遠距離対決
遠距離対決
「さて。残りはここになったが・・・こんなところに地下道なんてなるのか?」
「ですね・・・。なんか怪しいですね。地形だけで見れば山岳に近いが、そうではなく今回は渓谷に谷だらけですからね。歩けていることですら奇跡に近いですからね」
「にもかかわらず敵というか罠が・・・このように地雷?などがあるんだよな。一応さっきもドローンを飛ばして確認してみたが幾つか監視所はあるから、まあここにも何かしらあるだろうけど・・・けどこの先はどうするんだ?ドローン飛ばしてもどこが歩けるのかが分からんが・・・。なんならここから敵兵士を確認してるし、敵も恐らくスキルの千里眼などを使っている可能性があるから迂闊には動けんしな・・・。ここから狙撃するしかないか?」
「・・・それしかなさそうですね・・・。しかしこれは凄いですね。あそこ、中国にあった渓谷だらけの場所。何でしたっけ?」
「あ~あったけど・・・。俺も名前は分からねえ。だがこれは確かに似てるな。それを狙撃というか遠距離対決の舞台になるのだからな。取り敢えず偵察だ。敵兵士をスキャニングしてアナライズしろ。そこにスキル持ちや種族でフクロウ系、吸血系、鷹系などが居れば重点的に特徴を探ってくれ。こういう地形だからな。敵も同様に遠距離系を重点的に配置している筈だ。その代わり近距離とかは乏しい筈だ。勿論ゼロではないからそこは注意しろ」
「了解しました。取り敢えず偵察します」
「取り敢えず完了しました。周囲5キロ圏内にスナイパーや観測手は251人。スキル持ちはその内24人、種族系は179人、観測手は10人ですね。そしてこれはドローンで確認できたのですが、定期的に竜騎士と召喚士がペアで上空から観察しています。恐らくはあぶり出しですね」
「定期的だという事は、仮にあいつらを撃墜したところで、後方にいるだろう仲間が嗅ぎつけて追加の応援という事か。そしてスナイパーや観測手の数よ。それだけの人数がいるという事は、単純計算で20メートル間隔に一人いるという事になるな。挙句には地形が平坦だったら良いが、そうではないからな。これは骨が折れるぞ~~。まあ幸いな点は前後左右上下に分かれているから、感付かれる可能性はそこまで高くはない事だな。しかしそれでは足りんな・・・。後方に控えている敵兵士がどうか分からないとな・・・」
「隊長。ここは引き寄せ作戦でどうですか?」
「引き寄せ?ああ。敵との交戦中に敵兵士は応援を呼ぶであろうから、そいつらももろとも、という事か?」
「そうです。情報でしたら市街地の方が回収しているので情報は十分です。捕虜もこれだけ地形が複雑でしたら捕虜はいない筈です。輸送の妨げになりますから。もしいたらそこは臨機応変にしたらどうですか?」
「・・・なるほどな。そう言えば市街地のあいつらも空自に応援を呼んでいたな。流石に今回は呼べないがな。だがその方が楽か?・・・楽そうだな。それに敵は無線機などは所有していないしな。連絡手段は未知数だが、何かしらの信号がある筈だが、それを作動される前に始末すれば楽、いやこの際だからわざと応援要請してもらおう。ついでに敵の動きも知りたいしな。よし今回はそれで行こう。そしたら今回は1班が敵に突っ込む先遣隊だ。1班は戦闘服から防御重視の戦闘服に着替えてくれ」
「着替えはこちらにあります。他の方も手伝ってください」
「『おう』」
「他はここから狙撃と観測手と後方確保だ。出来れば上空の敵も撃墜してくれ。頼んだ。俺は1班に混ざりこんでくる。あと、警報装置があれば積極的に作動させてくれ。今回も完全制圧を目標にするんだ」
「『了解』」
「よし。準備で来たな?したらまずは俺達1班は奴らの後方に回り込む。念のためステルス迷彩を使用する。回り込んだら俺が無線でお前らに合図を送信する。その合図でまずは正面にいる敵を狙撃してくれ。狙撃が完了したら次に上空にいる敵を撃墜してくれ。その間に俺達は警報装置を作動させてくる。ついでに向かってくる敵を片っ端から潰してくる。その後何も問題なければ移動しながら俺達の後を各方面に散らばりながら追ってきてくれ。敵から見れば君らが本隊と思うだろう。俺達が次に会うのは奥にある敵拠点を制圧後だ。頼んだぞ」
「『了解』」
「隊長。ご武運を」
「おう」
「・・・全員配置に着いたな?警報装置は?」
「隊長。恐らくこれかと」
「これか・・・。全員準備しろ。これより戦闘に移行するぞ」
「『了解』」
『(バチ!!)』
「『!?狙撃開始!!!』」
✩
「・・・・」
ピーローピーロー!!!!!
「!?敵だ!!確認後狙撃・・・」
バーーーーン!!!
「ど、どこから敵が出てきた!?」
「分からん!狙撃がどうにかしたは・・・」
「!?お前ら!?」
「竜騎士とかはどうした!?」
「??あれでは!?」
「???はあ!!??何故十何人いて何故全員撃墜されるんだよ!?いみ・・・」
「おい!?まだ逝くな!!あれを見る限りあいつらはまだ先遣隊だ!!これから・・・」
「嘘だろ!?本隊も来るのか!?どう見ても凌げれない・・・」
「隊長どうですか?」
「おう。いつも通りに敵を倒しただけだ。剣技で斬ったり魔法で内臓破裂をしてみたりと、色々な」
「そうですか。情報とかは・・・言わなくても?」
「ああ。情報は無しだな。あるのは軍情報内で共有されている情報のみだな」
「そうですか。地下道は?」
「あるにはあるが、やはり通ってきた道が渓谷だからか知らんが、地下道の数は少ないな。この二本の道しかない」
「・・・本当ですね。ですが一応は報告しておきますか。CP。渓谷側の制圧完了。残念ながら何もなしだ。地下道は2本しかないことも分かりました。ここの人員は最低限で大丈夫です。送れ」
『CP了解。なら更に奥に進んで敵本拠地の領地に向かえ。以上』




