表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日本国 異世界にて最恐で最強の国家となる  作者: altimate
自衛隊 初任務!
192/261

友情

友情






「中止・・・」


「だってそうだろ?学園のあるラーズベルト王国ならまだしも、ここはお隣のユロルゴ神聖国だ。当然ながら治安も違ってくる。この二国は両国とも治安はこの星ではかなり良い。だがそれとこれは別だ。今回の件も一括りで言えば今後の治安に関わってくる。悪化する可能性がある場所で長居は厳禁だろ」


「しかもこんな大規模な海賊が俺達に襲撃してくると考えると・・・」


「そんな・・・」

「せっかく楽しみにしてたのに・・・」


「誠に申し訳ないことをした。この償いをさせてくれないか?」


「会長さんよ。言うのは簡単だ。だがあんたの部下がお前らを売ったんだ。そんな奴の償いなんてたかが知れている。そこのところはどうなんだ?」


「・・・」


「ま、それとこれは別にして、修学旅行は別に再開しても良いんじゃないか?」


「ライゼン?」


「どういう事?」


「今回は情報が漏れていたとはいえ、民間に漏れていたんだ。国とか公共ではない。このアホらの後処理はこの馬鹿らに任せて俺達は純粋に修学旅行を楽しめばいい。それで良いんじゃないか?」


「簡単に言うけど・・・」


「ならこのまま切り上げるか?俺としては正直切り上げても切り上げなくてもどっちでもいい。それはアレクサスも一緒だろ」


「まあな。だが本音としては小等部で卒業する可能性がある以上、今出来ることを楽しみたい。それが俺としての本音だ」


「『今できることを楽しむ』」


「ああ。考えてもみろ。小等部でも卒業するのもいるんだ。そして卒業したら各自将来に向けて歩むんだ。もしかしたらこれが今生の別れだってあり得るんだ」


「『!!』」


「なら今できることをやりたい。俺としてはそれを願う。あとはお前ら次第だ」


「『・・・』」






「その様子だと判断着いたな?」


「ああ。確かに二度と会えない可能性があるのなら今思い出を作ろう。な!」


「『おお!!』」


「という事で会長。俺達は引き続き修学旅行を楽しんでまいります」


「言っとくが許したわけでは無い。帰りは別会社も検討するからな。それが嫌なら死ぬ気でこの問題に取り組め。もう一度言うが許したわけでは無いからな」


「・・・ああ。その問題を解決するのも上司の仕事だ・・・。これ以上信頼を失墜させてはならない。暫く時間をくれ。この問題を根本的に解決すると誓おう」


「娘のメンタルケアは俺達に任せろ。時には親から離れて思考するのも良いだろう」


「・・・頼む・・・」


「頭を下げるほどか?まあいい。行くぞ。先生。引率」


「・・・」


「分かりました。では会長。これにて。ライゼンはもうちょい目上に対しての態度をだな・・・」


「ミスは誰にでも起きる。小さなミスでもだ。それを即座に対処するのが俺達の仕事であり、それが思いやりってもんだ。けどあのロンボー海運はそれが見受けられない。だから買収されるんじゃないか?と俺は思ってる。そんな奴に上もあるかよ」


「辛辣だな~」






・・・・・






「聞いたか?」


「ええ。ハッキリと」


「あの子供ですらああいった印象になってしまったんだ。そこから起死回生なんて考えない方が良いな」


「はい。下手なことをするとそれこそ今後の未来に影響してしまいます」


「そうだ。ここから這い上がるのは容易ではない。下手すれば茨の道でもある。けどそれを乗り越えないと未来は無い。ついてこれるか?」


「会長、いえ、ロンボー海運の一員としてついてまいります。会長は一人ではありません。何かあれば私達もついてます」


「・・・すまん。頼む・・・」


「『はい!』」


「アレクサスとライゼンか・・・。あいつらには日を改めて謝罪と感謝を述べよう」






・・・・・






「アレクサスとライゼン。ありがとう。お父様の会社にチャンスをくれて」


「別に。俺達は何もしてないさ」


「腐ったところから排除。それはどこも一緒だろ」


「それでもです。実際に何もしてない訳では無いですよね。もし本当にどうでも良いんでしたら襲撃された時に排除してます。それを未然に防いでいます。それに辛辣な言葉を並べていましたが、それと同時にチャンスを伺っているように見えました。それがあるだけでも十分なのに」


「「その先はあいつら次第だ。それ以上は語るな」」


「私に対しても辛辣ですね~・・・」


「俺は辛辣ではないぞ?辛辣なのはライゼンだ」


「そうか?まあ、そうだろうな」


「否定しないのですね。ですがありがとうございます」


「それよりナタリアはどうなんだ?」


「私ですか?」


「そう。君。親の会社を守りたいのは分かる。けどあんた自身は?あんたの意思はどうなんだ?」


「意思ですか?そんなの・・・」


「父親の会社を継ぎたい。それは分かってる」


「では?」


「今だ。今は何がしたい?」


「今ですか・・・」


「それが見えてこない。それが無くて修学旅行に参加しても誰も楽しまないぞ?」


「そんなことは、無いのですが・・・」


「これは俺達全員思ってることだ」


「そんな・・・。全員?」


「そうだ。お前さんの女友達も思ってることだ。さっきから落ち込んでるのが見え見えだとよ」


「・・・」


「ほら言葉が出てこないという事は図星じゃないか。ほれ。お前らも」


「そうだよ。さっきからナタリア、全然笑ってないんだもん」


「そんなことは・・・」


「あるさ。今さっきから作り笑いしかしてない。愛想笑いと言えばいいのか?」


「そうだね。さっきからナタリアから笑顔が消えてるんだもん」


「いつものナタリアならもっと笑ってくれて見せ合いとかもしてくれるのに、さっきから私達に遠慮してる感じだもん」


「男の俺が言うのも何だが、お前さっきから純粋に楽しんでないんじゃないか?」


「俺もそう思うな。もっとこう、はしゃいでいる感じが妙によそよそしいんだ」


「・・・」


「これでも分からんか?」


「そうですね・・・。さっきから私は貴方達に罪悪感を感じて行動していました。子供の私が何が出来るとか、そういったのを・・・」


「子供の私か・・・」


「だって!私の父の会社が不祥事を起こしたんですよ!?しかも貴方方の命を狙って・・・。その後に楽しもうなんて・・・」




バチーーーーーーン!!!




「え?」


「なに言ってるの!?」


「そうよ!!楽しもうなんて!?そんなセリフを言わないで!!」


「ナタリア。君はこの事件が起きる前まではどうだったかしら?」


「それは・・・、皆と行動プランを立てて当日を楽しみにしていました・・・」


「今は?」


「・・・」


「楽しめないよね。けどね?せっかく立てたプランを台無しには出来ないわよ?」


「え?」


「だってそうでしょう?このプランはナタリアを含めて立てたんだよ?発案者がいなくてどうする?」


「・・・」


「それに発案者がいないと私達はどう楽しんだらいいか分からないわ。だってこの店だってナタリアが推してくれたんだもん。ナタリアがいないとダメなんじゃないかな?」


「・・・私がいないと・・・」


「あともう一つあるよ。ナタリア自身が楽しめない。それは良いとしてナタリアがいないとボク達も楽しめなくなっちゃうのよ?」


「あ・・・」


「気づいた?この修学旅行はみんながいて成立するのよ。一人でも欠けるとダメなんだ」


「私がいないと・・・」


「そうよ。だから今はこのひと時を楽しもう?」


「・・・ぐすん・・・。私がいても良いのですか・・・?」


「『勿論さ~』」


「・・・では・・・ぐすん・・・お願いします」


「『よし来た』」


「ならまずは涙拭け。可愛い顔が台無しだぞ?」


「・・・はい・・・」


「あ~~。なんかカイルとナタリア。二人良い雰囲気~?」


「あ~~」


「・・・」


「ほら~言っちゃいなよ~」


「えっと・・・。その・・・」


「カイル。ここは私が。カイル。私は貴方の包容力に惚れました。初めは相談がてら色々とお聞きしましたが、段々それが恋心に変わっていくのは時間の問題でした。今私は貴方に恋慕を抱いています。お返事を頂けますか?」


「『カイル?』」


「ナタリア。確かに君からの視線には正直気づいていた。けど初めは分からなかったが段々俺も分かって来たんだ『あ、まさか・・・』とな。そして今こうして君の口から聞いて決心した。君と一緒に歩みたい。そう思えたのは君が初めてだ。これだけの言葉があれば後はいらないかな。ナタリア。この気持ちを受け取っていただけますか?」


「・・・はい・・・不束者ですが、よろしくお願いします」


「『おお~~』」

「『ヒュヒュ~~』」


「まさかこの状況でカップルが誕生するとはな・・・」


「だね。けど初めは従兄さんに告白してなかった?小2か3の時に」


「していました。ですが見事に玉砕されました。私の一目惚れかつ初恋が砕かれた瞬間でしたよ」


「『・・・』」


「それを俺に向けるな。あの時もそうだったが、一目惚れされて“はい。お願いします”なんて言えるわけないだろ。いや、100%ない訳では無いが、普通は返答に困るだろ」


「『それはまあ・・・』」


「だから単純に振った訳だ。それにその時はお互い何も知らない状況で告白されたんだぞ?暫く経って相手の特徴とかを掴んでいるならまだしも、初対面早々告白だからな。お前らだって急に見ず知らずの相手から愛の告白されたらどうするんだ?」


「俺はちょっと困るな」

「俺も急にはな・・・」

「私も初めはキョトンとするかも」

「あたしも同じね」


「だからさ。急には困るから“すまん”と断ったんだそれに今でも告白されているのはお前らも知ってるだろ。こっちの気にもなってくれ」


「そう言えば上級生下級生問わずみんな振ってるよね?何で?単純に興味がないとか?」


「いや。興味自体はある。ただ実感が湧かん。目の前でカップルが成立しても正直分からん」


「実感が湧かないのは横に置いといて。他には?興味があるなら良いんじゃない?」


「いや、それとこれは別さ。それに嫌でも追々分かるさ」


「そう。でもアレクサスが振ってくれたお陰で今はこうして目の前にカップルが誕生した訳だし、結果オーライかしら?」


「それは知らんが、あの二人が幸せならそうなんじゃないか?」


「そうだね。今は祝おうか」






「『おめでとう!!』」


「「ありがとう(ございます)」」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ