころか普通に我々に付いてきている、いや、実力があれだから対抗しているというのが正解か?」


「対抗と言っても敵対ではないので普通についてきているで良いじゃないですか?」


「ならそれで行こう。それで任務開始はいつにするんだ?上からの指示は?」


「特にないそうよ。こっちに一任するそうよ」


「そうか。なら早い方が良い。因みに明日にでも進軍すると言ったらどうする?」


「明日進軍開始してどこまで行くんだ?」


「明日にでも対象都市付近まで接近して、突入前に休養、1~2日後に突入するというのは?」


「急ぎ過ぎないか?とは思ったが」


「不意付いた方が相手の動員に時間を掛からせることが出来る。そう言う事だな?」


「ああ。勿論そう簡単にはいかないのは分かってる。だがこの方が確実だと俺は思う。逆に時間を掛けさせたらいつまで経っても進軍できないし、相手の軍事増強の時間を与えてしまう恐れもある。そうなれば俺達が苦戦を強いられてしまう。ならば明日にでも進軍を開始して、遅くても年越し2日前までに決着をつけたい」


「年末まで残り一週間ちょっとか」


「ああ。それに年末と言うのもあって向こうは休養に備えている筈だ。それを突こうと思う」


「ああなるほどな。確かにほとんどの都市は年末2~3に前から年越し後2~4日後に再開するからな。その分備蓄を備えて買い込んで、それで息抜きをしようとしている。したところでか」


「そう言う事だ。どうだろうか?勿論他の意見もあれば言って構わないし、もっといい案が出たのならそれでもいいと思うが、どうだろうか?」


「俺はそれでいいと思う。気は抜けないが、年末前に家族に会いたいしな」


「私もそれでいいと思うわ。年越し後も戦闘なんて御免だからね」


「よし。では採決を取ろう。今の案で賛成は挙手を」


「『・・・』」


「逆に反対は挙手」


「『・・・』」


「決まりだな」


「ああ。では明日進軍し、都市付近手前で野営、2~3日後に都市へ進軍。これで行くぞ」


「『ああ』」






「おはよう」


「おはようございます。どうしたのですか?」


「?どうしたって何か?」


「顔がなんか変ですよ?」


「??プッ」


「おい。何だ?」


「だって少佐。顔がなんか・・・プッ」


「吹くな!!俺の顔がどうおかしいんだ!?」


「お前らも少佐の顔を見てみろよ。俺はもう・・・くくっ・・・腹を抑えきれない・・・」


「いや・・・俺も無理・・・」


「私も・・・プッ・・・」


「何だって言うんだよ!?」


「少佐。顔のおでこに何か書いてありますよ?」


「なに?イタズラされたか?」


「イタズラかどうかは分かりませんが、一旦長めに顔を洗った方が良いですよ?」


「そうか。なら行ってくる」


「しかし君はよく笑わなかったね。耐えていたの?」


「いえそういう訳ではありません。ただ単に誰かにやられたんだな~。多分就寝して暫く経ったときにやられたんだな~、と感心してました」


「そこ感心するような事~?」


「ま、そう思ってください」


「は~笑った笑った。しかし君は何と言うか、冷静と言うか、無表情と言うか。さっきもそうだったが少佐の顔を見て全員笑いを堪えて、いや何人か吹き出してしまったが、よく表情筋を動かさずにできたな?」


「?これでも普通に動かしていると思いますが?」


「それが普通とは言わないんだが。まあいいや。君は娯楽とかどうしてるんだ?」


「娯楽ですか?」


「ああ何でも良いぞ。誰かと遊ぶとか、釣りとか、男遊び女遊びとか」


「こら~?この子は学生よ?普通に考えて女遊びはしないと思うよ~?ごめんね~?この爺さんはアホだから」


「誰が爺さんだこら!?」


「アホは否定しないのね?」


「アホであることに偽りはないからな~。ガハハハハ!!」


「ガハハじゃないだろうに・・・」


「そうですね。まあ、その質問に答えるとしたら、自分は娯楽という娯楽はしないですね」


「『え?』」


「え?遊ばないの?誰とも?」


「誰とも遊ばないですね」


「学園の皆とは?」


「自分はご存じの通り小6ですが、この卒業であの学園から去るのは決まっていますので、今更誰かと遊ぶ気にはなれないですね」


「小学生で卒業するのか!?次の中学は!?」


「いえ。このまま小卒で行きますよ」


「『え!?』」


「ちょ、ちょっと待て!!何か将来の夢とかないのか!?先生とか研究者とか役所とか!!ある筈だぞ!?」


「申し訳ないですが、無いですね」


「『・・・』」


「どうしたのですか?今帰ってきた少佐含めて。自分は特に変なことは言っていませんが?」


「あ、いや、その・・・」


「?」


「いや、何でもない。それより君はこれからどこに?」


「飯前の運動です。軽くランニングしてきます」


「そ、そうか。頑張れよ」


「はい」






「え?本当に言ってるのあの子?」


「あの様子だと本気の様だな」


「友人とかいないのかな?流石に悲しいよ・・・」


「いや。友人はいるし実際に交流もしている。ただ」


「ただなんだ?」


「俺の同期が教えてくれたんだが、友人と放課後に遊んでいる姿を見たことないそうだ」


「『・・・』」


「貴族の息子や娘でも遊戯やお茶会を開いたりしてストレスを発散しているのに、まさか本当に」


「なんか色々と謎の子よね。どこであんな実力を付けたのもそうだし」


「ああ。何故あんなに無表情でいられるのか。まるで俺達の事に関心を持っていないみたいだし」


「友人と遊戯した姿もない。こう謎を知れば知るほど謎が多くなる子というかなんというか」


「ちょっと悲しいし色々危なっかしい子かも・・・。私はちょっと心配」


「分かるわ。普通あの子の子供と言ったら、親に甘えたり仲間と遊んだりして成長するもの。逆に私達と関わったらどんなに強い男の子でも泣き出す、下手すれば二度と仲間と会えない、親に会えない、死んでしまう可能性もあるのに、まるでその運命を受け入れているように見えるのよね」


「まあ勿論俺達が赤の他人で軍人とはいえ、普通に考えたらもう既に話しやすい相手に話し込んでも良い筈なのにそれもないし」


「上官のあのイタズラされた顔にも無表情で突き通してましたからね。少佐、顔は大丈夫ですか?」


「ああ。もう平気だ。俺に恥かかせたんだ。その屈辱は必ず何倍にもして返してやる!けどそれは置いといて、色々接し方に困る子だな」


「はい。一応今日から進軍を開始しますが、あの子はそれでも」


「普通に受け入れて俺達について行くだけだろうな。まあ一応聞いてみるか」


「そうだな」






「ちょっと良いか?」


「何でしょうか?」


「実は昨日の夜中に確定したんだが、今日から進軍を開始する」


「進軍という事はあの都市に向けて出発するのですね?」


「ああ。だから君も一緒に付いて行くことになっている」


「分かってます。いつ出発ですか?」


「恐らく飯後暫くしたらだな」


「そうですか。では軽く汗を流した後に出発に同行するとしましょう」


「あ、ああ。それともう一つ、君の役割が決まったぞ」


「そうですか。予想して良いですか?」


「ああ」


「大方タンクでは?」


「『!?』」


「やはりタンクになりましたか」


「確証はあったのか?」


「あの盾を見せた時に皆さんの視線は自分と盾に向いていました。そこから察するのは容易に想像出来ましょう」


「あ、ああその通りだ」


「そして自分はタンクなので前衛、それも最前衛のポジションではないですか?」


「・・・そこも分かるか・・・。異論は?」


「そんなの無いです」


「・・・」


「どうしたのですか?」


「なぜ、お前は子供なのに命を投げ出すことに躊躇いが無いんだ?」


「何故、ですか?」


「ああ。君はまだ子供だ。遊びたい年頃なのに何故反論しない?」


「では逆に聞きます。命を投げ出すことに躊躇いはありませんが、貴方方は?」


「俺達もない。まあ中には躊躇いはあるだろうが、国に忠誠を誓っている以上はそれも本望だと俺は思っている。だが君は子供だ。何回も言うが君は子供だ」


「心配してくれるのですか?」


「ああ。正直に言えば心配だ。物凄くな。上に人情が無くても俺達に人情はある。だからこれも言わせてくれ『出来れば参加しないでくれ』」


「その心配はありがたいですが、自分は同行しますよ」


「『!!』」


「な、何故俺達の忠告を無視する?」


「そうですね。強いて言えば、貴方達や上の方の命令で動くのではなく、俺自身、自分の意思で貴方方に同行します。ただこれだけです」


「それは・・・、いろいろ諸刃の剣では?」


「そうでしょうね。こんなこと、鋼の精神じゃないと心が壊れていくでしょう。ですがこれは本当に自分の意思で向かいます。文句を言いたいのでしたらあなた方の王様たちに言って下さい」


「・・・そこまでお前の意思は強いのだな?仮にあの場所で命が散っても」


「その覚悟も既にあります。というか置いてきました」


「分かった。これ以上は何も言わない。だがこれだけは言わせて欲しい。死ぬな。死ぬのは俺達だけで良い。そして文句は勿論あのバカたちにしっかりと言っておく。これ以上は好き勝手にさせない。これは俺の意思だ」


「そうですか。その意思を尊重しますよ」


「ああ」


「ごめんね・・・。私達の王が・・・」


「謝ることは無いです。どうしてもというなら」


「分かってるわ。あの王たちに直談判、いや糾弾するわ。これは私の意思、いえ、私達全員の意思で行くわ!」


「でしたらまずはやるべきことをやりましょう?」


「お前に言われなくとも分かっとるわい!!」


「君はまだ子供よ?そんなことは考えなくても良いの~」


「分かりました。ではお願いします」

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