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日本国 異世界にて最恐で最強の国家となる  作者: altimate
自衛隊 初任務!
201/261

接触

タイトル訂正し忘れました。


失礼いたしました

接触






「あれから1ヵ月。流石に絞られてきたか」


「流石にな。男子風紀委員というだけでかなり絞られたはずだ。そろそろ向こうも本腰上げるだろうよ」


「出来れば接触は避けたいんだがな・・・」


「それは無理な話だろ。多分だが、相手はお前を見つけるまで探し続けるぞ」


「面倒だな・・・しかしつくづく思うけど、あいつらの目的は俺として、その後は?」


「さあ?少なくとも何かしらの事はされるだろうよ。少なくともあの都市の壊滅に参加させられるだろうよ」


「それなら俺達だけであの都市を潰すというのは?」


「良い案ではないが、それは最終手段だろう。それに勝手にやって良いものなのかもどうか怪しいしな」


「それは今更だろ。今までいろんなことに首を突っ込んでるんだからな」


「まあな。だがマジでどうするんだ?もう直ぐで年末だぞ?」


「・・・こうなったらもう痺れ切らしたからこっちから接触するのは?」


「・・・得策ではないが、このままというのもな」


「ああ。ただ今ではない。一週間後で俺を見つけられなければ俺から接触する。それでどうだ?」


「まあ、それで行こう。それにそれくらいで決着をつけないとそろそろ俺達のお仲間さんに危害を加えそうだしな」


「だな」






・・・・・






「まだ見つけられないのか?」


「はい。昨日も特定に勤しんでいましたが、現地の方からの情報が芳しくありません。もっと特徴を絞り込まないと正直特定が難しく、下手すれば見つけられずに年度末を迎えてしまう事も・・・」


「それだけは避けたいわね・・・。ねえ?本当にこれ以上は絞り込めないの?」


「・・・これ以上は何もない。俺もこの足で色んな聞き込みに回ったのだが、誰も知らないそうだ」


「王自ら公務で聞き込みしてもダメか・・・」


「それに何人か言ってたんだが『それだけの実力があれば既に保有してるか、勧誘または敵対として直ぐに情報が上がる筈です』と正論もかまされたしな」


「まさにその通りだな」


「手あたり次第やってそれか?」


「ああ。一応ラーズベルト王にも協力してもらって魔法学園周辺の聞き込みをしたんだが、それでも手ぶらで帰る羽目になってしまっている」


「となると本当に情報が無いのね・・・。完全に手詰まりだわ」


「だがいつまでもこのままという訳にもいかないだろ。こうしている間もあの都市は何かしでかす気だぞ?」


「まあ、勿論それに関しては我々も含めて着実に進めている。その内我々臨時同盟も含めてあの都市に攻め込むさ。だが出来ればあの実力者も味方につけたい。更に言えば我々臨時同盟も含めて手中に収めたい」


「ああ。それだけ実力があれば他国に対して牽制も可能だろう。だからこそ今は」


「あの子を見つけるのが先決ですね」


「そうだ。取り敢えず俺達も掴めるだけ掴んでみるが、期待はしないでくれ」


「分かりました」






・・・・・






「一昨日、一応途中経過として城に向かって報告したが、やはり向こうもこれ以上は分からないそうだ」


「そうか。まあこれ以上の情報は向こうもないのは分かりきっていたしな。ところでターゲット特定後はどうすると聞いたか?」


「ああ。その子を連れてきて例の都市の戦闘に組み込む気らしい」


「!まだ学生だぞ!?それは幾ら何でも人道を外さないか!?」


「俺も耳を疑ったが、どうやら正気らしい。勿論単独ではなく臨時同盟の軍隊の中に組み込むという予定らしいが」


「その意見には正直賛同できないな・・・。例えばターゲットが高等以上ならまだ良いが、これがもし中等以下ならどうする気だ!?」


「恐らくは同じだろう」


「・・・」


「ねえ。流石にそれは私達も看過できないよ?幾ら上の命令だとしてもそれはダメだと思うよ?」


「けどこれが上からの命令なら、俺達は逆らう事は出来ないんだ。探せと言われたら探すしかないし、連れて来いと言われたら連れて行くしかない。それが俺達の宿命なんだよ」


「ですがこのままというのも・・・」


「勿論いかないのは俺も分かってる。だから今こうして報告している。これからどうするのかをお前らにも聞きたい」



「『・・・』」


「俺としてはこのまま特定に勤しむ。だが接触で来た時にそいつに警告する『近づくな』とな」


「・・・今はそれしかないか。俺達は任務に就いている以上逆らう事は出来ない。なら俺達に出来ることをするしかない」


「そうね。警告くらいは別に構わないでしょう」


「・・・」


「どうした?」


「・・・いえ。ただ・・・」


「どうした?何か引っかかるのか?」


「はい」


「何だ?言ってみろ。この場には俺達しかいない。遠慮はいらないぞ」


「でしたらここだけの話にしてください」


「・・・分かった」


「あくまでも私の感覚で言います。何か私達は踏み込んではいけない領地に入っているのでは?と思えてならないのです」


「踏み込んではいけない領地?」


「どういう事?意味が分からんぞ?」


「ですからこれは私個人の感覚です。まずただの学生が敵集団に打ち勝つなんて、その時点でおかしいのです。だってこの時点で勝てるという事は一人だけで私達に打ち勝つ実力を持っている。それは分かってますよね?」


「ああ。それは資料を受け取ったときに分かった」


「それにそれが連合同盟の目に留まるのも正直分からないのです。もしかしたらただの子供を重要参考人に仕立て上げているのではないですか?」


「『・・・』」


「そこは、何とも言えんな・・・」


「だがこれを容疑者と仮定したら、容疑者を戦場に送り込む行為は、別に珍しくないな」


「はい。ですが今のは仮定なので。ですがその感覚が拭えないのです。私達は変な意味では誘拐犯ではないか?そう思うのです」


「考えすぎ、とは言えないな・・・」


「そうだね。今は特定だけだけど、強制的に連れて来いと言われたらそれはもう誘拐だものね」


「はい。それともう一つ」


「まだあるのか?」


「はい。個人的にはこれが一番大きいかと」


「それは?」


「私達が探し始めてかれこれ間もなく2ヵ月が経とうとしています。ですがこれといった情報がない。この時点でおかしくないですか?」


「『?』」


「どういう事?」


「これが用心深い大人とか、護衛だらけの方などでしたら少なからず動きがある筈です。例えば警備強化や周りを見渡す仕草をするとか」


「普通そうだ」


「ですが今回は相手はもしかしたら子供。そんな子供に警戒とかって分かるものなのですか?」


「『あ』」


「勿論これが高等部以上でしかも貴族や権力者の血筋とかでしたらまだ説明がつきます。ですが今回のターゲットは恐らくは権力者とかではない筈です」


「確かにな。それだけの実力者なら既に王たちと同様に、主に仕えて、その主から離れることはまずない。クラスの違いはあれど、それでも警戒を怠らない。それは大人でも同じ」


「はい。それでも当の主が実力者でしたら誰も護衛につかない。それも分かりますが、少なくともその実力に惚れる、または畏怖としてその周辺が極端に偏る筈です」


「そうだな。惚れたらその周辺に人混みが出来るし、逆なら周辺は変な空気またはそこだけ穴が出来たように避ける。けど」


「ああ。それは無かったな。学園と言うのも変に極端なところはあるからな」


「そうです。いくつかの例を上げるとすると、貴族や権力者の血筋ならその力を惜しみなく発揮するはずです。発揮しなくてもその容姿、雰囲気などで分かってしまうものです。

一般的な方でも例えば勉学に優れている、運動神経に優れているとかでしたらその力を共有、または独占したがるものです。

僻地なところの出身者でも自分の力がどこまで通用するかどうかを試す場所でもあるのです。ですのでこういう場合は競争とかをしたがるはずなのです。

勿論今言ったことに例外は多数ありますが、普通はこんな感じでしょう。ですが今回のターゲットは?」


「そのどれにも当てはまらない。確かにこれは・・・」


「ええ。私達も言いたいことは分かったよ。これは確かに怖いね。隠密専門部隊の私達が何も知らない、何も掴めないという恐怖を」


「だがこれでより一層特定しやすくなったんじゃないか?」


「逆に言えばそうだな。彼女の助言に感謝だな。だが」


「はい。お分かりでしょうが、変に踏み込むと私達が喰われてしまいます。そこだけは注意が必要です」


「分かった。取り敢えず再度確認だ。ターゲットは男子風紀委員。今まではここまでだったが、未確定だが追加すると、項目は、恐らく中等以下、権力者などの血筋ではない、良くも悪くも平等、そして見た目は普通でも中身は恐ろしい存在、恐らくは実力を隠している。この項目を追加とする。大体わかったか?」


「『おう』」


「この項目を元に探してくれ。そして特定出来たらまずは何もせずに我々全員に報告してくれ。その後は考える。これで行くが、異論は?」


「『なし』」


「よし」






・・・・・






「という事らしい。どうやら隠密部隊はまだ良い方らしい」


「反対に国王はまるっきりダメか・・・。まあ、叔父さんがまだ俺に気づいていないのがちょっと痛いがな」


「?何で?」


「俺とラーズベルト王は叔父甥関係なんだ。まあ、今回の功労者が俺と気づけば自ずと手を引くだろう」


「そうなのか。因みにお前が自衛官と言うのは?」


「家族関係も含めて全部知ってる」


「そうか。ならラーズベルト王国の諜報員は分かるんじゃないか?」


「いや、今のところ顔に身に覚えがない。恐らく別部隊だろう」


「そうか。一応俺からの提案があるんだが」


「お前の言いたい事は分かってる。ラーズベルト王国の隠密部隊と初めは接触して俺が当事者であることを明かすんだろ?」


「その方が楽じゃないか?それに直接接触したところであいつらはお前をどうにかしようとは考えてないんだしさ」


「トラップの可能性も否めないが、まあ一応接触してみよう」


「トラップ?言い方は悪いが、あいつらはそこまで知能は働かないだろ。何しろこのお前に警告を促すあたり、俺らがこっそり傍聴しているのも気づいていないだろうしな。それにトラップなら既に発動、またはその案が出てもおかしくない筈だ」


「分かってる。一応念のためさ。それはさておき、取り敢えず明日で一週間だから軽くラーズベルト、いやあの諜報全員に接触してみるか」


「お?いきなりかますのか?」


「何をかますのに言ってもいないのに分かるか?お前に」


「お前と組んでどれくらい経つと思ってるんだよ?それくらいは分かるさ」


「ほう?なら言ってみろ」


「どうせ、あの場所に土足で入るんだろ?それかまずは外堀を埋める意味でラーズベルトの諜報員から接触するのか、はたまた両方か?」


「流石だな。なんかお前とは死ぬまでパートナーを組まされそうだな」


「それはそれで良いじゃないか。一生の仕事仲間として」


「俺としてはたまには息抜きとして別パートナーと組みたいが・・・」


「言いたいことは分かるぞ。別パートナーだと背中を預けれないんだろ?」


「ああ。ま、これもあいつらの言うような宿命という事で」


「ま、頑張ってこい。支援は勿論出来る限りしておく」


「頼むぞ」






・・・・・





「あの~先生?」


「?はい。何かな?どこのクラス?」


「小等部6年風紀委員です。誰かお探しですか?」


「そうね。探していると言えば探しているわね。けどそれがどうしたの?」


「こんな裏に人なんて、それも()()()()()()()()で来る場所じゃないですよ?」


「『!?』」


「え?8人?な、何言ってるの?ここには君と私の8人しかいないわよ?」


「いや、8人いますよね?例えばこの石を木の上の枝に向けて投げます。同じようにあそこの壁に向かって投げます」




ピュ!!ピュ!!


・・・痛!!




「あれ~?何で声がするのかな?」


「な、何ででしょうね?私には分からないわ~」


「そうですか。でしたら魔法で打つのはどうでしょう~?例えばこの炎の玉で・・・」


「ま、待って!!」


「?何を待つのですか?別に人は俺と先生しかいないのですよね?でしたらさっきの場所に投げても問題ないですよね?」


「・・・」


「では投げてみましょう・・・」


「わ、分かった!!降参よ!!!」


「降参?どういう事ですか?」


「・・・人は・・・、居るわ。だから投げないで。ね?」


「分かりました。では止めておきましょう」




シュ~~~・・・




「それで?何でこんなことをしたの?」


「(キョロキョロ)」


「?」


「今一度確認しますが、この場には俺と先生、それと先生を含めた8人が居ますよね?」


「さあ?どうかしら?」


「ではこの炎の玉であぶり出してみましょう。さっきの2人は除いて、残り5人はさっきの壁から左に3ノウ離れたところに一人、俺の右後ろの木の幹に一人、その上に一人、右に向いて校舎の渡り廊下の柱に一人、貴女の後ろの肖像画の土台に擬態し隠れた一人、ここに炎の玉を当てても問題ないですよね?」


「・・・」


「では、参りましょう」


「わ、分かったわ・・・。今呼ぶから何もしないで?」


「はい。勿論ですよ?あ、俺を捕縛はしないでくださいね。しようとする仕草を発見次第即座に対抗しますので」


「わ、分かったわ。という事で出てきて頂戴!!」


「『・・・』」




ゾロゾロ・・・




「けど何で・・・」




ガシ!!!ドン!!!




「こうも言ったことを裏切って俺を捕縛しようと思ったのかな・・・」


「『!?』」


「クソ・・・」


「ご、ごめんね!!そんな気は・・・」


「捕縛しようとしたんだ。それ相応の事を俺もしよう。では参る・・・!」




ヒュン!!!




「ま、待って!!」




スッ・・・




「寸止めしましたよ。それで?」


「あ、謝るわ・・・。ごめんなさい」


「・・・」


「ほら貴女も!!」


「・・・」


「早くして!殺されたかもしれないのよ!!」


「も、申し訳なかった・・・」


「良いでしょう」




スッ・・・




「『ふう~~・・・』」


「すいませんね。やられた以上は仕返しをしないと気が済まないので」


「こっちこそ申し訳なかったわ・・・」


「構いません。それで本題に入ろうと思います」


「そうね。それで私達にどうして近づいたの?多分私達の正体も・・・」


「そうですね。把握しています。今この場にいる8人全員とある国所属の諜報員または隠密部隊であることを」


「やっぱり分かってしまうよね。それで?私達をどうする気なの?学園に通達するの?」


「いえ。それは止めておきましょう。貴方方の目的も俺は存じ上げてますから」


「『!?』」


「え!?分かるの!?まさか情報が漏れたの!?」


「いえ。漏洩はしていませんからご安心を」


「で、でも・・・」


「動揺するのも無理はないです。何しろ逆に俺が貴方達を調査していましたから。貴方達の目的はとある生徒“昨年の初夏頃に発生した侵入者の敵集団の壊滅した男子風紀委員の特定”というのを」


「『!?』」


「ど、どこでその情報を!?」


「先程申しましたよ。俺が貴方方を調査していたのです」


「け、けど・・・」


「待て。という事はまさか・・・」


「あら?こちらの方は察しが良いですね。そうです。俺がその対象者なのです。どうぞよろしくお願いいたします」


「『!?』」


「まさかここで直接向こうから来るとは・・・」


「思いませんでしたか?ま、こういう事もあるのが世の中ですから。さて、詳しい話は後程」


「あ、ああ・・・。ま、待て!!」


「放課後に北門でお待ちしています。その方角に貴方達の隠れ家があるのも俺は知っています。なら近い方が良いですよね?」


「『・・・』」


「では」






・・・・・






「何だあの少年は・・・」


「けどまさかここで特定できたとは、これは好都合よ。ねね、この事を他の部隊に伝えてくれるかしら?」


「分かった。各自に報告しよう。取り敢えず別部隊はどうする?」


「そうだな・・・。急遽先生が一斉にいなくなっても逆に不審がられると思うから、放課後まではいつも通りで行こう。放課後になったら真っ先に隠れ家に向かえと伝えてくれるか?」


「分かった。では」


「はい」

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