次の学年へ
次の学年へ
「やあ。久しぶり」
「アレクサス。久しぶりに来たな?結構長くかかったな?」
「ああ。まさか終業式にすら間に合わないとは思わなかったな。だが進級後の始業式には間に合ったぞ」
「それはそれは。褒めるべきか長引いてしまったことに不安を覚えるべきか」
「それは仕方ないだろ。それより外務省の現状は?ライゼンは何か聞いているか?」
「いや?特段聞いていない。てっきり俺達も忙しくなるかと思ったがまさかの逆に暇だったという」
「それは・・・。国際指名手配犯とかいなかったのか?」
「いたことはいたが発見されたのは別国だからな。今回は管轄外という事で何もしなかったな」
「そうなのか」
「それよりお前は平気か?」
「何が?」
「出席日数さ。いや俺達はここに任務で来ているとはいえ、表向きは学生だぞ?成績とか大丈夫か?」
「それは相談済みさ。家庭の都合で休ませてもらっていたんだが、その間はテキストやオンラインで授業に出ていたからな。あとテストとかは終業式後に行ったから、成績には多少欠席が多い学生で押し通せたみたいだ」
「それは良かったが、オンライン?この学園にそんな設備ってあったか?」
「どうやらあるみたいだ。俺もその時はじめて知ったけどな。設備なんだが、学園側はオンライン通信が出来る部屋を使うみたいだ。何故かそこしか使用できないみたいだけど理由は知らん。それで制限時間内までに授業を進むという、ちょっと強引な授業をする形になっている。俺達の方は学園から借りた本型の空中投影できるアーティファクトを持ってそれを家または静かな環境で使用する。そのアーティファクトの機能だが、空中投影が出来る機能やその本自体がノートの代わりに出来たり、データ送受信が出来るんだがそれを使ってどれくらいの知識があるかテスト出来る機能もあるみたいだ。そして授業に出ているかの出席状況も確認可能らしい。つまり一冊四役という事だ」
「すげ~な。そこだけ見れば俺達より技術進んでいるな。?技術になるのか?」
「いや。再現、新製造が出来ない技術だからそれは言えないんじゃないか?今持っている本がそのアーティファクトなんだが、この学園が所有している数はそう多くはないらしい」
「ロストアーティファクトってことか。数は少ないって言っていたが、こういうのって研究機関とかが多く所有しているのか?」
「いや、教育機関が多く所有しているのが現状だな。恐らくは研究したのは良いが失敗して使用不可になるのが怖いんじゃないか?こういった骨董品は再現より現状維持でどれくらいもてさせるのに注力しているんじゃないか?」
「確かに言えてるな。そういうものか。それでアレクサスは俺達なら再現できると思うか?」
「これか?俺こういうのは専門外なんだがな~・・・。まあ出来るんじゃないか?大本はシステムだしな。大体オンラインなら俺達もやっているからそこは大丈夫だろ。問題は空中投影だ。これさえクリアしていればまあ可能だな」
「成程な。さてそれは置いといて、ここにいるという事は進級は出来たってことで良いのか?」
「勿論だ。試験もクリア済みだ」
「そうか。だが今年度も同じ状況なら流石に不味いんじゃないか?いや、俺達は別に良いが周りが」
「ああ~確かにな。だがそうなると思って先に上官に相談しておいた」
「何の?」
「今後さ。俺達はこの小等部ではあと2年だろ?だから最後の1、2年は本業をセーブしてこっちに専念しようかと」
「お~思い切ったことするな。返答は?」
「既にもらった。”頑張れ、こっちの事は一旦忘れろ”だと」
「お?OK貰ったのか。そうかそうか。なら暫くは一緒だな」
「?その言葉から察するに」
「俺も一緒だ。上司に掛けあった」
「そうか。なら暫くは休戦だな」
「休戦って。別に俺達は対決していたわけでは無いけど?」
「いや。休戦というのは本業さ。お前とはこの二年間は日本国として、ではなく、一学生の友人同士として過ごすからな。そういう意味合いも込めてだ」
「そういうことか。なら俺達は今から暫くの間は友人同士だな」
「おうよろしく頼む」
「おう」
「あ~いた!!」
「「?」」
「探したぞ。どこにもアレクサスが居ないからまさか辞めたのかと思ったぞ」
「そう慌てるなって。元気そうだな。マーク」
「俺は元気だ。勿論他もな。ほれ」
「?おおお前らも久しぶりだな。メルカイナは?」
「ここにいますわ。全く、一ヶ月と言いながら結局は半年もいなくなるのですから、それは皆心配しますわよ。お陰で私も始めこそは課題に専念していたのに不安を覚えてしまいましたわ」
「すまんな。家の事情でそれが思いのほか長引いてしまった。それで?課題はどこまで進んだ?」
「ここまで進めましたわ。ですがこれより先は中々進みませんの」
「どれどれ?まあこれくらいなら上出来だ。今後もこのメニューをこなせば何とか次のステップには行けるだろう」
「そうですか。頑張りますわ!」
「?課題って何ですか?」
「ああお前らは知らないか。前学年の時になメルカイナから相談を受けたんだ。これがその内容。内容は特段突出している部分は無いが、大方魔力の底上げだ」
「・・・これはそこそこどころかかなりのハードでは?」
「まあな。だがこれを徐々に進めていくうちに魔力は上がっていくもんだ。その証拠に、メルカイナ。ちょっと開放してみてくれ」
「はい。いきますわ」
ゴオオオオ~~~~!!
「『!?』」
「な?メルカイナにメニューを渡してから半年は経つが、格段に上がっているのが分かるだろ?」
「あ、ああ。俺達もそれをやれば・・・」
「個人差はあるが同じくらいにはなるだろう」
「分かった!!そのメニューを俺達もくれ!!」
「焦るなって。ほれこれがお前らのメニューだ。大方変わらないが多少はあるぞ。理由は始める時点は皆バラバラだからそれに合わせる様に仕組んでいるだから気にするな」
「ありがとう!!これで少しでも近づけれるように頑張る」
「おう。頑張ってくれ」
「それよりアレクサスはどうするの?」
「どうって?」
「今学年よ。何も聞いていないの?」
「すまんなレラカイナ。前年度は欠席ばっかだからな。何も分からないんだ」
「欠席ばかりって・・・大丈夫なの?」
「大丈夫だからここにいるんだ。安心しろ」
「そうよね。それで今学年だけど、新たな学園活動が始まるのよ」
「へえ。どんな?」
「学園生徒内の運営や親睦、治療や向上など多彩なことをするのよ。それが5、6年になった生徒がやることになっているのよ」
「へえ。運営とかか。それって昔からあるのか?」
「ええ。昔からよ。事前に終業式の時に先生が今この学園内に存在する委員会を、ああ名前が委員会というんだけど、今ある委員会を先生が教えてくれて来年度の初めまでに決めてくれと言われたんだけど、何も知らないよね?」
「すまん。そうなんだ」
「なら次の担任の先生に一言伝えたほうが良いかもね。そしたら教えてくれるよ」
「そうか。分かった。因みにお前らは決まっているのか?」
「それがな。誰も決まっていないんだ。あとどこでも良いから強制参加なんだ」
「そうなんだ。あと強制か・・・。しかし意外だな。リアリィやゴウリーグ辺りが決まっているのかと思ったが、ああ、あと筋肉馬鹿のマークとか」
「残念だがさっき言った通り誰も決まっていない」
「それでアレクサスを見かけて決まっていたらそこに一緒に入ろうと思ったのですが・・・」
「すまんなジャリーグ。見ての通りだ。どうしたもんか・・・」
「待ちやがれ!!!」
「『!?』」
「なんかあったか?」
「いや?分からん。ちょっと見に行くか?」
「おう」
「ライゼンは?」
「暇だからな。野次馬くらいにはなるだろ」
「お前な・・・」
「待てって言ってるだろ!!」
「嫌だね!!捕まえれるものなら捕まえてみな!!」
「なら強引に捕まえてやる!!”凍てつく氷よ!そこの馬鹿者を凍らせろ!!【フローズン】」
「おっと?やべ~。危うく凍って凍死するかと思ったぞ」
「そこまでの威力は無い!!じゃなくって、その備品を返せ!!」
「い~や~だ~。これで女の子たちをナンパ、危うくはあんなことこんなことするんだ~~。委員会の皆さんも食べちゃおうかな~?」
「////!?そんなこと私が許さない!!」
「出来るかな~?ほい」
「キャ~~~!!!なにスカートをめくろうとする!!!」
「別に良いじゃないか??減る者じゃないし?」
「私が恥ずかしくて死ぬわ!!何見ている!?早く捕まえろ!!!」
「『は、はい・・・///』」
「『・・・男子・・・』」
「『分かった!!直ぐに捕まえるから!!』」
「次デレデレしていたら君らを・・・へ」
「『(ゾクゾクと悪寒が走る)』」
「嫌なら早く捕まえてよ!!」
「分かった分かった!!おいお前ら!!捕まえられずに逃したら飯抜きどころか君達の黒歴史や醜態をさらす羽目になるぞ!!いざ女子のパンツを守るため!!行くぞ!!!報酬はエロ系だ!!!」
「『!?おおお!!!!』」
「何でそれで元気になるんだよ!!!」
「あと君は後で彼女に連絡ね?」
「そ、それだけは・・・」
「成程ね。風紀委員の彼らがあの生徒を捕まえるために色々やっていると。あの男子生徒も哀れね。多分自分がモテないことをコンプレックスにしてそれが爆発したのね。実に哀れ」
「リアリィ・・・辛らつだな・・・」
「でも実際にそうでしょ?あれでちやほやされたいと思っているのよ?哀れじゃない?」
「・・・それもそうね・・・」
「しかしどうするんじゃ?あのまま放っておいてもいつか妾達にも被害が被るそうなんじゃが・・・」
「そうなんですよね・・・けど風紀委員たちの邪魔をしても不味くないですか?」
「それもそうなんじゃが・・・じゃがお主らも考えてみよ。あの阿保に妾達の痴態を晒される可能性もある可能性もあるのじゃぞ?妾なら多少大掛かりでも捕獲するんじゃが?」
「・・・痴態を晒されるのも嫌ですが、けど勝手に加わって大丈夫なのでしょうか?彼ら風紀委員って権力もありますよね?」
「確かある筈よ?・・・それを考えると無理に捕まえるのも・・・」
「なあ。風紀委員ってなんだ?ライゼンは知っているか?」
「いや?俺も初耳だ。いや全く知らない訳ではないが、詳細は不明だ」
「え!?二人とも知らないの!?」
「「?ああ。何も知らない」」
「『・・・マジか・・・』」
「えっとですね。風紀委員というのは、文字通り風紀を維持するもので乱す者には処罰されるのです」
「処罰?何されるんだ?」
「処罰と言ってもそこまで大掛かりなことはしないですよ。例えばトイレ掃除1週間とかです」
「ほう?そうなのか。なら権力がどうのこうのというのは?」
「権力というのは、自治体、理事会、学園長、先生、生徒会公認で生徒を逮捕出来る権限があるのです」
「逮捕権があるのか!?一生徒に!?」
「そうなのです。初めは先生たちだけでやっていたのですが学園の規模があまりにも大きすぎて手に負えないそうなので、学園創立して暫く経ったときに作られたのです。ただその時も初めは任意でしか出来なかったので効果が薄かったのです。なので逮捕権も与えられるようになったのです」
「そうなのか。権限の効力は?」
「まずこの学園内でしたら全て可能。場合によっては寮内まで入ってパトロールと捜査することが可能です。権限はあくまでも逮捕権のみで罰を下すのは風紀委員長などの上の方か、先生になります。ただ証拠の押収は出来るそうです。なので簡単に言えば街中にいる衛兵と変わらない権限を持っていることになります」
「ほう?分かってきた。なら生徒が学園外に出て何かした場合は?」
「その場合は風紀委員も手出しが出来ません。ですのでその時は先生が、犯罪行為をしていた場合は時には衛兵を呼ぶこともあると思います」
「ふ~~ん?なら今は仕事中という事か」
「そういう事ですね」
「分かった。サンキューってなんかこっちに来るな?そんな気しないか?」
「・・・来そうだな。しかも何故か集団で」
「何処でかき集めたのかは知らんが、これ以上見物も不味いな。やるか?」
「久方ぶりにお前とやるのか。良いだろうやるか」
「?やるって?アレクサス?」
「まあ見てろ?行くぞ」
「おう」
「え、ちょっと!?って本当に来る!?」
「おいお前ら!!!どけ!!!どかなきゃ潰すぞ!!!」
「だそうだ。これは答えなければな」
「だな。どれくらいの力でやれば奴らの足を止めれるかな?」
「う~ん・・・。1%で十分だな。何しろあの集団は良いところ20人だろ?小数点以下にもならんがそこまでの調整は俺には出来んからな」
「はは。確かに。なら1%でやるか」
「ごちゃごちゃ言ってねえどけ!!!」
「貴方達!!??避けて!?」
「すいませんね。ここで退治することに決めたんで」
「え!?何でですか!?お願いだから避けてください!!」
「あ~もうクソ!!俺が担ぐぞ!!!」
「「その必要は無い。ほれ」」
ガゴ!!!ドガ!!!!バキ!!!!!・・・
「『・・・え?』」
「あれ?ちょっとやりすぎた?」
「しょうがないさ。どうしても1%でもこうなるからな。骨折してないだけマシだろ」
「だな。さて風紀委員の皆さん。この後は任せます。この死屍累々の処分をお願いします」
「・・・おれはものでは・・・」
バキ!!
「では」
「あ、ああ・・・って待って!!君達!?名前は!?」
「「?それはお答えできません。では」」
「あ、おい!!」
「あんたたち・・・本当につくづく思うけど何者?」
「何って」
「「一般生徒だけど?」」
「『そんな訳あるか!!!』」
「「何故周りの奴らまでそこまで言う・・・」」
「だって考えてみろ!!」
「風紀委員の彼らが手を焼いていた方たちを・・・」
「たった1%の力だけで済ませれる人って・・・」
「君達しかいないわよ!!」
「そうか?普通だよな?」
「?そうだぞ?」
「『普通じゃない!!!』」
「おら君達。この後はおいしい同性からの羞恥があるからな。覚悟しろ!!!」
「『いや~~!!!それだけは!!!』」
「黙れ!!!この女の敵!!」
「班長。無事に先生たちに引き渡しが終わりました」
「ご苦労様。・・・」
「どうしたのですか?」
「いや・・・あの人たちって何者だったのかなって」
「あの人たち?」
「ほら。あの馬鹿どもが集団になってから私達の手に負えなくなって応援も呼んだでしょ?応援も呼んでどうにかなると思ってもならなくなったのに、それをまるで当然の如く空中に投げ飛ばしたあの二人よ」
「ああ。あの二人ですか。あれには流石に私達も驚きですよ」
「ああ。俺達もだ。俺達屈強の戦士ですらあれは無理だ。しかも見たか?あいつら片腕であんなだぞ?数人は腰が引けたそうだしな」
「はは・・・それは笑えないですね・・・本当に何者でしょうか?」
「分からん・・・」
「それを特定するのは案外簡単かもしれんぞ?」
「『副委員長!!お勤めご苦労様です!!』」
「ああいい。気を楽にな」
「それで、簡単というのは?」
「今月は何がある?」
「今月ですか?今月は・・・始業式?」
「その後は・・・新人レクリエーション」
「その後は四年の進路体験活動・・・だっけ?」
「多分違うけど、その後は・・・あ!」
「気づいたか。そうだ。5、6年の委員会決めだ」
「『!!!』」
「恐らくはさっきの二人も今年から5年に進級したところだろう。そこがチャンスかもしれん」
「チャンス?」
「お前バカか?ここで引き入れるチャンスだろうが。引き入れたらかなりの増強が出来るぞ!」
「なるほど!!確かにあれは仲間に欲しいですね!!」
「だが問題は二つある。
一つは彼らに邪念の意思があれば率いればできない。それとあの場面は他も見ている。それもかなりの数。あの中に確実にいるはずだ。委員会の委員長とかな」
「成程。となると恐らく争奪戦もあり得るという事ですね?」
「そういう事だ。とにかくあいつらの情報を出来る限りかき集めろ。引き入れる口実を作るんだ!!」
「『はい!!』」
「それで?もう一度説明してもらいましょうか?アレクサスとえっと?」
「ああ。初対面か。俺はライゼン。出身地はワーズナーという星の余呉県出身だ。アレクサスとは幼馴染だ」
「『よろしく』」
「!?」
「どうした?アーカイブ?」
「そこも知っている・・・。ワーズナー星のヨゴ県って言ったらワーズナー星内にある日本領土ではないか!」
「『!?』」
「お~。よく知っているな。そうだ。よろしく」
「あ、ああ。よろしく。俺達はアレクサスとは2年の同級生なんだ。左から俺ことアーカイブ、オーユ、マーク、ジャリーグ、ゴウリーグ、リアリィ、クエスタ、ユレイナ、メルカイナ、レルカイナだ」
「よろしく」
「それで?幼馴染は分かった。何故あんなに強い?」
「「詮索しないでくれ。すまんな」」
「『・・・・』」
「・・・まあ良いでしょう。誰だって一つや二つの隠し事はあるからね」
「それで?あの二人の事は何か分かった?」
「いえ。全然分かりません」
「こちらもです。どこが出身か、得意科目は何だ、嫌いなものは何かもすら分かりません」
「こっちもだ。分かっているのはあの二人の成績は優秀という事だけだ」
「そんなの何の役にも立たないぞ?」
「だから何も分からないんだ」
「何でも良い。材料があれば・・・」
「副委員長。多少ですが彼らの出身地が分かりました」
「それだけでも良い。それだけ分かれば何とか同情とかを誘えるはずよ。それで?」
「それが・・・」
「どうしたの?それに何でそんなに雲行きの怪しい顔をしてるの?」
「大丈夫?顔色悪いよ?」
「それが・・・」
「どうしたの?誰も怒らないし責めないから」
「・・・でしたら言います・・・先程申した通り分かったのは出身地だけです。それでその出身地ですが、彼らの出身地が」
「『出身地が?』」
「アレクサス君はこのサラハタ星のカサジマ県、ライゼン君がワーズナー星のヨゴ県、どちらも日本国が領土としています・・・」
「『・・・』」
「!?まさかの日本国・・・。そう言えば数年前に新学生として日本国から留学するというのがこのマンモス校ながら有名になったわね。まさかそれが」
「ええ。年数から逆算してそれの可能性が非常に高いかと・・・」
「だから顔色悪かったのか。どうだ?知ってどう思った?それにどこからそんな情報を?落ち着いて言いな?」
「は、はい・・・これは聞き込みから聞いた情報を頼りに先生にも相談しました。信憑性ありです」
「先生まで認めているからこれは確定ね。しかし日本国か・・・」
「厄介ですね・・・。変な不興を買うとこっちの足場が無くなりますね・・・」
「それどころじゃないよ。もし彼らに何かあれば彼らの軍が動きます。そうなると・・・」
「やめてよそんな事言うの!」
「だが実際そうだろ?もし彼らに何かあれば彼らの軍が来る。彼らの軍が来たらたちまちここは火の海になる。物理的に。そして誰がこのようなことをしたかでその発端が俺達とバレたら、その時点で全員処刑者だ。俺ならこの時点で手を引く。厄介ごとは嫌だが、今回ばかりは不味い」
「私もそうね。初めはかなりの実力があるからどうにか出来るのでは?と思ったけど日本国と聞けば納得だし逆に敵には回したくは無いもの。誰だってそう思うはずよ」
「けど別の委員会に入ってそれが敵として来られてもそれはそれで不味いのでは?」
「それでしたら俺は誘い込みます」
「『・・・』」
「もしかして今年度は波乱の幕開けかしら?」
「副委員長の不安は分かる。俺も一緒だ。同じ副委員長としても、君の許嫁としてもな」
「・・・今は嬉しくはないわ・・・」
「・・・やはりさっきの事実でそんな気分ではないか・・・」




