聴取(悪魔編)
聴取(悪魔編)
「さて。次に悪魔に移ろうか。軽く偏見だが、悪魔族は何か企んでいると考えているが、そのあたりはどうなんだ?」
「・・・偏見過ぎますよ?我々は真っ当にしていますよ。と言っても本当の悪党もいるのも事実ですね」
「・・・それを言うという事は・・・」
「・・・そういう事です。と言っても精霊ほど酷くはありません。ただ単に部下が手を下していて、首謀者は直接手を下さないで手を加えている。その違いなだけです」
「そうか。それでめぼしい首謀者は分かっているのか?」
「はい。一応調べ尽くした結果、この悪魔が一番疑わしいことが分かりました。最もかなり前から分かっていたことですが」
「それが何故今の今まで?」
「その悪魔なのですが、悪魔界の中でも結構有名でして元悪魔軍の司令官だったのです。階級は准将。今は今までの功績を称え、名誉指導官として新人育成に関わっているのですが、結構前から我々に非公式で自分専用の傭兵団を編成したのです。その数約20万程の超大規模傭兵団を作り上げたのです。傭兵の経歴も凄いもので、元軍人や元高ランクの冒険者ばかりが集まる集団を集めたのですが、この中には前科者や指名手配犯も所属しているのです。それをいいことにその悪魔は『俺達がルールだ!』と言わんばかりに略奪や一般人、果てには軍人に手を掛けあまつさえ高官の家族を人質にし、身代金を要求したりして言えるのです。当然ながら悪魔軍はこれを黙っている訳もなく、傭兵団を壊滅すべく動いたのですが、傭兵団のあまりにも高度な戦術が我々の行く手を阻み、我々に多大な損害を与えたのです。もう軽く内戦ですね。それが今も続いている状況です。勿論隠密も派遣して色々裏を取ったりしていて、もう既に確保すれば一発で壊滅に至る状況まで来ているのに、傭兵団でまともに動けないのが現状ですね」
「つまり、悪魔側の今回の首謀者は、傭兵団のボスでしかも元将官であると?しかも道中傭兵と交戦したら敵のレベルが高すぎて中々前に進めないと?」
「そういう事です。そして我々も尽力を尽くしていますが、内戦状態で市民に避難をしてもらってますが、それも人手が足りないのも現状です」
「・・・まさかここで内戦という言葉を聞くとは思わなかったな・・・。まさか今も?」
「お恥ずかしながら、今もそうなのです」
「・・・」




