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日本国 異世界にて最恐で最強の国家となる  作者: altimate
自衛隊 初任務!
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依頼の褒美

依頼の褒美






「先週はありがとうございました。お陰であのブタから離れられることが出来ました」


「俺は大したことはしてないぞ」


「いいえ。十分活躍してくれました。正直私達はあの光景を見た時にダメかと思いましたよ」


「あの光景?ああ最後のとか?」


「そうです。私達全員『あ、取り返しのつかないことをしたかも・・・』と後悔していましたから。けどそれをいとも容易く撃破していて、その時は夢かと思って互いに頬をつね合ったり痛覚がしっかりしているのかと頭を殴り合ったりしていました」


「あぶねーなそれは」


「それほどあの光景は衝撃的でしたから。ですので至って通常運転の君の顔を見て正直尊敬と畏怖を覚えましたよ『あ、この方が敵ではなくて本当に良かった』と」


「そこまで大したことはしていないさ」


「いいえ。十分貢献していただきましたよ。それで私達は君に褒美を渡そうと思ってここに呼び出したのです」


「そういう事か。それで出来れば今日会えないかと君らの使用人が来たわけだ」


「すいません。もしお急ぎでしたら時間は取らせませんので」


「いいや。大丈夫だ。しかし褒美か・・・」


「はい。受け取っていただけますか?」


「なら二つほど質問したいんだが良いか?」


「はい。何でしょうか?」


「この褒美を受け取ったからには君達に忠誠を誓えとかはないよな?」


「何をおっしゃいますか。そんなことは滅相もありませんよ。あくまでも依頼に対しての褒美ですよ。まあ出来れば私達を今後とも友人として接していただけたら、と思います」


「ならいい。もう一つはこれはご両親とかは?」


「一応は相談済みです。一部はその戦力を我が手に!というのはありましたが、そこは私達が責任をもって丁重にお断りを入れておきました。そもそも君はそういったのは嫌いでは?と思いましたので」


「流石だな。短時間しか接していないのに良く分かっている。けどその様子なら俺のことを調査しようと動きはあるのでは?君らだけでは制御できないだろ?」


「はい。ですので私達も親に反抗する覚悟でこっそりと調査しました。そしたら案の定調べているのがしましたので、私達の出来る限りのことをしました。ですがそれ以上は・・・」


「ま、それが限界ってところだろう。現に今も俺に対して見張っているしな」


「『え!?』」


「ああ、使用人の皆さんはナイフとかをしまってください。君達じゃ対抗できないでしょう。因みに聞くが、君らの調査隊を捕まえても良いのか?」


「捕まえるですか?」


「捕まえると言っても大したことではない。誰の依頼でというのを聞くだけだ。それに君らの手が入っていることは親も知っているだろう。だからこれはあくまでも聞くだけだ」


「そうですか・・・。どうですか?問題ありますか?」


「では僭越ながら私が代表で。結論から申しますと問題はありません。ですが隠密部隊が声を殺して調査していたのに調査対象に私達の存在が漏れてしまったとなると隠密部隊がただでは済まないでしょう」


「隠密部隊がか?俺は?」


「直接会いに来ることはあれど、手を下そうとかは無いと思われます。確証はございませんが、先週の試合で貴殿の戦力を少なからず把握している筈です。ですので」


「そこまで心配はいらないと?」


「左様でございます。それからもう一つ。仮にお嬢様たちに危害を加えようものなら少なからず既に動いてもおかしくないと思われますがゆえ」


「そうか・・・。なら〈結解〉簡単な結解を形成したからこれで出れない筈だ。という事でちょっと捕まえてくる」


「捕まえるって!?」


「まあ見てろって。使用人の皆さん。一応こちらに連れてまいりますのでお茶とかのご準備を」


「?お茶ですか?」


「ああ。一応な」


「・・・殿」


「いい。恐らくはなにか考えがあるんだろう。他も良いよな?」


「『はい』」


「なら行ってくる。5分で戻る」






「どうもこんにちは」


「!?なんで!?」


「はい捕獲っと〈束縛〉一応木に括りつけて・・・。ちょっと待ってな~」





「はい次はお前な~」


「う、嘘!?」


「ほんと~。はい捕獲。次だ次~」





「次は君ですね」


「・・・」


「やけに冷静ですね?」


「君の実力なら我々が太刀打ちできないのは容易に想像がつく。それで何が望みだ?」


「いいえ。呼んだら出てきて欲しいだけです。その後は軽くお話を」


「お話?どこかに連れて行くのか?」


「いや?君らの主の息子たちと一緒にあの場所で」


「?まあいいや。待ってる」


「どうも」






「こんにちは」


「・・・どうやってこの場所を?」


「う~ん。正直視線かな?」


「私より君の方がこの仕事向いているかもな」


「流石に本業には負けるだろ?」


「十分凄いと思うが?けど嫌味で言っているわけではなさそうだな。まあいいや。どうしたらいい?」


「呼ぶのでその時にあの場所に現れたら良いです」


「分かったわ」






「お待たせした」


「?誰もいないですけど?やはり捕まえられなかった・・・」


「いや?今から呼ぶんだよ。お~い。出てきてくれ。縛られているのは〈引き寄せ〉これで全員だろ?」


「え!?本当に・・・」

「驚きましたね・・・まさか本当に隠密部隊を捕まえるとは・・・」


「〈捕縛解除〉とまあこの通り全員捕まえたと。取り敢えず全員楽にして良いから」


「『・・・』」


「では早速幾つか質問させてくれ。その前にお茶を彼らに」


「はい。お手を」


「我らにお茶は!?」


「本来ならいらないだろう。けどな?ずっと立っているのだけでも辛いってもんだ。それにずっと俺に張り付きっぱなしで喉も乾いているだろ。だからだ」


「それなら有難く頂くが、いつから気付いていた?」


「正直に言うなら登校途中からだな。敷地内に入ったら数は結構増えたから特定人物を把握するのは諦めた、というか面倒だったからやらなかったが、一番初めに張り付き始めたのは・・・君の主でそこのエルフの姫。その内の3人だ。この学園には寮があるが幾つかは外にある。俺が出てきたときから見張ってたろ?いや、正確に言えばあの試合の後からか?」


「そこまで気づいていたなら何故無視していた?」


「?鬱陶しくなって何回か視線が合った時なかったか?その時は正直気になってしょうがないと打診しようと思ったが君らが張り付き始めた2~3日後に今度は大公の隠密が現れたからもう諦めたのさ」


「確かに視線が合ったが、その時から気付いていたのか・・・。これは恐ろしい存在だな貴殿は」


「そうか?まあいい。これで気づいただろ?俺には無意味だと」


「だな。ならここは諦めて貴殿の質問に答えよう。恐らくは俺達の雇い主は知っているだろ」


「まあな。けどそれだけの人数がいて良くトラブルが起きなかったな?」


「いや。既にトラブルは起きていたさ。けど隠密同士調べ会っていたらまさかの観察対象が一緒でしかもお互いに調査していると聞いたらな・・・」


「しかもお互い派遣しているからその耳が雇い主にも入った。なら協力し合おうってか?」


「良く分かったな。お陰で一人に対して500人以上の隠密部隊という異例な状況になってしまったのは正直おかしな話ではある」


「通りで面倒になる訳だ・・・。どう思うよお前ら?お前らの隠密部隊が俺一人に500人って?」


「『・・・』」


「迷惑以外何者でもないわね・・・」

「そうだな・・・」

「いや~これは~私も想定外だったね~」

「はぁ~~~・・・」


「私が代表してお詫びをします。申し訳ございません」


「いや。別に怒っていないさ。けどこの人数は幾ら何でもおかしいだろ?」


「・・・」


「まあ攻めているわけでは無いし君らに行っても同じだったろうな。責めるのなら親か」


「・・・はい・・・」


「はいよ。では改めて。依頼主は分かった。では依頼内容は?」


「これは一緒ですので私が。“調査対象を事細かく見張れ。何でもいい。あらゆる動きを見るんだ。その中で息子たちに危害を加えそうなことが判明したら即座に対処しろ”というのが依頼内容です」


「つまり変な行動したら殺せ、または捕縛して吐かせろ、という事だな?」


「そうだ」


「期間は?」


「俺の方は特に聞いていないな。恐らくは指示が無ければ永久だな?」

「僕も一緒ですね」

「俺も同じだ」

「こっちは期間はある。一応1ヶ月後だな」

「私はないわね」

「あたしもないな~」

「私もよ。けど私個人なら二週間かな?その後は別に行くからその時は変わるかも?」


「分かった。次だが、今回捕えさせてもらったが、それに対する弊害は?」


「正直に言えばない」


「無いのか?」


「ああ。今回関わった隠密部隊全部は知らんが、少なくても大体はあの時、あの時というのはあの試合の件だ。あの件があって仮に漏れても仕方ないというのが当主の考えだ。だから問題ない」


「そうか。だがこいつらが危険に晒された時はどうするんだ?」


「隠密部隊が足止めして実働部隊に引き継ぐという方針を取っている。だが今回はそれが無かった、寧ろ今日までお嬢様たちと会わなかったのが不思議でしょうがなかったくらいだ」


「?そんなに不思議か?」


「ああ不思議だ。これは俺達の共通認識だったんだが、普通に考えればこれだけのことをしたんだから褒美を期待して試合後即座に向かうと思っていたのだが、その素振りすらないことに正直動揺していたんだ。まるで仕事を終えたから興味がない如く、無関心だった」


「おお。あながち間違っていないな。俺は正直言えば向こうから来たなら無下にはしないが、来ないならそのままにしとく、つまり必要以上に関わらないようにしようと思ったからな」


「『!?』」


「なら今日お嬢様たちが申していなかったら、そのまま何もなかったことのような日常を送ると?」


「そういう事だ」


「『・・・』」


「・・・隠密の俺が言うのも何だが、中々の性格を持っているな」


「そうか?別にそんなもんだろ?正直言えば褒美なんて蹴ろうと思っていたから」


「『!?』」


「それ本気か?それは俺達ですら驚愕を隠せんぞ?」


「ああ。だが依頼としての褒美なら受け取らないと礼儀ではないと思ってな。だから今日ここに来たんだ」


「・・・」


「『・・・』」


「ほらお前の発言で動揺が広がっているぞ?」


「それは悪かったな。だがこれが俺と分かってくれ」


「・・・それ以上は聞かないでおこう。それよりお嬢様」


「ああ。ごめんね?今の話ですっかり忘れていたわ・・・。さっき依頼としてなら受け取るのよね?」


「ああ。だから受け取ることにした」


「ならこれを受け取って欲しいの」


「?随分を小さい箱だな?開けても?」


「勿論よ。君は恐らく着飾るわけでは無いし、大それたことをすると逆に受け取らない可能性があったから、これにしたのよ。君の性格なら尚更ね」


「では開けてみよう・・・お?これは・・・」


「・・・どう?」


「・・・」


「・・・」


「・・・」


「『(空気が重い!!!)』」


「・・・」


「・・・」


「・・・・・良いな・・・・・」


「・・・え?」


「うん。これは良いな。ありがたく貰おう」


「ありがとう!!ああ~緊張した~~・・・」


「心なしか隠密の皆さんも安心して言うように見えますよ・・・」


「ああ。これ程張り詰めた空気は初めてだったぞ。お陰で今脱力感が凄い」


「すまんかったな。けどこれは良いな。今日は持ち帰るけど明日するわ」


「お願いよ?はぁ~~~まだ緊張感が消えないよ~」


「そこまで大げさになしてないぞ?」


「いや怖いのよ君の場合は!」


「そこまでか?」


「『そこまで!!!』」

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