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日本国 異世界にて最恐で最強の国家となる  作者: altimate
自衛隊 初任務!
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地下道、踏破中

地下道、踏破中




「しかしあっちは大変ですね班長」


「あっち?」


「湿地帯の方ですよ」


「ああ・・・。あの悪臭で歩くことすらままならないところを歩いているのだからな・・・。俺達より数倍きついだろうな。それに比べて俺達は」


「明かりがあるしなんならきれいな水源があるのですからね。運が良いと言えば良いのですが、この運で今後の運すら使い果たしたとは言わないですよね?それが怖いのですが・・・」


「・・・出来るだけ考えないようにしていたんだが・・・やはり避けきれない運命なのか?」


「・・・」


「とりあえず今は忘れよう。それよりこの地下道だ。確かこの目印まで行くんだったな?」


「そうですね。そして今通ってきた地下道の事は考えなくいい。何なら破壊して良い。という指示ももらっていますからね。けど自分はこの地下道を維持したいですね」


「お主もか。確かに水源は命を繋ぐ。この事件が終わったらそのまま領民に解放してあげたいしな」


「ええ。自分もそう思います。まさかこの地下道が領主によって独り占めしていたとは。先程資料を見たときは驚きましたね」


「ああ。なら領民はどうやって水源を得ているのかと思えば、井戸はまだ分かるとして、一部がまさか外部から購入していたとはな・・・。よく金銭が持ったな」


「ええ。下手すれば赤字でしかも品質の保証がないのに、よく持たせましたよ。次の領主が善良な心を持った方であることを祈るよ。もしダメなら」


「俺達が、一時的に保護しましょう」







「よし。一旦休憩しよう。水分はそこの水を使っても良いが、直接触れないように。必ず容器か何かに入れてそれから口にする事。それで、どれくらい進んだ?」


「・・・入り口から約20キロ進みました。GPSと地図を照らし合わせて、今はここですね。多少の誤差を抜きにしたら、郊外まではあと約4~50キロってところですね。今日中に郊外に着くことは可能ですが、そのまま戦闘は無理かと。勿論地上から連絡がありこのまま夜戦戦闘を実施すると移行しましたら、そのまま私達はこの地下道のポイントに向けて進みそこで待ち伏せするのですが、果たして地上がそこまで味方すら顧みない人たちなのか、怪しいところですね。しかも一部の人を残して本隊は先に向かっているのですから、可能性は無きにしも非ずかと」


「・・・流石に待つと思うが、少し先を急いだほうが念のためには良いか・・・。いまのペースならあとどれくらいで着く?」


「今は休憩中なので前後はしますが、走り程度なら約7時間ですね。歩きなら10時間かと」


「多少大目に見て12時間か・・・。流石にそこまで休憩なしはきついな・・・。幾ら俺達が精鋭でも精神的には来るだろう・・・。あと二~三回休憩を取るとしたら、走りで8時間というところか?」


「そうですね。それくらいかと」


「ならそれで行こう。お前ら。そのままで良い。耳を澄ませてくれ。先程現在地を確認した。既に地下道に入ってから3時間約20キロを早歩き程度で来た。今後だが地上の本隊が先に領地に着いていると考えて、こちらも遅れを取らぬようこれからは走ることに決定した。現在地は先程申した通りで残り距離は4~50キロあると推定。ここから走りなら7時間で辿り着く。ただそこまで休憩なしというのも身体的や精神的にも酷だ。なので走りっぱなしだが道中休憩も数回取ることに決めた。お前らは走る準備をしてくれ。質問は?」


「地上が先に着くのは良いとして、そのまま先に戦闘していることはどうですか?」


「それも考えたが、いくら何でもそれはあり得ないと思い至った。それを言ったらお前らも休憩なしで行けるのか?という事になるからな。流石にそこまで他人の迷惑はしない筈だ。他には?」


「『・・・』」


「ないみたいだな。あと数分したら走るぞ。準備しろ」


「『はい!!』」






「えっと?そろそろ中継海軍基地に着くはずだが・・・お?」


「上っているな。という事は?」


「?お、隠密部隊も到着したか。一応先に俺達が制圧済みだ。この中は物資の山だぞ。好きなだけ持って行っても問題ないだろ」


「そうか。しかしかなり明るいな。これは魔道具か?」


「俺達もそう思っている。俺達のような電気はこの世界は無いからな。魔道具と思った方が良いだろう」


「そうか。さて、俺達が地下道に入り込んでから2時間15キロ程来たが、この先は?」


「この先郊外まではそこまで無い。30キロ程だ。歩いても6時間あれば辿り着く。ただアップダウンがあるから、少々前後するぞ。あと、この先の地下道は不定期のみ使用される。そのため設備もままならないから、この先はライトや暗視系を使った方が良いだろう」


「分かった。しかし何故この地下道を使わないんだ?その方が輸送時に襲われる可能性が無くなるというのに」


「俺達も思ったが、いざ入ってみると分かるぞ。俺らの勝手な推測だが、奇襲を恐れて使用できないのでは?と思っている。何しろこの先を行けば領主のいる領地に辿り着く。そうなると奇襲による陥落があり得るからな。それもあって使用は控えてるのか?と思っている」


「・・・道幅は?」


「それは大丈夫だ。たださっき分かったが侵入対策なのか、トラップが仕掛けられている。とりあえずここから1キロは解除や破壊したがその先は手付かずだ。用心したほうが良いかもしれん」


「成程な。んで?お前らはこの後はここに暫く待機だっけ?」


「ああ。俺らは暫く待機だ。大方ここで海自からの支援待ちになるだろうからな。または協力国の海軍か」


「う~~ん。多分海軍になるんじゃないか?別にここを日本国の領土にするわけじゃないんだろ?」


「そこは知らんが、少なくとも俺達にその気はない、ってところだな」


「そうか。じゃ、ちょっと準備したら行くわ」


「おう。気を付けてな」






「さて、結構進みましたね。どれくらい進みましたか?」


「そうですね。GPSを見た限りだと、市街地から20キロ進みましたね。残り20キロ前後ってところですね」


「おお~~。結構進みましたね。これですとあと4時間くらいで着きそうですかね?」


「大体ですが、それくらいで着くことでしょう。一旦休憩しますか?」


「そうですね。一旦休憩しましょう。他全員のバイタルチェックもしたいですからね」


「よし君達。一旦休憩しましょう。ついでにバイタルチェックします。全員手を出すように。体調が悪い人は今のうちに報告すること。酸素が薄いから、ガスマスク取った後は酸素欠乏に注意すること」


「『はい』」




「隊長。今のところ体調不良者はいません。バイタルも問題ありません」


「そう。良かったわ。まだまだ先は長いですからね。それで今の時刻は?」


「間もなく夕暮れですね。急遽出撃命令が出たのがその日の午前8時頃、招集されて会議を行い出撃したのが昼頃、各方面に到着した時が13時頃、そして地下道に入り進んで現在は17時、まあこんなものでしょう。急遽出撃してから今までの事を考えると妥当な時間と私は思います」


「そしてあと数時間で領地に到着、まあ夜でしょうね」


「・・・まさかだとは思いますが、地上の本隊は夜戦戦闘には・・・」


「・・・流石にならないかと・・・私達どころか各方面の隠密部隊ですら領地にも到着していませんし、ポイントにもいないのでよっぽどのことが無い限りは大丈夫かと」


「そうよね・・・流石に大丈夫ですよね」


「それより今は今後の事を考えましょう」


「そうですね」






「た、隊長・・・もう・・・げ、限界・・・です・・・」


「わ、わ、私も・・・もう・・・」


「た、た、たすけ・・・て・・・」


「・・・・(バタンキュー)・・・・」




「隊長・・・」


「・・・しょうがないだろ・・・まさかこうもキツイとはな・・・」


「はい。まさかガスマスクしていても臭いが消しきれないとは・・・」


「しかもその濃度は計り知れない・・・この濃度だけで本気で人を殺せそうだな・・・」


「とりあえず休憩しますか?」


「ここでか?地面はどうなっているか分かっているだろ?」


「ですが・・・休憩しないと、このままでは」




バタン、バタン、ドベーン




「屍が増えるだけだぞ?ここを隊員達の死屍累々の場所にはなりたくねえぞ?」


「・・・この先に無いか?窪みでも良いから退避できる場所は」


「・・・?これですかね。2キロ先に窪みみたいなところがありますよ。そこでしたら」


「・・・けど2キロか~~・・・。遠いな。最悪は担ぐか?」


「・・・2キロを担いだままか・・・。それは中々に酷だな」


「臭いも相まってそれしたら逆に自分達の命が危うくなりませんか?」


「けどこのままというのもそれはそれで気が引けますよ?」


「・・・しょうがない・・・担ぐか。お前ら、取り敢えず屍になっているやつを担げ。そのまま2キロ歩くぞ。その後は何とか空間を作ってガスマスクを外せれる環境を作る。それまで頑張ってくれ」


「『・・・は~~~い~~~・・・』」






「ここか。でもかなり広いな。?何かあるぞ?」


「?隊長これあれですよ。テントですよ」


「テント?という事は?」


「ここで見張りがいたのか。誰か侵入しても対処できるように。それか選別か」


「なるほど・・・でも、という事は・・・」


「ここを見張った凄腕監視人がいたのか・・・」


「スゲーな・・・。逆に尊敬するぜ・・・」


「それよりまずは空間を作るか。まずは結解魔法を形成してくれ」


「はい。・・・今形成しました」


「そしたら換気をを頼む。出来る限り強力に」


「そしたら空気清浄機も使います」





「・・・これでどうですか?」


「・・・これだけ除去すれば、後は空気清浄機が全開で回してくれるだろう。そしたら次に空間魔法で空間を形成するぞ。勿論床材もつけてな」


「おう。それは俺の役割だ。・・・ほい。床材は木の床材で心を落ち着かせ、空間はそれぞれの実家をイメージし安心感のある空間を形成した。これで屍の奴も大丈夫だろう」


「すまんな。取り敢えず入ろう」




「よし。これだけ空間に入る前に臭いを除去すれば空間に臭いが入ることは無いだろう。よし入れよ」


「『ふう~~・・・』」


「全員入ったな?したらガスマスクを取って良いぞ。その際暑いガスマスクから一気に涼しくなった空間になるから、クールダウンによるストレスに注意してくれ」


「『はい』」




「ふう~~~。久しぶりにガスマスクを外したぜ・・・」


「息が出来なかったよ~~」


「死ぬかと思った・・・」


「女性陣はどうだ?生きてるか?死んでるか?」


「・・・先輩・・・女性に対してそれは酷いですよ」


「ええ。無粋にも程がありますね」


「・・・これは私の出番かな?」


「冗談ですよ~~。けど大丈夫か?」


「何がよ?」


「だって、結局はただの休憩だから、隊長次第だけど暫くしたら再度あの地下道(死の道)を再度歩くことになるぞ?そこは平気か?」


「『(カチ~~~ン)』」


「あ、凍ったな・・・」


「お主も止めを刺すな・・・」


「お前・・・。女子の心を折るな」


「・・・折角立ち直ったと思ったのに・・・」


「後で恨まれても文句言うなよ?」


「・・・すいません・・・」




「どうにか回復したな。けどあとどれくらい続くんだ?」


「・・・一応GPSと貰った地図を比較していますが、まだ続きそうですね・・・」


「今大体この辺りかな?そうだねここですね。隊長。ここまでの移動距離は約15キロです」


「そしてここから郊外までは15キロあるので、あと半分ですね。・・・これがあと半分か・・・」


「丁度折り返し地点だったか・・・。まだまだ先は長そうだな」


「・・・女性陣に言うの、気が引けるな・・・」


「しょうがないな・・・女性陣の代表として私が行こう」


「すまんな・・・」




「女性陣、集まってくれ。私から皆に耳にして欲しいことがある」


「・・・何ですか班長?私達は今はのんびりしているのですが・・・」


「・・・態勢はいいや・・・耳だけ傾けて欲しい。今私達のいる現在地とこの先の目的地までの距離を他班長、副隊長、隊長と共に話し合った。その結果ここまでの移動距離は15キロという事が分かった。そしてこの先だが・・・」


「・・・?班長?まさか・・・」


「これが結構続くなんてこと・・・」


「ない・・・ですよ・・・ね・・・」


「・・・(首を横に振る)・・・」


「『・・・は~~~・・・・』」


「そう思っていたのでまだ心の準備は出来ているのですが・・・」


「こうも現実を突きつけられると・・・」


「・・・中々苦しいですね・・・」


「それで?あとどれくらいだい?」


「・・・丁度ここが折り返し地点だ・・・」








「『・・・(キュ~~~~・・・・バタン)』」


「あ、死んだ。隊長。やはり隠密部隊の精鋭である彼女達も、これには敵わなかったみたいです」

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