修学旅行の始まり
修学旅行の始まり
「さてと。出発したな。今回の全行程はどのようなスケジュールだっけ?」
「今日から2~3日で港町に向かい、2日かけて船で隣国に向かい、そこで5日間の滞在、その後は行きと同じ行程で戻ってくるスケジュールになっているな」
「という事は全行程半月のスケジュールになっているんだな。結構長い行程なんだな」
「そうみたいだな。取り敢えずは途中野宿しながら港町に向かうところからだな」
「長いな・・・。その間は当然何も出来ないんだろ?」
「まあそうだな。これだけ狭いと特訓とか出来なさそうだしな。案外寝るだけかもしれんな」
「2~3日を寝るだけか・・・」
「多分そうなるでしょ?この道中で基礎能力を上げる特訓とかしたくないもん。それにこれは修学旅行だからそんなの不要でしょ?」
「そうだな。なら寝るか?」
「どうぞお好きに」
「そう言えばアレクサスとライゼンは?」
「既に寝ているぞ」
「え、速くない!?まだ出発して10分だよ?」
「何か行程日数を言ったら『寝る』と言ってそのまま寝てしまったぞ」
「え~・・・。まさかこのまま起きない気じゃ・・・」
「それは無理だろ。流石にトイレとか飯の時は起きるだろ」
「そうだね。けど乗り込んで直ぐに寝るとか、どれだけ楽しみだったのよ・・・」
「楽しみ?俺にはただ単に寝不足に見えたけどな」
「寝不足?何で?」
「それは知らん。けど少なくとも修学旅行に対する興奮ではなさそうだ。こうなんというか、楽しみな人ってウキウキとか、顔に出たりするだろ?けどあの二人は?」
「そう言われるとそうだね。こう『ついに当日だ!』みたいなのはなかったわね。まあだからと言ってつまらないとかではないと思うけどね」
「それは流石にな。あの二人だって息抜きは大事だしな」
「まあ、どちらにしろ今は寝かせましょう。ならオーユも今のうちに寝ておく?」
「メルカイナは?」
「私は起きておくわ。どうも私は昔から移動中は寝られないタイプなのよ」
「そうか。なら俺は寝るわ。暇すぎるからな。けどお前もいつでも寝て良いからな」
「は~い」
「今どこだ・・・」
「お?起きたかアレクサス」
「ああ。それで?」
「間もなく1日目が終了するところだ。そこで今日は野宿だ」
「飯食ったら就寝だろうが、夜番は誰だ?」
「夜番は国王の護衛よ。だってこの学年には盗賊からは絶好のカモの王女様とかいるんだもの。それくらいないと」
「そうか。生徒は参加できるのか?」
「夜番にか?それは、出来ると思うがそんなのしたい奴なんていないと思うぞ?」
「いるだろ?目の前に」
「・・・まさか・・・」
「そのまさかだ」
「・・・アレクサスよ・・・」
「俺だけじゃないぞ。ライゼンもその気だ」
「・・・訂正する。二人とも。これは修学旅行だぞ?今だけは任務とかは忘れろよ。幾ら風紀委員で責任があるとは言っても、今は外だからよ」
「そうよ。そこまですることは無いのよ?」
「・・・」
「言っても無駄みたいだ。分かったよ」
「すまんな」
「?アレクサス様じゃありませんか。ご学友と一緒に就寝しなくても宜しいのですか?」
「俺とライゼンは自らの意思でここにいることにした」
「ここに?まさか一緒に夜番ですか?」
「そうだ」
「アレクサス様。今は貴殿は学生なのですから、ここは我々にお任せを」
「すまんがそれは出来ない。自らの意思でいるとさっき言っただろ?」
「しかし・・・」
「・・・」
「でしたら私ではなく、衛兵隊長に進言ください。それでも良いのなら構いませんよ」
「分かった。ちょっと相談してくる」
「衛兵隊長」
「?アレクサス様?どうなされました?まさかサラ様の身に何が・・・」
「いいや違う。サラは変な夢の中だ」
「変?変とは?」
「夢の中でも俺に抱き着いている夢とか」
「はっはっ・・・それは苦笑いしか出来ませんね・・・。ではサラ様ではないとすると他の方の身になにか・・・」
「それも違う。皆思い思い寝ているぞ」
「でしたら何用でしょうか?」
「俺も夜番に参加したいと思ってな」
「・・・」
「・・・」
「やはりそうなりましたか・・・。実はサラ様からご就寝前にこのような会話があったのです。『多分従兄さんの事だから夜番に参加したがると思うの。そしたらこう言ってちょうだい。“どうせいつもの癖なんでしょ?仕方ないから私とその仲間も含めて夜番するなら良いよ”』と打診がありました」
「流石従妹だな。良く分かってる。それで?」
「というのがサラ様の希望ですので、あくまでも自己責任でしたら構いませんよ。ただ先生に発見されてアレクサス様が咎められても私達は責任は負えないので、そこはご了承ください」
「分かった」
「・・・」
「・・・あれ・・・従兄さん・・・おはよう・・・」
「おうおはよう。良く寝れたか?」
「ええ。良く寝れたわ」
「あれ?アレクサスではありませんか・・・」
「おはようございます・・・」
「おう。お前らも起きたんだな」
「?おや。お嬢様らの起床か」
「ああ」
「ライゼン?何でタオルを巻いているの?」
「さっき汗掻いたからな。それで顔を洗っていた」
「汗?そう言えばこんなところで何やっているの?」
「そう言えばそうね。何でかしら~?」
「まさか覗き~?」
「いや。外れだ。それにそう思うのなら護衛はどうなるんだ?」
「護衛は別よ。彼らは仕事でしょうがなく近寄っているだけだもん」
「それなら今回は俺達も一緒だな」
「は?どういう事よ?」
「護衛、一緒?まさか従兄さん・・・。夜番したの?」
「ああ。ライゼンと一緒にな。その証拠に護衛も」
「おはようございます。サラ様と御一行様。確かに深夜帯にアレクサス様たちが参られまして、私達と共に夜番をなさっていました。これは衛兵隊長も許可済みです」
「・・・本当に夜番するなんてね・・・」
「そう言えばアレクサスとライゼンはこういう男子だったわね・・・」
「という事は私達目的ではないのね」
「ちょっと自信なくしますね・・・」
「そんなことは無いと思うが?」
「なら聞くけど、寝起きの私達を見てどう思った?」
「どうって・・・」
「「眠そうだな」」
「それだけ?」
「それだけ。他に何がある?」
「ライゼンは?」
「同じ。俺に意見を求めるな」
「『・・・』」
「この様子だと陸移動の残り十数時間、下手すればまた野宿の時も同じ状況になりそうね・・・」
「なら逆に何言えばいいんだ?」
「・・・それが分からないのなら良いわ・・・」
「「?」」
「良いわ・・・。それより朝ごはんにしない?」
「そうだな。他の寝てるのも起こして飯にするか」
「あれからアレクサスとライゼンは本当に夜番をしたんだ」
「ああ。したぞ。リュークも興味があったら一緒に夜番すれば良かったじゃん」
「俺はそこまでする気はないよ~。それにまだ実力もないのにそんな事出来ないって」
「おいおいそんな弱気で良いのかよ?」
「しょうがないじゃん」
「まあまあ。それよりこの後二人は?」
「「無論移動中は就寝だ」」
「『・・・』」
「・・・ねえ、誰かこの二人の頭をぶん殴ってくれない?」
「そうキレるなミレンよ。二人の頭が昔からおかしいのは知ってるだろ?」
「けど実際に一回頭叩かないと治らないかもね」
「ならユレイナが代表として叩くか?」
「それいいね!よし魔法の棒で叩くか!!」
バーーーン・・・
「ユレイナ。痛い」
「ユレイナ。後で覚えていろ?」
「・・・ヤバいかも。ライゼンを怒らせてしまったかも・・・」
「大丈夫だ。それよりライゼン。飯も食ったし先に寝とくか?」
「確かにこんな脳筋女に関わるよりかはマシだもんな。んじゃお先」
「ちょっと!!私は脳筋ではないよ!?マークと一緒にしないでもらえるかしら!?」
「『はっはっは!!』」
「おいお前ら。見えてきたぞ。あれが港町だ」
「おお~。私初めて来たけど中々の規模ね」
「そうだな。ここは隣国との玄関口だから、結構栄えているんだ。俺もここに来たことがあるから分かるんだ」
「そうなのね。見えてきたけど、あそこまでどれくらい掛かるのかな?」
「う~ん。日没は過ぎるけど、閉門には間に合うな」
「そう。じゃあ、今日は宿に泊まって明日船かな?」
「それは分からないわね。手配している船が既に準備が出来ているのなら良いけど・・・」
ムク・・・
「?どうした?もうそろそろ着くぞ?」
「・・・ライゼン・・・」
「来るか・・・」
「来るって誰が?」
「・・・御者さん。早馬で門に突入できますか?」
「それは良いけど、検問があるよ?」
「構いません。門を突破はしなくても良いですが早馬でお願いします。ここが先頭なので後続も『何があった?』と危機感を募らせれば必然的付いてきます。だから速く!!」
「その様子だとなにか来るな?」
「はい。なので・・・」
「分かった!!捕まれ!!!」
「ちょっと!?前の馬車が速度を上げたよ!?」
「・・・何かあったのね・・・。みんな捕まって!!!」
「隊長」
「どうした?」
「先頭の馬車、アレクサス様たちが乗った馬車が速度を上げました」
「速度を上げた?・・・!?お前らお嬢様たちの安全を確保しろ!!恐らくは何かあったに違いない!」
「『わ、分かりました!!』」
「防御陣形を作れ!!多分留まると不味いんだろ。それで早馬にしたんだな。それで町からも応援を。という事だな?考えたな。何が来るのかは分からんが、安全を確保するまで!!」
「先生方」
「どうなされましたか?」
「前を走ってました馬車が突然速度を上げました」
「・・・きっと何かあったのだな・・・。速度を上げて!!」
「分かりました!!捕まってください!!」
「間もなく門です!!」
「門の入り口で止まれ。待ちの警備隊に知らせるんだ『魔物集団が来るとな』」
「『!?』」
「わ、分かりました!」
「おい!!止まれ!!抜かすな!!!」
「止まれ!!止まれ!!!」
「すまん。緊急事態につきここまで早馬で来たことをお詫びする」
「緊急事態?どうした?」
「警備隊と衛兵に伝えてください『魔物集団が来ます』」
「!?それは誠か!?」
「はい。この車列の最後尾からそう遠くないところにいます。正確の数は分かりませんが、とにかく!」
「分かった。お前らは待避所にいろ!!決して奥の門には入らないように!不法侵入で捕らえられてしまうからな」
「分かりました。それと手が空いている冒険者にも」
「勿論だ。今は良いから行け!」
「アレクサス。何があった?」
「隊長。突然早馬で来てもらって申し訳ございません」
「それは良い。それよりどうした?」
「間もなく野生の魔物集団がこちらに参ります。規模は分かりません」
「!?分かった。俺達護衛も参加しよう」
「お願いします」
「お食事中失礼します!」
「ゴボっ!!・・・」
「おいお前。領主様に失礼だぞ!」
「新人が大変な無礼を!申し訳ございません。この者は直ぐにでも・・・」
「それは今は良い。それよりそんなに慌ててどうした?どうやら私達が家族水入らずのところを邪魔してまで何があったように見えたのだが・・・」
「はい。先程北門の検問所から連絡がありました!『多数の魔物を発見。現在北門に向けて進行中。正確な数は不明。応援を求む』とのことです!」
「『!?』」
「それを先に言え!領主様。いかがなさいますか?」
「町の警備隊と衛兵を出来るだけかき集めろ。それと暇をもてあそんでいる冒険者にも協力依頼だ。それと戦闘狂の子供も連れて行け。各方面に伝達だ」
「了解です!私は衛兵隊長と冒険者ギルドに伝達してまいります!!」
「お父様」
「うむ。せっかくのディナーが台無しだが、今は防衛だ。頼むぞ。我が息子たち!!」
「「「「はい!!」」」」
「まだ来ないぞ?・・・」
「・・・」
「来たぞ・・・あれを見てみろ?」
「・・・あれは!?」
「・・・中々の数だな。これは事前に警備隊に突っ走てもらって正解だったな」
「退け退け!!領主一家のお通りだ!!」
「退け退け!!」
「お疲れ様です!!一家殿!」
「ああ。それより日没前で助かったな。どんな魔物が来たのかが分かる。だか中々の数だな」
「お疲れ様です」
「貴殿は・・・その紋章は、王族!?」
「いかにも。私どもは王家の護衛です」
「いかにしてこちらへ?」
「実は王家の王女が今年修学旅行でして。こちらに向かっている最中に車列の最後尾から離れたところにあの集団が」
「原因は?」
「それが分かれば苦労はしません」
「だろうな・・・。他に護衛は?」
「今年の修学旅行生はかなりの強者です。あのロンボー海運で有名な令嬢もご参加です。他には隣国ユロルゴ神聖国辺境伯令嬢、ハーゲン皇国の皇女、異世界エンガガのジュマル新生国創設者一人の令嬢もご参加です」
「そ、それほどのが、今回の修学旅行にご参加・・・」
「はい。ですのでここで阻止しないとこの国の尊厳にも関わってきてしまいます」
「分かった。迅速な対応に感謝する。お陰でこの都市の戦力ほぼ全てかき集めれることが出来た。それとおまけで冒険者にも協力を取り付けることが出来て冒険者も集まり始めている。ここまでの準備はそこそこ時間を要するが、何とか集めれた」
「自分は何もしていません。とある方の予知で何とかなりました」
「とある方?」
「今はお答えできません。それよりまずは」
「ではその話はこれが終えてからだな」
「魔物の種別は?」
「把握しているだけで4種類です!危険度が低い順からジャイアントアント、ホワイトウルフ、ゴブリンキング、アンデットエンペラーです!数も比例しています!なおゴブリンキングとアンデットエンペラーは各一体です!!」
「『!?』」
「ジャイアントアントは冒険者だけでも討伐可能だ。だがホワイトウルフからはちょっときつくなるというのに、それから更にキングとエンペラーだと~!?」
「これはかなり苦戦を強いられるかもしれませんね・・・」
「ならジャイアントアントとホワイトウルフを冒険者に任せよう。残りを俺達衛兵たちで倒すのはどうだ?」
「考える時間はありませんのでこれで行きましょう」
「集団が来ます!!!」
「総員!!狩りまくれ!!」
「『うぉぉぉ!!!』」
「アレクサス!!俺達に出来ることは!?」
「蟻と狼くらいならお前らでどうにかなるだろう。その応援として行けるなら行ってくれ。そのほうが楽だ」
「アレクサスは?」
「俺とライゼンで小鬼と亡者を倒してくる」
「そんな!?危険では!?」
「小鬼くらいなら最悪は数の暴力でどうにかなるだろう。だが亡者はキツイ。だから俺がまず向かう。単独撃破も可能だが流石に無傷とはいかないだろう。けどその程度で済むのなら俺は行くな」
「・・・」
「サラ王女。ここはアレクサスを信じましょう?そもそもアレクサスとライゼン以外で強いのを私は知りません」
「ルイーズ・・・。分かりました。従兄さん。気を付けて?」
「勿論だ。行ってくる」
「・・・この辺りから反応があるんだが・・・」
「・・・お主か?神聖な聖域を脅かす存在のやつは?」
「どうやらアンデットエンペラーはお前で間違えなさそうだな。それに聖域?呪いの領域と書いて呪域の間違いでは?」
「どうやらその存在で間違いなさそうだな。今なら痛みなく捕らわれることが出来るぞ?」
「お生憎様。間に合ってる」
「なら無理やりやるまでだ!!」
「ジャイアントアント!!討伐完了!!」
「ホワイトウルフも討伐完了!!」
「ゴブリンキングも俺が主体となって首を取った」
「まさか3種を討伐出来てしまうとは・・・。被害は!?」
「死傷者多数です。現在虫の息の方は居ませんが、重傷者が・・・」
「・・・かなり犠牲を払ってしまったか。だが亡くなった方は少なくて済んだのは幸いだな。亡くなった方には敬意を示そう。それよりアンデットエンペラーはどうなった?」
「まだ報告を受けていません。ただ音沙汰がないと考えると誰も戦闘していないのでは?」
「そうなると中々地獄だな・・・。これ以上は犠牲者を出したくないのだが・・・。どうしたもんか」
「その必要は無いぞ」
「アレクサス様!」
「必要ないとは?」
「アンデットエンペラーだろ?尋ねているのは?」
「そうです」
「それならほれ。俺の後ろに」
「後ろ?・・・!?」
「おい!!その骸骨は!?」
「こいつがアンデットエンペラーだ。幸いこいつを捕えたから他は消滅した」
「そうか・・・!?いやいやちょっと待て!?今捕えたと言ったな!?」
「言ったぞ。俺はこいつを捕えて契約した。だから必要に応じて召喚されることになっている。その証拠に〈戻れ〉」
シュルルルル・・・
「『・・・』」
「な?」
「な?じゃない!!という事は召喚も?」
「勿論だ〈召喚 対象:アンデットエンペラー〉」
シュルルルル・・・
「はい」
「だから“はい”でもない!!本当に召喚主になったのか?」
「だからそう言ってるだろ?それにこいつは自我も持っているぞ。何か喋れ」
『儂の扱いが酷いぞお主』
「『!?』」
「め、命令を聞いた・・・。ということは本当に・・・」
「だからそう言っている」
「『・・・』」
「なんにせよ、助かったという訳だな?」
「そうだな。脅威は去ったのが正解だろう」
「『うぉぉぉ!!』」
「感謝する!!冒険者の諸君応援助かった!!お礼に今日は遅いから時間に余裕あるものは明日冒険者ギルドに行ってくれ。褒美を差し上げよう」
「流石領主一家だ!!太っ腹!!」
「ならまずは帰ろう!!皆のもの、大儀であった!!」
「『うぉぉぉ!!!』」
「すまんが衛兵隊長たちは明日領主館に来てくれるか?今回の出来事をお父様に通したい」
「分かりました。時間は?」
「昼過ぎで」
「分かりました。では明日。アレクサス様もありがとうございました」
「俺は大したことはしていない。脅威となるアンデットエンペラーを捕獲しただけだ」
「それでも大きな戦果ですよ。感謝しています」
「その割には俺のアンデットエンペラーには驚きをしなかったな」
「・・・正直申しまして、我々王家の護衛はアレクサス様なら当然成し得ると思っていましたので、今更驚きはしません」
「ははっ。それって変な話逆に普通なことをしたら驚くという事だよな?」
「かもしれませんね」
「そうかい。取り敢えずは解散で良いのか?宿は?」
「宿は団体が泊まれる宿を取ったと先生方が言ってましたので、取り敢えずそこまで向かいましょうか」
「だな」
「アレクサス。お帰りだけど・・・」
「だけど?どうした?」
「本当なの?アンデットエンペラーを捕えたって話」
「ああ。召喚契約を結んだから召喚すれば出てくるぞ。今やるか?」
「『いやいい!!』」
「そんな事ならライゼンなんて神龍と契約してるぞ?」
「『え!?』」
「ああ。ただ俺のは友情として契約しただけだ。こいつみたいに半ば強制はしていない。今なら呼べるがどうするんだ?」
「『結構です!!』」




