次の派遣先の候補
次の派遣先の候補
『さあお待たせしました皆さん!!!残す序盤の試合もあとわずか!!次の選手はあの未知数の小等部5年!!今回はどのような試合を見せてくれるのか!!??今から楽しみで昨日も夜しか寝れませんでした!!』
『いや。それは普通に寝ていますよね?』
『いいえ!!これは私にとっても大事なことですよ!!どれくらい重要かというと、私ぐらいになりますと昼寝も重要なのですよ!!それが無いだけでも中々なものですよ!!!』
『それは寝すぎ・・・いいえ止めましょう。続けてください』
『解説の方も納得したことで引き続き説明を。ここまで彼は一切本気を出していないのでは?という噂がたつほどの選手なのです!!!それが本日もしかしたら見られるかもしれませんよ!!興奮しますよね!?その影響で夜しか寝れません!!』
『実況者さん?そのフレーズ二回目』
『おっとこれは失礼しました。では私の茶番はこれくらいにして、間もなく試合が始まります!!!』
「どうするんだあの実況者さん?当の本人が居ない、というか棄権しているのに」
「それは知らん。それに既に受領済みだからなどうしようもないだろう。棄権したと判明したら直ぐに頃っと変わる筈だ」
「そういうもんか?」
「案外そういうもんだ。伊達に実況者をしているわけでは無いんだからな」
「まあそこはプロだろうな。それで?今日はどうした?なんかあったか?」
「いや?暇だから。それに今日の配置は俺とライゼン両方共スタジアム内だろ?なら今は暇だから雑談と思ってな」
「大の自衛隊所属の奴が何言ってる?お前はあいつらで言うところの軍人兼憲兵さんだぞ?そこで怠けてていいのかよ?」
「しょうがないだろ?どうしようもないんだからな。俺達の部下・・・部下ではないか。仲間の実力も上がってきて俺達の出番が段々少なくなっていってないか?勿論喜ばしいことだがな?」
「・・・お前は偽善か?別に良いだろう平和で?」
「まあな。だからその分俺達が楽しているんだからな」
「それより一つ聞くが、もうちょい先何だがな?」
「どうした改まって?」
「いや。俺達来年度の春で任務完了だろ?その後はどうなるのかな?とふと思い出してな」
「ああ~そう言えば何も考えてなかったな。多分俺はワーズナー星に帰るんだろうな。それでまた事務作業の仕事尽くしだろうな」
「どっかの派遣とかは?」
「外交官としてだろ?まだだろ。年齢でもまだ適用外だ。そもそも今回が特例なんだよ」
「特例?これがか?」
「ああ。本来の俺達チビ助の仕事は事務作業とか雑務くらいだそう大それたことは基本的に今はない。大体15~6歳にならないと実働はないな」
「そうなんだな。15~6に合わせたのはやはり成人年齢関係か?」
「そうだ。俺が知っているだけでもかなりある。流石に12~3歳で成人は殆ど無い、と言っても多少はある。大体が15~18が成人としている国が多いな。20もあれば、22までは未成年という国もあるぞ」
「そうなんだな。そこは俺との違いか?」
「外務官と自衛官の違いだろ?それはあるだろ。俺達外務官は文官でお前ら自衛官は武官だからな。だから俺達の年齢で派遣なんてお前らくらいだ。そういうお前はどうだ?」
「まだ正式決定ではないが次の派遣先は決まっている」
「ほう。どこだ?少なくともこの星ではないな?」
「良く分かったな。まあまだ正式決定ではないからあまり言えないが、次は海上基地に派遣予定だ」
「海上基地?知っているがどっちだ?軍港付きの海上基地?それとも無し?」
「今回は無しだ。だが内容によってはありになる」
「ほうこれまた興味深い。殆どが2パターンで途中から変わるなんてことはまず無かったんだが、今回はその可能性があるのか?」
「ああ。それも破格でな。正直俺達上層部も驚いている」
「破格?値段か?」
「いや違う。対価なんだ。今回の依頼は国としての機能を失った国からの依頼だ」
「機能を失った国か。恐らく俺達外務省が作成しているリストだと・・・」
「多分思っていることと一緒だろう。レベルは地球で言うところのシリアとかソマリアとかだからな」
「という事は軍事衝突?」
「ああ。しかも複数の国を跨いでだ」
「マジか・・・」
「ああ。だがさっきも言った通りまだ決まっていない。だから」
「分かった。決まったら詳しく聞かせてくれ」
『さあお待たせしました!!!間もなく開始・・・(コンコン)は~い。ちょっとお待ちくださいね~。もしかしたら緊急かもしれませんのでいったん離れますね~』
「「あ」」
『・・・え~皆さんにお知らせがあります。次の出場選手の小等部5年の選手ですが、試合を危険にするという情報が今は入りました。ですのでこの試合は相手側の不戦勝となります。そのままコマを進めてください』
『『な、なに~~!!!』』
『え!?それは本当ですか!?棄権したんですか!?』
『はい~私も驚きました。ですが本人曰くもう試合をする気が無いそうです。ですので棄権したと』
『『・・・』』
『そんな選手初めて聞きましたね・・・。もう試合をしたくないから棄権をするなんて・・・。最後まで不思議な選手でしたよ。少々どころかかなりモヤモヤしていますが、これ以上はどうにもできないでしょう』
『では急な予定変更で申し訳ございませんが、次の試合に移りたいと思います』
「な?直ぐに気持ちを切り替えることが出来ると言っただろ?」
「流石プロだな。だろ?」
「だな。けど苦労するのはこれからだぞ?」
「各所各位の呼び出しか?」
「まあな。特にあいつらはどう出るんだろうな」
「何処だ?」
「ほれ。お前に依頼したあいつら」
「ああ貴族連中か?どうもないだろ?依頼は終えたんだからあいつらとの契約はないんだからよ」
「そう単純ではないぞ?」
「なに?今回の棄権に関してか?勘弁してくれ・・・」
「それをしないのがあいつらだぞ?多分時期に来るぞ?」
「失礼します」
「ほれ」
「・・・何だ?あの件か?」
「お察しの事かと」
「はぁ~~~・・・断ることは?」
「私の口からはお答えできません」
「隠密の奴らは関わっている?」
「はい。関わっております」
「・・・行ってくる・・・」
「おう」
時間軸がまた変わります。
次回は1年後となります。
尚、学園生活は次年度で最後となります。




