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日本国 異世界にて最恐で最強の国家となる  作者: altimate
自衛隊 初任務!
149/261

地下道へ

地下道へ




「さて。急遽招集してすまない。現在敵拠点制圧に向かっている現地から我々隠密部隊に応援要請があり、先程正式に出撃命令が下った。そのため急遽こうして集まったという訳だ。

無駄話はこの辺にして早速本題に入ろう。二等空佐。頼む」


「はい。まずは経緯から。数週間前にあったとある当主の逮捕が今回の始まりだ。当初はこの逮捕で事件は解決し捜査を終えるかと思われたが、念のため周辺の事情聴取を行った結果捜査終了どころかまだまだ泥沼に嵌まったままだという事が判明。その一部分が今回現在調査に赴いている目標になる。んでその最中にとある情報を獲得したのだが、その内容が地下に張り巡らされている地下道があると判明。恐らくは逃げ道として使われる可能性があるとして、そこの道の潰しを我々が行う事になった。

それで今回の内容だが、先程潰しと申したが、その他の任務もある。今スクリーンに映す。今俺の後ろのスクリーンに画面が写っている筈だ。今マップが出ているな?このマップは我々が衛星写真で確認したマップになる。ここから縮小すると、これが今現地の全領地になる。領地自体はそこまでの大きさではないが問題はここからだ。驚くなよ?これだ」


「『・・・うわぁ~~~・・・』」


「?誰か心の底からため息が出たな?その通りで俺も始め見たときは同じようにため息が出たな。つまりはそういう事だ。この領地の地下がこのように文字通り蜘蛛の巣の様に張り巡らされている。勿論これを全てしらみつぶしは困難だし、何より酸欠の危機があるから容認は出来ない。そこで上層部と話し合ってこのような決断になった。それがこれだ。今ポイントが示されたが、このポイントに人員配置をする事になった。色の区別はまた後で説明するが、取り敢えずここに配置になるだろうと思ってくれ。そして何故ここにしたかというと、次、二等海佐頼んだ。俺はちょい」


「・・・そこで丸投げ・・・。まあ良いでしょう。続けるわ。あまりにも非現実的に上層部も頭を悩ませたが、よくよく考えてみて。‘逃げ道として使われる可能性があるのなら、逃げ出す前に道を潰せばいいのじゃない?‘と思ったわけよ。という訳で、次を映して?ありがとう。今大部分の地下道が消えたんだけど、比べてみて?比較画像を出して?右が比較前、左が比較後なんだけど、分かる?」


「・・・あ、逃げ出す可能性があるなら、郊外に逃げ込む前にそのポイントで迎えうつ?」


「誰か答えを言ったわね。そういう事よ。消えた地下道はこの際忘れてポイントでお迎えしよう、という魂胆よ。何故そこにしたかというと、ポイント以外で外部に出る手段がなくなるからよ。だから迂回路や交差点にポイントが多い理由はそういう事よ。それでもかなりの数だけどね。それにそういうところなら、このように地上も近いから酸欠の危険もないし、何かあればすぐに脱出できるから安全、100%ではないけどそれでも高い安全が保障されている、という事よ。次に色分けされているポイントだけど、この色分けの理由は、そこに必要な人数を表しているわ。黒は最小限、最小限と言っても最低5人はいるけどね。青は6~8人、黄色は9~12人、赤は12~19人、白はそれ以上といった色分けになっているわ。当然ながらそれに合わせた班分けも行うわ。今回の班分けは敵が攻撃してくる可能性もあるから、初めは索敵、次に戦闘系、最後に捕縛といった班分けを行う。この班分けにした理由はまず、索敵はポイントまでの道案内。それとターゲットが移動し既に地下道に逃げ込んだ時にいち早く発見するために第一優先にした。次に戦闘系だが、これは単純で狭い空間の中如何に効率よく敵を捕縛するかに掛かっていると言っても過言ではない。勿論それだけでなく、戦闘中はどうしてもその地形も影響を受ける。なので今回は地下道なので変な話落盤事故もあり得る。そのため効率よくかつ地形ダメージを最小限にするために第二にした。最後に捕獲系はこれも単純で、気を緩んだ隙に逃げ出す可能性がある為、念のためだ。以上が編成の理由ね。ここまでで質問は?」


「『・・・』」


「ないわね。一応一連の説明はこんなところね。次は編成だけど、今回はポイント重視で行きたいから、実力が乏しいまたは戦闘経験がない者は白中心に、反対に手練れは黒を中心にしてね。希望は出来る限り通すわ」





「分かれたわね。ではこれで決定ね。因みにポイントは各自に任せるわ。ここは現地に行かないと分からないからね。とこんなものかな?ああ。今回は2個大隊からなる連隊になるから、連隊長は今会議中の一等陸佐になるわ。私は今回はこの黄色からなる大隊長よ。よろしくね。因みに白ポイントの隊長は中隊長、黒も中隊長、青も中隊長一部小隊長、赤は連隊長になるからね。頼んだわよ。連隊長。終わりました」


「了解した。ちょっと待ってくれ・・・。すまん待たせた。編成は?」


「今終えました。このようになっています」


「・・・。よし。良いだろう。それと出撃前に報告だ。現地からだ。‘予定より早く領地に辿り着く。隠密部隊は早めの行動をされたし‘だそうだ。全くこっちの苦労もしないで随分な態度だ。だがその分君達の出番が早くなったのだからそこは感謝しようではないか。では出撃するぞ!!!」


「『了解!!!』」



「CP。隠密部隊編成連隊の連隊長から。現時刻を以って現地に出撃。到着時刻は現時刻から1時間と想定。各方面に報告を求む。送れ」


『CP了解』






『よし。まずは山岳地帯から到着する。ここで降りる班は準備せよ』






「ご苦労。急遽出撃対応をしてもらって申し訳ない」


「構わんさ。こういうのはどうしても出てきてしまうものだ。大したことはない。ただ規模は相当だがな。それは良いとして、後ろにいる部隊は何処から地下道に入ればいいんだ?」


「そうだな。案内する。その前に各々の端末に地図は反映されているか?」


「ああ勿論。GPSも作動済みだ」


「なら話は早いな。とりあえずここで分かれた方が早いからな。分かれてくれ。今こっちもそのポイントに合わせてもらっている。今目の前にいるやつが目的のポイントなのか確認しあってくれ」


「分かった。因みに地下道の入り口はどうなっている?」


「一言で言えば幾つかあって、螺旋階段、はしごタイプ、直線階段、転移タイプなど色々ある。とりあえず下調べしたらあることが分かった。階段系の多くはそこを下ると幹線系の地下道に出る。逆にそれ以外は下ると大体枝道系が多いことが分かった。流石に転移系に規則性はないみたいだがな。とりあえずそういった構造になっていた」


「おお~なるほどな。まあ確かに階段は大人数に向いているし逆は少人数に向いているから理にはかなっているな。では頼む」


「分かった」


「因みに本隊は?」


「先に目標の領地に向かっている。俺達は後援の君達の道案内でいるだけだ。事が済んだら俺達も本隊に合流する予定だ。ああ一部はここに残って空自の臨時補給基地として使用する。あと、ここは通り道だから信号も送れるだろうからな」


「そうか」





「君らはここから地下道に入ってくれ。言っとくがツッコミはいらんぞ?」


「・・・先手を打たれたか・・・。でも言わせてくれ。他も通信でモニターを見ていたが、なぜこうも入り口が女子トイレの中とか、民家の中とか、掘らないと入り口が無いとか、娼婦館の敷地内とか、挙句には入り口が地上ではなく二階とか三階の、いわゆる上階に位置しているんだ!?一部の女性隊員からは軽蔑の眼差しを向けられるし!?」


「・・・それはどうしようもない・・・。俺も初め情報提供者から聞いたときは驚いたさ。けど何かしらの理由があってここにあるからに違いないだろ。じゃなきゃ只の変態だぞ?いや痴態者だぞ?そこは聞かないでくれよ」


「はぁ~~~~・・・・。まさか地下道の奥は全く整備されていなくて悪臭が漂うとかではないよな?今オープン通信になっているから丸き声だぞ?女性陣を悲しませないでくれよ?」


「・・・実はな・・・」


「・・・まさか・・・」


「・・・」


「・・・おい・・・。皆固唾を飲んでいるぞ・・・」


「『(ゴクリ)』」








「・・・特に異常はないぞ?」







「・・・・・」







「『ええええええええええええ!!!!????』」






「ならなんだその溜めは!?」


『おいお前。まじめにやれ。送れ』


『脅かしてどうするんだ?送れ』


『・・・これは後で説教ね・・・送れ』


『真面目に説明する気が無いのなら俺が今この場で説明しようか?送れ』


「冗談だって~~。緊張を和らごうとしていただけなんだから。大丈夫さ。アウト。とまあ、多少は和らいだ?」


「・・・はよ本題に入れや・・・」


「・・・まあいいや。話を元に戻すが、この地下道は特に異臭とかは無いぞ。寧ろ始め見たときは逆に驚いたな。何しろ地下道なのに整備されているんだから」


「整備?何かあるのか?」


「といっても大したことではないんだ。この地下道は上水道として使われているんだ。恐らくはこの山岳が水源なのだが、影響されずに水を麓や領地に流すには、地下道が最適だったのだろう。実際にここの地下道は領主命令で作られたみたいだから、一種の自治体としてのインフラ整備なのだろう。勿論今も使われているぞ」


「そうなのか。?なら整備されているという事は光や光源は?」


「光源程ではないが、ろうそくらしき灯火はある。光源量はそうでもないが、それでも明るいから道中ろうそくが消えていなければライトや暗視はいらないと思うぞ」


「そうか。分かった。因みに他方面の地下道もこのようになっているのか?」


「いや?そのあたりは分からん。だが山岳地帯で自治体所有という事は可能性は無きにしも非ずだろう。ただそうなると湿地帯は不味いだろうな。あの辺りは死体遺棄や汚物廃棄などが横行しているみたいだから、下手をすればあっちは下水道の可能性もあるな」


「『う・・・・』」


「まあそういう事だから、可能性の話だが君らは良い運を引いたことになるかもしれんな。上水道だから水には困らんしな。何なら誰かの厚意なのか、これより上にろ過装置も見つけたから俺達で言うところの塩素というか、消毒もされているしな。味は分からんが安全性は保障するぞ」


「それだけでもありがたいさ」







『間もなく市街地へ到着する。降りる者は準備しろ』







「ご苦労。すまんな急に呼び出して」


「構いませんわ。これも仕事ですことよ」


「・・・お前は相変わらずお嬢様を気取りたいのか・・・合わないぞ。まだ敬語の方が似合うぞ」


「・・・そうですか・・・。でしたら。して?本題に入りますか」


「そうだな。案内する前に事前にマップは反映済み?」


「ええ。ヘリの中で既にお済です」


「なら話が早い。今何人か先に入り口に行ってもらっている。後で俺の端末から君達の端末にそれぞれ目的の入り口の行き先を反映させる。それを頼りに入り口に向かってくれ」


「分かりました。こちらの構造は?」


「市街地だからか、市街地外以外は全てはしごタイプだ。あと高低差も中々だからな。はしごをつたる前に軍手とかを用意したほうが良いかもしれん」


「分かりました。・・・」


「どうした?」


「いえ・・・あの・・・」


「?」


「中隊長。ここは私が。先程他方面の隠密部隊から不穏な情報を聞いたの。もしかしたら地下道が下水道とか異臭だらけの死体の山とか。あくまでも可能性なのだけど私達はそれを危惧しているのよ。どうなの?」


「ああ。そういえばそれも気になるよな。一応どういった用途で使用されているか確認した。ここ最近は使われている様子はなかったんだ。じっさいにはしごは錆びついているしな。耐久は大丈夫と確認しているからそこは安心してくれ。んで用途だが下水道とかではない。そんなパイプというか、水道は無かったからな。そこも大丈夫だ」


「『ふう~~・・・』」


「ふう~~・・・安心しました。では?」


「一応探ってみた。資料とかでな。そしたら何故はしごにして高低差があるのかが分かった。ここはそこまで昔ではない時に戦争の激戦地だったらしい。それで住民とかが被害を被らないようにこれだけ深く、そしてはしごなら万が一敵兵士に見つけられたところで対処できるという事からこういった構造になったと文献に書いてあった」


「そうなのね・・・。戦争しかも激戦地で退避のためにこれだけの高低差・・・。分かりました。地下道にあたって注意点や留意点はありますか?」


「近年使われている感じが無かったからな。光源とかは無いから、まずはライトや暗視系だな。それと深さがあるから定期的に地上に出て酸素補給だ。水分もな。まあ恐らく一部のアイテムボックス持ちがどうにかするだろう。疲れたらすぐに休憩も忘れずにな。あと、定期的に出入り口や通気口はあるが、それだと現在地が分からん。GPSは常に作動させておけ。それと隊列と隊員の確認だ。コンパスも役に立つ。枝道も領地に辿り着く前にかなりの数が存在する。下手すれば新道もあり得る。出来る限り通ってきた道をマーキングしたほうが安心だろう。保険的意味でな。こんなところか?後はなんかあったっけ?」


「いえ。こんなものかと」


「だそうだ。どうだ?疑問は解決できたか?」


「ありがとうございます。ところでこの後は?」


「俺達も後追いだ」


「分かりました。お気を付けて」


「おう」






『間もなく渓谷に到着する。降りる者は準備しろ』






「お疲れ様です。上官殿」


「幾ら君が俺より下の階級だからって、そこまで委縮しなくても良いだろうに」


「いえ。一等陸佐に無礼な真似は出来ません!!」


「いや。そうではなくな・・・」


「連隊長?そう申されても無駄かと思われますよ?ここは諦めたほうが無難ですよ?」


「・・・まあいい。んで?」


「はっ。まずはここは渓谷に位置しているため、踏破も中々苦労しました。敵もスナイパー中心に配置されていたため、始末も中々のものでした。そして奥に行きまして今います中規模敵拠点、ここが合流できるだろうと思いここでランディングポイントとして指定していただきました」


「いや。そういう事ではなく・・・。まあいいや。地下道は?」


「はい。今正面に二人立っているのが見えますか?あそこが入り口ですね。因みにこの辺りの地下道はこの二つしかありませんでした。恐らくは地形で地下道を作れなかったと思われます」


「そうか。構造は?」


「まず入り口ですが、効率優先だったのか扉を開けるとスロープがお出ましです。そして使用用途ですが、どうやら我々が来るまで使われたので使用には問題ないです。用途は武器や資材、

食料などの物資輸送を定期的に行っています」


「?物資輸送を定期的に?それって敵にバレていないか?」


「そのあたりに抜かりはありません。実はこの地下道、実は目標の領地までつながっているわけでは無いのです。一旦途切れているのです。ご確認ください」


「?・・・あ、本当だ。途切れている。何故途切れているんだ?」


「実は道中に特大の地下陸海軍があったのです」


「陸海軍?という事は・・・。成程な。お前ら見てみろ。この地下道を辿って途切れている場所まで行って、そこで衛星写真を見てみろ。近くに大きな川があるだろ?そこに不自然なそこそこ大きな桟橋に山の中、地下を掘って通るような道に何か装置があるぞ?」


「・・・?あ、本当ですね。しかも更に拡大して解析度を上げると、移っている船は只の船、漁船や乗船ではなく、完全に軍艦ですね。これは確かに海軍所有ですね。けどこの星に高度技術は無い。となると」


「お察しの通りです。よく見ると桟橋に向けて歩道がいくつもあるので、山の中を掘ってそこを基地にしているのです。我々なのでお見通しですが、一般的にはステルス性抜群なので最高の場所になるのです」


「成程な。ここを中継して領地に、か」


「そういう事です。因みに中継基地後の地下道は、不定期ながら緊急時に備えて整備はされているので、そこまで心配はいらないかと」


「そうか。因みに海軍基地の制圧は?」


「勿論完了しています。堂々と歩いて大丈夫ですよ」


「そうか分かった。ご苦労様。君らはこの後は?」


「海軍基地までは一緒ですが、その後は海軍基地で待機ですね。恐らくここからでも応援を呼べるように、という魂胆かと勝手に想像しています」


「そうか、分かった」





『間もなく湿地帯に到着する。残りの全員降りるぞ。準備をしろ』






「すまんな。俺達もこうなるとは思わなかったからな」


「それはこっちのセリフ。俺達もこれだけの大規模になるとはな。恐らくだが俺が知る限りは過去最大規模の隠密部隊だろう。あ、最大ではないか・・・」


「まあそこは良いだろう。さて。本題に入ろうか。先に言っとくと‘覚悟を決めたほうが良い‘」


「・・・何があった?後ろの隊員も何事かと目を丸くしているぞ?」


「まずはこの湿地帯なんだが、辿り着いたときは驚いたな。ここの湿地帯、実はな、腐敗物や汚物、死体遺棄の温床に現在進行形でなっているんだ。何なら君達が今立っている場所も前までは汚物の山だったからな」


「『・・・・おえ~~~・・・』」


「気持ちは分かる。けどな?地下道からそこまで離れていなくて異臭とかの影響を受けにくい場所がここしかなかったんだ。勘弁してくれよな?恨むんならここを廃棄物場所に指定した領主に言ってくれ」


「『・・・(む~~~~!!!!)・・・・』」


「お~~~・・・君達、特に女性陣の背後から見えるぞ・・・怒りの炎が。けど今は発散させるなよ?その発散を領主に会った時まで取っておけ。それに今は任務中だ。そんなの気にしていられんだろ?」


「『・・・(ふう~~~)・・・』」


「落ち着いたな?続けるぞ。今何人か入り口に立ってもらっている。見渡しが良いから直ぐに発見できるだろう。見えるか?」


「『(コクコク)』」


「そこがお前らが目指す入り口だ。だがな・・・当然ながらそこまで行くのも大変だぞ」


「・・・おい、まさか・・・」


「すまんな。そのまさかだ。おめでとう。汚物死体廃棄などの山の中を通ることになる。南無」


「・・・縁起でもないことを言うな。それにおめでとうって・・・」


「しょうがないだろ・・・俺らも通って来たからな。勿論初めは空中散歩の如く地表に氷の道(アイスロード)もしたが、結局入り口に到着する前に結局地上を歩く羽目になるし、飛行魔法も考えたがその場合だと異臭でアウトだしガスマスクも曇って結局は前が見えなくなってしまう。ここで魔力も体力も消耗品も使いたくない、となると結局この上を歩くしかなくなるわけだ。つまり‘諦めろ‘」


「・・・後で恨んでやる・・・」


「その矛先はその領主に言えと言ったはずだぞ」


「仕方ない。なら地下道の構造はどうだ?そこも異臭なら俺帰りたいんだが?」


「・・・」


「・・・おい・・・」


「・・・」


「・・・嫌な予感・・・」


「・・・」


「・・・まさか・・・」


「・・・(コクリ)・・・」


「『・・・はぁぁぁぁ~~~・・・』」


「せめて地下道が機能していればと思っていたが、ダメだったか・・・」


「すまんな。この無言を察して欲しい」


「・・・なら分かる範囲で良い。全部教えろ。

入り口は全部廃棄物の中にあるのか?

地下道も廃棄物だらけなのか?

異臭は何処まで続いている?

酸素ボンベを使用するだろうから、どれくらいの量があれば行ける?

地下道は異臭とか廃棄物の影響で耐久が無い筈だが、そこはどうだ?

歩けれるのか?

明かりはどうだ?

服とかに匂いが残る可能性は?

使用用途はどうだ?」


「地下道の入り口は一部除く。それは案内する。それ以外は全てあの廃棄物だらけの中にある。


地下道内も残念ながらだな。廃棄物だらけだ。何なら水道ならぬ廃棄物道という、俺ですら訳分かんない日本語を使う道があるからな。しかもご丁寧にベルトコンベアなのか分からんが絶賛現在進行形で稼働中だしな。歩く場所の真横にあるとはいえ、いかないことを勧める。


異臭というか、まず廃棄物道だが、これがまず目標の領地の近くまで続いている。何なら下手すれば匂いは領地まで辿り着いている可能性すらある。勿論可能性だから実際はどうか分からんが、用心したほうが良いかもしれん。


このまま使用目的も言うが、さっき言った通りの使用目的だ。領地や郊外で殺された人、人?まあいいや、それと汚物、生ものなどの廃棄物などを廃棄するために使われている地下道になる。俺達で言うところの下水道だろうな。流石に人とかは入れないがな。どこのひぐら〇だよ・・・。そして運ばれた物は今いる場所や投棄所に投棄される。使用用途はこんな感じだな。


酸素ボンベだが、一般的に使われている酸素ボンベだととても足りない。歩いている最中で力尽きる。それくらいなら四次元空間などでどこかしらから安定供給してもらった方が楽だしそのほうが早い。荷重にもならんしな。


地下道の耐久だが、案の定耐久ははっきり言って軟弱まで落ちている。恐らく下手すれば通った後に落盤まであり得る。だがこういうところほど敵は好むからな。どうしようもないのも分かるが我慢してくれ。


明かりだが、ライトや暗視を付けたほうが良い、と言ったら分かるな?


歩けることは歩ける。ただ穴があったり何かがあったのか、道が不安定だ。くぼみが可愛いほどだ。道を踏み外したら更に真っ逆さまだろうな。足元警戒だ。


最後に匂いだが・・・。ご愁傷様・・・。以上だ」


「『・・・』」


「・・・しょうがないとはいえ、俺らのメンタルというか、心を折るような発言をしないでくれ・・・。行きたくなくなる」


「どうしようもないだろうが・・・。あとそれで冷静を欠いたら死ぬぞ?」


「・・・脅かすなよ・・・。お前らは?」


「ここにいても仕方ないから君達について行くぞ。どうせ先に進めだしな」


「なら暫くは頼むぞ」


「こちらこそ」







『CP。こちら輸送1。隠密部隊の輸送完了。これより帰投する』


『CP。了解』







『こちら山岳地帯の隠密部隊。どうだ?各隠密部隊は準備を終えたか?送れ』(山岳1)


『渓谷側は間もなく地下道に入る送れ』(渓谷1)


『市街地は間もなく準備を終えます。暫くしたら侵入開始です。送れ』(市街地1)


『・・・』(湿地帯1)


『?湿地帯は?』(山岳1)


『・・・湿地帯は暫く時間が掛かる。送れ』(湿地帯1)


『?どうした?』(渓谷1)


『・・・アタリを引いてしまった・・・』(湿地帯1)


『?アタリですか?』(市街地1)


『ああ。アタリだ・・・』(湿地帯1)


『何があったのよ?』(市街地2)


『いや・・・それがな・・・』(湿地帯1)


『はっきり言いなさいよ!心配になるのよ!?』(市街地2)


『まあまあ。落ち着いて?ね?それで?どうしたの?』(山岳2)




『・・・いや~~~!!!!』(湿地帯女性陣)




『『!?』』(山岳、市街地、渓谷)


『な、なにがあった!?』(渓谷2)


『大丈夫!?』(山岳3)


『ちょっと!?その声って、私の同僚ですよ!?何があったのですか!?』(渓谷3)


『・・・まさか・・・捕らわれて・・・』(市街地2)


『・・・凌辱・・・なのですか・・・?』(市街地1)


『・・・嘘・・・ですわよね・・・』(市街地3)


『ああ~~・・・とりあえず落ち着けお前ら・・・』(湿地帯1)


『何が落ち着けだ!!??』(山岳1)


『助けないでどうすんだバカやろが~~!!』(渓谷4)


『いや、今さっき叫んだ女性隊員なら俺の目の前にいるぞ』(湿地帯1)


『なら直ぐに助けろや!!』(渓谷4)


『いや・・・そうしたいのはやまやまなのだが・・・な?』(湿地帯1)


『そうだな。やまやまだが』(湿地帯2)


『これはどうしようもないぞ・・・』(湿地帯3)


『何でよ!?理由を言いなさいよ!?』(市街地2)


『はよ言えや!!他の奴らが心配するだけやぞ!?サクッと言い!!』(山岳4)


『何かあったら・・・君達を恨む・・・』(市街地4)


『スゲー。滅多に怒らない寡黙謎女子が喋った。これは嵐だ!!さあ!!話せ!!』(渓谷5)


『何をためらっている!?早く言った方が身のためだぞ!?』(市街地5)


『・・・何か途中から刑事ドラマの取り調べを受けているみたいだが、やましいことは無いぞ』(湿地帯4)


『だって・・・ね?』(湿地帯5)





『簡単な話だ。お前らも無線で聞いただろ?地下道が下水道の可能性があると』(湿地帯1)


『『・・・』』(山岳、市街地、渓谷)


『・・・ま、まさか・・・』(市街地4)


『・・・そのまさかだ・・・。案の定、俺達が担当することになった地下道は、下水道だった訳だ。おまけに只の下水道ならまだ良いが、更にお土産を差し出してきやがった。しかも一方通行のな』(湿地帯2)


『お土産?』(市街地2)


『そ、土産。内容はな、その下水道は汚物のみならず、廃棄物や死体遺棄、遺棄じゃないな。輸送をその地下道が行っていたんだ。現在進行形で。しかもベルトコンベアで運んで。挙句には投棄場所は俺達が降り立った場所という、最悪なポジションというアタリつき』(湿地帯2)


『『うわぁ~~~・・・』』(一同)


『そんな環境だから、衛生状況は最悪で疫病もあり得る環境、地面も投棄場所だから歩くのも困難、異臭もする。ガスマスクが役に立たないから急遽四次元で酸素供給してもらっている。んでさっきの叫び声は、歩いている最中転んでしまって・・・な・・・。転んだのは渓谷3(あんた)の同僚だから、男でも嫌なのに女なら・・・』(湿地帯2)


『『・・・』』(一同)


『それが女性陣の3割がこうなっているから・・・』(湿地帯3)


『・・・それは、どうしようもないわね・・・』(市街地2)


『だから今俺達湿地帯陣が思っていること。それは』(湿地帯4)






『誰でも良いからここを代われ(代わってよ)!!』(湿地帯)






『『・・・いや・・・ご勘弁ください・・・<m(__)m>』』(山岳、市街地、渓谷)


『・・・輸送ヘリに乗る前に、臭いを消してから乗ってくれると・・・助かる・・・(´・ω・`)』(輸送1)


『あ~~・・・頑張れ。以上CPから(;一_一)』(CP)

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