自衛隊 休暇の日々! 6日目 2
軽くバトルが入ります
自衛隊 休暇の日々! 6日目 2
ラローツを出発して数時間が経とうとしていた。
何も無いのが一番だが何か無いとそれはそれで面白味がないという矛盾が生じた。 あぁ、暇だな〜
「暇だな〜」
独り言を言ってみる。するとやはりゴンザルベスとサラリナが溜息混じりで
「そう言うな。何も無いのが一番だろ?というか何かあったとしてもお前一人でどうにかなるだろ?何しろドラゴンやゴーストにゴーレムなども討伐してるしな」
「そうだよ〜。確かに暇になってるけどそれはそれで良いじゃん。私は好きだよ?こう言ったのんびりとした旅も。こう 護衛の任務中だけど何もとらわれていないのがさ」
と反論してきた
「俺も前まではのんびりとした旅も好きだったが今はな〜・・・のんびりとしてるとマンネリ化するし更に言えば現在進行形で護衛の任務中だから身体を動かすことが出来ないから一言で言えばつまらん」
そう。初めは休暇入ってのんびり!。だけど今は退屈!という心の移り変わりが生じていた。くそ〜
「確かに退屈でしょうがそれはそれで冒険者の醍醐味と言えるでしょう。私達はこれから価格と品質交渉で書類の山との睨めっこ状態が続いているので逆にこちらは大忙しですね。護衛を雇ってる側からしたら少々不謹慎と言えますが確かにこちらの気を遣いながら周囲にも目を向けるというのは辛いもの。更に何もなければ緊張が続かない。なので気が緩んでしまいマンネリ化する、という事になるでしょう。なので多少の同情はしますよ。ただ こちらの要望は気を緩まないで下さい。お願いします」
「はいはい分かったよ・・・」
なんか俺が言うのもなんだが傲慢になってきてるな。まあいいや。(わなけあるか!!)おお なんか誰もいないのに怒られた
「そういえば、自衛隊の方ってどうなんですの?今 私の友人が軍にいて休みの時に体験入隊したと言ってたのですの。友人は疲れた顔で『四六時中身体と頭を使ってるから心身共に疲弊した』と嘆いていたのですわ。続けて『これはうちの国、というかこの世界の国全部敵に回しても容易に勝てるのがこれで想像ついた』と納得した様子で教えてくれましたの。それでどうなのでしょう?と思いましたの」
この数時間ずっと俺の背中で寝ていたローズマリーがやっと起きた。しかし会話から察するに今起きた訳じゃなさそうだな。というか他の人全員が興味深々な顔をしている
「おお ローズ。やっと起きたか。随分とのんびり屋だな。とそれよりこっちの話だな。まあその友人の言う通り、朝から晩まで訓練や、学生なら教育も朝から夕方までやるな。例えば今背中にローズが載っているが、ローズを5人くらい載せた荷物のある状態の重量を5時間待ち続けたり、そこからそれを背中に担いだ状態で筋トレや撤退、攻撃もするから確かにその友人が言う通り疲弊する。あとさっきローズを5人とは言ったが、これまだ結構軽い方だから本物はまだ重量あるぞ。因みにこれを毎日やるから、毎日やれば自ずと体力もつく」
すると周囲全員が驚愕と呆れの表情を浮かべている
「ま、毎日ですの・・・?しかも私を5人載せた重量の荷物を毎回?しかもそれで結構軽い・・・?す、凄いですわね・・・。あのマサルさん、私一回降ります。それで今から重力魔法を使いますのでそれでどこまで耐えられるか試して欲しいですの。勿論宜しければですが」
「おお、重力魔法か。確かに試したことは無かったな。勿論やるよ。俺も興味あるし」
「ありがとうございます。不味くなったら言ってくださいね。では先ずこの重さから・・」
すると俺の身体全体に重力がかかる。う〜ん、これだと確かにかかるのは分かるけど全然だな
「うん。多分だけどあと10倍は平気。というかこれだと全然訓練にすらならない」
「あと10倍!?それ本気で言ってるのですの?」
「勿論」
「はぁ〜 分かりましたわ。では10倍ですね」
すると10倍であろう重量がまた全身にかかる。おお〜 これが10倍か。うん。まだ序の口
「正直まだこれだと訓練にすらならないからあと50倍は増やして欲しい」
50倍という単語でローズは顔面を青くする
「何を言ってるのですの!?50倍って・・・」
「うん。やってくれ」
「はぁ〜〜 分かりましたわ」
??これ50倍??さっきの10倍に50倍をプラスしたけどこれだとな・・・あと100倍にして欲しいけどローズの顔が段々と不味くなってきてるからここまでだな
「うん。ローズそこまでで良い。本当はまだ行ける。正直多分あと100倍は行けると思うけどそれだとローズの魔力が無くなると思う。何しろ顔色がな・・・」
「あ、あと100倍って・・・どれだけ化け物じみていますの?自衛隊というのは・・・あとマサルさん、確かに少し限界を感じてましたの。なのでありがたいですわ」
ローズが疲れた顔で俺に寄ってきた。すると
「ごめんなさい。疲れてしまいましたの。なので・・」
「ああ 悪かったな。いいよ」
さっきと同様に背中にローズが乗る。さっきは寝息をたてて寝ていたが今は取り敢えずだらける様に背中に体重をかける。するとメンバーが心配な様子でローズをみていた
「ローズマリー、大丈夫か?」
「結構疲れた様子でしたが・・・」
「多分 ローズは予想外じゃろう。ここまで重力魔法を耐える人が現れるとはとな。ローズマリーよ、お主平気か?出来ればどれくらいの重力魔法を使ったのか教えて欲しいのじゃが」
「ええ 大丈夫ですわ。ただ久し振りに魔力が枯渇しそうになりましたわ。多分暫くは動けませんのでそこは・・
あと重力魔法の方ですが初めは私も分からなかったので、取り敢えず神浪と同じ重さにしたのですが、それをもろともせずにあと10倍にしろと言われた時は正直バカらしいと思いましたが私も耐久に興味深々でしたので10倍にしましたわ。具体的にはオークジェネラルが2匹いる状態が重力にかかりましたの。それでも平気な顔をして今度は50倍の重力を要求してきましたわ。
この時点で私の魔力は限界に近かったのですの。ですが私の欲求が勝ちまして最後に50倍にしましたの。50倍は大体変異種のキングクラブに匹敵しますの。それでも尚 息一つ乱さないところから見ると本当に化け物としか思えませんわ・・・確かに友人の言う通りこれだけ強靭な肉体があれば勝つのも頷けるということですわ」
50倍がキングクラブと同様の重量を軽々と持てるというところで一同は固まった。そして察した「こんなやつがザラにいるとは・・・」と・・・
そんな軽く出来事があった以外は何もなくここまま護衛任務が終わる・・・ことはなかった。
「・・・・・」
「おい、どうした?」
「どうかしました?」
急に雰囲気を変えた俺に一同は動揺したがそこは流石冒険者の集まり。直ぐに察したみたいだ
「敵か?」
「そうだ・・・」
「全員周囲を警戒!」
「『了解!!』」
護衛リーダーのフラン令嬢が指示を出し、敵の出方を伺う。取り敢えずは
「ローズ、起きろ。恐らく敵だ」
身体を揺さぶり、ローズを起こす。すると寝起きだが直ぐに察した
「敵ですわね・・・?」
「ああ、戦えるか?」
「勿論ですわ!降りますわよ」
直ぐに背中を降りて警戒態勢に移る。すると護衛の一人が
「索敵魔法を放ちます!それで敵の特徴などを探ります」
「頼みます!」
「・・・出ました!!敵の数およそ50!」
「50だと!?敵の特徴をもっと探れますか?」
「申し訳ありません。ここまでです」
「そうですか・・・」
「クソ!もっと探れるやつ・・・」
「俺がやる」
俺は早速 索敵魔法を放ち、敵の特徴などを探る
「出た・・・人=30、狼=5、使い魔=20だ。内訳は人だがネクロマンサーとウィザードがいる、あとは賞金首がいるな。狼は餓狼だな。餓狼は常に腹が減っていて餌をやらないと飼い主ですら喰うというやつだ。今俺たちがいるのがバレているから多分だが飼い主はわざと餌をやっていないとなると俺たちが餌になるかもな。使い魔は5がコウモリとかだから多分こちらの事情はバレている。10はオークとゴブリンとスライムの魔物だから分かるな?5はネズミとかだから触れると感染する恐れがある。10は空飛んでるみたいだから鳥系だろう。鷲や鷹もいるみたいだな。この集団は盗賊だろう」
「全員敵か?味方が混じってることは・・・」
「残念だが全員敵だ。声も聞こえるが俺たちを殺す気だ」
「マジか・・・」
「ネクロマンサーにウィザードだって・・・」
「元魔物の私は魔物はどうにかなるかも知れんがその他は・・・」
「ネズミ!?嫌だ〜・・・」
「賞金首がいるのか・・・確かに盗賊だが大規模だな」
「餓狼までいるの・・・?どうしよう?」
「ゴブリンにオークにスライムか・・・すまんがゴブリンとスライムの内訳をもう少し教えてもらえるか?」
「おう。ゴブリンは追い剥ぎの分類だな。メスもいるから女は平気だろう。恐らく今回のゴブリンは金目だろう。スライムは触れるとデバフがいるな。どういったデバフかは分からんがそれがある。1匹服溶かしがいるから要注意だな。そのスライムの色は白のスライムだ」
「悪い ありがとう。どうするか・・・」
護衛隊は悩んでいるみたいだな。するとフラン令嬢が提案した案を満場一致で決まったみたいでこちらにきた。
う〜ん 提案はまさか・・・
「マサル様。護衛隊の皆さんで決めました。ここはやはり貴方に一任するという案にしました」
「やはりな。けどそれだとお前らの経験値と報酬はどうするんだ?言っちゃ悪いが俺はトラブル防止で出来ればお前らと一緒に敵を殲滅したいのだが」
「確かにそういった懸念もありますが今回は敵の盗賊が大規模です。それも賞金首にネクロマンサーにウィザードがいるのですから安全の為ということになりました」
「そうか。分かった」
「お願いします」
「ならすまんがあと3mは下がってくれ。大規模魔法と攻撃をするから」
そう言うと隊は下がった。俺は火属性の爆発魔法の使用準備に入る。すると周囲は灼熱の暑さに見舞われた
「すごいな。けど・・・」
「ええ、暑い・・・」
「ヤベっ、服脱ぎたい・・・」
「確かに服を脱ぎたくなるわね・・・」
そこから更に今度は雷魔法が加わり、バチバチという音を加わる
「凄い・・・重複魔法だ」
「嘘でしょ・・・私は初級しか、しかも1種類出来ないのに・・・」
「ま、まだまだ・・・よ・・・」
「なに動揺してるのよ。当然でしょ?あの人自衛隊だから。あんたじゃ一生超えられないわよ」
さて放つか。覚悟しやがれ冥界で悔やみな。あっ次いでに闇魔法で悪夢を一生見させるか。闇魔法を加えた結果火の色が暗い紫になった
「まさか闇魔法!?」
「3つの魔法を同時に!?」
「凄すぎる・・・」
てことで俺はピンポイントで上空に魔法を放つ。そしてピンポイントで敵がいる場所に火と雷が落ち、時間差で闇と雷が落ちる。その方が森に与える影響も少ないしな。さて確認と
「悪いさっき索敵魔法を放ったやつ。どうだ?消えたか?」
「待ってください・・・き、消えてます!盗賊は壊滅しました!」
すると喜びが浮かんだ
「流石!」
「やはり一任で正解だったな!」
「良かったよ〜」
良し。盗賊討伐完了と
「ありがとうございますマサル様。一任する形で申し訳ございませんが」
「いいさ。次やることは盗賊の確認だな」
「ですね。行きましょうか」
てことで残存確認と盗賊の現物確認をする。実はわざとネクロマンサーとウィザードは外している。敵対行動があるかどうかを確かめたいと思ったからだ。
暫く森の中を仲間と共に歩くと全身火傷とアザのある女性(勿論服もボロボロの)2人が立っていた。当然ながらこちらに敵意を向けた状態で。
「・・・降伏するか?」
「「お前殺す!」」
こっちに魔法と攻撃を仕掛けてきたので即座に首を跳ね飛ばす
あ〜あ、あの服装とスタイルから見るにどこか貴族っぽかったけどあいつらはどこで履き違えたのか。
盗賊は丸焦げで身元不明だったがネクロマンサーとウィザードと賞金首の正体が分かった
「こいつ・・・アローじゃね?」
「マジで!?1級殺人と2級強盗容疑に掛けられてるやつじゃん!」
「確かアローって・・・」
「ええ、職業が格闘家として有名で闇試合では相手を全身不随や殺しまでした人だったわね」
「危なかったわね。アローって確か獣人が5人がかりで攻撃しても倒れないタフとしても有名だからね」
「ネクロマンサーとウィザードの正体も分かったぞ。ザールズ姉妹だ」
「『ザールズ姉妹!?』」
「貴族じゃん!しかも準男爵の!」
「うわ〜貴族も絡んでるとなると」
「ただじゃ済まないわね」
「こりゃこの国軽く荒れるかもな」
「ザールズ姉妹って領地はあったっけ?」
「いや確か無かったけど血縁関係に侯爵がいるから、それも調べられらかもね」
「とにかく号外だ!冒険者やってて副業でフリージャーナリストをやってて良かったぜ!売れるぞ〜」
とまあこんな感じで色々判明して面白半分に安堵半分となった。最後に宝探しならぬ賞金探しだが
「今回の盗賊討伐はマサル様の手柄ですので全てそちらのものです」
「う〜ん、けどな〜」
「貰ってください。私達は何もしていませんので逆に貰うと何もしてないのに貰ったという罪悪感に見舞われますのでお願いします」
フラン令嬢の言葉に他の冒険者も同意の意思を示す
が、俺は戦いの前に言った言葉を有言実行する
「あれ?判断は俺が決めていいんだな?」
「はい」
「ならこう言おう『持ち物が分かるもの以外は全て山分けにする』」
するとその場に居る全員が驚愕を露わにする
「えっ?けど・・・」
「良い。あげる。俺はさっき言った筈だ。トラブルは避けたいと」
「・・・分かりました。ではお言葉に甘えましょう」
「『ありがとう!』」
「いやっふ〜 このデカイ盾欲しかったんだ〜」
「この服良いわね〜貰っちゃお♪」
「丁度刃こぼれしててどうしようか迷ってたからラッキー」
「お?このアクセサリーもらい!」
「わお!この素材使えるね!」
「ありがたやありがたや」
お前ら思い思いに物色してるな〜
「けど本当に良いのか?」
ゴンザルベスが来た。勿論その後ろにパーティが勢ぞろいしていた
「いいさ。何度も言ってるだろ?それに結婚したらお前ら全員身内だしな」
「おっおう。照れ臭いがありがとな」
「マサルさんどうです?」
「お〜ローズ。剣と弓とマント追加したのか?」
「はい!剣は杖が壊れた時に使おうかと。弓は私第2科目が遠距離専門だったので次いでにと思いましたの。マントはお洒落としてですの」
「似合ってる。正直目の保養になる」
「ふふっ、ありがとうですの」
「マサルは何を貰った?」
「盾が壊れかけたから盾貰ったあとはアクセサリーを多少」
「盾か?」
「ああ ほれ」
「・・・結構でかくないか?俺より2回り大きいぞ?」
「こんなもんだろう。振り回せるしな」
ブンブン ガシ キーン
「確かにお前ならいけるな・・・」
そんなこんながあり 物色は終了し、俺はアイテムボックスを使い、死体を収納した(勿論時間停止を使って)
盗賊の絡みがあった影響で道中はサクサク進み夜通しで進んだ結果、なんと翌日の昼到着予定だったのが朝に到着した。ハルニーの門番も早かったなと少し驚いていた。目的地に到着した時サフランさんの計らいで
「盗賊騒ぎがあった結果夜通しになったけどそれでも早く到着できましたので追加報酬を出しますので受け取ってください。ありがとうがざいました」
「いえいえ、こちらもありがとうございます。ではまたのご利用をお待ちしてます。というのは建前で本当は彼に感謝した下さい。実際に討伐したのは彼ですから」
「それもそうですね。では彼に更に追加報酬を出します」
「どうもすいません。ではこれにて」
ということでそのままの足で全員冒険者ギルドに向かった
「おはようございます。ようこそハルニー冒険者ギルドへ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
護衛隊リーダーのフラン令嬢が報告する
「護衛任務完了報告に参りました」
「分かりました。お疲れ様です。それでは書類とギルド証をご提示ください・・・追加報酬?ああ成る程昼到着予定が朝到着したということですね。早かったですね。ああそれで追加報酬という事ですね。承知しました」
「あとギルド長と衛兵と領主と役所に連絡出来ますか?」
「?出来ますが何故ですか?」
「実は盗賊を討伐したのですが・・・訳ありで。出来ればトップの方がいらっしゃるまで内密にお願い出来ればと思いまして」
「・・・分かりました。お時間をください」
「お願いします」
「取り敢えずギルドカードのお返しと依頼完了の報酬をお受け取りください」
受付嬢が一旦カウンターから下がり、別の受付嬢が報酬の受け渡しが行われていた
「凄〜 金貨20枚だ!」
「やった!」
「ふう助かったぜ」
「よっしゃランク上がったぜ」
「俺も上がった!次だ!」
皆報酬を受け取って思い上がる。騒ぐなよ?と一人が近づく
「お前達はまだこれからもあるんだよな?」
「まあな。そっちは終わりだけどな」
「今回はマジで助かった。お前がいなかったらこうはいかなかった筈だ。感謝してる」
「いや、いい。これでおさらばだけど羽目を外しすぎるなよ?」
「ああったく冷たいな」
「悪いな」
「いや、いいんだ。じゃあな」
護衛隊は任務を終えて解散したが俺たちはまだ終わらない。暫く併設している酒場で軽く飲食してるとさっきの受付嬢が来た
「皆さんお待たせしました。準備が整いましたのでご案内します」
受付嬢の案内でカウンターを超えて3階に上がる
「・・・こちらの部屋になります」
コンコン
「入れ」
「失礼します。お客様をお連れしました。パーティメンバー名 7つの星河の方達です」
中は長椅子と大きい机と小さい使えと執務スペースという質素な部屋だ。今は4人(男2人と女1人と子供1人?)が立っていた
「ありがとう。お前も同席しろ」
「はい。では何かありましたら後ろにいますのでお声をお掛けください」
そう受付嬢が言うと後ろに下がる
「どうぞ、座ってくれ」
その合図で座る(座るのは俺ことマサル、フラン令嬢、ローズマリー、パーティリーダーのゴンザルベスだ)
「さて本題に入る前に軽く自己紹介だ。
俺はハルニー冒険者ギルドギルドマスターのアームという。種族は人族だ。よろしく」
アームというギルドマスターか。身長は170くらいか
茶髪につり目に肌黒だから厳つい人だろうか。あと結構筋肉マッチョだな
「私はハルニーの衛兵長及び領主の護衛長をしているカゾバルという。種族はエルフ。よろしくな」
カゾバルか。身長は190はあるな。お約束の金髪に耳長。ただ表情穏やかだからポーカーフェイスかもな
「私はハルニー街役所取締り部部長のアルカといいます
種族はドワーフ。よろしくお願いします」
アルカ。ドワーフだから低いな150くらいか。赤髪で綺麗な方だ。ただ女上司だからしれんが少し近寄り難い雰囲気はあるかもな
「じゃあ最後に私だね。この街ハルニーの領主 ラーヨ・フォン・ナーロナス子爵。種族は純血の妖精よろしくね」
ラーヨ。成る程身長が90しかないのは妖精だからこそか。そういえば森が直ぐに近くにあるな。だからか。けど子供っぽいところは外れないのか。まだ女性ではなく女の子という感じがある
「よろしく。では次にこちらだな。俺はこの7つの星河のパーティリーダーのゴンザルベスという。ここにはお偉いさん方だから時間が本来はない筈なので代わりとしてパーティの挨拶は代表として俺が済ませる。
7つということは本来は7人ということだが、9つ つまり9人いるのは横にいるフランとマサルが正式ではなく臨時だからだ。そこはよろしく」
「ええ、その方が妥当でしょう。ありがとうございますゴンザルベス。次に私ですね。辺境伯令嬢のフランといいます。今回はご縁がありこちらへ参った次第です。何故冒険者してるかというのは改めて時間がある時にでも。ですが本来の私はラローツで受付嬢していますのでそこはあしからず。よろしくお願いします」
「最後に俺だな。先に謝っておく。今回は時間が無いのであんたらが動かないのであればこちら『組織』が動く。その方針で行く。では自己紹介だな。俺はヤシロ・マサルだ」
挨拶を終える。今回は本当に直ぐに洗い出さないと隠蔽される恐れがあるため直ぐに動く必要がある。なので高圧な態度でいく。けど先ずは建前でもいいから「挨拶に伺った」というのが必要になる。そして今こうして挨拶に来てるので建前はこれで大丈夫。あとはこいつらが動くかどうかだ。勿論会話の録音もこっそりして頂く。万が一ということで保険だ
(ギルド長)「挨拶をしたのはいいが何故そのような態度なんだ?」
(役所)「目上の方への態度とは些か失礼極まりないと思いますが?」
「分かってるがすまんが時間がないからこの態度で行く」
(領主)「それに『組織』とは?」
「それも含めて後で理由を説明する」
(ギルド長)「まあいい。要件を言え」
納得はしてないが聴いてやるということだろう
「受付嬢から盗賊を討伐したのは聴いてるな?」
「ああ」
「もちろん」
「私の所にも」
「私も」
「実はその盗賊が問題なんだ。初め集団の中に賞金首がいたから盗賊だろうというのは分かった。んで本題だが盗賊の中にいたのは1級殺人と2級強盗で容疑を掛けられてるアローがいた」
その名を聞いて役所以外の人は驚き、役所も2つの それも1つは重罪に値する人物がいた事に驚く
(ギルド長)「アローを討伐するやつが現れるとは・・・捕まえることが困難だから見つけ次第、宮廷に依頼して腕の立つ者を呼び捕らえるつもりだったが手間が省けた。感謝しよう。まあ捕らえたところで死罪は決定してるからどっちにしても同じだが」
「いや 残念だが今度は別の意味で手間がかかりそうだ」
(衛兵長)「どう言う事だ?」
「賞金首の話したな?問題は次でネクロマンサーとウィザードがいた。こちらも盗賊だったので討伐した。普通から見ればそれで終了かと思いきやある事実が判明した。ネクロマンサーとウィザードは姉妹、しかも名はザールズ姉妹という事実を」
そこで四者は驚愕を露わにする
(ギルド長)「それ本当か?」
「ああ、本当だ」
(領主)「まさかザールズ姉妹準男爵が盗賊に加わる いや 盗賊に加担するとは・・・これは直ぐに王に伝えなければ」
「いや それだと遅いし何より謁見した事により外部に漏れて証拠を隠蔽される恐れがある。それに聞いた話だが血縁関係に侯爵がいる。となると」
(領主)「迂闊に動けないか」
「そう言う事だ」
(領主)「悪いけど証明って出来るかな?ザールズ姉妹という事の証明を」
「見せてもいいけどここでか?死体だぞ?」
(ギルド長)「いや ここでは不味いから死体安置所というか確認所へ行こう。この建物の奥の部屋にある。ギルドと衛兵所は必ずあるからそこなら問題ない」
(役所)「なら直ぐに行きましょう」
てことで奥にある死体確認所に行き死体を出す
(領主)「確かにザールズ姉妹準男爵だね」
(役所)「これは一大事ですね」
(衛兵長)「盗賊加担に逃走幇助、これはこの国軽く荒れますね」
(ギルド長)「ああ、しかももし侯爵が絡んでいたら」
(役所)「領主!直ぐに動きましょう!このままではこの国のイメージが落ちます!」
(領主)「ああ!勿論だよ!ギルド長、衛兵長、私達も動こう!」
(ギルド長)「勿論!今すぐにでも」
(衛兵長)「しかしどうやって侯爵と準男爵に迫ります? おそらく周囲は皆グルの可能性が高いです」
(領主)「令状は?」
(役所)「あれは上と国に言わないと。それに時間もかかるのでお勧めはしません」
(領主)「潜入は?」
(衛兵長)「実力がありません」
(ギルド長)「隠密や裏稼業主体の冒険者なら行けるかもしれませんが冒険者も気まぐれで金と降格覚悟があるやつは途中キャンセルもあり。それにクエストボードに貼っただけでバレる恐れがある。となるとこっちも考えづらいということです」
(領主)「では何も出来ないというのか?それだと陰謀とかで捕まるのは我々だよ?」
(衛兵長)「あるとしたら独自路線で行くというぐらいしかないでしょう」
(領主)「けどそれだと捕まったりバレたりすると」
(ギルド長)「諦めて知らん顔をするしかないということです」
(領主)「じゃあどうする?」
(ギルド長)(衛兵長)(役所)「・・・・・」
あらら行き詰まったか。しょうがないやるか
「なら俺たちがやるか?」
(ギルド長)「気持ちはありがたいがそんな任務をつけたくないな。貴族が絡んでる以上」
「いや、こっちのパーティじゃなく、こっちの組織で内部に入り込むということだ」
(領主)「どう言う事?」
(役所)「そんな組織ありますか?」
「あるな。うちなら」
(領主)「やってくれるならありがたいけどどんな組織なのか知らないとね」
「いやいや。君達全員知ってる組織だ。勿論俺もその組織に所属してる」
(衛兵長)「どんな組織だ?」
「治安維持や犯罪防止なら何でもするさ」
(ギルド長)「その組織を教えてくれ。その組織に依頼したい」
「良いだろう。では改めて俺の自己紹介をしよう」
いつもの(本業)身分証を見せる。四者は驚き半分納得半分だった
(領主)「なるほどね。確かにそこなら何でもありだね」
(ギルド長)「お願いできるか?」
「任せろ」
(ギルド長、領主、役所、衛兵長)「お願いします」
話はトントン拍子に進み、その途中にも基地に連絡して出場命令を待つ。基地では情報整理で忙しいだろう。そしてやはり上司からこう言われた「帰ってきたら話がある」とやはりこうなるか。まあいつまでもくよくよしてもしょうがないので先を進める。話を終える頃には2時間経っていた
(ギルド長、衛兵長、役所、領主)「じゃあ頼みます」
「おう。朗報を期待しろ」
てことでギルドを後にする。勿論出たあとすぐにローズが背中に乗る。あとフランは仕事があるからと言ってギルドで別れた
「これからどうする?」
「俺はヤポーマヌに行って妻を迎えに行って基地に帰る予定だけどお前らはどうする?」
「なら俺たちもマサルの基地まで付いていく」
「別に構わんが基地に入れるのは住宅地までだぞ。そこからは完全に俺たちみたいに自衛官しか入らないからな」
「え?私有地というか敷地内には入れるのか?」
「入れる。家族関係者としてな。今は入れないが妻がokしたらローズは妻になるから、そしたら入れる」
「なるほどね」
暫く歩きヤポーマヌに着く。そしてギルドに入った瞬間レイチェルはこっちを見た。初めは周辺が修羅場になると思っていた。けど全然そんな感じはなく寧ろ心を通わせたみたいで急な爆弾発言の
「私、マサルさんに惚れました!好きになりました!第2夫人で良いので許してください!」
という爆弾発言を俺の背中で言いレイチェルは
「ええ、寧ろ増えてありがたく思いますよ。あなた今後とも私共々よろしくね?」
「あっああ」
とまあこうするしかなかった。勿論ギルドに婚姻届を提出して
その日の夜はレイチェルとローズの兄弟姉妹の紹介とローズとレイチェルとのベッドを過ごしていた
「いや〜 まさかあなたが女を連れてくるとは思いませんでした。てっきり浮気かと思いましたがなるほど」
「そう言う事だ。勘違いして悪かったな」
「いえいえ。妻が増えたのですから寧ろ嬉しいですよ。それより今日は私との甘い夜とローズの初めての夜を一緒に楽しみましょう」
「ええ、マサルさん私初めてですが優しくお願いしますわ」
「分かったよ。さ おいで」
「あなた・・・」「マサルさん・・・」
3人との夜は温かくそれでいて甘かった
貴族の闇を見た気がする・・・




