出撃準備
出撃準備
「三佐。結局精霊側からの救援はどうするのですか?」
「結果から言えば、その救援要請を受ける気だ。但し人質解放後の保護に関しては一旦保留にした。精霊のお偉いさん方は保護してほしいそうだが、内面は保守的だと俺は思う。何しろ俺達に聞こえる様に会話をしていたからな。内容は人質や領民を開放及び保護することで自分たちの面子がこれ以上悪くなるのを防ぐ。それで最悪面子が保たれる、と」
「成程。今まで疎かにしていたツケが今になって回ってきてどうにもならないことになったから俺達に頼む。と」
「そういう事だ。まあ相手もかなりの姑息というか、悪知恵が働くバカみたいだからな。あと一歩及ばなかったのだろうな」
「それにしても精霊も結局は人族とそう大して変わらないのですね」
「まあそう言うな。結局悪党はどの種族も変わらないだけさ。それが自分達で解決できるのか、それとも俺達みたいに周りから助けを呼ぶか、そしてさっき分かりやすいように、さっきの統計も人族基準で話していただろうから、それが精霊基準になったらその2倍~3倍の年齢層になる。その違いだけだろう」
「てことは犯人の年齢は・・・」
「人族では50代、本当の年齢は150代前後だろうな。どうやら軽く中年性老害の分類に入ってしまったようだ」
「・・・笑えない冗談ですね・・・。それはさておき、今回の編成はどうしますか?まだ1種族目ですよ?まだ残り3種族もいるので、あまり人員は割けれないと思いますが・・・」
「今回は簡単だろう。裏は事前に殆ど精霊が収集していたんだ。それを俺達が付け足すだけだからな。今回はあの某特殊部隊で有名なあいつらを使うだろう」
「あいつら?」
「俺の予想ならあいつら”GIGNを」
「・・・人質解放でしたら分かるのですが、テロとは無縁では?」
「端から見ればそう思うのも無理はないが、俺はこの独裁政権の如く行うあの大精霊をテロの首謀者と思うけど?しかもその気になればクーデターも出来るというおまけ付きで」
「それはそうかもしれませんが・・・」
「まだ足りないか?それにこれだけのみならず、脱領者を片っ端から殺害していてあまつさえ盗賊とかも雇っている。もうこれはテロ集団ではなく一種の反政府組織と俺は思うが、どうだ?」
「・・・確かにそうですね。そう思っても不思議ではないですね。しかしGIGNだけでは人手不足では?」
「いや。敵を一網打尽に人質解放だろう?俺なら足りると思うが?何しろ保護までは含まれていないからな。その先はあいつらの仕事だ」
「・・・確かにここまで放置したのは彼らですからね」
「そういうこった」




